1p 全 5p 平成27年度原子力施設等防災対策等

平成27年度原子力施設等防災対策等委託費(海水及びホウ酸注入影響評価試験)事業
に係る入札可能性調査実施要領
平成 27 年 2 月 18 日
原子力規制庁長官官房技術基盤グループ 安全技術管理官(シビアアクシデント)付
原子力規制庁では、平成27年度原子力施設等防災対策等委託費(海水及びホウ酸注入影響評価
試験)事業の受託者選定に当たって、一般競争入札(価格及び技術力等を考慮する総合評価方式)
に付することの可能性について、以下の通り調査いたします。 つきましては、下記1.事業内容に記載
する内容・条件において、的確な事業遂行が可能であり、かつ、当該事業の受託者を決定するに当た
り一般競争入札(価格及び技術力等を考慮する総合評価方式)を実施した場合、参加する意思を有す
る方は、2.登録内容について、4.提出先までご登録をお願いします。
1.事業内容
1.1 概要
PWR 及び BWR の重大事故対策では、海水を代替水源としている。海水注入が長期化すると、
炉内での崩壊熱による蒸発によって塩分濃度が上昇し、炉心、下部プレナム等、圧力容器の各
所に塩の析出物が形成され、これらが局所的に成長・集積し、流路狭隘部を閉塞し除熱性能を
低下させる可能性がある。崩壊熱の影響が生じる箇所は燃料バンドル、また、炉心溶融が発生
した場合にはデブリベッドとなる。そのため、重大事故対策をより確実なものとするために、海水
注入による燃料集合体への塩析出位置や析出量の加熱時間による変化と、クラスト・デブリベッド
への析出による除熱性能の変化に関する調査研究を進めている。
本事業では、燃料集合体の除熱性能試験とクラスト・デブリベッド試験の双方を実施する。燃
料集合体の除熱性能試験では、海水注入時に燃料集合体の除熱性能に最も大きく影響する
塩の析出位置と量を定量的に評価するため、加熱長さを実機の約 1/7 とした試験(短尺バンドル
試験) と実機と同等の加熱長さとした試験(長尺バンドル試験)を行う。また、クラスト・デブリベッ
ドでの塩析出による除熱量の変化を評価するため、デブリベッド表面に形成されるクラストを対象
としたクラスト内クラック影響評価試験を実施し、伝熱量の時間変化を計測する。今年度事業の具
体的内容は次項の通り。
1.2 事業の具体的内容
1) 燃料集合体の除熱性能試験
・短尺バンドル試験
本試験では、沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体の形状を模擬し、電気加熱ヒータを内蔵
する模擬燃料棒を 5×5 本の格子配列とし、加熱部長さが実機燃料の約 1/7、燃料棒を整列支持す
る模擬スペーサを加熱部に1体設置した短尺模擬燃料集合体を用いて、崩壊熱相当の加熱による
塩析出挙動についての基礎試験を実施する。
今年度は、実機における析出挙動の予測手法検討を目的とした試験を実施する。昨年度製作
した短尺バンドル試験装置及び試験体について改造を行い、水等を対象とした沸騰二相流挙動に
ついてX線CTスキャナによる観察試験を実施する。試験に用いる作動流体は、想定される熱伝達
特性の裕度を踏まえて二相流動挙動に必要な類似性があると判断されれば、単一の流体に絞っ
てもよい。また、観察試験の試験条件は、昨年度までに実施した海水のみ、あるいは海水及びホウ
酸混合溶液を対象とした析出挙動試験と合わせる。加えて、前記沸騰二相流動の観察試験を模
擬した数値流体力学計算を行い、沸騰二相流動挙動を良好に再現できることを確認する。確認後、
昨年度までに得られた海水のみ、あるいは海水及びホウ酸混合溶液の析出データと今年度計測
する沸騰二相流挙動及び数値流体力学計算により得られた流動パラメータとの相関を把握し、析
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出量予測手法の検討を行う。これにより、最終年度に実施予定の長尺バンドル試験での析出量予
測につなげる。
・長尺バンドル試験
実機燃料集合体での塩析出挙動及び除熱性能を評価するため、加熱長を実機と同等とした
試験を行う。短尺バンドル試験と同様に、電気加熱ヒータを内蔵する模擬燃料棒を5×5本配列と
し、模擬スペーサを加熱部に7個装荷したものとする。析出量は差圧計での溶液量計測から評価
する。また、模擬燃料棒の各位置に設置した熱電対により、模擬燃料棒表面の温度を計測し、除
熱量の変化を評価する。
今年度は、上記の評価を行うため既に設計されている長尺バンドル試験装置に合わせた仕様
を有する塩水沸騰濃縮試験装置を完成させる。
2) クラスト・デブリベッド除熱性能試験
・クラスト内クラック影響評価試験
クラスト中のクラックが冷却特性に及ぼす影響を把握するため、プール沸騰伝熱試験を行う。
試験では、クラスト多孔体の粒径、クラスト内のクラックの有無をパラメータとして、水、海水、海水と
ホウ酸水の混合溶液を用いた場合の塩析出による伝熱量への影響を定量化する。
今年度は上記の定量化を行うため、昨年度製作した試験装置を用い、以下に示す試験体製作
及び試験を実施する。
① 試験体設計製作
② 海水沸騰伝熱試験
③ 海水及びホウ酸混合溶液沸騰伝熱試験
1.3 事業の進捗管理 原子力規制庁に対して事業の進捗状況を報告し、漏れの無いように計画内容を
遂行する。
1.4 事業期間 契約日から平成28年3月18日まで
1.5 事業実施条件
・事業は、国が貸与する研究機材及び設計資料(別添参照)を用いて行うこと。
・研究機材は、受託者の責任において許可を受けた場所に移転し、適切に管理すること。
・貸与する研究機材及び設計資料は、本事業の目的以外には使用せず、事業終了後は受託者の責
任において返却すること。
・研究機材の移転にかかる費用は受託者が全て負担すること。
2.登録内容
①事業者名
②連絡先(住所、TEL、FAX、E-mail、担当者名)
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3.留意事項
・登録後、必要に応じ事業実施計画等の概要を聴取する場合があります。
・本件への登録に当たっての費用は事業者負担になります。
・本調査の依頼は、入札等を実施する可能性を確認するための手段であり、契約に関する意図や
意味を持つものではありません。
・提供された情報は省内で閲覧しますが、事業者に断りなく省外に配布することはありません。
・提供された情報、資料は返却いたしません。
4.提出先
郵送または E-mail にてご提出願います。
【提出先】 〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9
原子力規制庁長官官房技術基盤グループ
安全技術管理官(シビアアクシデント)付 秋葉美幸宛て
【TEL】03-5114-2224
【FAX】03-5114-2234
【E-mail】[email protected]
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(登録例)
平成27 年○月○日
原子力規制委員会 原子力規制庁
長官官房技術基盤グループ
安全技術管理官(シビアアクシデント)付
平成27年度原子力施設等防災対策等委託費(海水及びホウ酸注入影響評価試験)事業について
平成27 年○月○日付、標記実施要領に従い、以下の事項を登録致します。
登録内容
① 事業者名 ○○
② 連絡先
住所 ○○
電話 ○○
FAX ○○
Mail ○○
担当者名 ○○
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(別添)
研究機材及び資料の品名と設置場所
1.研究機材一覧
品名
短尺バンドル試験装置
個数
1
備考
H25 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業で製作
長尺バンドル試験体
長尺バンドル試験用差圧計測部
クラスト試験装置
レーザーアブレーションシステム付誘導
結合プラズマ質量分析装置
1
1
1
1
H24 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業で製作
H24 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業で製作
H26 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業で製作
H24 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業で購入
塩水自動採取システム
1
H24 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業で製作
品名
短尺バンドル試験装置設計資料
短尺バンドル試験体設計資料
長尺バンドル試験装置設計資料
長尺バンドル試験体設計資料
個数
1
1
1
1
備考
H25 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業
H25 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業
H24 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業
H24 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業
クラスト試験装置設計資料
1
H26 年度海水及びホウ酸注入影響評価試験事業
2.資料一覧
3.研究機材の設置場所 東京都狛江市岩戸北2-11-1 電力中央研究所
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