解答と解説 - 難関私大文系専門 増田塾

2015 入試解答速報
難関私大文系専門予備校
2 月 19 日
早稲田大学(教育学部)英語
解答と解説
解 答
(満点︓50 点 各 1 点×50)
Ⅰ(10 点)
1. a
2. c
3. d
4. d
5. a
6. b
7. b
8. e
9. c
10. e
5. a
Ⅱ(10 点)
(A)
1. a
2. c
3. e
4. e
6. d
7. b
8. e
9. b
(B) d
Ⅲ(10 点)
1. e
2. c
3. b
4. b
5. d
6. a
7. c
8. a
9. d
10. d
Ⅳ(10 点)
1. b
2. c
3. d
4. e
5. c
6. d
7. a
8. b
9. c
10. e
Ⅴ(10 点)
1. d
2. d
3. d
4. b
5. c
6. d
7. a
8. c
9. b
10. a
(※配点は予想配点です)
1
解答速報の著作権は増田塾に帰属します。許可無く⼀切の転⽤・転載を禁じます。
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解 説
Ⅰ
1. a
下線部の意味は、
「〜の様な⻑く孤⽴した島嶼部は、⾼い固有性を持つ、⽣物的多様性を育んできた」と
あるので、選択肢 a が言い換えとして相応しい。選択肢 b は so~that…構文が用いられ、「固有性が高
いので、多くの種が存在する」と因果関係の記述になっているので不可。
2. c
文構造に注目する。空所に動詞が入るが、続く island species の次を⾒ると、ダッシュが付されており、
その部分を抜いて構造を考えると、uniquely vulnerable が続くことから SVOC の第 5 文型であると気
づく。したがって、render O C「O を C にする」を用いる。
3. d
vulnerable は第一音節に強勢があり、その音は[ʌ]である。
4. d
固有種を脅 かす具体例 の羅列の部 分である。 空所直後を ⾒ると、競 合種や捕⾷ 種とあるの で、
introduction「伝来」が相応しい。
5. a
空所の直後を⾒ると、
「⼈間が、離れた場所に移動させた⼀握りの動物」とあり、直前にその具体例が述
べられているので、to mention「〜に⾔及すると」が相応しい。
6. b
下線部の意味は、「外来種の上位 100 種のリストとその影響は、がっかりするような結果を生んでいる
のだ」であり、その意味に近いのは選択肢 b である。
7. b
空所直前を⾒ると、
「孤島は本⼟と遠く離れている」とあり、同段落後半では、外来種が⼈間の⼿によっ
て持ち込まれることが述べられている。したがって、
「自分自身では到達することが出来ない」の意味に
するのが適切である。
2
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8. e
空所部分を並べ替えると、that do make it to となる。that は関係代名詞で、make it は「やり遂げる」
と言う意味で、本文では、「そのような場所(孤島)に到達した」という意味である。
9. c
deliberately or accidentally「故意に、あるいは偶然に」
10. e
第 2 段落第 2 文参照。主語の they は island species(島の固有種)を指し、
「固有種はこれらの条件に
特に敏感だ」となる。選択肢 e「島に生息する非固有種(外来種)は、固有種ほど、人間によって引き
起こされる変化に敏感でない」となっているので、本文と矛盾する。
Ⅱ
(A)
1. a
空所の後ろのダッシュがヒントである。
「年齢、体重、家族の病歴やコレステロール値など」とあり、⼼
臓病の原因となるものが列挙されているので、選択肢 a の「医者が考慮する要因」を正解とする。
2. c
まずは空所を含む部分が比較の構文であることに気がつけるかどうかが鍵である。比較対象が確認でき
る、第 2 段落第 1 文の compared with 以下を読むと「カルシウムはないが、いくらか危険因子がある」
とある。したがってそれに対応するように空所を補う。選択肢 c を空所に入れると「カルシウム蓄積は
あるが、⼼臓病の危険因⼦は他にはない」となり⽐較関係が成⽴する。
3. e
2 の問題と考え方は同じである。空所に対応する部分は第 2 段落第 1 文の people who の部分なので、
それと意味が同じになる選択肢 e を正解とする。
4. e
空所を含む部分は「以前から相関関係は知られていたが、Baptist のような研究が注目を集めるように
なるにつれて、医師たちは [ 4 ]」なので、選択肢 e をいれると「よりそれを真剣に受け止めている」
となり文意が通る。
3
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5. a
第 3 段落の内容は「カルシウムの蓄積と乳製品から摂取するカルシウムの量を結ぶ証拠はないので、
[ 5 ]ことはなお重要である」である。選択肢 b を選ぶと「カルシウム摂取量を直ちに減らす」となり
不適である。選択肢 c を選ぶと「これらの要因にある強い関係を覚えておく」となり、前出の内容と合
わないので不適である。選択肢 d は全く本文と関係のない内容なので選ぶことはできない。選択肢 e を
選ぶと「定期的に健康診断を受ける」となりカルシウムの話からは離れてしまうのでこれも不適である。
したがって消去法で選択肢 a を選ぶことになる。空所を含む部分は、カルシウムの蓄積と摂取するカル
シウムの量の間に因果関係が⽰されていないので、強い骨を維持するのに必要とされるカルシウム量は
摂取すべきという内容である。
6. d
第 4 段落第 2 文に「血管内にカルシウムが入ると、免疫細胞がそれに対し攻撃し、危険なプラークを形
成し、動脈を硬化させ⼼臓への⾎流をブロックする可能性のあるどろっとした固まりを作り出すかもし
れない」とあるので、選択肢 d を正解とする。 find one’s way into ~「〜へと進⼊する」
7. b
空所の前後には共にマイナスの内容がある。したがって選択肢 b を空所に⼊れると「⼼臓への⾎流をブ
ロックする可能性があり、心臓発作を引き起こすことさえある」となり文意が通る。even の前後には共
通の内容が存在することを覚えておきたい。
8. e
第 5 段落第 1 ⽂に「患者を少量の放射線に晒すことになるので、過去において医師たちはカルシウムの
蓄積を検査するのに冠動脈カルシウムスキャンを用いて検査をすることをためらっていた」とある。医
師が検査に消極的であったということから空所に選択肢 e を⼊れると「リスクに⾒合うだけの利益はな
いと医師たちは信じていた」となり文意が通じる。
9. b
not only の変形である。後ろに続く but ~ too を⾒ても明らかである。
(B) d
文頭の But がヒントである。 But 以前の内容は冠動脈テストは勧められていなかったので、but の後ろ
では勧められているような内容になると推測できる。したがって選択肢 d を正解とする。
4
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Ⅲ
1. e
下線部(1) this biological trick は第 3 段落の冒頭にある。したがって this が指すのは直前の第 2 段
落内にあるはず。第 2 段落の要旨は「⾃然界では単性⽣殖は当たり前」であり、この「単性⽣殖」=virgin
births / parthenogenesis が biological trick「生物の企み」と呼んで相応しいこと、下線部を含む一
文を「この生物の企みを人間も身に付けることはできないだろうか」と読んで納得できることから、選
択肢 e「parthenogenesis」を正解とする。
2. c
下線部(2)を含む節は「⼥性が conceive しようとすれば、精子が必要になる」と読める。そこで
conceive は「妊娠する」という意味ととれるので、選択肢 c「become pregnant」が正解。
3. b
選択肢 a は第 4 段落第 3 文の後半で、選択肢 c は第 5 段落第 1 文で、選択肢 d は第 4 段落第 2 文で、
選択肢 e は第 4 段落第 3 文の前半で、それぞれ読み取ることができる。選択肢 b は「妊娠するのに精子
を必要としない」の箇所が本文と照らして正しくない。Kaguya は二匹の雌のネズミから作られたとあ
るが、これは “精子” を用いなかったのではなく、“雄の精子“ を用いなかっただけであることは、第 5
段落第 1,2 文で読み取ることができる。
4. b
下線部を含む一文は「雌のドナーから精子細胞を誘発する・・・こんなことは normally「通常は」決して
起こり得ない」と読める。取り上げられている内容から、ここでの「通常は」は「自然界では」と置き
換えて差支えないだろう。
5. d
下線部を含む一文は「われわれは顕微鏡の下でなら精子細胞らしきものを作ることはできる」と読め、
続く一文「しかし、・・・」に選択肢 d と同内容を読み取ることができる。
6. a
下線部(6) that は、この下線部を含む一文の冒頭にあるもう一つの that (You can do that) を指
している。このもう一つの that が直前の文を指していることが読めれば、正解は選択肢 a だと分かる。
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7. c
空所[7]を含む一文には SV 構造を含む塊が二つあるのに、接続詞が⾒当たらない。したがって空所に
は接続詞が入ることになるが、選択肢中に接続詞はない。そこで思いださなければならないのが、If S
should V ・・・ = Should S V ・・・。選択肢 c「Should」が正解。
8. a
下線部(8) inexplicably は「説明のつかない、不可解にも」といった意味。下線部を含む⼀⽂では、
⾝近にどうしても雄がいない場合に限って雌はいたしかたなく単性⽣殖に訴えることがある例として、
水族館でサメが同様ないきさつで妊娠することがあると述べられている。したがって同内容の選択肢 a
が正解となる。
9. d
下線部(9)は「進化的に、単性⽣殖を⾏うことは得にならない」と読め、
「得にならない」とは具体的
にどういうことかが下線部(9)に続く。そこには「遺伝的多様性を失う」とあるので、同内容の選択肢
d が正解。
10. d
選択肢 a は more often than in the past が、選択肢 b は because 以下が、選択肢 c は Most female
が、選択肢 e は is not provided by nature but invented by humans が、本文の記述と合致しない。
Ⅳ
1.b
問題の空所を含む⽂の冒頭では⼥性や⼦供の労働条件が男よりも悪いものであったことが述べられてお
り、空所の直前の動詞 received の主語はその⼥性や⼦供で、その目的語は後ろにある a fraction of the
wages a man could earn=「男性が稼ぐ賃⾦のごくわずか」である。これらのことが把握できていれ
ば、空所に補うべき語が only=「〜しか」のような副詞であると分かる。ここからは純粋に知識の問題
となるが、選択肢 b の but には副詞として、先述の only とほとんど同じ意味となる用法がある。そこ
でその選択肢を正解とする。他の選択肢に「〜しか」というような意味になるものはない。
2.c
空所の続く部分には「かつてないほどの数の移⺠が流⼊してきて(空所に入る何かは)一定して増大し
ていった」という趣旨の記述がある。⽂脈から考えれば、上の「移⺠」のほとんどは「技術を持たない
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労働者たち」であろうと分かるので、
「空所に入る何か」もまた、そういった労働者たちのことだとすれ
ば話が通る。つまり「かつてないほどの移⺠の流⼊に伴って、労働者⼈⼝は増⼤の⼀途を辿った」とい
うことである。ここで空所が「(技術を持たない労働者の)人口」となるような語を求め、labor pool=
「労働者人口」を作る、選択肢 c を正解とする。
3.d
かなり離れたところにあるが、問題の空所には、先⾏する limiting と連動して「⼥性や⼦供の⼯場での
労働時間を一日 10 時間に制限する(ような)」という意味を作る前置詞を入れる。limit A to B=「A を
B に制限する(限定する)」であり、選択肢 d の to が正解である。
4.e
it is not until…that SV=「…となって初めて SV する」である。これがそのまま使われているだけなの
で、4 番目に置かれる語は選択肢 e の until となる。
5.c
下線部(1)が含まれる段落では、当時のアメリカでは労働に関しての法整備がほとんど何もなされてい
なかったという趣旨のことが述べられている。下線部(1)の直前の一文では「実際、1930 年代になっ
て初めて、連邦政府は(法整備に)積極的に乗り出すようになった」とあり、続く問題の個所を含む文
においては「その時まで、その分野(下線部の語)は各州や地方当局の手に委ねられていた」とあるの
で、「法整備」に該当するようなものを求め、選択肢 c の「労働の法の制定」を正解とする。
6.d
下線部(2)の語は、ダーウィンが自然界において提唱した適者生存(直前の survival of the fittest の
訳語)の理論を⼈間の社会に応⽤した考え⽅のことである。これに合わないのは選択肢 d の「政府が大
手企業を支援すること」である。大手企業であっても、変化する経営環境に適応できずに衰退していく
ならば、そのままにして消滅するのを待つのが Social Darwinism の考え方である。
7.a
問題の空所の直前の段落で述べられていたのがおよそ「19 世紀後半を支配していた Social Darwinism
に基づけば、⼤きな企業が⾃由な競争の中でどんどんと成⻑して⾏くことは当然のことであり、その体
制を無理に変更するようないかなる法整備(労働者を保護したりするためのものなど)も、進化の観点
からなされてはならないことである」という趣旨のことであり、空所の後に続いているのが「資本主義
の犠牲者に対してこのように無関心であることの対価は大きい」という内容である。空所の前後では、
7
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資本主義についておよそ反対のことが述べられているので、問題の部分には逆接関係を示す何かが入る
ことが分かる。そこで選択肢 a の yet=「しかし」を正解とする。
8.b
問題の空所を含む段落では「1900 年に⼊っても、依然アメリカの労働の状況はとても悪かった」とい
う趣旨のことが述べられている。この流れの中で、空所の前の部分では「ほとんどの⼯業労働者は依然
一日 10 時間の仕事をしていたが、それでも 20〜40%の何か(空所カに入るもの)しか稼いでいなかっ
た」と書かれている。空所の後ろの続いているのは deemed necessary for a decent life=「まともな
生活に必要であると思われる」という過去分詞(ここでは形容詞として前の名詞を修飾する働きのもの)
であり、このことから、空所を埋めるものとして考えられるのは「最低限(の必要)を下回るもの」で
ある。これを意味し得るのは選択肢 b か d である。しかしここでは money=「お⾦」という不可算名
詞を補って考えられるべき(先⾏する earned=「を稼いだ」の目的語)ところ、選択肢 d で使われて
いる fewer は適切ではないことになる。⾔うまでもなく、不可算名詞の money には選択肢 b の less が
適切である。
9.c
問題の空所の前には完全な一文があり、それに続く部分にも SV 構造がある。したがって、空所に入る
ものは少なくとも、接続詞か関係詞のような SV 構造を結びつけられる何かでなければならない。それ
に該当するのは選択肢bかc(d の that はここでの、カンマの後ろに続く形となる非制限用法で使うこ
とができないので消去)であり、先⾏詞となる children と後ろの numbers の関係性を考えれば明らか
に正解は whose である。つまり children’s numbers in the workforce doubled between 1870 and
1900=「労働⼒として使われる⼦供の数は 1870〜1900 で 2 倍になった」ということである。
10.e
本文の内容と「合致しない」ものを選ぶ問題。第 3 段落第 1 文の後半だけに着眼すると virtually no
labor legislation existed in the country=「事実上どのような労働法もその国には存在しなかった」
とあり、選択肢 e は本⽂の内容に「合致している」ように思える。しかしその⽂全体をよく⾒てみると、
その箇所には「1874 年にマサチューセッツが、この国で初めて⼥性と⼦供の労働時間を⼀⽇上限 10 時
間までとする法規制を⾏った時まで」という⽂⾔が付いている。
「1874 年」は問題⽂にある条件の「19
世紀」に含まれるため、その時点で、少なくとも先の文が述べている労働に関しての法は米国に存在し
ていたことになる。よって正解となる、本文の内容に「合致しない」ものは選択肢 e の「労働に関して
の法は存在していなかった」である。
8
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Ⅴ
1.d
全訳参照。Tony の最初の発言から分かるように、彼は Jim が、多くの約束があった木曜日にそれらの
全てを破った理由の詳細を聞きたがっている。
「再⼊国の⼿続き」に関しての⾔及はあったものの、それ
以上の十分な説明がなされていなかったことも分かる。したがって正解は選択肢 d の「Jim は先週の木
曜⽇にそこにいなかったことについて不⼗分な説明をした(ことが分かる)」である。
2.d
下線部の直訳は「まあ、それが安全な場所に無かったというようなわけでもない」である。それの正し
い言い換えとなっているのは選択肢 d である。
3.d
最も自然なイントネーションの位置、であるから素直にアクセントのことであると考えて選択肢 d を正
解とする。
4.b
各選択肢を和訳すると次の通り︓
a. 彼は、パスポートは安全な場所にあったから万事大丈夫だと言っている。
b. 彼は、パスポートに関して不注意な扱いをしていたのではないかという疑いから⾃分を守ろうとし
ている。
c. 彼は、自分のパスポートが安全な場所になかったので心配していたと言っている。
d. Tony が Jim がパスポートを失くしてしまったのだろうとほのめかしていることに対して、彼は反撃
している。
全訳を⾒れば明らかなように、彼は⾃分がパスポートをいい加減に扱っていたわけではないのだと伝え
たくて下線部(1)の発言をしている。それを正確に言い表しているのは選択肢 b である。
5.c
全訳から分かるように、Jim は預けておいたパスポートのことを完全に失念し、ホテル側も彼がセイフ
の鍵を持ったまま出て⾏くのを⽌められなかった。このことと合致するのは選択肢 c の「Jim が空港に
向かって出発した時、彼はホテルのセイフの鍵を持って⾏ってしまった」である。選択肢 d も若⼲悩む
ところではあるが、Jim 自身が「別に彼ら(ホテルの側)のせいにするつもりはないけど」と述べてい
ることもあり、不適。
9
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6.d
セイフの鍵を持ち去られないようにすることはホテル側にとっても「利益」であると考え、選択肢 d を
正解とする。conflict of interest=「利害の衝突」である。
7.a
迷うことがあるとすれば、選択肢 a か c であろう。全訳では括弧に入れて表現したが、パスポートを持
っていないのであれば「いずれにせよ / 何にしても / とにかく(=anyway)」入国することはできま
せんから、と言われたものと考えて選択肢 a を正解とする。つまり「パスポート無しで⾶⾏機に乗せて
あげたところで、いずれにしても日本で入国を許されないから、とにかく持ってきて下さい」というこ
とである。ただ、選択肢cにしても(in) that way=「そのような方法(形)で」であるから、全く不
適であるとは言い難いところ。
8.c
まず、選択肢 a の when を入れて「複数の写真付きの身分証を所持している時でさえ」とするのに問題
は無いだろう。また、選択肢 b、d については even though≒even if であるから、正解を一つとしなけ
ればならない関係上、いずれもこの箇所に入れることができるものと判断するしかない。したがって、
残った選択肢 c が正解となる。
9.b
迷うことがあるとすれば、選択肢 a か b であろう。全訳を⾒れば明らかなように、Jim はパスポートを
忘れてしまったがために約束を破る結果となってしまったわけであるから、一時的にせよ「パスポート
など無くなってしまえば良いのに」と考えたとしてもそうおかしくはない。しかし、ただこの⼀件をも
って自分の場合のみならず、いかなる状況下でも選択肢 a=「旅⾏をするのにパスポートが不要になる」
べきだと思ったとするのはやはり極端に過ぎるか。特に問題の Jim の発言の冒頭では、「パスポートが
必要だ」という Tony の発言に対して「もちろんその通りだよ」と先ずは肯定の意を示している。した
がって、ここではむしろ、それに続く一連の発言を要約して、選択肢 b=「自分とある国とを結びつけ
る何らかの書類があれば、それに基いてその人はその国へ入ることを許される(ならそれは良い考えで
ある)」と述べているものと判断し、その選択肢を正解とする。
10.a
全訳を⾒れば明らかなように、Jim は国籍を変えることを考え始めたわけであるが、この文脈ではそれ
は、日本の国籍を得ることを意味する。したがって正解は選択肢 a の「日本国籍を取得すること」であ
る。
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<全訳>
T: で、先週の⽊曜、たくさんの予定や約束があったにも関わらず、どうして全く⾒当外れな場所にいた
のか、ちゃんと説明してくれる気になったかい︖再⼊国の⼿続きがどうのこうのと⾔っていたけど、⼀
体どういうことなのか、誰にもよく分かってないからね。
J: いや、実際あれは僕がダメだったんだ。聞いたことあるかも知れないけど、僕は忘れ物が多いことで
有名なんだよ。
T: って⾔うと今回は――まさか、パスポートを忘れたなんて⾔うんじゃないだろうね︖
J: ああ、まあ、それがどこかセイフじゃない場所にあったというようなわけでもなくてね。
T: ほう、セイフな場所…で、それはどこのことを⾔っているのかな︖
J: それはフロントのところのホテル・セイフにあったんだ。僕はそれを、沖の方の島に出掛けた時にそ
こへ預けたんだよ。持って⾏きたくなかったし、部屋に置いておくのも気が引けたんでね。
T: ああ、それでチェックアウトの時に完全にそのことを忘れてしまっていて、のんきに空港まで旅⽴っ
てしまったわけだね。
J: ホテルの側も何か⾔ってくれれば良いのに、と思うけどね。別に彼らのせいにするつもりはないけど、
客がホテルのカギを持ったままどこかに⾏ってしまわないようにするっていうのは彼らの側にとっても
大事なことなんじゃないかな。
T: それで、どうなったの︖
J: ⾸都までの国内便は問題無く⾏けたし、⼿荷物も成⽥まで⼤丈夫だったんだけど、⽇本への⾶⾏機に
乗り込もうとした時にダメだと言われたんだ。それでは(いずれにせよ)入国ができませんからと言わ
れてね。
T: そこに特にサプライズはないよね。外国へ⾏くのにパスポートが要るなんてことは誰でも知ってる
から。
J: もちろんその通りだよ。けどちょっと⾒⽅を変えてみれば⽪⾁なもんだよね。30 年も住んでて、仕
事や家もあり、たくさんの友達がいて、⾝分証だって顔写真付きの、政府が発⾏したやつを持っている
ようなところに入国するのに、たまたまその瞬間、基本的にはどこか別の国の出身だってことを示すだ
けの紙っ切れが⼿元に無いからって⾔って⼊れさせてもらえないわけだから。
T: かもね。けど、それをどうにかしたければ国籍を変えるしかないよね。
J: いや、実際そうしようかなと思うようになったよ。
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