間伐材や地場の木材を使用した 木の塀によるブロック塀代替プロジェクト 地震で倒壊する危険性のある老朽化したブロック塀を間伐材や地場の木材を活用した 木の塀で代替するための商品開発・普及についての産学連携。 「関大防災Day2013」の様子 実際に設置した木の塀(大阪市天王寺区) ◇ 大学の役割 ◇ どんなに防災・減災や地球環境問題の解決に役立つ製品であっても、①開発者が中小企業である、②大量生産 ができない、③価格が高めとなる、④広告がしにくく認知度を上げるのが難しいというような現実的な課題があ る。そこで、関西大学社会安全学部の亀井ゼミでは、以下の活動を行っている。 (Ⅰ)関西大学社会連携部のイベントでの展示、(Ⅱ)関西大学社会安全学部のイベントでの展示、(Ⅲ)木 の塀についてのブランド策定、(Ⅳ)広告・マーケティングに活用するイラスト作成や写真の撮影、(Ⅴ)チラ シのポスティング、(Ⅵ)口コミ、(Ⅶ)工事現場訪問、(Ⅷ)展示会での出展の協力、(Ⅸ)学会やセミナー での報告の支援。 高槻市古曽部防災公園にて ◇ 活動の概要 ◇ 目 的 連携メンバー 地震の際に倒壊する危険のある老朽化して危険なブロック塀を間伐材・地場木材を活用した木の塀に代替し、 防災・環境に寄与すること 港製器工業株式会社 / 高槻市 / 岩手県上閉伊郡大槌町 / 大阪府森林組合 / 関西大学社会安全学部 亀井克之ゼミ 活動地域 大阪府高槻市 / 大阪府吹田市 / 岩手県上閉伊郡大槌町 / 関西大学高槻キャンパス / 高槻ミューズキャンパス / 千里山キャンパス 活動期間 2012年6月∼(継続中) 費 大阪地域創造ファンド / 林野省補助金 用 ◇ 連携の経緯 ◇ 2011年6月に関西大学社会安全学部生が、関西の学校で余った机や椅子を綺麗に整備して東日本大震災の被災地 にある学校や仮設住宅に贈る「勉机プロジェクト」に取り組んだときに、作業場を提供して下さったのが高槻市 の港製器工業株式会社だった。これを契機に、日本の至る所で見かけられる老朽化して倒壊の危険性があるブ ロック塀を木の塀に代替する港製器工業株式会社のプロジェクトについて、主にマーケティング面で協力するこ ととなった。 ◇ 解決すべき課題 ◇ (1)木の塀は経年で反るという技術的課題 (2)認知度向上が容易ではない (3)間伐材の調達・流通 (4)学生協力は企業の特定商品の宣伝と思われる (5)ブランドの案出 ◇ 成果 ◇ (1)大阪市・天王寺区における2012年12月の第一号施工 (2)東京における2014年2月の首都圏第一号施工 (3)岩手県上閉伊郡大槌町「ホワイトベース大槌」での採用 (4)上記に基づく受注継続とマスコミ掲載 (5)学生との協力関係の進展 ◇ 今後の展望 ◇ (1)大阪、高知、鳥取、島根、山梨森林組合との提携による展開・普及 (2)関西大学イベント、防災イベント、展示会での展示 (3)ブランド案出、ロゴ開発、コピー開発、パンフレット・DVD改訂 (4)反りの解消についてのさらなる技術開発 (5)防災・減災、地球環境問題貢献型商品のマーケティングの研究 ◇ 現場の声 ◇ ・清永雅嗣氏(港製器工業株式会社 ◇ 研究者の紹介 ◇ プロジェクトリーダー) 震災でブロック塀ががれきになり、復興の邪魔になって いる状況を見て発案しました。 ・岡本唯、甲斐朝美(関西大学社会安全学部・亀井ゼミ) 防災・減災に役立つ製品の普及に実際に役立っている実 感があります。 社会安全学部 教授 亀井 克之 (かめい かつゆき) 専門は、経営戦略とリスクマネジメント。 リスクマネジメントの枠組みを企業のみならず、中小企業の 事業承継,経営者のメンタルヘルス、子どもの安全、地域ス ポーツ、音楽ライブ・ビジネス、ワイン産業などに当てはめ て研究。
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