文化・芸術を中核とした地域活性化の推進 文部科学省における事業の内容 事業の概要・目的 ○ 地域の特色ある文化芸術活動や劇場・音楽堂等の活動を推進し、 文化・芸術を起爆剤とする地方創生の実現を図る。 ○文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業 地方公共団体による地域の文化資源等を活用した計画的な文化 事業、訪日外国人でも鑑賞・体験できる文化事業等を支援する。 ○劇場・音楽堂等活性化事業 地域の文化拠点である劇場・音楽堂等が行う実演芸術の創造発 信や専門人材の育成、普及啓発、劇場・音楽堂等間のネット ワーク形成等に対し支援する。 (1)(ウ)④ 地域の歴史・町並み・文化・芸術・スポーツ等 による地域活性化 取組例 ○香川県「瀬戸内国際芸術祭2013」 ・美しい瀬戸内海を船で巡りながら、島の自然や文化に溶け込ん だアートを体感する現代アートの祭典。 ・平成25年に開催された第2回となる国際芸術祭には、26の 国と地域から200組のアーティストが参加。 ・開催期間は、春期3月20日~4月21日、夏期7月20日~ 9月1日、秋期10月5日~11月4日(計108日間) ・来場者は約107万人に上り、約132億円の経済波及効果が あった。 ・直島町では、首都圏から若い世代が移住し、年2%強の人口減 少率が1%程度にまで改善しており、下げ止まり傾向が見られ る。 ○可児市文化創造センター(岐阜県可児市) ・人口10万人の可児市において年間約30万人が来館。地域の にぎわい創出に貢献。 ・文化芸術を活用して、多文化共生、子育て支援、高齢者の生き がいづくりなどの地域課題に取り組む「まち元気プロジェク ト」を展開。公民館や福祉施設で実施する年間400回以上の ワークショップには延べ7千人以上の市民が参加し、コミュニ ティの形成に寄与。 ・県立高校において自己表現力とコミュニケーション能力の養成 を目的に演劇手法を活用したワークショップを実施。中途退学 者が約3分の1となり、新入生の定員割れも解消。 ・経済波及効果:11.6億円 雇用効果(岐阜県内):53人(平成 21年度) (1)(ウ)④ 地域の歴史・町並み・文化・芸術・スポーツ等 による地域活性化 文化遺産を活かした地域活性化 文部科学省における事業の内容 地域の文化遺産次世代継承事業 取組例 事業の概要・目的 地域の文化遺産継承事業 地域の多様で豊かな文化遺産を活用して、伝統行事・伝統芸能の公開、後継 者養成、古典に親しむ活動など、特色ある総合的な取組を支援することで、文 化振興とともに地域活性化の推進を図る。 (1)地域の文化遺産次世代継承事業 地方公共団体が策定する、文化遺産を活用した地域活性化を推進する 特色ある総合的な取組に関する実施計画に盛り込まれた事業を支援 (2)歴史文化基本構想策定支援事業(新規) 地方公共団体が、地域の文化財を指定・未指定にかかわらず幅広く 把握し、その周辺環境を含めて総合的に保存・活用するための基本的 な構想として「歴史文化基本構想」を策定・改訂するための事業を支援 (3)世界文化遺産活性化事業(新規) 「世界文化遺産」に登録された地域の活性化を図るために行われる情報 発信・普及・保護活動等を支援 震災等による破損や経年劣化した用具の修理・新調し、修理等を行った用 具を用いた文化遺産の発表会等の取組。 復活した祭礼行事(原釜の神楽) 仮設住宅で披露される「請戸の田植踊」 地域による文化遺産の保存・再生 過疎化により維持管理が困難となっている茅葺き建物の保存・継承のため、 地域住民及びボランティアへの茅葺替えの技術指導の実施や、地域住民の高齢 化により獅子舞が途絶えてしまった地域に獅子舞が存続している近隣地区から 招聘し、地域の獅子舞を復活させる取組。 ①募集 文化庁 ③申請書等提出 ⑥決定・補助金交付 ④ 審 査 依 頼 ⑤ 意 見 (地方公共団体) ※歴史文化基本構想策定 支援事業のみ ⑥決定・ 補助金交付 (実行委員会) 審 査 会 地方公共団体 (実施計画策定) ※歴史文化基本構想策定支援事業の 補助対象者は地方公共団体 ※世界文化遺産活性化事業は、複数 の地方公共団体が連携することも可 ②申請書提出 実行委員会 A団体 パンフレット等作成 B団体 ガイドの育成 C団体 伝統芸能の公開 D団体 山車の修理 茅縫付けの技術指導(兵庫県朝来市) 復活した地域の獅子舞(三重県名張市) 地域の文化遺産情報発信・普及啓発 地域の文化遺産を紹介したHP作成などの情報発信、講演会や見学会など の普及啓発のほか、古民家を公開し、地域住民による祭事イベントの開催の ための取組。 水口曳山祭(滋賀県甲賀市) 旧吉川家住宅の祭事イベント(兵庫県朝来市) 地域の核となる美術館・歴史博物館の支援 文部科学省における事業の内容 事業の概要・目的 美術館・歴史博物館による地域に存する文化財の公開促進、学芸員等の人材育 成及び訪日外国人向けの多言語化対応等、美術館・歴史博物館を活用・強化する 取組を支援することによって、美術館・歴史博物館が地域の核として文化の発信 を牽引し、文化芸術立国の実現に資することを目指す。 補助事業の対象 (1)地域文化の振興と国際発信 ア 地域に存する文化財の活用に向けた地域ぐるみの保存・管理 ①地域に存する文化財の総合把握、情報連携 ②地域に存する文化財を活用するためのコミュニティー形成等 イ 多言語化による国際発信 ①展示解説や館内案内板における外国語表示の充実 ②外国語対応可能な人材の育成、確保 ③外国人向けプログラムやサービスの充実等 (2)美術館・歴史博物館との共働による地域文化振興 ア 地域とともにある美術館・歴史博物館 ①地域との共働による地域文化活動 ②地域へのアウトリーチ活動、ボランティア交流等 イ 地域のグローバル化拠点としての美術館・歴史博物館 ①国際会議の招致・開催 ②海外の美術館・歴史博物館との交流等 ウ 人材育成に貢献する美術館・歴史博物館 ①大学と連携した文化人材育成プログラムの開発 ②学校と連携した地域文化の担い手の育成等 エ 新たな機能を創造する美術館・歴史博物館 ①他分野との連携・融合による活動 ②文化財の新たな保存管理の手法の開発等 (1)(ウ)④地域の歴史・町並み・文化・ 芸術・スポーツ等による地域活性化 取組例 *前身の「地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業」における実績 ○「みちのく・観音・再発見!」地域共働プロジェクト ・補助事業者:宮城・福島観音プロジェクト実行委員会 ・中核館 :東北歴史博物館 ・概要 博物館と地域コミュニティの交流(専門講座、シンポジ ウム、展覧会、ワークショップ等)を通じて、地域文化 財に対する認識を深め、様々な文化財保護に関する問題 の解決を目指す。 ・期待される効果 地域に存する文化財に対する興味や関心を広く喚起し、 地域住民自らが文化振興及び文化財保護の推進者となる ことで、地域文化の長期的継続と展開を期待する。 ○田川市世界記憶遺産活用活性化 博物館を中心とした地域発信・交流事業 ・補助事業者:田川市世界記憶遺産活用活性化推進委員会 ・中核館 :田川市石炭・歴史博物館 ・概要 国内旧産炭地における博物館等の連携によって展示会や シンポジウム等を開催し、山本作兵衛コレクションに象 徴される筑豊炭田の歴史や炭坑文化を全国に向けて発信 する。 ・期待される効果 山本作兵衛コレクションを活かした国内外の旧産炭地と の交流事業を通じ、炭坑文化全般の記憶継承と炭鉱遺産 を活用した新たな地域づくりのモデルを提示する。 (1)(ウ)④ 地域の歴史・町並み・文化・芸術・スポーツ等 による地域活性化 史跡等を活用したまちづくり 文部科学省における事業の内容 取組例 ~史跡 武蔵府中熊野神社古墳を核としたまちづくり~ 事業の概要・目的 ○ 歴史的に由緒ある史跡等について、整備中・整備後に地域の中でどう活かす か(『活用』)を念頭に置きつつ、来訪者目線で修復・復元等の整備を行い、 地域の「たから」として、史跡等の価値の再発見・ 継続的な魅力発信につな げることにより、地域の活性化・アイデンティティの醸成を図り、地方創生 に寄与する。 ● 平成17年の国の史跡指定後に、府中市で古墳及びその周辺の整備計画を作成し、平成20年度 から平成23年度まで保存整備活用事業を実施。平成18年度は地元市民団体の設立、平成21年度 には古墳近くの駅の開業や、案内誘導看板等の整備などを実施し、市民と行政の一体化した取 組により地域が活性化する好循環を創出。 新たな取組み 従来の取組み 歴史的建造物の ○毀損した部分の修復が中心 復元整備 ☆地域のシンボルの創生 整備後 整備前 ~学校団体の見学者数~ 整備計画の 策定に当たっては 年度末見込 見学者数:498人 【学校数:14校】 見学者数:276人 【学校数:5校】 広く外部の意見を 反映! 見学者数:66人 【学校数:2校】 見学者数:45人 【学校数:4校】 ○遺構保存に 重点を置いた整備 ~9月末時点 見学者数:249人 【学校数:7校】 保存・修復整備 整備に当たり、 常に『活用』を 意識! ☆修復過程の公開 ☆整備への住民参加 効果 ○史跡等の魅力を 更にUPさせて、 未来へ継承! ○史跡等を活かした まちづくりにより 地域の活性化を実現! 史跡の整備・活用 整備後の 社会的・経済的 効果を考慮! (付加価値付与を通した魅力向上) 1 2 3 4 古墳保存会の活動(会員数330名、古墳展示館の受付、見学者対応、 古墳の清掃 等) 学校団体の見学(近隣の小中学校を中心に総合学習の一環として実施 等) 古墳まつり(雅楽演奏、古代衣装をまとったパレード、古墳ライトアップ 等) 様々な活用取組(ゆるきゃら創出「くまじい・おくまちゃん」、テレビ紹介、各種新聞・雑誌掲載 等) 魅力発信 ガイダンス施設・ 【地方創生へ】 案内板等の設置 ☆来訪者の理解の向上 ☆外国語表記など国際化に対応 市民との 連携 ○市内文化財の潜在的魅力の向上 ○観光客の満足度を高める受入体制の確立 ○中心商店街が活気に溢れ、地域住民の生活の質の向上 ○地域将来を担う人材育成、Uターン・Iターンの定着 文化財と街の 更なる付加価値 の向上 文化財建造物を活用した地域活性化 文部科学省における事業の内容 (1)(ウ)④ 地域の歴史・町並み・文化・芸術・スポーツ等 による地域活性化 取組例 事業の概要・目的 ○ 文化財建造物及び伝統的建造物群の公開活用を促進 するため、保存活用の策定と便益設備整備や安全性確 保対策等の取組を支援し、文化財建造物等を活用した 魅力あるまちづくりを推進する。 ○ 具体的には文化財建造物等の保存活用計画策定経費 や公開活用に必要な便益施設等の工事経費等について 文化庁から文化財所有者や地方公共団体等に事業費の 50%を基本とし、85%を上限として補助する。 少子高齢 化 人口減少 観光客の 減少 空家の増 加 文化財へ の関心の 低下 快適な設備 分かりやす い解説 地域の活性化 ○重要文化財上芳我家住宅(愛媛県内子町) 上芳賀家住宅は、内子町八日市護国伝統的建造物群保存地区内 に所在し、保存修理事業に併せて耐震補強工事、公開活用整備を行 い情報拠点として展示施設、休憩所、木蝋生産施設等の整備を実施。 【成果】 来場者数は、整備前に比べ約3倍に増加し、地域全体の活性化に 資する拠点施設として活用されている。 ○重要文化財旧出津救助院(長崎県長崎市) 重要文化財旧出津救助院では、保存修理事業及び防災施設事業 の実施と併せて保存活用計画を策定し、かつ、この保存活用計画に基 づき授産場及びマカロニ工場に展示設備、便益設備の整備を実施。 1階は展示や体験学習の場とし、2階では講演会等を開催できるよ うにし、来館者が長時間快適に過ごせるよう、構造補強材等を利用し て空調設備を取り付けている。 観光客の増加 交流・雇用の 促進 文化財周辺に ある空家活用 の促進 安心・安 全 地域住民の 参加 ○三好市東祖谷山村落合伝統的建造物群保存地区(徳島県三好市) 三好市東祖谷山村落合伝統的建造物群保存地区では、空屋となっ た茅葺民家の修理・整備を実施。 【成果】 宿泊施設として活用し、特に都会人に人気を博している。
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