平成27年2月17日 社会福祉施設の事業者 殿 仙台労働

平成27年2月17日
社会福祉施設の事業者
殿
仙台労働基準監督署長
社会福祉施設における労働災害増加に伴う
安全衛生自主点検の取組について(お願い)
日頃から労働基準行政の推進につきましては、格別の御配慮を賜り、厚く御
礼申し上げます。
さて、当仙台労働基準監督署管内における社会福祉施設における平成 26
年の休業4日以上の死傷者数は94人(未確定値)と前年同期に比べ 12.8%
増加しているところです。
その災害を事故の型別にみると、①動作の反動、無理な動作が 34 人
(35.1%)②転倒災害が 26 人(27.7%)③交通事故(道路)が 7 人(7.4%)
④墜落・転落災害が 6 人(6.4%)となっており、上位2つで、全体の6割
を占めております。
また、上記①の動作の反動、無理な動作のうち、
「災害性腰痛」が約6割
を占めているほか、上記②の転倒災害のうち特に50歳以上の高年齢労働
者の被災は約6割と多くを占めていることが特徴としてみられます。
このため、「災害性腰痛」や「転倒災害」等の労働災害を防止するため、
4S活動や高年齢労働者に配慮した防止対策等を推進し、事業者の自主的
活動を一層推進していただくために、安全衛生自主点検の実施をお願いい
たします。
つきましては、「社会福祉施設における安全衛生自主点検表(別紙1)」
により、安全衛生管理体制、安全衛生教育、転倒災害防止対策の状況等に
ついて自主的に点検を実施いただき、労働災害を防止する上での問題点を
洗い出し、自主的に改善を図られますようお願いします。
なお、当署から別途、当該書類を送付している事業者殿につきましては、
その結果を、3月6日(金)まで当署宛 FAX にてご提出いただきますよう
お願いします。
<お問い合わせ先>
仙台労働基準監督署安全衛生課
℡022−299−9073
Fax022−299−9078
別紙1
社会福祉施設における安全衛生自主点検表
点検実施日
□福祉事務所
事業の種類
□保育所
□通所・短期入所介護事業
□有料老人ホーム
□特別養護老人ホーム
□訪問介護事業
□障害者福祉事業
平成
年
月
日
□介護老人保健施設
□認知症老人グループホーム
□その他(具体的に:
)
※該当する業種にレを入れてください。
施設の名称
(℡
−
−
)
施設の所在地
代表者職氏名
点検者職氏名
労働者数
全労働者数
(内
50 歳以上の労働者数
男
名 ・ 女
男
名 ・ 女
名・計
名・計
名
名)
この自主点検表は、自社の安全衛生管理体制、作業方法、安全衛生教育の実施状況等について自主
的に点検を行い、労働災害を防止する上での問題点を洗い出し改善するためのものです。
該当する項目にチェック又は記入してください。
・「はい」にチェックした項目については、現状維持はもとより更なる充実に努めてください。
・「いいえ」にチェックした項目については、速やかに改善してください。
※各点検項目については、
「社会福祉施設における安全衛生自主点検表の解説」
(別紙2)を参
照してください。
・本点検表は、行政運営以外の目的に使用することはありません。
1
労働災害の発生について
① 過去3年間の間に休業 1 日以上の労働災害が発生しましたか。 □した[
人] □していない
② ①で「した」の場合、どのような労働災害が発生しましたか。
(具体的に:
)
③ 直近 1 年間で腰痛で休業又は退職した労働者はいましたか。 □いた [
人] □いない
④ 労働災害が発生した場合は、原因を究明して対策を講じていますか。 □いる
□いない
⑤ ④で「いる」の場合、どのような対策を講じていますか、(複数回答)。
□設備の改善 □作業方法の改善 □教育の実施 □作業手順書の改善 □表示の改善
□その他(
)
2
安全衛生管理体制等について
事業場の労働者数の規模に応じて、衛生推進者、衛生管理者、産業医を選任していますか。
・衛生推進者を選任していますか。
□はい
□いいえ
・衛生管理者を選任していますか。
□はい
□いいえ
・産業医を選任していますか。
□はい
□いいえ
② 衛生委員会又は安全衛生に関する事項について意見を聴く場を設けていますか。
□はい
□いいえ
③ ②の委員会、意見を聴く場を毎月 1 回以上定期的に開催していますか。 □はい
□いいえ
④ 1 年以内毎に1回、労働者に対し、一般健康診断を実施していますか。 □はい
□いいえ
①
(2 枚のうち1枚目)
3
安全衛生教育について
新規に雇入れや作業転換をした者に、安全衛生教育を実施していますか。□はい □いいえ
施設の安全衛生管理担当者に、安全衛生教育を実施していますか。
□はい □いいえ
4 腰痛対策について
①介護作業での腰痛予防対策に取り組んでいますか。
□いる
□いない
②「腰痛予防対策指針」をご存知ですか。
□知っている □知らない
③使用する機器・設備、作業方法等実態に即した作業手順書(マニュアル)を作成していますか。
□はい □いいえ
④腰痛予防のための教育を実施していますか。
□はい □いいえ
⑤一般健康診断のほか、重量物取扱い作業、介護作業等腰部に著しい負担のかかる作業に常時従事
する労働者に対しては、当該作業に配置する際(再配置する場合を含む。)及びその後 6 か月以内
毎に 1 回、医師による腰痛の健康診断を実施していますか。
□はい □いいえ
⑥適切な介護設備、スライディングシート、リフト等の福祉機器を導入していますか。
□はい □いいえ
⑦必要に応じて、腰痛保護ベルト・腹帯などを使用させていますか。
□はい □いいえ
⑧腰痛予防体操、ストレッチングを実施していますか。
□はい □いいえ
⑨介護者の年齢や体力に応じた職務配置をしていますか。
□はい □いいえ
⑩特定の介護者に作業が集中しないよう配慮していますか。
□はい □いいえ
⑪利用に便利でくつろげる休憩設備を設けていますか。
□はい □いいえ
⑫介護作業者の腰痛予防対策のためのリスクアセスメントに取り組んでいますか。
□はい □いいえ
5 転倒、転落災害防止について
①床面、階段及び通路は躓きや滑りの原因となる凹凸や水漏れ、ごみのない
状態になっていますか。
□はい □いいえ
②階段には滑り止め、手すりを設置していますか。
□はい □いいえ
③床面、階段及び通路は、通行に十分な明るさが保たれていますか。
□はい □いいえ
④照明器具の清掃を定期的に行っていますか。
□はい □いいえ
⑤階段の滑り止めが、剥がれていませんか。
□はい □いいえ
6 4S(整理・整頓・清掃・清潔)活動・KY(危険予知)活動等について
①現在「4S活動」を定期的に実施していますか。
□はい □いいえ
②「4S活動」には施設長のリーダーシップの元で行っていますか。
□はい □いいえ
③ ②現在「KY活動」を定期的に実施していますか。
□はい □いいえ
④「KY活動」には施設長のリーダーシップの元で行っていますか。
□はい □いいえ
⑤「ヒヤリハット報告活動」を実施していますか。
□はい □いいえ
7 その他の災害防止対策実施について
①職場の安全パトロール巡視を行っていますか。
□はい □いいえ
②朝礼やミーティング等で災害防止への注意喚起を行っていますか。
□はい □いいえ
③現在「見える」安全衛生活動(職場の危険・有害性を「見える化」)に
取り組んでいますか。
□はい □いいえ
8 高年齢労働者への配慮事項について
①可能な限り段差を解消するとともに、段差のある場所は注意喚起の表示
をしていますか。
□はい □いいえ
②作業場及び通路に適切な照明を設けていますか。
□はい □いいえ
③見通しの悪い角には、カーブミラー等を設置していますか。
□はい □いいえ
④ 作業者が自主的に作業のスペースや量をコントロールできるように
していますか。
□はい □いいえ
9 交通労働災害防止について
①介護サービスに利用する乗用車等について管理基準を設けていますか。
□はい □いいえ
②「交通労働災害防止のためのガイドライン」をご存知ですか。
□はい □いいえ
③ ②を踏まえた交通労働災害防止のための管理体制を整え、走行管理を
していますか。
□はい □いいえ
④交通労働災害防止に関する安全教育を行っていますか。
□はい □いいえ
①
②
※各点検項目は、「社会福祉施設における安全衛生自主点検表の解説」(別紙2)
を参照され、自主改善を図っていただきますようお願いします。
(仙台労働基準監督署H27.2)
(2 枚のうち 2 枚目)
別紙2
「社会福祉施設における安全衛生自主点検」の解説
1 労働災害の発生について
●厚生労働省 HP「第3次産業で働く皆さまへ∼安全で安心な職場をつくるために∼」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055195.html
●厚生労働省 HP「在宅介護サービス業における災害事例」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/0503-2.pdf
2 安全衛生管理体制等について
①「衛生管理者」とは、安衛法の規定により労働者が常時 50 人以上の事業場で選任が必要で、労働衛
生 にかかる技術的事項を管理する者のことです。
「衛生推進者」とは、常時 10 人以上 50 人未満の
事業場の場合 で選任が必要です。「産業医」は、安衛法の規定で常時 50 人以上の労働者を使用する
事業場で選任する必要があります。常時 50 人未満の労働者を使用する事業場は、地域産業保健セン
ターの利用等が勧められています。
②「安全衛生委員会」は常時 50 人以上の労働者を使用する事業場では設けなければならないこととな
っており、常時 50 人未満の事業場でも関係労働者の意見を聴く機会を設けるようにしなければなり
ません。
④事業者は労働者を雇い入れた際及び 1 年以内ごとに1回定期的に、法令で定める項目について 医師
による「健康診断」を行わなければならないことが、労働安全衛生法(以下、安衛法という)で定め
られ ています。また、健康診断結果の記録の作成、労働者への結果の通知、実施後の措置についても
実施が定められています。
●厚生労働省 HP 「安全衛生に関する Q&A」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/faq_index.html
3 安全衛生教育について
①雇い入れ時と作業内容を変更した時に「安全衛生教育」を行うことが、安衛法で定められています。
(労
働安全衛生法第 59 条、労働安全衛生規則第 35 条参照)
https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-1/hor1-1-1-6-0.htm#6-59-3
https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-1-1h4-0.htm
②安全衛生管理担当者には、平成 24 年 3 月 22 日付け基安安発 0322 第 2 号基安労発 0322 第 5 号通達
「小売業及び社会福祉施設の安全衛生管理担当者に対する安全衛生教育について」により安全衛生教
育を実施してください。
https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-53/hor1-53-22-1-0.htm
4腰痛予防対策について
厚生労働省は業務上の腰痛対策として、「職場における腰痛予防対策指針」を定め、 一般的な予防対
策のほか、福祉・医療分野等における介護・看護作業など腰痛の発生が比較的多いとされる作業につい
て、個別対策を示していますので、この指針に沿って予防対策を行うことが重要です。また、平成 21
年には、リスクアセスメントの手法を用いて介護作業で腰痛を 発生させるリスクを見つけ出し、リスク
低減策を講じるためのツールとして、
「介護作業者の腰痛 予防対策チェックリスト」を公表しています。
「リスクアセスメント」とは、労働安全衛生法第 28 条の2に基づく「危険性又は有害性等の調査等」
の ことで、職場に存在する危険性または有害性を把握し、リスクの大きさを明らかにし、リスク低減の
優先 度に基づいて、リスク低減措置を実施するといった一連の流れのことをいいます。 例えば、介護
サービスの作業ごとに、腰痛などの災害を起こす可能性の度合いと被災の程度を数値等で 客観的に把
握・評価し、設備面の対策や作業方法の改善などのリスク低減措置を行っていくことですので、これを
活用した対策に取組みましょう。
①作業手順書とは、介護サービスを安全に効率よく行うために作成するもので、介護サービスごとにそ
の 手順を明確にしておく必要があります。
●安全衛生情報センターHP 「職場における腰痛予防対策指針」
http://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-54/hor1-54-36-1-2.pdf
●厚生労働省 HP「介護作業者の腰痛予防対策チェックリスト」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/checklist_a.pdf
●厚生労働省HP「社会福祉施設を運営する事業主の皆さまへ 介護・看護作業による腰痛を予防しましょう」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/131025-01.pdf
●厚生労働省 HP「中小企業労働環境向上助成金(個別中小企業助成コース)のご案内」 リーフレット
※介護福祉機器の導入も一定の要件を満たせば助成対象となります。
(お問い合わせは、最寄りのハローワークへ)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000066817.pdf
5 転倒、転落災害防止について
厚生労働省では、休業4日以上の死傷災害で最も件数が多い「転倒災害」を減少させるため、
「STO
P!転倒災害プロジェクト 2015」を推進しています。このプロジェクトでは、転倒災害の多い2月と全
国安全週間準備月間である6月を重点取組期間としています。職場における転倒の危険を「転倒災害防
止のためのチェックシート」でチェックしましょう。
●厚生労働省 HP 職場のあんぜんサイト「職場での転倒事故を減らしましょう! 」 のうち 4 枚目に「転
倒災害防止のためのチェックシート」があります。
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/information/panf_tentouproj.pdf
●「STOP!転倒災害プロジェクト 2015」
厚生労働省 HP http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000071356.html
●厚生労働省HP「社会福祉施設における労働災害防止のために ∼転倒、転落災害を防ぎましょう∼」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/120221-1-1.pdf
6 4S(整理・整頓・清掃・清潔)活動・KY(危険予知)活動について
①4S(整理・整頓・清掃・清潔)の一部分である、3S(整理・整頓・清掃)、を実施している場合もあり
ます(その際も、「はい」に 〇 をつけてください)
。
③「KY(危険予知)活動」とは、作業者が職場で安全な作業をするために、労働災害や事故の原因と
なる可能性のある不安全行為や不安全状態を予知する力を高めるための活動のことをいいます。危険
の K、予知の Y、訓練(トレーニング)の T をとって、
「 KYT 」とも呼ばれています。例えば、
「浴
室の蛍光灯を交換する場合」、どんな危険が潜んでいるかを話し合い、交換作業をする前に 「浴槽フ
チの水をふき取る」ことを確認することをいいます。
⑦「ヒヤリハット報告活動」とは、事故にならなかったがヒヤリとした、ハッとした体験を報告するこ
とで、災害に発展する可能性のある危険要因を早期に取り除く活動のことをいいます。
●厚生労働省HP「社会福祉施設における労働災害防止のために∼腰痛対策・4S 活動・KY活動∼」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/111202-1.pdf
7 その他の災害防止対策実施について
③職場に潜む危険などは、視覚的に捉えられないものが数多くあります。それらを可視化(見える化)
することで、より効果的な安全活動を行うことができます。これを「見える」 安全活動と言います。
「見える化」は、危険認識や作業上の注意喚起を分かり易く知らせることができ、また、一般の労働
者も参加しやすいなど、安全確保のための有効なツールですので、
「見える」安全活動に取り組みまし
ょう。
●厚生労働省 HP 社会福祉施設における危険の「見える化」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/000006
9507.pdf
8 高年齢労働者への配慮事項について
●厚生労働省HP「高年齢労働者に配慮した職場改善マニュアル ∼チェックリストと職場改善事項」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/0903-1a.pdf
●中央労働災害防止協会安全衛生情報センターHP「高年齢労働省に配慮した職場改善∼転倒災害防止を中心として」
http://www.jaish.gr.jp/museum/japanese/s_exhibition/senior/kourei_index.html
9 交通労働災害防止対策について
乗用車等運転作業については「交通災害防止のためのガイドライン」(厚生労働省、平成 20 年) が
示されており、重大な交通事故を契機として平成 25 年にその一部が改正され、その対策の実施が求めら
れています。
●厚生労働省 HP「交通労働災害を防止しましょう「交通労働災害防止のためのガイドライン」のポイント」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/130912-01-all.pdf
<参考資料>
●厚生労働省 HP「社会福祉施設における安全衛生対策マニュアル∼腰痛対策と KY 活動∼」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/0911-1.html
●厚生労働省 HP「社会福祉施設における安全衛生対策テキスト∼腰痛対策と KY 活動∼」
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/0911-2.html
●厚生労働省 HP「在宅介護サービス業におけるモデル安全衛生規定及び解説」平成17年3 月
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/0503-1.html
● 厚生労働省 HP ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 雇用・労働 > 労働基準 > 安全・衛生
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/index.html
● 中央労働災害防止協会 安全衛生情報センターHP https://www.jaish.gr.jp/
(仙台労働基準監督署 H27.2)