【製造業の国内及び海外現地法人による出荷動向について】 (1

産業活動分析(平成26年10~12月期(年間回顧))
【製造業の国内及び海外現地法人による出荷動向について】
(1) グローバル出荷の動向
26年7~9月期のグローバル出荷指数1は前年同期比 1.9%と5期連続の上昇となった。
内訳をみると、国内向け出荷が同▲0.9%と5期ぶりの低下、輸出向け出荷が同 0.6%と2
期ぶりの上昇、海外出荷が同 8.8%と11期連続の上昇となった。これを前年同期比寄与
度でみると、国内向け出荷が▲0.5%ポイント、輸出向け出荷が 0.1%ポイント、海外出荷
が 2.3%ポイントとなった(第Ⅰ-2-9図)。
第Ⅰ-2-9図 グローバル出荷指数の推移(製造業、22年=100)
グローバル出荷指数の内訳別
海外出荷
輸出向け(国内出荷)
国内向け(国内出荷)
グローバル出荷指数
国内出荷指数
海外出荷指数
(%)
製造業出荷海外比率(品目ベース、右目盛)
140
50
120
45
100
40
80
35
60
30
40
25
20
20
15
0
Ⅰ
└
Ⅱ
21
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
22
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
23
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
24
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
25
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
26
Ⅲ
年
資料:「グローバル出荷指数」(試算値)
1
グローバル出荷指数は、国内法人による出荷(国内出荷)と海外現地法人による出荷(海外出荷)に関する
「海外現地法人四半期調査」から試算したものである。これにより、国内生産された財の仕向け先(国内向け、
輸出向け)別の出荷と、海外生産された財の出荷とを同じ指数として把握することができる。また、国内法人と海
外現地法人の出荷全体に占める海外現地法人からの出荷割合(以下、製造業出荷海外比率という。)から、製
造業の海外生産の拡大をみることができる。なお、グローバル出荷指数の試算を行う際に、使用するデータ(海
外現地法人四半期調査、鉱工業指数、輸入物価指数(日本銀行))が速報値から確報値へ塗り替えられること
に伴い、本稿の数字も変わることから、前の四半期の数字とは違いが生じることに御留意いただきたい。
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産業活動分析(平成26年10~12月期(年間回顧))
国内出荷、海外出荷の内訳別(前年同期比、伸び率寄与度)
(%、%ポイント)
40
30
20
10
0
▲ 10
▲ 20
▲ 30
▲ 40
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ
└ 21 年 ┘ └ 22 年 ┘ └ 23 年 ┘ └ 24 年 ┘ └ 25 年 ┘ └ 26 年
国内向け(国内出荷)
輸出向け(国内出荷)
海外出荷
グローバル出荷指数
(注)1.グローバル出荷指数=(国内出荷ウェイト×国内出荷指数+海外出荷ウェイト×海外出
荷指数)/(国内出荷ウェイト+海外出荷ウェイト)
2.製造業出荷海外比率=(海外出荷ウェイト×同指数)/(グローバル出荷指数ウェイト×
同指数)×100
3.海外出荷=グローバル出荷指数×製造業出荷海外比率
4.国内出荷=グローバル出荷指数-海外出荷
5.国内向け及び輸出向け=(鉱工業出荷内訳表(組替表)の当該項目ウェイト×同指数)/
グローバル出指数荷ウェイト
資料:「グローバル出荷指数」(試算値)
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産業活動分析(平成26年10~12月期(年間回顧))
(2) 製造業出荷海外比率の動向
26年7~9月期の製造業出荷海外比率は 28.6%となり、前年同期比 1.8%ポイント2と1
0期連続の上昇となった。これを業種別にみると、全12業種のうち9業種が上昇し、2業
種が低下し、1業種が横ばいとなった。内訳をみると、鉄鋼業(出荷海外比率 14.1%、前
年同期比▲1.0%ポイント、14期ぶり)、はん用・生産用・業務用機械工業(同 18.7%、同
▲0.2%ポイント、4期連続)がともに低下となったものの、窯業・土石製品工業(同 17.8%、
同 4.5%ポイント、3期ぶり)、電気機械工業(同 34.3%、同 3.4%ポイント、2期連続)など
が上昇となった(第Ⅰ-2-10図、第Ⅰ-2-30表)3。
第Ⅰ-2-10図 業種別・製造業出荷海外比率の動向
(%)
50
輸送機械工業
40
電気機械工業
30
製造業
20
10
製造業
食料品・たばこ工業
繊維工業
木材・パルプ・紙・紙加工品工業
化学工業
窯業・土石製品工業
鉄鋼業
非鉄金属工業
金属製品工業
はん用・生産用・業務用機械
電気機械工業
輸送機械工業
その他工業
0
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ
└ 21 年 ┘ └ 22 年 ┘ └ 23 年 ┘ └ 24 年 ┘ └ 25 年 ┘ └ 26 年
資料:「グローバル出荷指数」(試算値)
2
前年同期比については前年とのポイント差(差分)としている。
3
グローバル出荷指数での「電気機械工業」は海外現地法人四半期調査の業務分類に合わせているため、電
子部品・デバイス工業、情報通信機械工業を含む(本稿では以下同じ)。
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産業活動分析(平成26年10~12月期(年間回顧))
第Ⅰ-2-30表 業種別・製造業出荷海外比率及び前年同期比
業種
製造業
(%、%ポイント)
25年Ⅲ期 25年Ⅳ期 26年Ⅰ期 26年Ⅱ期 26年Ⅲ期
26.8
27.0
26.9
29.0
28.6
1.1
0.4
0.3
0.7
1.8
14.1
14.0
15.3
15.5
16.0
1.4
1.7
1.0
1.7
1.9
17.7
17.6
16.6
18.1
18.6
(前年同期比)
0.9
1.8
0.6
0.6
0.9
木材・パルプ・紙・紙加工品工業
7.8
7.5
8.4
8.9
11.2
▲ 0.6
▲ 0.4
▲ 0.6
0.4
3.4
23.5
23.0
24.2
27.0
26.9
1.6
0.8
1.2
2.9
3.4
13.3
17.5
17.4
18.6
17.8
▲ 3.8
1.3
▲ 0.7
▲ 0.3
4.5
15.1
15.2
14.6
14.3
14.1
(前年同期比)
1.7
0.9
0.1
0.7
▲ 1.0
非鉄金属工業
20.1
19.9
19.5
20.7
20.2
(前年同期比)
▲ 0.7
▲ 0.5
0.4
0.9
0.1
金属製品工業
9.1
8.6
9.0
9.5
9.6
(前年同期比)
1.3
1.2
0.8
0.5
0.5
18.9
19.7
17.6
19.1
18.7
(前年同期比)
0.3
▲ 0.2
▲ 1.8
▲ 1.8
▲ 0.2
電気機械工業
30.9
31.7
30.1
35.6
34.3
(前年同期比)
1.5
▲ 0.4
▲ 0.2
0.7
3.4
輸送機械工業
43.3
43.6
43.9
45.7
45.2
(前年同期比)
1.4
▲ 0.3
1.4
0.6
1.9
12.4
12.1
10.7
12.2
12.4
0.0
0.4
▲ 0.4
▲ 0.3
0.0
(前年同期比)
食料品・たばこ工業
(前年同期比)
繊維工業
(前年同期比)
化学工業
(前年同期比)
窯業・土石製品工業
(前年同期比)
鉄鋼業
はん用・生産用・業務用機械工業
その他工業
(前年同期比)
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産業活動分析(平成26年10~12月期(年間回顧))
(3) 電気機械工業及び輸送機械工業の動向
① 電気機械工業の出荷動向
26年7~9月期の電気機械工業のグローバル出荷指数は、前年同期比 4.2%と6期連
続の上昇となった。内訳をみると、国内向け出荷が同▲2.3%と5期ぶりの低下となったも
のの、海外出荷が同 15.4%と8期連続、輸出向け出荷が同 3.9%と5期連続の上昇となっ
た。これを前年同期比寄与度でみると、国内向け出荷が▲1.2%ポイントとなったものの、
海外向け出荷が 4.8%ポイント、輸出向け出荷が 0.7%ポイントとなった。また、電気機械
工業の海外出荷比率は、34.3%であったが、2期連続で前年の水準から上昇している
(第Ⅰ-2-11図)。
第Ⅰ-2-11図 グローバル出荷指数の推移(電気機械工業、22年=100)
グローバル出荷指数の内訳別
120
(%)
45
100
40
80
35
60
30
40
25
20
0
20
Ⅰ
└
Ⅱ
21
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
22
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
23
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
24
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
25
Ⅲ
年
海外出荷
輸出向け(国内出荷)
国内向け(国内出荷)
グローバル出荷指数
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
26
Ⅲ
年
製造業出荷海外比率(品目ベース、右目盛)
国内出荷、海外出荷の内訳別(前年同期比、伸び率寄与度)
(%、%ポイント)
60
40
20
0
▲ 20
▲ 40
▲ 60
Ⅰ Ⅱ
└ 21
Ⅲ Ⅳ
年 ┘
Ⅰ Ⅱ
└ 22
国内向け(国内出荷)
Ⅲ Ⅳ
年 ┘
Ⅰ Ⅱ
└ 23
Ⅲ Ⅳ
年 ┘
Ⅰ Ⅱ
└ 24
輸出向け(国内出荷)
資料:「グローバル出荷指数」(試算値)
- 62 -
Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ
年 ┘ └ 25 年
海外出荷
Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ
┘ └ 26 年
電気機械工業
産業活動分析(平成26年10~12月期(年間回顧))
② 輸送機械工業の出荷動向
26年7~9月期の輸送機械工業のグローバル出荷指数は、前年同期比 1.8%と5期連
続の上昇となった。内訳をみると、国内向け出荷が同▲2.3%と5期ぶり、輸出向け出荷
が同▲0.3%と3期連続の低下となったものの、海外出荷が同 6.3%と11期連続の上昇と
なった。これを前年同期比寄与度でみると、国内向け出荷が▲1.0%ポイントとなったもの
の、海外出荷が 2.7%ポイント、輸出向け出荷が 0.0%ポイントとなった。また、輸送機械
工業の出荷海外比率は、45.2%であったが、3期連続で前年水準から上昇している(第
Ⅰ-2-12図)。
第Ⅰ-2-12図 グローバル出荷指数の推移(輸送機械工業、22年=100)
グローバル出荷指数の内訳別
140
(%)
70
120
65
100
60
55
80
50
60
45
40
40
20
35
0
30
Ⅰ
└
Ⅱ
21
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
22
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
23
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
24
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
25
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
海外出荷
輸出向け(国内出荷)
国内向け(国内出荷)
グローバル出荷指数
Ⅰ
└
Ⅱ
26
Ⅲ
年
製造業出荷海外比率(品目ベース、右目盛)
国内出荷、海外出荷の内訳別(前年同期比、伸び率寄与度)
(%、%ポイント)
60
40
20
0
▲ 20
▲ 40
▲ 60
Ⅰ
└
Ⅱ
21
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
22
国内向け(国内出荷)
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
23
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
24
Ⅲ
年
輸出向け(国内出荷)
資料:「グローバル出荷指数」(試算値)
- 63 -
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
25
海外出荷
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
26
Ⅲ
年
輸送機械工業
産業活動分析(平成26年10~12月期(年間回顧))
(4) 地域別にみた海外出荷の動向
グローバル出荷指数のうち海外出荷の動向を地域別でみるため別途算出を行った。
地域別でみた26年7~9月期の海外出荷指数は、前年同期比 8.8%と11期連続の上昇
となった。内訳をみると、北米が同 13.7%と12期連続、中国が同 4.0%と5期連続、ASE
AN4が同 0.5%と4期ぶりの上昇などとなった。これを前年同期比寄与度でみると、北米
が 3.9%ポイント、欧州が 1.3%ポイント、NIES3が 1.2%ポイントとなった(第Ⅰ-2-13
図)。
第Ⅰ-2-13図 地域別海外出荷指数の推移(製造業、22年=100)
地域別海外出荷指数の内訳別
その他
欧州
その他アジア
中国(含香港)
NIES3
北米
ASEAN4
海外出荷指数
140
120
100
80
60
40
20
0
Ⅰ
└
Ⅱ
21
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
22
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
23
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
24
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
25
Ⅲ
年
Ⅳ
┘
Ⅰ
└
Ⅱ
26
Ⅲ
年
地域別海外出荷指数の内訳別(前年同期比、伸び率寄与度)
(%、%ポイント)
40
30
20
10
0
▲ 10
▲ 20
▲ 30
▲ 40
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ
└ 21 年 ┘ └ 22 年 ┘ └ 23 年 ┘ └ 24 年 ┘ └ 25 年 ┘ └ 26 年
北米
ASEAN4
NIES3
中国(含香港)
その他アジア
欧州
その他
海外出荷指数
資料:「グローバル出荷指数」(試算値)
産業活動分析 URL:http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/index.html
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