東日本大震災から4年 ∼被災3県における貿易の変化∼ 平成27年2月24日 横浜税関 はじめに 東日本大震災の発生から4年 岩手県 震災の被害が特に大きかった岩手県・宮 城県・福島県(いわゆる「被災3県」)の4年 間の貿易の変化を発表 宮城県 福島県 1 目次 被災3県の輸出額推移 被災3県の輸入額推移 主要輸出入品目の推移 主要増減品目 主要増減品目の動向 特徴的な輸出入品目 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐3 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐4 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐6 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐8 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐10 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐12 2 被災3県の輸出額推移(総額) • 震災前の水準に向け着実に回復 • 平成26年の輸出額は、対22年比4.3%減の4,028億円 ︵ 4,500 ︶ 億 円 4,000 4.3%減 平成22年 被災3県計 3,500 3,000 岩手 宮城 福島 東日本大震災 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年速報値 【資料編P1】 3 被災3県の輸入額推移(1)(総額) • 震災翌年から急回復 • 平成26年の輸入額は、対22年比 39.5%増の1兆3,929億円 ︵ ︶ 億 16,000 円 39.5%増 14,000 平成22年 被災3県計 12,000 10,000 岩手 宮城 福島 8,000 東日本大震災 6,000 4,000 2,000 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年速報値 【資料編P1】 4 被災3県の輸入額推移(2)(内訳) • • 震災翌年から急回復した輸入は、輸入額の過半を占めるエネルギー (鉱物性燃料)の輸入急増が要因 平成26年は、エネルギーを除いた輸入額でも、対22年比6.4%増の 5,257億円となり、初めて震災前の水準を超過 ︵ ︶ 億 16,000 円 14,000 12,000 平成22年被災3県 除くエネルギー 10,000 エネルギー 8,000 除くエネルギー 東日本大震災 6,000 4,000 6.4%増 2,000 0 平成22年 エネルギーの詳細はP15を参照 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年速報値 【資料編P1】 5 主要輸出品目の推移 年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 速報値 1 ゴム製品 ゴム製品 ゴム製品 ゴム製品 ゴム製品 2 事務用機器 原動機 原動機 原動機 原動機 3 鉄鋼 鉄鋼 鉄鋼 鉄鋼 事務用機器 4 原動機 事務用機器 金属鉱・くず 石油製品 石油製品 5 金属鉱・くず 金属鉱・くず 石油製品 金属鉱・くず 鉄鋼 6 紙類・同製品 紙類・同製品 事務用機器 事務用機器 有機化合物 7 船舶 石油製品 有機化合物 有機化合物 金属鉱・くず 8 石油製品 電気回路等の機器 電気回路等の機器 電気計測機器 紙類・同製品 9 魚介類・同調製品 科学光学機器 紙類・同製品 紙類・同製品 プラスチック 10 電気回路等の機器 船舶 電気計測機器 魚介類・同調製品 電気回路等の機器 順位 黄色マーカーは、平成22年と平成26年の入替品目 【資料編P2】 6 主要輸入品目の推移 年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 速報 1 原油・粗油 原油・粗油 原油・粗油 原油・粗油 原油・粗油 2 金属鉱・くず 金属鉱・くず 金属鉱・くず 石炭 金属鉱・くず 3 石炭 石炭 石炭 金属鉱・くず 石炭 4 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 天然ガス・製造ガス 5 魚介類・同調製品 魚介類・同調製品 石油製品 石油製品 石油製品 6 航空機類 穀物・同調製品 魚介類・同調製品 魚介類・同調製品 魚介類・同調製品 7 穀物・同調製品 石油製品 穀物・同調製品 穀物・同調製品 穀物・同調製品 8 木製品・コルク製品 (除家具) 木製品・コルク製品 (除家具) 木製品・コルク製品 (除家具) 木製品・コルク製品 (除家具) 木製品・コルク製品 (除家具) 9 木材 木材 木材 木材 木材 10 石油製品 鉄鋼 音響・映像機器 (含部品) 金属製品 半導体等電子部品 順位 黄色マーカーは、平成22年と平成26年の入替品目 【資料編P3】 7 主要増減品目(輸出) • 震災前年よりも増加した品目は、原動機、石油製品、有機化合物 • 震災前年よりも減少した品目は、事務用機器、船舶、魚介類・同調 製品 順位 順位 事務用機器 船舶 魚介類・同調製品 紙類・同製品 鉄鋼 単位 NO MT MT MT 平成22年 価額(億円) 599 14 169 102,548 163 256,956 197 579,767 413 4 数量 ↑ 年後 1 2 3 4 5 減少品目 ↑ 年後 1 2 3 4 5 平成22年 数量 価額(億円) 単位 335 原動機 KG 18,133,429 163 石油製品 92 有機化合物 159,305 627 ゴム製品 MT 9,009 6 鉱物性タール・粗製薬品 MT 増加品目 4 平成26年速報 数量 価額(億円) 22,252,512 595 349 230 143,625 726 60,886 56 平成26年速報 数量 価額(億円) 415 1 3 76 40,277 112 92,457 334 350,821 数量伸率 22.7% -9.8% 6.8倍 数量伸率 -78.6% -60.7% -64.0% -39.5% 対平成22年比 金額伸率 77.6% 2.1倍 2.5倍 15.8% 9.3倍 対平成22年比 金額伸率 -30.7% -99.2% -53.5% -43.0% -19.0% 寄与度 6.2 4.4 3.3 2.4 1.2 寄与度 -4.4 -4.0 -2.1 -2.0 -1.9 【資料編P10】 8 主要増減品目(輸入) • 震災前年よりも増加した品目は、原油・粗油、石油製品、石炭 • 震災前年よりも減少した品目は、航空機類、金属鉱・くず、天然 ゴム 順位 順位 輸入減少品目 航空機類 金属鉱・くず 天然ゴム 重電機器 通信機 単位 KL 6,368,692 MT MT 15,576,273 1,009,888 単位 MT MT MT 2,767 143 1,467 653 10 平成22年 数量 価額(億円) 301 381 1,356,931 2,157 32,203 89 35 36 平成26年速報 数量 価額(億円) 7,810,347 4 ↑ 年後 1 2 3 4 5 原油・粗油 石油製品 石炭 天然ガス・製造ガス 半導体等電子部品 平成22年 数量 価額(億円) ↑ 年後 1 2 3 4 5 輸入増加品目 4 16,926,290 891,551 5,375 651 1,782 852 158 平成26年速報 数量 価額(億円) 36 68 1,198,272 2,019 27,999 60 8 11 対平成22年比較 数量伸率 金額伸率 22.6% 8.7% -11.7% 94.3% 4.5倍 21.5% 30.5% 15.8倍 寄与度 26.1 5.1 3.2 2.0 1.5 対平成22年比較 数量伸率 金額伸率 寄与度 -88.0% -82.2% -3.1 -11.7% -6.4% -1.4 -13.1% -32.3% -0.3 -76.3% -0.3 -68.3% -0.2 【資料編P10】 9 主要増減品目の動向(輸出) 平成22年の貿易額を「100」とした場合、輸出主要増減品目の動向は 次のとおり ①回復が顕著なもの ②回復が緩やかなもの ③回復が遅れているもの 原動機、石油製品 ゴム製品、事務用機器 魚介類・同調製品、船舶 250 213.5 200 平成22年=100 177.6 150 東日本大震災 115.8 100 69.3 50 石油製品 原動機 ゴム製品 事務用機器 魚介類・同調製品 船舶 46.5 0.8 0 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 速報値 10 主要増減品目の動向(輸入) 平成22年の貿易額を「100」とした場合、輸入主要増減品目の動向は 次のとおり ①回復が顕著なもの 半導体等電子部品、原油・粗油 木材、天然ガス・製造ガス 金属鉱・くず、天然ゴム ②回復が緩やかなもの 620.7 1582.6 350 312.8 300 東日本大震災 平成22年=100 250 200 194.3 150 144.4 130.5 100 93.6 半導体等電子部品 原油・粗油 木材 天然ガス・製造ガス 金属鉱・くず 天然ゴム 67.7 50 0 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 速報値 11 特徴的な輸出入品目 (1) 原動機の輸出 原動機の輸出額(平成26年)は、対22年比77.6%増の594.8億 円、輸出数量は、同22.7%増の22,253トン 700 30,000 ト ン ︶ ︶ 億 円 ︵ ︵ 業界は、航空機向けのエンジンが好調に推移しており、今後も 欧米を中心に輸出は増加していくと予想 600 25,000 500 20,000 東日本大震災 400 15,000 300 10,000 200 5,000 100 0 0 平成22年 平成23年 平成24年 輸出数量 平成25年 輸出額 平成26年速報値 12 特徴的な輸出入品目 (2) 船舶の輸出 船舶の輸出額(平成26年)は、対22年比99.2%減の1.3億円、輸出数 量は、同78.6%減の3隻 業界は、本格的な輸出再開には、もうしばらく時間が必要と予想 16 ︵ ︵ ︶ 180 億 円 160 ︶ 隻 14 140 12 120 東日本大震災 10 100 8 80 6 60 4 40 2 20 0 0 平成22年 平成23年 平成24年 輸出数量 平成25年 輸出額 平成26年速報値 13 特徴的な輸出入品目 (3) 魚介類・同調製品の輸出 アジア地域を中心に、日本の水産物への輸入規制等の要因によ り、回復に遅れ 魚介類・同調製品の輸出額(平成26年)は、対22年比53.5%減の 75.6億円、輸出数量は、同60.7%減の40,277トン 120,000 ︵ ︵ 180 億 円 160 ︶ ︶ ト ン 100,000 140 120 80,000 東日本大震災 100 60,000 80 60 40,000 40 20,000 20 0 0 平成22年 平成23年 平成24年 輸出数量 平成25年 輸出額 平成26年速報値 14 特徴的な輸出入品目 (4) エネルギー(鉱物性燃料)の輸入 品名 平成22年 エネルギー 原油及び粗油 石炭 天然ガス及び製造ガス 石油製品 その他 被災3県輸入額総計 エネルギー構成比 10,000 9,000 8,000 5,044 2,767 1,467 653 143 14 9,986 50.5% 輸入総額に対する 鉱物性燃料の価格割合 (右軸) 50.5% 平成23年 61.6% 平成24年 2,074 1,100 623 233 112 5 4,304 48.2% 63.4% (単位:億円) 対平成22年比 平成26年 平成25年 速報値 増減(億円) 伸率 7,970 8,672 3,628 71.9% 4,635 5,375 2,608 94.3% 1,914 1,782 315 21.5% 841 852 199 30.5% 568 651 508 4.5倍 12 12 -2 -16.2% 12,578 13,929 3,943 39.5% 63.4% 62.3% 6,255 3,785 1,238 635 587 9 10,156 61.6% 62.3% 70.0% 60.0% 48.2% 7,000 50.0% 6,000 40.0% 5,000 30.0% 4,000 東日本大震災 3,000 20.0% 2,000 10.0% 1,000 0 0.0% 平成22年 原油及び粗油 平成23年 石炭 平成24年 平成25年 天然ガス及び製造ガス 寄与度 36.3 26.1 3.2 2.0 5.1 -0.0 39.5 震災後の電力需給の窮迫等に より、エネルギーの輸入は大幅 に増加 被災3県におけるエネルギーの 輸入額は、総輸入額の62.3%を 占め、全国の32.3%と比べても 輸入割合が高い 平成26年 速報値 石油製品 その他 15 特徴的な輸出入品目 (5)半導体等電子部品の輸入 再生可能エネルギーへの関心の高まりから、震災以降、太陽光パネルの輸入が急増 半導体等電子部品の輸入額(平成26年)は、対22年比15.8倍の158.2億円 業界は、再生可能エネルギー買取制度の見直し等により、今後は現状水準で推移す るものと予想 ︵ ︶ 180 億 円 160 140 120 100 80 東日本大震災 60 40 20 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年速報値 16 特徴的な輸出入品目 (6)木材の輸入 住宅用の製材を中心に増加 木材の輸入額(平成26年)は、対22年比44.4%増の212.2億円 業界は、住宅の建築需要は継続しており、現状水準で推移すると予想 ︵ 250 ︶ 億 円 200 150 東日本大震災 100 50 0 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年速報値 17 ◎この資料に関する問い合わせ・貿易統計資料の閲覧先 横浜税関 調査部 調査統計課 (横浜税関本関1階) 〒231−8401 横浜市中区海岸通1-1 TEL 045-212-6100(直通) 横浜税関ホームページ http://www.customs.go.jp/yokohama/ 税 関ホームページ http://www.customs.go.jp ※ 本資料を他に転載する場合には、横浜税関の資料による旨を必ず注記して下さい。 18
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