近年における IMF 業務の質的変革について (下)

近年における IMF 業務の質的変革について (下)
野
口
嘉
彦
はじめに
1.
の融資制度の改革
2.
資金基盤の大幅な拡充と融資を巡るリスク (以上, 前号掲載)
3.
のサーベイランス業務の質的変革 (以下, 本号掲載)
4.
による知的技術支援の展開
5.
のガバナンス
むすびにかえて
3. IMF のサーベイランス業務の質的変革
(1) サーベイランスの業務内容とその法的根拠
サーベイランス (
)
)
が何を意味するかを平易に述べれば,
の重要な使命
) として, 加盟国の為替政策の妥当性, 国際通貨システムの安定性との関係などを
(
詳細かつ大所高所から監視することである。
この業務の法的根拠も,
協定にある。 同協定の第二次改正の際 (
年) に, 第1条
・目的の一つとして 「為替の安定性促進, 加盟国間の秩序ある為替取極の維持および為替の競
争的切り下げの回避」 が明記され,
が個別国の為替相場政策の監視役を担うこととなっ
た。
同協定第4条第3項 (為替取極に関するサーベイランス) ( ) では, 「国際通貨制度につい
て, その効果的な運営を確実にすべく監視を行う」 とされているが, これは多国間 (
) サーベイランスの根拠になっている。
また, 同項 ( ) では,
が 「各国の為替政策・経済金融政策に関する責務の遵守状況を
観測し, 為替相場政策に関する確実なサーベイランスを実施する」 旨が記載され, これは個別
)
という用語が
(
さらに暫定委は
関係書類上はじめて公式に使用されたのは,
) の最終報告書であるとされている。
年に国際通貨金融委員会 (
)。 サーベイランス関係の
など) がある。
は
年に
暫定委員会に引き継がれ,
) へと再編されている (
作成の文献としては,
(
年の
,
,
立教経済学研究
加盟国ベースの国別 (
第
巻
第3号
年
) サーベイランスの根拠である (以上
)
多国間サーベイランス
,
8)。
の特色としては, 国をまたがる経済的連関と政策効果の波及状況の
把握, 関係国の経済政策の遂行を阻害する惧れのある国際的な経済・市場情勢の分析が中心と
なる。 具体的には全加盟国を万遍なく分析するのではなく, 世界経済への組み込まれ方の程度
が強く影響力の大きい諸国が対象になるという意味で, 国別サーベイランスに比べて非対称的
な性格となる (同前
)。
国別サーベイランスでは, 通常, 原則年1回の加盟国に対する経済調査 (4条コンサルテー
ションといわれる) を通じて, 為替相場政策・金融財政政策全般について金融経済当局と意見
交換を重ね, 必要に応じ当該国にアドバイスを行う )。
(2) サーベイランス業務の質的改善
①第1段階 (
∼
年頃)
近年のサーベイランスの手法も,
の融資面の変質をもたらしたグローバルな環境変
化の影響を受けている。 サーベイランス方法の本格的見直しと改善が始まったのはグローバ
ル・インバランス問題が国際的な政策課題として一段と注目を浴び, また米国の金融不安の
色が濃くなった
年頃からといえよう。 以後, とくにグローバルな資金移動の変動がもた
らす, 各国経済や国際金融市場への影響の分析の重要性が
において強く認識されたと
みられる。
すなわち, まず
年4月には, 国際通貨金融委員会 (
) が,
のサーベイラ
)。
ンス業務を補完する新しい機能として多国間コンサルテーションを承認した (
これは,
の中期戦略 (今後3∼5年を想定) の一部を構成している。
年に創設
周年を迎え, それまでに
では,
に課されてきた過剰な課題を整理し, 効率的な資
源活用を行うとともに, 直面するグローバル・インバランス問題や資本収支危機に的確に対
応するため,
業務に関する中期戦略が検討された (
)。 サーベイランス業務
の構造としては, 多国間コンサルテーションは多国間サーベイランスの一部をなすと同時に,
個別国よりも関係国間の経済金融面の繋がりと政策の波及効果に焦点を当てることにより,
) 多国間サーベイランスの遂行機関としては
がほぼ全世界をカバーしているという点で特別の
地位にあるものの, 独占的な機能というわけではなく, 他に多くの機関やグループがある。 例えば,
国際決済銀行 (
などである。
)
) や
, 世界貿易機構 (
については, 脚注
),
等のグループ, 金融安定理事会 (
)
を参照。
の専門用語としては通常多国間および国別サーベイランスが使用される。 しかしサーベイラ
ンス業務は国別, 地域別およびグローバルなサーベイランスに分類することも可能である。 多国間サ
ーベイランスはグローバル・サーベイランスとある程度重複しているといえるが, 各国間をまたがる
連関問題の分析や地域別サーベイランスの一部をも含むものでもある (
)。
,
近年における
業務の質的変革について (下)
各国に対する定例4条コンサルテーションを補強することとなる。
最初の多国間コンサルテーションは
年末の終了を目途に, グローバル・インバランス問
題全体をカバーし, 国際金融システム上重要な国ないし地域 (中国, ユーロ圏, 日本, サウ
ジ・アラビア, 米国) を対象に, 課題への取り組みのための議論や協力の場が提供されるこ
とになった (会合は各国代表と
との相対方式と, 全メンバーとの合同方式) (
)。
次の施策は,
独立評価室 (
ンスに関する評価である (
)
ば, (
は
や
) による
)。
∼
年を対象とした多国間サーベイラ
による主な勧告は多岐詳細にわたるが, 例え
等のグループと一段と活発かつ緊密な関係を作り, より率直な
相互評価システムの中心としての役割を強化すべきこと, (
) 多国間サーベイランスの報
告書について, 課題を整理し重要事項に焦点を絞るなど, 内容を工夫すべきこと, (
) 多
国間サーベイランスの実施に際して, その目標と説明責任を明確にすべきこと, などである。
年頃のサーベイランスの内容改善に関しては, まだ業務遂行上の比較的細かい技術的
なものにとどまっていた感がある。
年6月,
なお
理事会は,
年に採択されていた 「為替相場政策のサーベイラ
ンスに関する決定」 を1年間の見直しの後, 「加盟国の政策に対する国別サーベイランスに
関する新たな決定」 として採択した。 旧決定が, 基本的に為替相場政策の監視に限定してい
たのに対し, この新決定は, 国際経済の構造変化の下, 上述の種々の勧告をも反映し, 国別
サーベイランスに際しての対外的安定性 (当該国の経常・資本勘定取引の安定, 為替相場の
安定) を対象とするよう刷新された (
し必要を迫られていた分析角度が,
できよう。
は
)。 ただこれは, 国別サーベイランスに際
年にしてようやく事後承認を受けたものとみることが
年9月に, 3年毎のサーベイランス見直しを実施し,
年実施の
国別サーベイランス見直し事項がかなり実現していることを確認するとともに, 今後最も優
先すべき分野として, ( ) 多国間ないし地域間サーベイランスにおけるリスク分析の強化,
( ) マクロ経済と金融部門を統合したサーベイランスの実施, (
及効果の分析の強化などを挙げた (
) 対内的, 対外的政策波
) が, これらは本論文の既述の各種見直し
を反映したものといえる。 先進主要国を中心に, 財政収支の不均衡が危機を悪化させている
ことから,
は多国間サーベイランスの一環として財政政策のモニターの報告を開始し
ている (
)。
②第2段階 (
年以降)
年3月になると, 主として多国間サーベイランスの手法に関する検討が本格化し, 例
えば, (
(
) これまで十分ではなかった対外波及効果 (
) の分析の拡充,
) 必要に応じた特定のテーマに関する多国間コンサルテーションの実施, (
) 国境・経
立教経済学研究
第
巻
第3号
年
済部門間の相互依存関係やマクロ金融経済の不安定性の波及経路を抽出し, 金融部門を対象
とするサーベイランスを強化すること, などにより
内部から提唱された (
その後
年8月,
リー・グループ
(
)
のサーベイランスの抜本的改善が
)。
の3年毎のサーベイランス見直し時に合わせて外部アドバイザ
により報告が公表された。 同アドバイザリー・グループの指摘をみると,
) サーベイランスの分析にまだ細分化され過ぎている面があること, (
強化が必要なこと, (
きこと, (
) 金融部門のサーベイランスを通常のサーベイランスに取り込むべ
) 当該国から他地域への政策波及の分析に傾注すべきこと, (
の安定にとり最重要な大国が,
いこと, などである (
そして
) リスク評価の
) 国際経済金融
の勧告にまったくといってよいほど関心を示していな
)。
年7月には, これまでの国際経済面で生じた重要な事象を踏まえ, 国別・多国
間両サーベイランスを統合した決定事項が
理事会により承認されるに至った (同時に
年6月の 「決定」 を廃止)。 これはサーベイランスの法的性格を再度明確にし, 貿
前述
易・金融取引の国家・地域をまたがる 「相互依存関係」 と国境を越えた政策の 「波及効果
)」 をキーワードに, 作業対象範囲を最終的に確定するものである。 そ
(
の範囲は, 国別サーベイランスの場合には, 1国の政策責務 (国際収支と国内経済の安定追
求による秩序ある為替取極と安定的な為替相場制の実現,
や他国との協調) によって,
また多国間サーベイランスの場合には, 国際通貨体制の適切な運営のためその体制を監視す
るという
の責務によって決まってくることが確認されている。 いずれのサーベイラン
スも, 協定第4条コンサルテーションを業務遂行の場とすることが原則である (
)。
次いで
年9月
理事会は, 今回の危機における金融取引の重要性に照らし, とくに
金融部門のサーベイランスに関する戦略の事務局提案を承認した。 これは, 金融サーベイラ
ンスにおいて,
が活動の先頭にいるべしとの認識の下, (
価の基礎的分析力と政策勧告を強化すべきこと, (
) マクロ金融的なリスク評
) リスクに対する一貫した政策対応を
強化するため金融サーベイランスの実施手法と成果の改良を図るべきこと, (
) 関係先
(ステークホルダー) との関係強化を通じ, システミック・リスクの早期分析を促進すべき
こと, といった提言からなっている。
この間, サーベイランスが長年議論されてきたにもかかわらず, これまで金融経済危機を
防止できてこなかったのであるから, その意味でサーベイランスは失敗の歴史といえるとし,
その原因とみられる関係者間の情報交換の不円滑とか分析力の不足などの問題是正が急がれ
) このグループは, 伊藤隆敏・東京大学教授や長年米国連邦準備理事会の国際局長を務めた
米国ピーターソン国際経済研究所シニア・フェローなど
のサーベイランス見直し作業に協力した。
名の有識者からなり,
年の
近年における
業務の質的変革について (下)
るとの見解 (
) の下, 加盟国による国際金融制度に関する責
務遵守を目的に,
支等の対
が具体的な数値規範 (例えば, 経常収支, 対外資産増減額, 財政収
比率, インフレ率など) を定めて, これを加盟国に守らせるシステムを構築
すべきことも提案されている (
)。 これは, 今後の検討に値する課題であろう。
またサーベイランス関係の定期報告資料は, 下記脚注でも分かるように, 近年になるほど,
資本取引からくる経済危機の分析と政策アドバイスを念頭に置き, 充実したものになってい
っていることが看取される )。 もちろん今後の新規情報追加に際しては, 他の報告との整理
統合の余地がないかどうか, 検討が加えられることが必要と思われる。
(3) 金融部門評価プログラム (FSAP), G20 相互評価プロセス (MAP) およびマクロプル
ーデンス政策
①金融部門評価プログラム (
)
(
)
<通称エフサップ>) は, 先進諸国
の金融部門に関して
年に導入された。 その業務内容は, 同部門の安定性 (銀行, その他
の業態の健全性) を審査し, ストレス・テスト (各種金融リスクの評価) を行うほか, 銀行
・保険, 金融市場の監督制度の評価, 監督者・政策当局者・金融面のセフティ・ネットの実
情評価など, 幅広くかつ掘り下げた分析を行うことを旨としている。
を受入れるか否かは加盟国の自由意思であったが, 金融危機を経て
当初
度の弱点
)
がさらけ出されたことから, その質的改善のため,
世銀) は
の内容刷新を図った。 その内容は, (
行等が開発) に基づく透明性のある評価, (
年9月,
(および
) リスク評価基準 (イングランド銀
) 実体経済と金融部門の関係の一層正確な認
識, より広範な各種リスクの源泉の把握 (国家間の連関状況, 波及効果など), (
) サーベイランス関係の主要報告書と開始時期 (開始時期は
報告の名称 (日本語名称)
報告開始時期
年5月
(世界経済見通し)
年3月
(国際金融安定化報告書)
年9月
(地域経済見通し)
) 新興・途上諸国に関する
についての
) 画一的
当該資料ほかによる)
報告の名称 (日本語名称)
報告開始時期
年7月
(財政モニター)
年7月
(波及効果報告書)
年8月
(対外部門報告書)
は, 世銀が責任を持つこととされている (
作成の文献としては,
制
(
)。
など)
がある。
) 例えば,
により得られたであろう役に立つ情報が得られないこと, たとえ評価が最近のも
のにしても, 必ずしも流動性リスク, ソブリン・リスク, 国家間・各国市場間の相互関係といった広
範囲のリスクの原因をカバーしていない, などである。
立教経済学研究
第
巻
第3号
年
ではない, 当該国独自のニーズに合った弾力的な評価への取り組み, などである。
さらに
による評価結果が第4条コンサルテーションにとっても有用であることか
理事会は
ら,
年4月,
における 「安定性評価」 の部分に限り, 国別サーベ
イランス (4条コンサルテーションの一環として実施) において強制性をもたせることに合
意, 同年9月には国際金融システム上重要な金融部門を有する加盟国
か国
金融の安定性評価の実施を強制力のあるものとした。 こうした趣旨の
行われる。 強制力をもつ評価の法的根拠は,
)
を選定のうえ,
は5年おきに
協定第4条第1項 (加盟国が秩序ある為
替取極の保証と安定的な為替相場制の促進のため
とその他の加盟国と協調するべきこ
と) である。
当該評価においては 「波及効果」 も対象となる。 4条コンサルテーションを通じた国別サ
ーベイランスが国内経済政策の波及を考察する一方,
は金融部門による (国内経済
の安定や国際金融システムの運営に影響を及ぼすような) 政策波及を考察することによりサ
ーベイランスを補完するという構造になっている (
上述のとおり, 当初
)。
への参加は基本的にボランタリー・ベースであったが,
年9月時点で, 加盟国中4分の3が受け入れている (同前)。 ただ, これまで中国やインド
ネシアは
の受け入れを拒否しており, このことは新興諸国の一部に国際金融市場の
慣行に従うことを良しとしない国があることを示している (
相互評価プロセス (
②
)。
)
(
) は, もともと
年の
がピッツバーグ・サミ
ットで約束した 「息の長い景気回復と底堅く持続力のある経済成長を中期的に実現するため
協力し合うこと」 を共通目標としたメンバー国間の相互評価制度である。
策が
は各国の政
全体の成長目標と整合的かどうかの分析, 対外不均衡の評価を委託されている。
年のサンクトペテルブルグ・サミットでは各国間の協力の重要性が強調されたが, そこ
での課題として金融の安定性やグローバル・インバランスの持続的削減, 国内政策の負の波
及効果の最小化があり (
), これは
のサーベイランス・
業務と共通
している。
③マクロプルーデンス政策
)
「 マクロプルーデンスの視点
)
か国は,
のうちの
とは, ……
金融システム全体を安定化させ, 国民経済的
か国およびその他先進
か国・地域。
年初にはさらにポーランド,
デンマーク, フィンランド, ノルウェーの4か国が追加された。
) 「マクロプルーデンス政策が議論されだしてから久しいが, まだ議論の展開は全く十分とはいえな
い。 マクロプルーデンス (
) という用語が初めて使われたのは
年の
クック
近年における
なコストを最小化する視点
業務の質的変革について (下)
である (翁
,
心もマクロプルーデンス政策に向かい,
)」。 今回の金融危機を経て
)
や金融安定理事会 (
の関
), 国際決済銀行
) に対し同政策枠組みの検討開始を要請した。 金融面の安定性とそれを維持するため
(
の一連の政策措置が, 加盟国の国内的・対外的安定の中心をなすものであり, この点は
の国別・多国間サーベイランスと
なっている。 そして
具体的には
の実施に際し関心を向けられるべき重要な分野と
としては, 今後とも各国当局および国際機関との協働を継続し,
・
と共同で
)
善状況を報告する 。 同時に
サミットにおいてマクロプルーデンスの政策枠組の改
は, 国別・多国間サーベイランス・
や
との協
働による早期警告エクササイズ (調査分析作業) を通じ, 国際金融システム全体にわたるリ
)。 さ
スク評価手法の改善を図っていくこととされている (
らには, 野口 (
) が述べたように, 「今後は危機の予防と迅速な事後検証のため, いわ
ば グローバル ・マクロプルーデンス政策の確立が国際協調の下で求められる」 ことにな
ろう。
サーベイランス業務の質的変化について以上を要約すれば, 世界金融危機を契機にサーベイ
ランスの分析対象が経済変数間の国際的な相互依存関係や波及連関へと重点移行するとともに,
分析ツールの強化が相応に図られ, その成果としての報告書の質にも大きな変化がもたらされ
た, ということである。
4. IMF による知的技術支援の展開
(1) IMF の知的技術支援の特色
による知的技術支援 (
) は,
委員会会合の議事録においてであるとみられる。
文脈で初めて使用した (
のスタッフが有する専門
はこの用語を,
年の報告書で銀行監督の
)。」 最近の詳しい議論, 地域別 (アジア中心) の特徴, 数値評
価基準等に関する文献として,
(
) がある。
なお, 「ミクロプルーデンスの視点」 は, 簡単に言えば, 個別の銀行の破綻回避を目的とするもの
と定義できる (翁
,
) 例えば,
による金融の安定性に関する勧告の実施状況について,
は
)。
を公表している (
)。
ミック・リスクの抑制を目的に
イランス強化が必要という
(
ーは
) に改称。
年に設置された金融安定フォーラム (
の意向により,
年6月に 報告書
の前身は, 金融市場の機能向上, システ
)。 金融市場のサーベ
年構成員を拡大するとともに, 金融安定理事会
年7月, 議長にイングランド銀行のカーニー総裁が個人の立場で就任。 メンバ
加盟国を中心に
か国・国際機関等 (
) 本文献で触れられている
の会合は,
告の実施状況について報告書 (例えば
等)。
年
月のカンヌ・サミットである。
など) を提示してきている。
も
の勧
立教経済学研究
第
巻
第3号
年
的知見をコンサルテーション等の機会に, 原則として加盟国からの要請に応じ提供するもので
ある。 技術支援の法的根拠は,
に基づき,
協定第5条第2項であり, そこでは
は加盟国の要請
の目的と整合性のある技術支援を行うことができる, とされている (
)。
業務内容は, 加盟国が国際的基準に達していない各種の経済金融分野 (例えば, 財政金融政
策, 金融機関の規制監督, 税制, 支払い決済制度, 会計制度, 法制度, 統計システム等) の技術
的な指導・協力である。 こうした支援の受け入れ国は, 3分の2が低中所得国であり, とくに
紛争終焉後の加盟国が主要な受益国となる場合が多い。 実施方法としては, スタッフの派遣
による指導方式と特定テーマに関して受講者を1か所に集めて行う研修方式
技術支援は,
の融資とサーベイランスとともに
)
)
とに分けられる。
業務の柱であり, 支援を通じた加
盟国内の経済関係分野の政策の質や事務遂行能力の向上, 種々の制度の新設・強化等により,
効率的な融資実行 (融資資金の活用) やサーベイランスの実を挙げることが期待されるもので
ある。 このように技術支援は, 独立した単独業務ではなく,
の他の業務と有機的に絡み
合っている点の認識が重要である。
の
ンス (
年度の経費支出面の割り振りをみても, 融資 (
%) に対し技術支援は直接的人材の投入を反映し,
いる。 支援関連費用の調達は
降6年間では,
資金の増勢 (同
%), 国別・多国間サーベイラ
%とかなりのウェイトを占めて
の自己資金と加盟国からの提供資金からなるが,
資金が漸減傾向にある (
年度
年以
億ドル程度) 一方, 加盟国からの
億ドル) が目立ち, このままでは後者が前者を上回る勢いである。 また加
盟国からの提供資金について,
きんでており, 次いで
∼
年のコミット額をみると, 日本 (約
億ドル) が抜
, 英国, カナダ, クウェートが5大貢献国を構成している (
のグラフから推定)。
) 支援のための専門家は,
職員による技術支援ミッション・短期長期の現地駐在の形態による
場合が多いが, 人繰りや地理的条件により,
加盟国の中央銀行や財務省のスタッフが
契約により派遣される場合もある (
かに
(
) 現在,
)。 技術支援に関する
との
作成の文献としては, ほ
など) がある。
はワシントン
の本部のほか, 世界7か国 (オーストリア, ブラジル, 中国, クウ
ェート, シンガポール, モーリシャス, チュニジア) に能力開発のための研修所 (
) を設置している (
)。 これらのほかに, 地域のニーズに一層きめ細かく対応するために太平洋地域やカリブ
海地域, 中東, 中米, アフリカなどに9か所 (フィージー, バルバドス, タンザニア, コートジボア
ール, ガボン, モーリシャス, ガーナ, レバノン, グアテマラ) の地域技術支援センター (
) がある (
)。
近年における
業務の質的変革について (下)
(2) 技術支援の質的変化
による技術支援の歴史は古く, 設立直後 (
年代後半からで,
したのは
年) から開始している。 しかし本格化
年代から最近まで3つの隆盛期を経験している。
年代は,
独立国家の加盟が増え, 中央銀行制度・法制度・統計制度の技術支援が中心となった。 次の急
年代初期には, 旧ソ連の崩壊に伴う衛星国や東欧諸国の自由経済制度への移行が集中
増期
し, 国際基準に見合う中央銀行制度設立のための技術支援ニーズが急増した。 当時,
は
か国程度と旧ソ連からの独立国等のマトリクスの中で, 特定国の支援先と支援内容 (金
先進
融政策, 金融市場, 金融機関の規制監督, 発券業務, 決済制度, 統計制度等) を割り振り, 支
援を具体的に進めるとともに, 関係国中央銀行の役員レベルによる見直し検討も行っていた。
また, 先進国では, 日本の場合にみられたように個別に, 制度移行国のニーズを探り, 幹部候
補を自国中銀に受け入れて, いわばマンツーマンの比較的長期の研修を行ったり, 旧ソ連諸国
中銀から研修生を受入れ, 他の経済官庁や国際機関とも協働しながら集団研修を行ったりもし
た (野口
)。 こうした動きは経済制度の移行が一段落するとともに, 急速に鎮静化してい
った。
最後に最近の支援の急増は,
年代中頃に始まったが, これは国際金融制度の不安定化や
国際社会のマネーロンダリング・金融テロへの関心の高まりと呼応している。 財政政策を中心
とする支援要請が増大した一方で,
に対し資金協力を約束する先進諸国の参加もあり,
この時期の支援実績が増えたものとみられる。 なお,
代初期から最近まで急増傾向を続けている (
年, ウィーンに研修所
)
の研修拠点を通じた支援は,
年中の参加者は
年
人程度) が, これは
が設置されて以来, 数多くの研修拠点が世界中に開設されていったこ
ととも符合している。
このように技術支援業務も, 長い歴史の中で, その時々の加盟国の必要を反映し, 質的変革
を遂げてきたということができる。 そして, とくに今回の危機を経験してからの支援内容と資
源投入量の変化が目立つ。
5. IMF のガバナンス
(1) ガバナンスの意味
一般的に, ガバナンスの定義は広範で,
の場合,
が提供する役務全般 (融資, サ
ーベイランス, 技術支援) の活用に関し加盟国側がいかに統治し, 明確な説明責任を果たすか
という概念を軸に議論されることが多い (例えば, 汚職問題) (
)
州開銀,
ている。
(オーストリアの首都ウィーンに設置)。
)。
, 世銀,
,
, 欧
の6国際機関で共同設立された研修所で, 主として旧ソ連諸国や東欧諸国を対象とし
立教経済学研究
しかしここでは,
第
巻
第3号
年
のステークホルダーとの関連で,
組織自体のガバナンスという
観点から, 最近の話題に絞り若干の考察を加えたい。 責務遂行に際して,
), 公平性 (
貫性 (
), 実直性 (
は極力首尾一
) の貫徹を旨とすべきとされて
いる。
以下では, 第一に,
の
の意思決定問題, 第二に地域版通貨基金との関係, 第三に
政治的中立性の問題を概観し, 組織運営面での質的変革を確認することとする。
(2) IMF の意思決定問題
の関連先 (ステークホルダー) は多岐にわたる。 主なものを挙げると, まず
加盟
国 (中でも財政金融政策当局, 規制監督当局) である。 その他の関係先としては低所得国問題
との関連で世銀, 規制監督関係で
達している
や
, 国際金融制度改革の関係で今や主導的地位に
などの国際機関ないしグループ, 各国の有力政治家, 学界, 市民団体, その
他リスクを抱える可能性の高い民間金融機関・企業といったところである。 内部的には独立評
価室がある (
)。
こうした諸関係の中で
の重要事項
)
に関する最高意思決定機関は, 総務会 (原則とし
て加盟国の財務相・中央銀行総裁で構成) であり, 総務会から日常の業務遂行に関する権限移
譲を受けてこれを執行・監督する機関が理事会 (加盟国から選任された 名の理事で構成) で
ある。 理事会により任命された専務理事は理事会の議長を務め, 3名の副専務理事とともに事
務局を率いる。 総務会は, 加盟国から選任された
) から勧告を受けるほか,
(
, 岡村
名の委員からなる国際通貨金融委員会
を中心とするグループからも非公式な勧告を受ける (
)。
重要事項の決定には, 加盟国のクォータに基づく投票権
)
(全体の
%以上) による採決が
必要となるが, 近年このクォータや投票権の間の力関係にこれまでにない変化が生じた。 これ
は新興・途上諸国の経済力の目覚ましい向上 (逆にいえば国際社会における過少評価) を背景
とするこれら諸国からの主張が背景となっている。 まず
年6月, クォータの小幅調整が,
中国・韓国・トルコ・メキシコの4か国のクォータについて行われた (合計シェア
% (野口
下 ,
))。 その後2年間でさらに高成長の新興国と低所得国のクォータ
・シェアや投票権を検討,
年3月に
か国の投票権シェアが引き上げられた (これら諸
) 総務会の専決事項は, ①クォータの増額, ②
⑤
→
の配分, ③新規加盟国の承認, ④加盟国の除名,
協定と付則の改定である。
) 各加盟国の投票権は, 基礎票にクォータ
設立以降
年3月以前までは各国に
万
につき1票を加えて算出される。 基礎票は,
票が配分されたが, その後は各国3倍増の
票が基
礎票となっている。 これにより, クォータ最小グループの投票権シェアが相対的に引き上げられるこ
とになった (
)。
近年における
表3
業務の質的変革について (下)
IMF のクォータ・シェアおよび投票権シェアの変化概要 (%)
クォータ・シェア
シンガ
ポール
合意前
(
年)
(注1)
国, 国家
グループ
現 状
(
年
3月2日)
投票権シェア
改正案
(
年
以降)
シンガ
ポール
合意前
(
年)
(注1)
現 状
(
年
3月2日)
参考
改正案
(
年
以降)
合
成
(注2)
シェア
先進諸国
米国
日本
新興・途上諸国
(注3)
中国
低所得国 (注4)
(参考)
修正
(資料)
(注1)
(注2)
(注3)
(注4)
(注5)
(注6)
(注5)
(注6)
(
)
(
)。
年のシンガポールにおけるクォータの臨時調整前の計数。
クォータ計算式に用いられている概念による (市場レートで換算した
6割, 購買力平価で換算した
4割で合成)。
年までの3年間の平均値。
ブラジル, ロシア, インド, 中国, 南アフリカの5か国。
による借入適格かつ
からの借入適格である諸国。
( か国から
のうち
と重複するドイツ・フランス・イタリア・英国を控除) を含む。
から 7全体を除く。
国全体の投票権シェアは
%ポイント拡大。 クォータ総額は
%の増額)。 こうした改革は,
統治構造の近代化といわれ,
年の調整分と合わせ,
年3月初に発効した
)。
(
や
による支持もあり,
年
月になると, 総務会はクォータの倍増 (第
次
増資, 過去最大幅) を承認すると同時に, 新興・途上諸国のクォータ・シェアを全体で6%ポ
イント程度拡大することを決定し, この結果, インド・ブラジル・中国・ロシアが
大出資国
に含まれることになった。 クォータ・シェアの見直しに当たっては, 経済規模を反映しやすく
するため, クォータ算定式における各国の
のウェイトを厚くした。 主要国・グループの
近年のクォータ・投票権のシェア変化は表3のとおりである (
理事会のメンバー数は現状の
, 仲
)。
名で据え置かれたが, 今回のクォータ改定発効後は, 従来の
固定席 (つまり保有クォータ5大国である米国・日本・ドイツ・フランス・英国) を廃止のう
え, 全加盟国の中から選任することとし, この間欧州に割り当てられていた8議席から2議席
を減らすこと (2席は他地域に配分) も合意された。 この点につき, ドイツ (ブンデスバンク)
は, 単純にいえば, 新興諸国から
名もの理事が選出されているのであるから, 同様に多くの
他の域内諸国を代表する欧州の議席だけを2議席減らすのは不公平であるとの趣旨の主張を行
立教経済学研究
っている (
第
巻
第3号
)。 理事会の構成は8年毎に見直される (
次増資については, 各国内での批准を経て, 当初
第
年
ていた。 しかし
年
)。
月に発効することが予定され
年4月 (本論文執筆時頃) になっても米国議会での批准が遅れ, 拒否権の
機能が働いて未だに発効に漕ぎつけていない (
)。 これに対しては
のみなら
)
ず, 専務理事や米国内の識者からの強い批判が寄せられている 。 米国議会の国際経済問題へ
の取り組みや同国の投票権シェアが今後も問題となることが予想される。
(3) 地域版通貨基金との関係42)
近年の世界金融危機を経て, 国際社会では地域金融制度重視の姿勢 (
) が目立つようになってきた。 例えば,
年6月の
(メキシコ・ロスカボス会議)
では国際的・地域的な金融セフティ・ネットの重要性が強調され ), また
は
が地
域金融取極と協調することの重要性を主張することが常態化してきていた (
)。
)
は
年4月の会合で, 米国で批准不能の状態が続いていることに対し 「非常に失望してい
る」 旨を表明, できるだけ早期の批准を要請するとともに,
年末までに批准ができない場合には,
に対し改革について新たな対応策の検討に入ることを提案する, としている (
の
専務理事も,
)。
年に入り1月と3月の2度にわたり, 米国に対し強い失望の意を表
す声明を出している (
)。 そのほか, 米国ピーターソン経済研究所の
シ
ニア・フェローは, 米国による批准が3年も遅れていることについて, これが 「国際経済と金融制度
の安定のために
が果たしている極めて重要な役割を深刻な危機状態に陥れている」 と厳しく非
難している (
)。 また,
の
名余の元米国政策顧問や学者が,
年3月下院議長に宛てた書簡で,
国際経済政策策定における米国の役割を減衰させ, 米国の信用のみならず
傷つけているとして, 早期批准の実現を促している (
) は, (
(
)
) ユーロ圏には独自の調達方法があるため,
にとどめるべきであること, (
)
や
の信用までも
)。 この間, 米国議会調査局
における米国の重要な地位や, (
金源として米国議会で予算措置の必要なクォータの増額ではなく,
(
部長は,
改革案の批准遅延が
)
の資
や国別借入取極があること,
としては技術支援やサーベイランスによる協力
における新興国の地位が過小評価されているという理由だけ
で, それら諸国の発言権を増大させると, 先進国と必ずしも相容れない経済政策を容認することにつ
ながる, といった見解を紹介している (
)。
) ここで述べる地域版通貨基金とは別に, 例えば
年3月頃設立の動きが伝えられ, その後具体化
しつつある
) や
銀行 (野口
,
るアジア向けのインフラ投資銀行 (中村
年秋中国による立ち上げが報じられてい
) などがあるが, これらは本稿執筆時点 (
年5月
頃) では詳細が未詳のため, ここでは考察の対象外としている。
)
はそのメンバー中の
と
+3の協力を得て, 既に
の協力に関する緩やかな6原則につき合意した。 同原則の趣旨は, (
年
月に
と地域基金と
) 協力の強化は, 危機予防の
改善・有効な危機解決・モラルハザードの抑制の前提であり, 両基金の協力により正確かつ公正なサ
ーベイランスを実現し, 地域と世界の通貨金融の安定を促進すべきこと。 (
) 協力は, 各基金の独
立性・意思決定過程を尊重し, 地域の特殊性に弾力的に配慮したものであるべきこと。 (
) 実際に
近年における
業務の質的変革について (下)
こうした動きは, アジア通貨危機勃発直後, 日本がアジア通貨基金の設立を提唱した際に
や米国・中国等から強い抵抗があったこと (野口
上 ) と対比すれば, 様変わり
の姿勢転換である。 各国間・市場間の相互連関高度化の中, 今回の危機がこれまでにない多く
の国を巻き込み, それだけ危機対応には, 広範な地域の通貨基金等による流動性供給機能が期
待されたものであろう。 さらにいえば, 個別国がシステミックな危機に巻き込まれた場合, グ
ローバルなレベルと地域レベル両方の専門知識等に関する比較優位を活用した対応が必須であ
ることを認識せざるを得なくなったことが,
が近年になるほど地域版基金を尊重しだし
)。 現在の主な地域版通貨基金の機能を持つ機関は, 表4のとお
た背景である (
りである。
同表を概観すると, まず地理的には中近東・北米・中南米・アジア・欧州と全世界をほぼ網
羅していることが明らかである。 創設時期をみると,
年代初期以前の比較的古いものと,
今次世界危機以降に設立されたものに二分される。 また資金枠は, アラブ通貨基金・ラテンア
メリカ準備基金・ユーラシア経済共同体危機対策基金が
∼
まっているのに対し, チェンマイ・イニシアティブが
億ドルから
億ドル程度にとど
億ドル, 欧州の基金の場合には最
億ドル弱 (欧州金融安定基金) と, けた違いの規模となっており, とくに欧州危機の
大
深刻さを窺わせる。
アラブ通貨基金・ラテンアメリカ準備基金・ユーラシア基金との間では,
は明確な役
割を有していないが, その他の基金とは何らかの形で協議・協調の関係にある。
これらの地域版通貨基金は, 対外収支・為替相場・財政収支の安定等を共通目的としている。
しかし 「地域」 の基金が必要なそもそもの理由は, 何であろうか。 それは, (
比べより迅速かつ円滑な資金調達が可能, (
満, (
)
融資のコンディショナリティに対する不
による直接管理下に入るより地域基金の監視を受ける方が (国民に対する) 内
政干渉の印象を緩和可能なこと, (
回避などである (
今後の
)
融資に
)
)
,
,
と地域基金との関係に関する課題としては, (
策等の共通化, (
) の
借入に伴う国家信用の失墜の烙印 (
, 野口
,
)。
) サーベイランス面の実施方
) 危機時にどちらが先にどう動くかという初動方式の取極, (
) 両基金間
は, 危機の発生が引き金となって協力が開始されようが, 危機予防の能力を高めるためには, 日頃か
らの協力の継続が必要。 (
) 協力はできるだけ早期に開始し, 情報の共有・必要に応じた合同ミッ
ションが行われるべきこと。 両基金がお互いに比較優位性を有していることは明らかで, お互いの知
見の活用が有用であろう (一部省略)。 (
) 基金間を渡り歩いて融資条件漁りをやるような借入予定
国の行為を防止するため, 融資条件を極力統一すべきこと。 ただし, 融資条件や見直し時期について
はある程度の弾力的対応が必要 (一部省略)。 (
重すべきであること, である (
一方で,
,
) 地域基金は
の優先債権者としての立場を尊
を野口が抄訳)。
の構成メンバーが多過ぎ, 真に必要な議論ができにくくなっているといった批判が聞
かれ始めているのも事実である (
)。
(
)
<国際収支支援フ
ァシリティ>
秩序ある為替相場
情勢を達成するた
め, 適格な加盟国
に対し急性の国際
収支危機の防止に
役立つ経済政策の
採用と収斂に向け
た努力を奨励
・同前
・ただし対象は
全加盟国
・
年設立
・全
加盟国向けの
国際収支支援融資制
度の再現
による市場借入
を原資とする融資制
度
による市場借
入を原資とする融
資制度
・最大融資枠
億
ユーロ
・
の信用度に基
づく資本市場借入
・最大融資枠
億
ユーロ
・
の信用度に
基づく資本市場
借入を原資とす
る
・借入条件と同条
件で融資 (
億ドル
・応募資本
億ド
ル
・払込資本
億ド
ル
(
年末)
GDP 比/IMF
クオータ比
(2011年・%)
制度的枠組
の支援する
プログラムとの
公式の連携はな
いが, 最近は協
議が行われてい
る
・
加盟国は
に接触する前に
と協議する
義務がある
・
・欧州経済金融委員会と
の協議後なされる欧州
・理事会規則
・欧州経済金融委員会
との協議後なされる
欧州委員会からの提
案に対しては, 閣僚
理事会の過半数採決
で決定
・理事会規則
米国財務長官は, 借 法人格, 独立した事務局
入国の政策に関する なし
信認を示す
専
務理事の書簡を要請
と し て の 明 確 ・国際公法上の法人
な役割なし
・各国は1票と議席を有
する
・決裁の大半は4分3以
上の多数決による
・短期および偶発融資は
理事会の承認不要
と し て の 明 確 ・国際公法上の法人
な役割なし
・すべての決裁は議決権
の過半数による
IMF との関係
・各種融資形態をとる
規定では,
・予防的融資が可能
融資の実行に関し
・融資額, 期限, その他の
と
との協
条件は欧州閣僚理事会
議の下に行うことと
・各種融資形態をとる
・予防的融資が可能
・融資額, 期限, その他
の条件は欧州閣僚理事
会 (
) が決定
・経済プログラムと融資
条件は覚書と融資合意
書に提示される
日間の中央銀行間スワ
ップ
・1年までの更新可能
・
・融資期間は5つの融資手
段 (予防的偶発的融資を
含む) を通じ 日から3
年まで対応
・融資限度は払込資本の
%まで (ボリビア, エク
アドルは
%)
・中央銀行が政策を提示,
は条件追加なし
にプログラムを受入れ
・融資期間は7つの融資手
段を通じ短期から7年ま
で対応
・融資限度は各手段に応じ
払込資本金の %から
%まで(合計
%)
・払込資本金の
%を超
える融資にはプログラム
が必要
融資手段と
コンディショナリティ
第3号
・
年設立
・金融困難に陥った
非ユーロ圏の
加盟国に対する中
期的金融支援
・当初は欧州統合に
伴う国際収支危機
を回避するため
年
に設立された中期
金融支援策 (
本部はブラッセル)
経済統合の深化に伴 二国間通貨スワップ
う為替相場への圧力 網に関する取極
や金融の不安定化の
回避を支援するため,
短期流動性を供給す
る
年,
と
並行して金融取極とし
て設立 (本部とくにな
し,
はメキ
シコ・シティ, トロン
ト, ワシントン)
・加盟国からの出資
金から融資
・市場借入により補
完
・授権資本 億ドル
・融資残高 億ドル
(
年末)
基金規模と構造
巻
欧州連合の通貨基金
融資態様
国際収支不均衡の是 ・加盟国からの出資
正, 為替相場の安定,
金から融資
支払い・貿易規制の ・市場借入により補
撤廃, 資本市場の発
完
展, 政策協調の推進
的
( ) 加盟国の国際
収支支援, ( ) 加
盟国の準備金投資の
条件改善, ( ) 加
盟国の為替相場, 通
貨金融政策の調和
)
目
年 (サンタフェ
・デ・ボゴタ, コロ
ンビア), アンデス
準備基金 (
)
への第三国諸国の加
入後設立
・
はアンデス諸
国の対外バランス是
正, 地域統合促進の
ため
年に創設
・
年
(アブダビ,
設立時期・経緯
(本部所在地)
Regional Financing Arrangements (現行地域版通貨基金等の概観)
第
(
)
<北米金融枠組取極>
(
)
<ラテンアメリカ準備
基金>
(
<アラブ通貨基金>
地域版基金等
取極
表4
立教経済学研究
年
(資料)
(
(
)
<マルチ化チェンマイ
・イニシアティブ>
)
(
)
<ユーラシア経済共同
体危機対策基金>
(
(
)
<欧州安定メカニ
ズム>
(
)
<欧州金融安定基
金>
<欧州金融安定メ
カニズム>
,
+3 (計
か国) および香港金
融管理局間の米ドル
と地域通貨のスワッ
プ取極
・
年3月設立
・短期流動性・国際
・当初マルチ化以前の
収支問題の是正
は, 東アジア ・既存の多角的金融
地域の金融安定の確
取極の補完
保を目指し, 十分か
つ適時の金融支援を
行うための二国間ス
ワップ網の取極とし
て
年5月に設立
された
)
加盟国からの拠出金
(予算による支出)
を原資とする融資制
度
・財政予算, 国際収
支, 通貨問題の支
援を通じた安定化
プログラムの支援
・大規模投資プロジ
ェクト推進のため
の支援
・
年設立
・グローバル金融危機
の余波克服のための
加盟国の支援, 加盟
国の長期的経済安定
の確保, 経済統合の
促進
億ドル (改
定取極の発効に伴
い
億ドルに
増額)
・拠出金額は, 加盟
国が合意した額以
内での原資提供の
コミットに基づく
・資金移動は引出要
求がなされた際に
限り行われる
・
・加盟国からの歳出
総額 億ドル
・最大融資可能額
億 ユ ー ロ
(
合
計では
億ユ
ーロ)
・うち
億ユーロ
は5回の均等分割
による払込資本金
・
億ユーロは
加盟 か国からの
請求可能資本金
・設立当初の最大融
資可能額
億
ユーロ
・ユーロ加盟国が欧
州中央銀行の払込
資本金のシェアに
応じて融資を保証
を筆者が試訳した。 ほかに
・加盟国からの拠出
金 (出資金) を原
資とする各種融資
制度
・民間借入により補
完
金融困難に直面し,
ないし脅かされてい
るユーロ圏諸国に対
する金融支援
・
年 月設立
・ユーロ圏の金融面の
安定を防護するため
の恒久的危機解決機
構
市場借入による各種
融資制度
ユーロ加盟諸国に対
し安定のための一時
的支援により経済通
貨同盟の金融面の安
定維持を図る
年5月設立
年6月までのユ
ーロ圏諸国の一時的
支援制度
・
・
を原資とする
されている
委員会からの提案に対
しては, 閣僚理事会の
過半数採決で決定
からの融資を ・国際法に基づく政府間
求める加盟国は, 事
の機構
情が許す限り
・総務委員はユーロ加盟
へも同様の申し込み
国の財務相
が可能
・重要決議のほとんどは
満場一致が必要
・緊急採決手続により投
票数の %超で金融支
援の承認が可能
(
) など。
・期限 日のスワップ, 7
回までの更新可能 (概ね
2年間)
・取極改定により期限の延
長と予防的スワップ利用
枠の導入が実現の見込み
・資金引出のうち借 ・「マルチ化チェンマイ
入限度額の %超
・イニシアティブ取極」
過部分は,
による契約に基づく
プログラムの適用 ・法人ではないが, 地域
が条件となる
サーベイランス班や
・取極改定に伴い本
+3マクロ経
規制は %に, さ
済調査室 (
)
らに
年には見
がシンガポール法下で
直しを条件に %
設立されている
に拡大の見込み
・融資の決定は投票権の
3分の2の多数決で決
定
( ) 融資先は安定化プロ
としての明確 ・
は協定に基づく
グラム支援のため中央政府 な役割なし
ものであるが, 法人な
に限定, ( ) 投資性の融
いし機構ではない
資は政府および (ないし)
・
委員会 (最高意
地域統合を促進する大規模
思決定機関) は加盟国
投資計画および大規模な国
の財務相で構成
家的投資を推進している企
・ユーラシア開発銀行は
業が利用可能
の原資を管理
・採決は単純過半数によ
る
( ) 金融困難に陥った加
盟国への融資, ( ) 債務
の発行・流通市場への介入,
( ) 予防的支援, ( ) 銀
行資本増強のための対政府
融資
) 金融困難に陥った加 枠 組 合 意 書 で は ,
ルクセンブルグ法に基づ
盟国への融資, ( ) 債務
と 協 力 し て 金 く株式会社
の発行・流通市場への介入, 融支援を行うべき旨
( ) 予防的支援, ( ) 銀 を制定
行資本増強のための対政府
融資
(
) が決定
・経済プログラムと融資条
件は覚書と融資合意書に
提示される
近年における
業務の質的変革について (下)
立教経済学研究
第
巻
のリンク (地域基金の融資資金の何%までに
第3号
年
のコンディショナリティの縛りをかけるか)
がある場合, 地域基金の自由度を高めることの検討, (
の関与
) 各地域基金に対する
の仕方に関する実現可能な限りの統一化等が考えられる。
(4) 政治的中立性の問題
ほぼ全世界の加盟国から構成されている
は, あらゆる業務関係において各国との公平
性を保つ必要があるという意味で, 「政治的中立性」 の維持が原則である。 この中立性は具体
的には種々のレベルでの議論が可能である。 まず
の職員は国際公務員として出身国を含
協定付則で定められている )。
め特定国との偏った関係を有してはならないことが,
の組織としての政治的中立性は, 複雑な側面がある。 すなわち,
の関係先 (ステ
ークホルダー) との距離の取り方において, 中立性維持の難易が生じる問題で, 例えば,
の政策に関心を持つ市民団体などに対しては,
スタッフの倫理規定遵守によりある程度
中立的立場を保つことができると思われる反面, 有力加盟国やグループとの関係のあり方は単
純にはいかない。 政治的中立性は, 加盟国の現政権の持続を前提にしているわけであり, 仮に
政権交代が行われて当該国内の支配的政治思想の移行が生じても,
としては国際金融シ
)
ステムの安定という大義名分の下で, 支援を続けることになる 。 外部資金調達の必要が生じ
た国の立場からすれば, コンディショナリティによる借入のできる
が, 相対的に政治的
中立性を保っているとの判断の下で, 依存を容易にしている, と考えられる。
常識的にも分かることであるが, 実際には
の組織としての中立性は, 拒否権を有する
7の牽
米国, その他先進国のみならず新興諸国中の有力国の影響を常に受けており, また
引力が後退する一方で, 近年, 国際金融制度の安定化や構築に関して, 経済力の増した
諸国を含む
をリードしているようにみえる )。 国際
の存在感が目立つようになり,
政治経済社会における一種のパワー・シフトが生じたとの表現が可能であろう。 この間,
)
4や
は,
職員による政治活動の原則禁止や関係国からの贈答品受取り
の自粛等にわたり詳細な倫理規定を定めている (
)。 同様に, 理事
に関しての倫理規定もある。
) 例えば,
の
専務理事は,
年2月末, 政情不安に陥ったウクライナの金融当局か
らの支援継続要請に対し, 即座に承諾の意思を表明している (
)。
またやや古い情報になる (しかし現在も通用すると思われる) が,
ように述べている。 「中立性を巡るリスク―つまり
は, 概ね次の
の行動を国際的に合法的なものに保てるか
どうか―は, その組織の権限の性格と範囲にかかっている。 ……例えば, 政策実施に際して, 透明性
のある詳細なルールが規定されていれば,
が広範囲に容易になる。 ……」 (
)
)。
7は経済サミットとして, その設置は
年2回開催されるようになった。
によるサーベイランスの実施に当たり中立性の維持
年まで遡る。
については, 脚注
年以降,
を参照。
7財務相・中銀総裁会議が
近年における
業務の質的変革について (下)
年初にウクライナの政情不安が表面化すると, 欧州・米国とロシア間の政治的対立が先鋭化し,
8 ) が崩壊状態となった (奥寺他
, 梅原
)。 これに伴い, ロシアを含む今後の
の機能が一段と重要性と不安定性を増すことになることが想像される。
の政治的中立性について, 基本的に疑問視する見解がみられる。 例えば,
なお
(
) は, 「
年までに政治的中立性から相当離れてしまった )」 と指摘して
が既に
いるほか,
(
) は, 「
の政治的中立性の目標にも拘わらず, その政策措
置は, 新古典派経済学に深く根ざしており, そのため欧米流の新自由主義を世界中に押しつけ
つつ, 債権者を有利に, 債務者を過大に不利にしているとの批判が続出している」 とか 「
経済プログラムが当該国内の分配問題に繋がっているため, プログラムを巡る交渉自体が, 途
上国における利害関係者間の対立に密接につながっている」 といった趣旨の見解を紹介してい
る。
は加盟国との関係でできるだけ政治的中立を保つことを旨としてきたものの,
結局,
現実の国際政治の均衡点は常に揺れ動いており ), とくに直近の世界危機, 各国政情の不安定
の中立性保持は有名無実化しているといえよう )。
化の中で,
むすびにかえて
は, その設立以降, 国際経済構造の変化に応じて, 融資・サーベイランス・技術支援
いずれの業務についても遂行手法の手直しを行い, 組織管理運営にも相応の工夫を講じてきた。
)
8は
7にロシアを加えたグループで,
問題の議論のためロシアが
7に合流,
年にロシアが
年には政治
年から国際経済・政治問題の検討の場として, ロシアが
全面的に参加するようになっていた (
) 「
7会合の一部に参加,
)。
年までに」 との記述は, それ以前の中南米の対外累積債務問題への対応策が先進国, とくに
米国を中心に検討されていき (
年のベーカー構想,
年のブレディ構想),
を含め国際経済
社会が米国の圧倒的な政治力に牽引されていったことを示唆しているものと推定される。
)
が国際政治の動静の影響を受ける事例としては,
挙げられる。 例えば, (
月復帰), (
)
新生ロシアが
)
への加盟国の受け入れに関する判断が
年3月, ソ連 (当時) の圧力でポーランドが脱会したこと (
年4月, 中国の代表権が台湾から北京政府へ移行したこと, (
年6月に新規加盟したこと, (
)
年6
) ソ連の崩壊後,
年代に北朝鮮から加盟条件に関する非公式な
問い合わせがあったとされているが, 未だに非加盟のままであること, などである (
)。
) 例えば, 急進派の学者と目される
年余も前に
が政治的に中立的な金融
専門家集団ではなく, 主要債権国の代理人である旨, 明記している (
)。 また政治的に中
立的立場にあるとみられる
は,
は, いわゆるワシントン・コンセンサスの考え方 (
年代のラテンアメリカ諸国の経済金融に関する自由化の必要性) を提示したが, そうした政策提言の
一端を担う
が政治的に中立的ではありえないとの推量は容易であろう (
)。
立教経済学研究
第
巻
第3号
年
しかし世界経済金融における各国間の貿易・資本取引, 主要金融市場間の相互依存関係, 政策
の波及関係が極めて密接になっている近年において, 一旦一部国で危機が発生した場合, その
伝播速度, 影響を受ける国の多さなど, 従来とは質・量的に異次元ともいえる規模・深刻度を
経験した。 こうした環境の中で
はかつてない大幅な資金規模の拡充を図ったほか, サー
ベイランス業務や技術支援の面でも危機対応を念頭に置いた変革に努めてきており, こうした
点は正当に評価すべきと思われる。
国際経済社会の将来を展望した場合, 課題は一層の錯綜が予想され, つれて
)
さらに重要となりこそすれ, 軽くなることはあり得まい 。 例えば, (
の役割も
) 中国の資本取引自
由化が進むに従い, またシャドー・バンキングが存続していれば, 通貨危機の火種が生まれる
可能性があること, (
),
(
) 欧州の財政・金融問題の再燃も否定できないこと (
) 米国の経済・政治力の相対的低下に伴い, 同国の
議論が避けられないであろうこと, (
に日本), (
における投票権の
) 先進諸国の財政問題表面化が懸念されること (とく
) 先進・新興諸国の政治問題も複雑さを加えていくであろうこと (保守・革新派
の対立の先鋭化, 民族問題の影響増大等) など, 国際経済金融制度の安定性を左右しかねない
問題は, 枚挙にいとまがない。 国際金融機関としての普遍性を有する
務・権限の効率的発揮のため, 経営資源の充実
)
としては, その責
と有効活用に努め, 加盟国や他の国際機関・
グループ, 地域版通貨基金等との整合的な協調・協働を通じ, 危機対応機関としての体制を一
層整えるとともに, 引き続きサーベイランスや技術支援の効率化, 関係先に対する情報提供サ
ービスの充実に傾注していくことが肝要と思われる。
)
(了)
の活動や国際通貨システムに関して, 何らかの形で国際政治的視点から触れた文献は, 例え
ば,
(
安藤他編 (
)
(
) 毛利 (
) 坂元 (
ることができる。 さらに
(
)
)
(
) 奥田他編 (
成立・発展史としての
(
) 伊藤・浅井編 (
) 岩田 (
), 池島 (
) 根本 (
)
) 等々, 数多くを挙げ
(
)
) も参考になる。 それでもなお, 歴史的大恐
慌にも匹敵するかと懸念された今回の世界危機を経験し, また国際関係が一層の錯綜をみている現状
下, 筆者としては, さらに
(あるいは世銀グループを含め) を主軸に据え,
と加盟国間や
加盟国相互間の政治経済学的諸関係を正面から捉え, 体系的に考察・整理する作業は,
業務の
一層深い理解のために, 大いに意義のあることと考える。
)
の総職員数は,
の比率は
∼
年の
年以降
∼
年まで平均
%から徐々に拡大し,
名弱で推移している。 このうちエコノミスト
年には
%を占めるに至っている。 これはエコノ
ミストとしての経験を積んだ人材や, 金融部門に強い専門家の重点投入を反映したものとみられる
(
)。
の経営資源毀損の恐れのある融資に絡むリスク (与信集中, 流動性リスク等) に関しては,
担保徴求が非現実的である以上, その管理の基本として,
(
) が指摘し
ているように, 借入国側においてその経済安定に責任を持つ, という原則を固守させることしか, 当
面の対策はないと思われる。
近年における
業務の質的変革について (下)
参考文献
英文文献
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立教経済学研究
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立教経済学研究
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伊藤正直・浅井良夫 [編] (
岩田勝雄 (
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京都大学学術出版会
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史―創生と変容
名古屋大学出版会
) 「アメリカの覇権と国際経済関係の展開」 立命館経済学
岡村健司 [編] (
翁百合 (
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エティック国際関係学
改革と通貨危機の理論:アジア通貨危機の宿題
国宗浩三 [編] (
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不安定化する国際金融システム
奥田宏司他 [編] (
国宗浩三 (
国際金融危機と
英文エッセイコンテスト
説明会, 財務省
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野口嘉彦 (
) 「経済システム安定に役立つ知的支援を目指して―日銀による知的支援の概要」
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大学教育出版
学文社
) 「国際的な最後の貸し手機能と
年3月
日
, 第
(上)・(下)」
巻第1号
年7月
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日,
第
巻第4号
, 立教大学経済学研
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学部創立
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米倉茂 (
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総合政策研究紀要
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周年記念号), 尚美学園大学,
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をめぐって」, 山口義行 [編]
終わりなき世界金融危機:バブルレ
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すぐわかるユーロ危機の真相
・世界銀行
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奥寺, 伊東, 駒木 (
中村亮 (
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業務の質的変革について (下)
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朝日新聞
) 「アジア金融 (日本・中国) 綱引き」
3月
日朝刊
3月
日朝刊
日本経済新聞
版
ページ
版1ページ
5月6日朝刊
版3ページ