車止めを作ってみました

車止めを作ってみました
発注者 新庄河川事務所
施工者 株式会社オリエンタルコンサルタンツ
業務名 新庄管内砂防施設設計業務
発表者 管理技術者 伊藤竜一
1.はじめに
本業務は、砂防施設の設計業務であり、設計書・特記仕様書に基づき、次の現地作業を行った。
・測量調査
・渓流調査
砂防調査・砂防施設設計の現地作業には、自動車利用が必
須であり、毎回「車止め」を持参することになる。しかし当
社では、他にも橋梁点検や環境調査等の現地作業を伴う業務
を多く抱えており、現地作業に赴く際、車止めの在庫が不足
することが予想された。業務費で購入することも考えたが、
価格を調べると、1輪あたり 5000~6000 円ほどである(写
真1参照)
。もちろん買えない金額ではないが、経費削減の
写真1 市販の車止め
(販売価格 6100 円)
おり、
「自分たちで安く作って、予備も含めて持っておこう」
ということになった。
2.材料の購入
「作ろう」と考えたのは、再委託先の測量業者が、見る
からに「手作り」の木製車止めを使っていたからである。
そこで、
「見よう見まね」で、ホームセンターにおいて、
次の材料を購入した(写真2参照)
。
材料:3 台分(6輪分)
・角材(60×60×1500)
写真2 車止めの材料
(角材は1輪分にカット済み)
・ロープ(Φ5 ㎜、10m×2)
・金具(よーと・真鍮製、3ケ入り×4個=12個)
購入金額は、合計約 3000 円であった。
製作の手間はあるものの、車両 1 台(2 輪)あたり
1000 円程度の実費で準備可能である。
3.製作
車止めの製作手順は次のとおりである(写真3~5)
。
①角材を6等分にカットする。
②上記の角材を、中央で斜め45度にカットする。
写真3 製作状況
(角材を斜め45度にカット)
③端部に「真鍮よーと」を取り付けする。
④通常の乗用車・ライトバン程度を想定して、必要なロープの長さを測る。必要長さは、1 輪あた
り 3.0m程度である。
⑤ロープをカットし、ロープ両端を「よーと」に結ぶ。
写真4 製作状況
(角材45度カット後)
写真5 製作状況
(真鍮よーと取り付け)
4.現場での利用状況等
写真6に、完成した車止めを現地で活用している
状況を示した。
同写真では他の安全対策道具も合わせて示した。
・ロープ
・熊鈴
・蜂スプレー
5.おわりに
写真6 完成後の使用状況
今回、木材加工を自前で行ったが、3 台分(6 輪分)の車止めを安価に入手できた。改良の余地はあ
るが、会員各社で手軽にできる安全対策として、ご紹介した次第である。
今回使用して、気づいたこととして次の点があげられる。
・店舗で市販していた角材のうち最も太いものを用いたものの、実際に車輪に当ててみるとやや細
く、安定感に若干の不安を感じた。今回は急勾配地での駐車機会がなかったので支障はなかった
ものの、入手可能であれば 90×90 の角材がより良いと思われる。
・土砂の上に駐車した時は気にならなかったが、アスファルト舗装の上で利用する場合は材木だと
すべりやすいと感じた。今後、底面に滑りにくい素材を張り付けるなど工夫の余地がある。
普段はペンやパソコンしか持たないところを、不慣れなノコギリを握って製作したが、それなりに
実用的な車止めを作ることができた。
今後も、工夫しながら安全対策に取り組み、事故防止につなげていきたいと考えている。
以上