株式会社 総合車両製作所

∼安心・安全・快適性をもとめるモノづくり∼
株式会社
総合車両製作所
インタビュー
風景
職場の雰囲気を教えてください。
元々職人気質の職場のため、ほめる
文化があまりありませんでした。現在
は社長自ら現場をまわって声を掛けた
り、一緒に昼食を囲んだりと、話しあ
うことを大切にしています。ほめる文
化が少しずつ浸透してきていて、いい
意味でフラットな雰囲気にもなってき
ています。
完成した車両を
見て思うことは
ありますか?
◀(左中央)代表取締役社長 宮下さん
(左 奥)総務部 課長 小谷さん
(左手前)総務部 石毛さん
車両製造には長い時間を要するの
で、完成したときには充実感があ
ります。実際に走っている姿を見
るとほっと一安心します(笑)
経営の柱「車両製造」
通勤・通学時に利用する鉄道車両や線路等の製造、さらに最新鋭の新幹線など
も製造しています。前身である東急車輛製造時代には日本初のステンレス電車を
製造し、現在では国内のみならず海外用の車両製造にも展開しています。
どのような人材を求めていますか?
技術の伝承を考えると、やはり若い
人ですね。そして、自ら考え、行動す
る能力を持つ人です。つまり、問題意
識の高い人です。与えられた課題だけ
をこなしているだけではダメですね。
円弧状 UD 手すりは
どのような点が
評価されたのですか?
◀(右)技術部(デザインセンター)主任 平井さん
ユニバーサルデザイン
様々な人が平等に利用できるつり革や手すりなどを開発しています。中でも、
緩やかな弧を描いた「鉄道車両用円弧状 UD 手すり」は、立ち上がりやすくつか
まりやすい画期的なもので、「人間工学グッドプラクティス賞最優秀賞」を受賞
しました。
より働きやすい職場にするために取り
組んでいることを教えてください。
徐々に女性が働きやすい環境を整え
ています。また、コミュニケーション
をスムーズに取ることができる企業を
意識しています。
一体感のある組織風土
コミュニケーションを重要視し、様々な意見交換の機会を設けています。気軽
にまじめな雑談をする「まじめな雑談会」や、お酒を交えた「のみゅにけーしょん」
などを通し、役員・管理者、社員が顔と顔を合わせて直接対話することで、職域
や職制の垣根を越えた風通しの良さを実現しています。
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影響を与える人の多さが評価されま
した。電車に設置されるものなので、
生活の中で電車を利用するすべての
方々に影響が及びます。
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株式会社 総合車両製作所
◀様々な形状のつり革
ココがスゴい!!
東急車輛製造から総合車両製作所になったことを機に北陸新幹線用車
両「E7 系」を製造しました!新幹線は約 10 年ぶりの製造で、10 年前
を知る社員を中心に製造しましたが、製造の仕方や技術も 10 年前から
変わっていたため、製造現場はとても苦労したそうです。
2014年 10月にすべての車両が完成した新幹線は
「金沢から金沢へ」
、製造
した皆さんの思いを乗せて走ります!
鉄道車両用円弧状
UD手すり
▲(一社)日本人間工学会主催
人間工学グッドプラクティス賞受賞!
◀会社の敷地内には日本初のステンレス電車が
展示されています。何十年経っても びずに
色褪せていません!
横浜市立大学 2 年 白岩 江子
▲北陸新幹線用車両「E 7系」
学生の声
素朴な疑問
車両は全てオーダーメイドなの??
オーダーメイドなものが多いけれど、総合車両製作所では「sustina
(サスティナ)」というブランドを売り出しているんだよ。ステンレ
ス鋼の「SUS」と、持続すること、地球環境の維持に優れているこ
とを象徴する「sustainable」を合わせた造語なんだ。
ステンレスのさびにくくてリサイクル性に優れているという特徴
を生かして、維持しやすくて環境親和性の高い車両を、高い精度で
産み出すことが出来るんだよ。また、これまでの国内の車両生産は
基本的にオーダーメイドだったんだけど、「sustina」は共通部分を
多くし効率的に製造することにより、コストパフォーマンスに優れ
た車両という選択肢をつくり出し、「提案型のものづ
くり」に取り組んでいるんだよ!
もちろんユニバーサルデザインも意識していて、
「sustina」ブランドの車両は、乗る人にも、運行する
人にも優しい車両なんだ!
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最新技術も
「3 現主義」から!!
関東学院大学 3 年
安部 大樹
い
笑顔の絶えな
る!
あ
が
ユーモア
この取材を通して、最も印象的
な言葉がありました。それは、社
長の宮下さんが仰っていた「3 現主義」という言
葉です。現地・現物・現人を指します。この取材
はまさに「3 現主義」の塊であり、現場で作業し
ている人と直接会話することが大事であるという
ことを再認識しました。この金沢の地で、社内の
雰囲気がとても温かく、笑顔の絶えないユーモア
を持つ人たちがつくり出す、そうした環境からつ
くり出される美観性のある鉄道車両は、私たちの
生活に欠かせないモノでした。
■基本データ
設 立 年:昭和23(1948)年8月
(※前身である東急車輛製造㈱の設立年)
従業員数:1164 名
所 在 地:金沢区大川 3-1
U R L:https://www.j-trec.co.jp/
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