議会改革調査特別委員会報告書(案)

議会改革調査特別委員会資料
平成27年2月24日
議会改革調査特別委員会報告書(案)
1
調査の目的
近年、地方分権が進み、地方に権限が移譲されるにつれて、地方自治体の果たす役
割が急激に拡大した。このような状況下において、地方政治における二元代表制の一
翼を担う議会は、民意を反映する合議体として、住民自治を実現するという責務があ
り、その役割は一層大きなものとなっている。
板橋区議会においては、議会機能の充実を図るため、議会改革を喫緊の命題として
捉え、今まで、議会改革に関する勉強会及び特別委員会を設置し、議論を重ねてきた。
その中で出された意見を基に、数々の取り組みが実践され、区民に分かりやすく、開
かれた議会の実現に向けて一歩を踏み出すことができた。今後も、これらの取り組み
をさらに前進させることが必要である。
また、議論の中で浮き彫りにされた新たなテーマ・課題について、より深く議論・
研究していく必要がある。特に、議会の情報公開に関する調査を実施し、実践するこ
とは、区民に開かれた議会の実現に重要な役割を果たすことが期待される。
以上のことから、今まで、議論・実践されてきた議会改革に対する板橋区議会とし
ての取り組みを踏まえ、不断の議会改革を行うため調査・研究を行い、議会の果たす
べき機能を十分に発揮できる、これからの議会のあり方について検討を行うこととし
た。
2
活動方針
『区民に身近な議会の実現及び議会機能の充実について』
区民に身近で、開かれた議会実現のため、徹底した情報公開、積極的な情報発信、
区民との理想的な関係の構築等、多角的な視点から、社会情勢の変化に適宜対応でき
る議会体制について検討を行う。
さらに、今まで、議論・実践されてきた議会改革に対する板橋区議会としての取り
組みを踏まえ、不断の議会改革を行うため調査・研究を行い、議会の果たすべき機能
を十分に発揮できる、これからの議会のあり方について提言を行う。
1
3
調査の経過
第1回
平成26年5月29日
議 題
正副委員長等の互選について
第2回
平成26年6月20日
議 題
1 活動方針について
2 今後の調査項目について
3 中間報告書において、引き
続き継続して調査すべもの
と決定した項目の検討につ
いて
第3回
内 容
1 活動方針について協議し、全会一致をもっ
て決定した。併せて活動スケジュールの提案
があり、了承した。
2 今後調査すべき項目について、議会事務局
より説明を受け、調査項目を確認した。
3 議会事務局及び理事者から説明を受け、委
員から質疑及び意見が出た。
平成26年10月7日
議 題
1 春日部市議会における災害
発生時の対応について
(視察)
2 緊急時における議会のあり
方検討について
3 引き続き継続して調査すべ
き項目の検討について
4 板橋区議会報告会報告書に
ついて
第4回
内 容
委員長・副委員長の選任と、理事会の設置及び
理事委員の選任を行った。
内 容
1 春日部市議会に赴き、災害発生時の対応に
関する先進事例について説明を受け、質疑を
行った。
2 議会事務局から説明を受け、委員から意見
及び提案が出た。
3 議会事務局及び理事者から説明を受け、委
員から意見及び提案が出た。
4 議会事務局から説明を受け、委員から意見
及び提案が出た。
平成26年12月10日
議 題
内 容
議会改革調査特別委員会報告 報告書(骨子)の内容について協議し、委員
書(骨子)について
から意見が出た。
第5回
平成27年2月24日
議 題
1 議会改革調査特別委員会報
告書(案)について
2 委員会の結了について
内
2
容
4
活動方針に関する現状報告
平成25年度の当委員会において、引き続き継続して調査すべきものと決定した以
下の項目について、調査及び研究を行うにあたり、現状を把握するため、議会事務局
及び理事者より説明を受けた。
(1)議会の情報公開について
① ホームページ上での出欠状況の公開について
② ホームページ上での予特・決特総括質問で議員が使用したパワーポイント資料の
公開について
③ 申し合わせ事項のホームページ上での公開について
④ 非公開となっている議会運営委員会理事会、各特別委員会理事会の公開について
⑤ 会議録の要点筆記縮小について
(2)会議規則、委員会条例の精査について
(3)緊急時における議会のあり方検討について
5
先進事例の視察
調査活動の参考に資するために、10月7日に埼玉県春日部市議会に赴き、「議会
における災害発生時の対応について」先進事例の視察を行った。
春日部市議会においては、平成23年3月11日に発生した東日本大震災を教訓に
平成25年2月4日、災害発生時の市議会と議員の対応等をルール化した「春日部市
議会における災害発生時の対応要領」が制定された。この対応要領では、地震等によ
り大規模な災害が発生し、市に災害対策本部が設置された場合、市議会災害対策支援
本部を設置し、市災害対策本部と連携を図り、被害の拡大防止及び災害の復旧に寄与
することを目的としている。併せて、この対応要領に基づく、災害発生時の議員の参
集基準を定めた「大規模災害発生時の春日部市議会議員の行動マニュアル」について
も制定された。また、連絡手段にメールの活用を想定し、各議員へのメール送信訓練
や大規模災害の発生を想定した議員参集図上訓練も実施しており、議場内の席には、
ヘルメットも常備されている。
委員より、活発な質疑が行われ、今後板橋区において検討を進めるにあたり、大変
参考になるものであった。「市議会による防災訓練を実施した際に浮き彫りとなった
問題点について」の質疑に対しては、実際の震災に備えたさらなる意識改革の必要性
3
が挙げられた。また、「市と市議会の連携について」の質疑に対しては、災害発生直
後の執行機関の状況を踏まえ、議員が収集した情報を議会において集約し、優先順位
をつけて市災害対策本部へ伝達しているとのことである。
春日部市議会の視察を通じて、改めて災害時の対応に関して危機意識を深めること
ができ、また具体的なイメージも共有することができた。
以下、春日部市議会における取り組みとして、災害発生時の対応要領、行動マニュ
アル及びフロー図の内容を報告する。
(春日部市議会ホームページ及び当日配付資料より抜粋)
春日部市議会における災害発生時の対応要領
(目的)
第1条 この要領は、春日部市において地震その他の事象による災害発生時の春日部市
議会及び春日部市議会議員(以下「議員」という。)の対応等を定めることにより、
春日部市災害対策本部(以下「市対策本部」という。)と連携を図り、被害の拡大
防止及び災害の復旧に寄与することを目的とする。
(本部の設置)
第2条 春日部市議会議長(以下「議長」という。)は、市対策本部が設置されたとき
は、これに協力及び支援するため、春日部市議会災害対策支援本部(以下「本部」
という。)を設置するものとする。
(本部の組織)
第3条 本部は、本部長、副本部長、本部役員及び本部員をもって構成する。
2
本部長は、議長をもって充て、本部の事務を統括し、本部役員及び本部員を指揮
監督する。
3
副本部長は、副議長をもって充て、本部長を補佐し、本部長に事故あるときは、
その職務を代理する。
4
本部役員は、各会派の代表者をもって充て、本部長及び副本部長を補佐するとと
もに、本部の事務に従事する。
5
本部員は、議員(議長、副議長及び各会派の代表者にある議員を除く。)をもっ
て充て、本部長の命を受け、本部の事務に従事する。
4
(本部の任務)
第4条
本部は、次に掲げる事務を行うものとする。
(1) 議員の安否確認を行うこと。
(2) 市対策本部から災害情報の報告を受け、議員に情報提供を行うこと。
(3) 議員から災害情報を収集、整理し、市対策本部に情報提供を行うこと。
(4) 被災地及び避難所等の調査を行うこと。
(5) その他本部が必要と認める事務
(議員の対応)
第5条
議員の対応は、次に掲げるとおりとする。
(1) 自らの安否及び居所又は連絡場所を本部に報告し、連絡体制を確立すること。
(2) 本部から情報提供を受け、地域の防災活動に資すること。
(3) 被災地及び避難所等で情報収集を行い、必要に応じて本部に報告すること。
(4) 被災地における救援活動に協力すること。
(5) 被災者に対する相談又は助言を行うこと。
(災害発生時の参集)
第6条
本部長、副本部長、本部役員及び本部員は、地震その他の事象により、市域
において大規模な災害が発生すると思料するときは、本部長が別に定める基準に従
い、本部長が指定する場所に参集するものとする。
(議会事務局の対応)
第7条
議会事務局の対応は、次に掲げるとおりとする。
(1) 事務局長は、市対策本部の会議等に出席し、情報収集に努めるとともに、本部
に情報提供する。
(2) 事務局職員は、本部の事務に従事する。
(その他)
第8条
この要領に定めるもののほか、本部の運営に関し必要な事項は、本部長が定
める。
附
則
この要領は、平成25年2月4日から施行する。
5
大規模災害発生時の春日部市議会議員の行動マニュアル
1.初動時の参集基準
議員は、春日部市の市域において大規模災害の発生をテレビ、ラジオ等で覚知し
たときは、「春日部市議会における災害発生時の対応要領」及び次の基準に基づき
行動する。
なお、春日部市議会災害対策支援本部が設置された場合は、本部長の指示に基づ
き行動する。
(1) 地震災害の場合
震度等
震度5弱
震度5強以上
(市において災害対
策本部を設置)
本部長から指示が
あったとき
参集する者
本部長、副本部長及び本部役員
本部長、副本部長、本部役員
(災害対策支援本部設置)
参集場所
春日部市議会
本部長が指定
する場所
本部員
(災害対策支援本部に全議員が参集)
本部長が指定
する場所
(2) 水害、その他の災害の場合
状況等
市において災害対
策本部を設置した
とき(※)
本部長から指示が
あったとき
参集する者
本部長、副本部長、本部役員
(災害対策支援本部設置)
参集場所
春日部市議会
本部員
(災害対策支援本部に全議員が参集)
春日部市議会
※「災害対策本部の設置基準」は、「災害救助法が適用される災害が発生した場合、
複数の地区で甚大な災害が発生し、さらに市内全域に拡大するおそれがある場合、
その他市長が必要と認めた場合」とされている。
6
2.参集又は活動時の留意事項
議員は、参集又は活動する場合、次の事項に留意し行動する。
(1) 服装・携行品
防災活動に支障のない安全な服装とし、ヘルメット、手袋、懐中電灯、携帯ラ
ジオ及び筆記用具をできる限り携行する。また、個人用として食料や飲料水等を
携行する。
(2) 交通手段
原則として徒歩、自転車又はバイクを利用する。
(3) 緊急措置
火災又は人身事故等緊急事態に遭遇した時は、人命救助等適切な措置をとる。
(4) 被害状況等の収集
被害状況や災害状況等情報収集に努め、必要に応じて本部に報告する。
7
6
まとめ
議会改革調査特別委員会は、平成25年度・平成26年度の活動方針である区民に
身近な議会の実現及び議会機能の充実について、調査及び研究を行ってきた。
本委員会では、平成25年度に調査した16項目のうち、「引き続き継続して調査
すべきもの」と決定した項目について、再度調査及び研究を重ね、認識を深めるとと
もに、提言に向けた議論を行った。
特に、緊急時における議会のあり方検討については、他の議会での取り組み状況の
調査や、早期に取り組む必要性について、活発な議論が行われた。
以上のような調査活動の中で、集約された議会改革に向けた意見が十分斟酌され、
議会改革がさらに前進するよう強く希望するものである。
(1)議会の情報公開について
① ホームページ上での出欠状況の公開について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきとの意見
○ ホームページ上における議員ごとの表決態度の公開が、平成26年第3回定例会よ
り実施されており、ある程度の出欠は確認できる。そのため、出欠状況の公開につい
ては、将来的課題とするべきである。
実施すべきとの意見
○ 欠席する場合は、正当な理由があってのことであるため、区民へ公表しても問題な
いと考える。また、公開することで、区民と議会との信頼関係も結ばれる。
8
② ホームページ上での予特・決特総括質問で議員が使用したパワーポイント資料の
公開について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきとの意見
○ ホームページ上での公開に関するルール作りや技術的な課題の検討も必要であるた
め、将来的課題として認識し、現状維持とすべきである。
○ 基本的には公開すべきと考えるが、現段階では、把握しきれない課題もあると認識
しているため、将来的課題とすべきである。
実施すべきとの意見
○ 予特・決特総括質問で使用している資料であるため、公開しているのと同等である
と考える。また、資料の責任の所在は議員にあることも議会運営委員会より示されて
いるため、ホームページ上での公開も問題ない。
○ 資料に関するルールは、議会運営委員会より示されたため、今後実際に運用しなが
ら検討するべきである。
その他
○ 図書館等へ資料を送付の上、公開している現状に対する議会運営委員会の見解を確
認するべきである。また、資料を公開するにあたっては議会運営委員会においてルー
ルを定めるべきである。
→議会運営委員会からは「公開している現状に問題はない」との見解が示された。
その後、資料に対する委員長の許可基準・資料に誤りがあった場合の手続き方
法・資料に関する責任の所在に関するルールが定められた。
③ 申し合わせ事項のホームページ上での公開について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
○ 現任期中は現状維持とし、改選後の議会にて項目の精査を行うべきである。
○ 申し合わせ事項が現状に適しているかどうかを一つ一つ精査した上で公開すべきで
ある。
○ 公開するのであれば、申し合わせ事項の全てを公開すべきであり、精査をして一
部公開とするのであれば公開すべきではない。
④ 非公開となっている議会運営委員会理事会、各特別委員会理事会の公開について
≪委員会の出した方向性≫
実施しない方向で決定
≪各委員からの意見≫
実施すべきでないとの意見
○ 議会基本条例素案第8条において、議会運営委員会理事会及び各特別委員会理事
会については公開しないと規定されているため、条例との整合性を考慮し、公開す
べきでない。
9
⑤ 会議録の要点筆記縮小について
ア
議案説明会
≪委員会の出した方向性≫
実施すべきものと決定
≪各委員からの意見≫
実施すべきとの意見
○ 現状の要点筆記だけでは、十分に理解することが難しい。
○ 詳しい会議録があると、後ほど確認することも可能となるので、提案者の説明内
容を含め、議事録として作成すべきである。
イ
議会運営委員会理事会及び各特別委員会理事会
≪委員会の出した方向性≫
実施しない方向で決定
≪各委員からの意見≫
実施すべきでないとの意見
○ 議会基本条例素案第8条において、議会運営委員会理事会及び各特別委員会理事会
については公開しないと規定されているため、条例との整合性を考慮し、会議録も要
点筆記とすべきである。
(2)会議規則、委員会条例の精査について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
○ 現任期中は現状維持とし、改選後の議会にて実施すべきである。
○ 議会基本条例の理念等を踏まえて、内容の精査を行うべきである。
○ 現状にそぐわない内容となっているものもあり、具体的な精査が必要である。
10
(3)緊急時における議会のあり方検討について
①
議論の経過
板橋区議会では、平成 8 年 3 月 5 日に「災害時における議会並びに議員の役割に関
する決議」がなされているが、災害対策基本法上も地域防災計画上も議会の役割は位
置づけがなされていない。平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災以後、全国の
議会で、被災経験などを踏まえて災害時の役割が検討されてきた。
当区議会においても、災害時に迅速な意思決定と多様な区民ニーズの反映に資する
という議会の機能維持を図るため、議会・議員の役割、必要となる組織体制や議員の
行動基準などを検討する必要性があることから、議会改革調査特別委員会の検討項目
となった。
第3回定例会では、「春日部市議会における災害発生時の対応について」を視察し、
併せて、地方議会初となる「議会BCP(業務継続計画)」を策定した大津市議会、
対応指針等を作成している大船渡市議会、陸前高田市議会、千代田区議会、北区議会
の事例を参考に議論を行い、本委員会として緊急時における対応に関して、ルール作
りの必要性及び今後の方向性を示すことが決定された。
②
課題とルール作りの必要性
現在板橋区議会は、緊急時における議会の役割や責任に関する規程が定められてい
ない。災害はいつ発生するかわからないものであり、緊急時の混乱を少しでも回避す
るためには、早急に対応方針や要綱もしくはBCP等の指針をまとめる必要がある。
本委員会では、視察や他議会の先進事例を調査し、危機意識を持っているところであ
る。今後、全議員における共通認識を醸成するとともに、早期に対応方針や要綱もし
くはBCP等の指針の作成に取り組むべきである。
なお、各委員より出された代表的な意見は以下のとおりである。
●災害はいつ起こるかわからないため、早期に取り組むべきである。
●スピード感が重要である。
●専門家による講演会などを実施し、全議員が災害に対する考え方を共有する場
を設けることも重要である。
●策定にあたっては、別途作業部会等を設け、集中的に議論する必要がある。
●多くの議会で策定している対応方針や要綱を策定するのか、BCPを策定する
のかは、まだ議論の余地がある。そのため、作業部会を設け、作成形態や方向
性を議論するべきである。
11
③
今後の方向性
対応方針等を策定するにあたっては、部会等を設け、改選後の議会において早期策
定に向けた取り組みを進めるべきである。なお、新たに設ける部会等の中では、緊急
時における議会のあり方として、対応方針や要綱を策定するのか、BCPを策定する
のかも含めて議論を始める必要がある。
策定する指針等に盛り込む内容として、議会における議会災害対策会議(仮称)の
設置や議会の役割、議会と執行機関の情報伝達体制の構築などが挙げられる。情報伝
達体制の構築に関しては、災害発生初期において、執行機関は災害対策本部の立ち上
げから初動態勢を確立し、情報収集と応急対策に専念することとなる。他議会を調査
した結果、発生直後の執行機関の状況を踏まえ、議員が収集した情報は議会災害対策
会議(仮称)を通して伝達及び要望するとしている事例が多いことが判明した。板橋
区議会としても、議員が収集した情報を議会災害対策会議(仮称)に集約し、議長を
中心に優先順位を決めた上で、執行機関へ情報伝達及び要望していくべきという意見
が多く出された。その他にも、災害発生時からの議会・議員の行動形態(フロー図)
の作成が重要であることや議会における避難訓練を実施するべきであることなど、
様々な意見が出された。
いつ起こるか分からない災害を想定し、議会改革調査特別委員会において各委員か
ら出された意見等を踏まえ、具体的に検討する部会を早急に設置し、緊急時における
議会のルール作りを行うべきである。
12
7
参考【平成25年度に方向性の決定した項目】
(1)議会の情報公開について
① ホームページ上での議員ごとの表決態度の公開について
≪委員会の出した方向性≫
実施すべき方向で決定
≪各委員からの意見≫
○ 板橋区議会は会派制を採用しているが、同じ会派でも議員ごとに態度が異なる場合
がある。区民に態度表明を明確にするため、ホームページ上で表決態度を公開すべき
である。
○ 表決態度の目視での確認を補完するため、録画中継等のバックアップを活用しな
がら、ホームページ上で表決態度を公開すべきである。
※この項目については、平成26年10月3日に開会された議会運営委員会にて
決定し、平成26年度第3回定例会より既に実施をしている。
② 議場での表決態度の電子化について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とするもの
≪各委員からの意見≫
将来的課題として認識し、現状維持とするもの
○ 表決、出欠状況の電子化等、議場の電子化にはさまざまな手法があるため、今後
機会を捉えて、研究すべきである。
引き続き継続して調査すべきとの意見
○ 予算の状況を勘案しながら、引き続き調査すべきである。
○ 議場のみ単独で検討するのではなくコスト面も考慮して、議会のICT化全体の
中で引き続き検討すべきである。
実施すべきでないとの意見
○ 莫大な費用が掛かるため実施すべきではない。
③ タブレット端末の議員への貸与と議場・委員会室での使用の解禁について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とするもの
≪各委員からの意見≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきとの意見
○ 既に導入している議会と比べて板橋区議会は議員数が多いため費用対効果を考慮し
て、慎重に検討すべきである。
○ 導入の際の財政について十分考慮すべきである。
○ 端末に不慣れな議員への配慮が必要である。
○ 議論の前提となる情報は、議員が事前に調べていれば足りるものであり、タブレッ
ト端末等を持ち込むことにより議論は深まらない。
引き続き継続して調査すべきとの意見
○ 導入後のイメージを共有してから、導入に向けた議論を行うべきである。
13
④ 議会におけるICTの活用について(フェイスブックページの活用について)
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
○ 議会活動に関する情報発信は議員個人の責任で行うべきである。
○ 現在実施しているツイッターで情報発信は充足しているため、事務の負担を考慮し
て、慎重に検討すべきである。
○ サイトを継続して更新していくことは、非常に労力が掛かる点を十分考慮すべであ
る。
○ フェイスブックページはツイッターと違い年齢別にアクセス数のカウントができ、
写真とともに更新するのが通例のため、区民へのさらなる情報提供に資するが、実施
に当たっては課題もあるため、機会を捉えて実施に向けた議論を行うべきである。
⑤ 執行機関の情報公開条例とは別に、議会で情報公開制度を推進することについて
≪委員会の出した方向性≫
実施すべき方向で決定
≪各委員からの意見≫
情報公開の拡大をさらに推進するという認識を持って、今後とも議論を進めていくべ
きである。
⑥ 非公開となっている幹事長会の公開及び幹事長会の全議員への出席許可について
ア
幹事長会
≪委員会の出した方向性≫
実施しない方向で決定
≪各委員からの意見≫
実施すべきでないとの意見
○ 非公式の会議である幹事長会を公開すべきでない。
○ 幹事長会で合意ができた事項のみを情報提供することは検討の余地があるが、議論
の最中である情報を提供することには同意できない。協議中の情報については、一定
の歯止めを掛けるべきである。
(2)子ども議会の実施について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
○ 子ども議会の実施も1つの手法として、今後とも、議会と子どものかかわりを深め
ていくべきである。
14
(3)議長・副議長の選出時における候補者の所信表明演説の実施について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
○ 議会基本条例作業部会の中で検討すべきである。
実施すべきとの意見
○ 二元代表制の一翼を担う議会の代表者が、どのように議会運営をしていくのか、ま
た、どのような信念で、議長・副議長になったのか表明する場が現在は設けられてい
ないため、選出前・後を問わず所信表明をする場を設けるべきである。
○ 議長・副議長がどのような考えをもっているか知る場を設けるべきである。
実施すべきでないとの意見
○ 選出された議長の権能と尊厳を尊重し、本人の判断に任せるべきである。
○ 議長・副議長は議会全体のまとめ役として、適正な議会運営を担う職であり、個人
の信条で議会を運営していくべきではない。現在就任後におこなっているあいさつで
十分である。
(4)所信表明演説の実施について
①
教育委員
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべき
○ 実施する目的や課題を明確にした上で、検討すべきである。
実施すべきとの意見
○ 教育行政をどのように推進していくか、表明する場を設けるべきである。
○ 教育委員会活性化の1つの手段として、教育委員の同意権を持つ議会での教育委員
の所信表明演説を実施すべきである。
実施すべきでないとの意見
○ 区長の任命権を侵すことはできないので好ましくない。ただし、教育委員に選出さ
れた人物の人格や選出理由を知る必要はあるため、別の形で距離を縮めていくべきで
ある。
○ 区長部局と教育委員会は独立している関係性から鑑みて、教育委員会の中で適切に
活動していれば、議会に対して所信表明を行う必要はない。
○ 所信表明の実施によって、教育委員会の課題等の解決につながるものではない。
より根幹的な議論を行った上で、この議論をすべきである。
15
②
監査委員
≪委員会の出した方向性≫
実施しない方向で決定
≪各委員からの意見≫
実施すべきでないとの意見
○ 公正・中立な立場から職務を行う職であるため実施の必要はない。
○ 議会活動の中で、行政のチェックは十分行われているものと認識している。また、
議会全体で行政評価を行うことは非効率であり実施すべきでない。
実施すべきとの意見
○ 現在、議会選出の監査委員廃止の議論も起こっている。よって、議会として監査委
員の重責を改めて認識するためにも所信表明を行うべきである。
将来的課題として認識し、現状維持とすべきとの意見
○ 監査委員の所信表明実施の必要性について課題として捉えるべきである。
(5)議会による行政評価の実施について
≪委員会の出した方向性≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきものと決定
≪各委員からの意見≫
将来的課題として認識し、現状維持とすべきとの意見
○ 会派を超えた行政評価については、今後の課題として捉えるべきである。
引き続き継続して調査すべきとの意見
○ 現在、板橋区の行政評価に際して、議会は直接関与していない。二元代表制の一翼
を担う議会こそが執行機関を監視し、行政評価を行う機関である。議員個人や、会派
単位ではなく議会全体で行政評価を行い、執行機関に意見を述べるべきである。
○ 会派を超えて意見集約を行い、執行機関に提言することで、議会の監視機能や提案
機能を高めることにもつながる。
実施すべきでないとの意見
○ 議会活動の中で、行政のチェックは十分行われているものと認識している。また
議会全体で行政評価を行うことは非効率であり実施すべきでない。
16