博多湾環境保全計画の改定について 1 資料5 計画改定の趣旨 博多湾環境保全計画の計画年次(平成 27 年度)を迎えることや,上位計画である 第9次福岡市基本計画や福岡市環境基本計画(第三次)が策定されたことを受け,目 指すべき環境像との整合を図るため,博多湾環境保全計画の改定を行う。 (1)博多湾環境保全計画(現行) 下水の高度処理の推進などの施策により,博多湾において一定の効果が現れている が,依然として貧酸素や赤潮による漁業被害の発生などの課題が残されている。 また,博多湾環境保全計画推進委員会において,博多湾の場の利用方法や季節に応 じた対策が必要とのご意見をいただいている。 (2)上位計画①:第9次福岡市基本計画(H24.12 月策定) <全体構成> 10 年後の 2022 年度(平成 34 年度)の都市の望ましい姿をまちづくりの目標として 掲げ,そのまちづくりの目標は8つの分野別目標で構成されている。 その1つとして「目標4 人と地球にやさしい,持続可能な都市が構築されている」 が示されており,分野別目標ごとに分野別目標の達成に向けた取組みとなる「施策」 と「成果指標」が示されている。 1 (第9次福岡市基本計画の成果指標に関する意識調査より抜粋) 2 (3)上位計画②:福岡市環境基本計画 □第二次:H18.7 月策定 「ときを超えて人が環境と共に生きるまち」をめざすべき環境の姿とし,特に優先 的に取り組む重点分野の1つとして,「自然とのふれあいと生物多様性の保全」を示 している。その中で,「多様な動植物がみられる自然豊かな博多湾・河川の形成」を 目指し,具体的には,博多湾環境保全計画の策定,下水の高度処理(窒素・リン同時 除去)の導入検討,合流式下水道区域の分流化,和白干潟や今津干潟の保全等に取り 組むとした。 ■第三次:H26.9 月策定 <全体構成> 「豊かな自然と歴史に育まれ,未来へいのちつなぐまち」を「めざすまちの姿」 として掲げ,その実現に向け,4つの分野別施策及び3つの分野横断型施策を組み 合わせて環境施策を展開していくという構成。その分野別施策の1つとして,「市 民がふれあう自然共生のまちづくり」が重要と位置付けられている。 <「市民がふれあう自然共生のまちづくり」について> 「市民がふれあう自然共生のまち」を実現するため,①「生き物や自然環境の保 全・再生と自然のネットワークの形成」,②「自然からの恵みの持続的利用の促進」, ③「生物多様性の認識の社会への浸透」に取り組んでいく。 3 施策の基本的方向 海洋,島しょ(島々),干潟,平野,丘陵,山地,河川など,福岡市の多様な生 物の生息環境を守るとともに,中心市街地や港湾地域においては,再生,復元を行 い,山,川,平野,海のつながりを確保する。また,動物,水生生物,植物などふ くおかの貴重な生き物を守り,豊かな生物相の回復を目指す。 博多湾の保全に関しては,下水の高度処理(窒素・リン同時除去)の導入検討,海 面・海岸等の清掃,底質改善や水質保全対策についての調査・検討,漁場整備や藻場 の保全再生,和白・今津の干潟や前面浅海域の保全,アマモ場等藻場の造成等に取り 組むこととしている。 4 参考 「生物多様性ふくおか戦略」(平成 24 年 5 月策定) 【100 年後の将来像】 市民が多様な生き物とその生息地である自然 環境の保全・再生・育成に取り組み,百年後も 豊かな自然と共生し,その恵みに支えられ,命 をつなぐ未来都市「ふくおか」 <基本的方向> 本戦略の第一フェーズとなる当初の 10 年間は,身近な自然や食文化など本市の個 性・魅力が生物多様性に支えられていることの認識を促し,生物多様性の重要性を広 く福岡でも『社会への浸透』をさせることを初期段階の目標とします。 その上で,本市の自然的特徴である油山・脊振山などの山々から,福岡平野を貫き, 博多湾へと流れる多々良川・那珂川・室見川などの河川にいたるさまざまな自然環境 のつながりを意識し,生物多様性の『保全』及び『持続可能な利用』を基本的方向の 柱として,生物多様性に支えられた特徴的な『文化』に更なる磨きをかけ,生物多様 性における弱みを多様な主体や地域との『連携』によって補っていきます。 【事例】今津干潟における里海保全再生事業 持続可能な利用 保 全 カブトガニ放流会(今津小) 社会への浸透 連 携 カブトガニの幼生生息場づくり (カキ殻回収) 多様な主体との意見交換会 5 博多湾環境保全計画推進委員会(改定検討)スケジュール 26年度 H27.1月 現行計画の検証 推進委員会(1) 改定の方向性の検討① 27年度 H27.5月 推進委員会(2) 改定の方向性の検討② 目標像の設定 H27.8月 推進委員会(3) あり方編(改定版骨子)の検討 H27.11月 推進委員会(4) 施策の検討 評価方法の設定 H28.1月 保全計画(改定版)素案の検討① 推進委員会(5) 28年度 H28.4月 保全計画(改定版)素案の検討② 推進委員会(6) 計画の推進方法(モニタリング)の検討① H28.7月 パブリックコメント 市民意見募集 H28.8月 推進委員会(7) 保全計画(改定版)まとめ 計画の推進方法(モニタリング)の検討② H28.9月 保全計画(改定版)の公表 公表 6
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