261KB - 三井住友銀行

2015 年 2 月 23 日
株式会社日立製作所
日立化成株式会社
株式会社三井住友銀行
株式会社日本総合研究所
「ポーランドにおけるスマートグリッド実証事業」への参画について
株式会社日立製作所(執行役社長兼 COO:東原 敏昭/以下、日立製作所)、日立化成株式会
社(執行役社長:田中 一行/以下、日立化成)、株式会社三井住友銀行(頭取:國部 毅/以下、三
井住友銀行)、株式会社日本総合研究所(代表取締役社長:藤井 順輔/以下、日本総研)は、この
たび、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が、「国際エネルギー消
費効率化等技術・システム実証事業」の一環として実施するポーランド共和国(以下、ポーランド)に
おけるスマートグリッド実証事業に関して、実証前調査の委託先に選定されました。本実証事業は、
日立製作所が実証研究責任者として全体をとりまとめ、3 社とともに実証前調査を 2015 年 2 月から
2015 年 11 月まで行います。その調査結果を踏まえた事業化評価を経て、実証事業を約 3 年間実
施する予定です。
本実証事業は、日本とポーランドの共同事業となり、ポーランド政府から支援を受けて、現地の企
業が参加する予定です。実証前調査において、ポーランドの企業と各実証スコープの確認や実証
場所の選定などを行っていく予定です。
ポーランドでは、EU 加盟国として、電力供給に占める再生可能エネルギー比率を 2020 年までに
15%に、2030 年までに 19%に増加させるという高い目標の下、風力発電の導入を推進しています。
2013 年時点における風力発電の設備容量は約 3.4GW で、2020 年の目標である 6.6GW の半分
近くに達しております。一方、50%以上の電力インフラ設備が、40 年以上前に建設されたもので、老
朽化が進んでおり、風力発電の大量導入により、更に電力系統への負荷がかかることからも、更新
や増強などの対策を講じる必要があります。電力インフラ設備の更新や増強には多大な設備投資が
必要であり、経営的な負担となることから、風力発電をはじめとする再生可能エネルギー導入の目標
を達成させると同時に、設備投資を抑制しつつ、電力系統の安定化を実現可能な日本の系統安定
化技術に関心が高まっています。
本実証事業では、日本の先進的な系統安定化技術に加え、リアルタイムに風力発電の出力を抑
制する制御技術や蓄電システムなどを導入することにより、ポーランドにおける再生可能エネルギー
の導入拡大と、電力インフラへの設備投資の抑制、電力系統の安定化を同時に実現する系統安定
化制御システム(以下、SPS*1)の構築をめざします。
現在想定している実証事業の内容と参画企業は以下の通りです。なお、実証前調査にて、実証
事業のより詳細な内容を決定します。
1
(1) 蓄電システムと連係した、風力発電の出力抑制による需給バランスを維持する技術の実証
(日立製作所、日立化成)
本実証では、平常時の風力発電による出力の短周期変動を緩和することや、電力需要が少な
い時に余剰電力を蓄電システムに充電し、余剰として捨てられる電力を有効利用することをめざし
ます。さらに、風力発電の出力抑制が行われた場合に、蓄電システムで需給バランスの維持を図
ります。特に、需給バランスを維持するためのデバイスの1つとして、充放電の双方向で効率の良
い蓄電システムを用いた技術の実証をめざします。
(2) 送電線への過負荷防止のための系統安定化技術の実証 (日立製作所)
本実証では、電力系統での事故などにより送電線で過負荷が発生した場合に、風力発電の出
力抑制や系統制御を、SPSを用いて自動的に行う系統安定化技術の実証をめざします。SPSで
は、電力系統からのオンライン情報に基づく演算により、事故発生時の系統状態をシミュレーショ
ンした上で対策を立案します。実際の事故発生時にはオンライン事前シミュレーションの結果に従
って自動制御することにより、送電線への過負荷を防止します。
(3) 風力発電に対応したリチウムイオン電池を搭載したハイブリッド蓄電システムの実証 (日立化成)
本実証では、鉛電池とリチウムイオン電池を組み合わせた、性能と経済性に優れたハイブリッド
蓄電システムにおいて、風力発電の短周期変動緩和に対応することができる高出力のリチウムイ
オン電池を適用することで、高コストのリチウムイオン電池の搭載容量を削減し、蓄電システムのト
ータルコスト低減をめざします。また、電池の搭載容量を削減すると寿命に影響を与えることが懸
念されるため、寿命と導入費用のバランスのとれた最適容量を検証する予定です。
(4) SPSおよび蓄電システムのビジネスモデル、その普及可能性検討 (日本総研、三井住友銀行)
実証前調査と実証事業を通じて、日本総研はSPSや蓄電システムの利点およびステークホルダ
ーの明確化を行い、ビジネスモデルを検討します。また、経済性を向上させるための政策策定支
援や普及を実現するための標準化への施策などを検討する予定です。三井住友銀行はファイナ
ンススキームなどを検討する予定です。
*1 SPS: Special Protection Scheme
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■適用イメージ図
以
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上