久保田さん優勝への道のり レポート 藤田かくじ 昨年のシニア全日本大会での準優勝から一年、進化を遂げた久保田選手が 2014 年のシニア中量級王者に。 その軌跡を漫画家でもある水曜矢部教室責任者の藤田がセコンド目線からのレポートをします。 一回戦 中尾正勝一級(吉祥寺) 昨年のシニア全日本で対戦している両者。 中尾選手は昨年の経験から、得意の蹴りを温存し、久保田さんのローキックを待って対処する戦法。 久保田さんはかわまず、先手でパンチを出していく。 後手にまわった中尾選手はタックル。 これを切って潰した久保田さんは練習で見たこともないほど見事な寝技を展開。 前腕で上体を制しながらマウントを取り、決めで効果ポイントを奪取。 腕十字を取れそうではあったが、深追いしなかったのは好判断だった。 スタンドにもどってからも打撃戦を優勢に展開。 フルマーク判定勝ちをおさめる。 二回戦 西村洋次郎一級(関西) 打ち合いを仕掛ける相手選手に対し、打撃戦に応じる。 両者パンチの打ち合いから組み合い。 ここで見事な首投げをきめる。 そこから袈裟固めで絞り上げる。 この寝技で相手選手のスタミナを削ってスタンド。 細かなパンチを連打しながら前進してくる相手選手に対し、リーチが長く強い右ストレートを的確にヒット させてペースを握らせない。 パンチがよく見えているらしく、被弾も少ない。 要所でパンチをヒットさせ、判定勝ち。 この日は投げ・寝技など、事前の想定にない動きがよく決まった。 また、今回はあまり蹴りを多用しておらず、大会前に練習していたパンチがよく冴えた。 決勝出場者紹介時の久保田選手 決勝 平石哲也初段(行徳) 事前の支部長先生からのアドバイスは「今日はやることがすべてうまくいっているが、それは自分から仕掛けて いるから。それが最大の武器なのだから、決勝でもそれだけを心がけるように」 。 セコンドにも「こういう良い流れのときは、選手の判断に任せてかまわない。しっかり盛り上げるように」との 指示。 相手選手は打撃、組み、寝技とソツのないオールラウンダー。 スキのない構えに当初、お互いにやや手が出ない。 久保田さんが腹を決めてローキックを起点にストレートを打ち込んでいく。 双方クリーンヒットはないが、手数では久保田さんが優勢。 昨年決勝は投げに苦杯をなめたが、今年は組み合いになってもうまくバランスをとって投げを防ぎきる。 それどころか、優勢な場面ではみずから投げを打っていく。 ポイント差つかず延長になるものの、手数と組み合いでの優勢は変わらず。 見事、判定でシニア中量級王者に輝いた。 優勝を決め、セコンド藤田、久保田選手、応援宮地と笑顔でグー 決勝前に行われたショータイム「大道塾応援歌」熱唱
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