2015年2月24日 市営交通民営化について 橋下市長は再度「交通事業民営化」を議会に上程、2月20日の交通水道委員会にお いて審議された。 市バス事業は累積欠損金が約600億円を超え、平成26年度末には経営健全化指標 である資金不足比率が20%を超え経営健全化団体となるなど財政は悪化している。又 交通局土地信託事業オスカードリームの和解金283億円の支払いは、土地売却代金や 地下鉄事業会計から189億円を一時借り入れする事で賄う等の対策を取るが、交通事 業を民営化すれば、経営の自由度が得られ未利用地の活用等新たな事業をすることで収 益や雇用の確保が図れる。更に大阪地下街(株)と連携を諮りながら大規模災害等地下空 間の安全確保を一体的にできるようになり民営化のメリットになると答弁をした。 しかし自民党川嶋委員は「交通局民営化は既に市議会で否決した。オスカードリーム の破綻は、バス事業の責任だけなのか、地下鉄事業からの一時借入とは何か?市議会に 責任をなすり付けているように感じる」と述べるなど、またしても民営化に反対意見を 述べ、結果、市議会は維新の会を除く全会派は大阪市営交通地下鉄・バスの民営化を再 度否決した。 市営交通は正に市民の財産だ、いとも簡単に民営化など認めたくない、と市民も思う。 しかし、交通局の土地信託事業であるオスカードリームやオーク200の事業破綻が相 次ぎ、受託行から多額の請求訴訟が提起されて和解金の支払いが確定したため橋下市長 は外部監察チームに検証をさせ、昨年末、弁天町駅前開発土地信託事業(オーク200) 及び住之江用地土地信託事業(オスカードリーム)に係る大阪市内部の責任の所在に関 する報告書が提出された。それによると、これらの事業の経営危機は既に開業当初から あり、外部監査委員からの是正の意見提言があったにもかかわらず大阪市は交通局を含 めて長期に渡り適切な対策を取らなかったことが理由で破綻に至らしめたといえるが 責任の所在までの解明はできなかった、とのこと。 市議会は毎年秋の決算委員会において公営・準公営企業会計の報告を受け審査を行う。 当然この収益事業についても充分な審査をおこない、改善策を提案するなどの責務があ ったはずだ。和解金はオーク200が637億円、オスカードリームが283億円と、 約1千億円の市民負担となる。ここで自民党川嶋委員の発言にあるように市議会に責任 がないとしたら、こういった事業の責任はだれが取るのか?市民に何の益もないまま多 額の負債を市民に押付ける事となるなら、市民の財産であろうとも大阪市は事業などす るべきではない。
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