(仮称)大高山風力発電事業に係る 計画段階環境配慮書

(仮称)大高山風力発電事業に係る
計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見の提出について
平成 28 年 11 月 18 日(金)
環境省総合環境政策局
環境影響審査室
代表
03-3581-3351
直通
03-5521-8237
室長
大井通博 (内 6231)
室長補佐 伊藤史雄 (内 6233)
審査官
鈴木崇之 (内 6248)
担当
知名光太郎(内 6209)
環境省は、18日、青森県で計画されている「(仮称)大高山風力発電事業に係る計画段
階環境配慮書」
(株式会社石油輸送リース森山)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に
提出した。
本事業は、青森県西津軽郡鰺ヶ沢町において、最大で74,800kW の風力発電所を設置す
るものである。
環境大臣意見では、風力発電設備の配置等を検討するに当たって、騒音等や風車の影
による生活環境への影響を回避又は極力低減すること、鳥類に関する調査、予測及び評
価を行い、風力発電設備等の配置等に反映すること等を求めている。
1.背景
環境影響評価法及び電気事業法は、出力 10,000kW 以上の風力発電所の設置又は変更の
工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書 ※について、経
済産業大臣からの照会に対して意見を述べることができるとされている。
今後、経済産業大臣から事業者である株式会社石油輸送リース森山に対して、環境大臣
意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定し、
事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うこととなる。
※計画段階環境配慮書:配置・構造又は位置・規模に係る事業の計画段階において、重大な環境影
響の回避・低減についての評価を記載した文書。
2.事業の概要
・事 業 者
・計画位置
・出
力
株式会社石油輸送リース森山
青森県西津軽郡鰺ヶ沢町(事業実施想定区域面積
最大 74,800kW(3,400kW × 22 基)
約 630ha)
3.環境大臣意見の概要
[1]総論
(1)対象事業実施区域の設定
風力発電設備等の配置等の検討に当たっては、計画段階配慮事項に係る環境影響の重
大性の程度を整理し、反映させること。
(2)累積的な影響
事業実施想定区域の周辺においては、他事業者による風力発電所が設置済及び設置予
定であり、累積的な影響が懸念されるため、今後、他事業者との情報交換等に努め、風
力発電設備等の配置等を検討すること。
(3)事業計画の見直し
[1]の(2)及び[2](1)から(3)により、騒音等及び風車の影に係る環境影
響並びに鳥類に対する影響を回避又は十分に低減できない場合は、風力発電設備等の配
置等の再検討、対象事業実施区域の見直し等を行うこと。
(4)環境保全措置の検討
環境保全措置の検討に当たっては、環境影響の回避・低減を優先的に検討し、代償措
置を優先的に検討することがないようにすること。
[2]各論
(1)騒音等に係る環境影響
事業実施想定区域の近隣には複数の住居等が存在しており、工事中及び供用時におけ
る騒音等による生活環境への重大な影響が懸念されることから、風力発電設備等を住居
等から離隔すること等により騒音等による生活環境への影響を回避又は極力低減する
こと。
(2)風車の影に係る環境影響
事業実施想定区域の近隣には複数の住居等が存在しており、供用時における風車の影
による生活環境への重大な影響が懸念されることから、風力発電設備を住居等から離隔
すること等により風車の影による生活環境への影響を回避又は極力低減すること。
(3)鳥類に対する影響
事業実施想定区域の周辺では、イヌワシ、クマタカ等の希少猛禽類の生息が確認され
ているほか、渡り鳥の渡り経路となっている可能性が高いことから、本事業の実施によ
り、風力発電設備への衝突事故や移動経路の阻害等による鳥類の生息及び渡りへの重大
な影響が懸念される。よって、風力発電設備の配置等の検討に当たっては、鳥類に関す
る調査及び予測を行い、専門家等からの助言を踏まえ、影響を評価し、反映すること。
(4)人と自然との触れ合いの活動の場に対する影響
事業実施想定区域内には、「東北自然歩道」、「大高山県緑地保全地域」が存在してお
り、これら人と自然との触れ合いの活動の場への影響が懸念される。このため、風力発
電設備等の配置等の検討に当たっては、青森県並びに人と自然との触れ合い活動の場の
管理者及び利用者等からの意見を踏まえて、調査、予測及び評価を行い、影響を回避又
は極力低減すること。
(参考)環境影響評価に係る手続き
・平成 28 年 9月 30 日
経済産業大臣から環境大臣への意見照会
・平成 28 年 11 月 18 日
環境大臣から経済産業大臣に意見提出