ネットワンシステムズ株式会社 SAPシステムのDR環境をEMC RecoverPointで構築 RPOを短縮し、重要データの遠隔保存を容易に実現 クラウド基盤上にSAPシステムを構築し 東京-大阪間のDR 環境を整備 ERPとSAP CRMを稼働させ、さらに東京と大阪 1988 年の設立以来、最新のネットワーク技 た。DR 環境は物理環境のファイル サーバーでの 術で最適なソリューションの提案を続けるネッ み導入されており、クラウド上の大規模システム の 2 カ所で稼 働するディザスタリカバリ(DR ) 環境を構築し、事業継続性を確保することでし トワンシステムズ。日本のICT 黎明期から海外の の DR は初めての試みでした」と、経営企画本部 ネットワーク製品を展開してきた。近年はプラッ プラットフォーム部 プラットフォームチーム エキ トフォーム プロバイダーとして、コンサルティン スパートの古森 浩一氏は説明する。 グから設計・検証・導入・保守まで幅広いサービ スを提供している。 さらに現在は、最新のICT を活用して仕事の効 率を高める「ワークスタイル変革」を推進。ユニ EMC RecoverPointで 高機能、低コストのDR 環境を実現 ファイド コラボレーション(UC)やデスクトップ仮 ■ お客様プロフィール 想化環境(VDI)などの取り組みを自ら実践し、蓄 SAPシステムのDR 環境構築にあたり掲げた要 積したノウハウをお客様に提供していく方針だ。 件は、RPO(目標復旧時点)の短縮、低コスト、 中期的な経営方針に「継続した成長 」と「顧 運用が容易であることの3つだったと古森氏は 客満足度の向上」を掲げる同社は、グループの 語る。 「R P O をゼロに近づけるほど、失われる 経営資 源を最 適な 環 境で活用するため、新基 データが少なくて済み災害時のダメージを最小 幹システムの構築を決断。従来は、複数の仮想 限に抑えることができます。その上でコストと運 システム基盤を構築し、業務部門の要望に応じ 用のバランスを考慮しました」 社 名:ネットワンシステムズ株式会社 て個別に開発・改修を繰り返してきた。その結 この要件に見合うレプリケーション ソリュー http://www.netone.co.jp/ 果、営業利益やサービス原価の早期把握ができ ションを検討した同社は、EMC RecoverPointを ■ 導入事例 ず、意思決定の遅れにつながっていた。そこで、 選択する。 「条件を満たす製品は他にありません SAPシ ス テ ム の デ ィ ザ ス タ リ カ バ リ 環 境 を EMC グローバル スタンダードの基幹業務パッケー でした。ソフトウェア タイプのDRソリューションは RecoverPoint®と EMC VNX®で構築 ジであるS A P ERPと営業支援システムの S A P ありますが、 目指すRPOは得られません。アプライ ■ 課題 Customer Relationship Management(SAP アンス型で検討した時、 ミッドレンジのストレージ ネットワーク ソリューション/ サービ スを提 供してい CRM)導入を決定した。 るネットワンシステムズ株 式会社は、個別最 適化され た複数の業務システムを、SAP ERPと SAP CRMで統合 することを決断。業務 の中 核となるSAP システムを既 存 のプライベート クラウド 基 盤 上に構 築 するととも に、BCP 対 策として東京-大阪間のディザスタリカバリ (DR )環 境を整 備することにした。DR 環 境の 実現にお 「以前はシステム群ごとにサイロ化されていた VNXとの組み合わせでRPOの短縮を実現できる 唯一の製品でした」と古森氏は説明する。 仮想基盤を、2012 年10月にVMware vSphere RecoverPointは、独自の重複排除機能とデー で統合し、ストレージも3台のEMC CL ARiXを1 タ圧縮機能によって WAN の使用帯域を削減す 台のEMC VNXに集約していました。今回のミッ るため、既存のWANをそのまま利用してリモー ションは、このプライベート クラウド上で S A P トサイトへのレプリケーションが可能だ。さら いては、短い RPO(目標復旧時点)、低コストでの導入、 に、VMw ar e v Spher eでクラウド基盤を構築 容易な運用性の3つが求められた。 している同社にとって、VMware の DRソリュー ■ EMC RecoverPointのメリット ションであるVMware vCenter Site Recover y ネットワンシステム ズ 株 式 会 社は、以下 の 理 由から Manager(SRM)を用いてフェイルオーバーの自 EMC RecoverPointを採用した。 動化や、サイト切り替えのテストが容易にできる • 重複排除機能とデータ圧縮機能により WAN 回線の こともポイントになった。 帯域幅が最適化できる • EMC VNXとの組み合わせにより、RPO を短縮した DR 環境の構築が低コストで可能 フェイルオーバーの自動化と本番環境 を止めないシステム リフレッシュを実現 • VMware vCenter Site Recovery Manager(SRM) との連携によるフェイルオーバーの自動化と容易な 切替テストの実現 ネットワンシステムズ株式会社 経営企画本部 プラットフォーム部 プラットフォームチーム エキスパート 古森 浩一 氏 CaseStudy 事例 2 0 1 4 年 4 月 、ネット ワ ン シ ス テ ム ズ は RecoverPointによってDR 機能を備えたプライ ベート クラウド上でSAP ERPとSAP CRMを稼働 ムの本番環境を止めることなく、品質保証環境 に本番データを反映(システム リフレッシュ)で 青 木 氏 は ストレ ー ジ 管 理 者 の 立 場 から 、 きることだ。開発機、品質保証機、本番機の3ラ RecoverPoint の高い操作性も評価している。 ンドスケープで構成されるSAPシステムの場合、 「GUI が使いやすく、管理画面でデータの流れ 新しいパッチなどを確認する際には本番環境を が視覚的にわかります。また、当社ではストレー 停止して、最新の本番データを品質保証環境に ジに過去1週間に変更されたデータを(過去の 反映させてテストを行う。同社は、本サイトの本 状態に復元できるようRecoverPointのジャーナ 番環境を止める代わりにDR サイトで本番システ ルデータとして)保持することを運用規定に定 ムを立ち上げ、そのデータを品質保証環境に移 めていますが、差分量が増えて保持期間が1週 送してシステム リフレッシュを行っている。 間以下に低下すると自動的にアラートで知らせ 「2∼3カ月に1回の頻度で実施していますが、 ネットワンシステムズ株式会社 システム企画グループ プラットフォーム部 開発側から依頼が来たときにボタン1つでDR サ プラットフォームチーム エキスパート ペレーションミスの軽減効果を挙げる。 てくれるので、確実なデータ保護が実現してい ます」 イトのシステムを立ち上げるだけで完了です。 青木 康弘 氏 業務担当者はそれまでと変わることなく、デー させた。運用から半年が経った現在、当初の予 タ入力やデータ更新が継続できます。SAPシス 想を上回る効果が現れているという。 テムの開発 担 当者 や SAPコンサルタントから まず、RPOについては2秒以下を実現。通常、 は、バックアップやリストアの手間が省けると評 ミッドレンジのストレージの RPO は時間単位に 価する声が届いています」と古森氏は語る。 なることが多く、秒単位の RPO を実現するには RecoverPointとSRMとの連携によるフェイル ハイエンドのストレージが求められる。VNXで秒 オーバーの自動化は、運用効率化に貢献し、管理 単位のRPOが実現できたことはコスト面からも 者の負担軽減につながっている。システム企画グ メリットは大きい。古森氏は「本番サイトが被災 ループ プラットフォーム部 プラットフォームチー してもDR サイトでシステムを立ち上げれば 2 秒 ム エキスパートの青木 康弘氏は「ストレージの 前まで戻れるので、かなり短いと評価してよいで 機能だけでフェイルオーバーを実行すると、LUN しょう。ふたを開けてみるまでどの程度になる を本サイトからDR サイトにコピーして、個々のシ か予想も付きませんでしたが、2秒以下のRPOは ステムを取り出してから仮想サーバーを立ち上げ 想定以上の結果です」と語る。 る手間がかかります。RecoverPointとSRMなら1 WA N 経由で DR サイトにレプリケーションす クリックでDR サイトにシステムが立ち上がり、大 る際のデータ転送量は、S A P ERP の場合で圧 幅な工数削減になります」と説明する。 ネットワンシステムズ株式会社 経営企画本部 プラットフォーム部 プラットフォームチーム 喜田 篤史 氏 RecoverPointによるDRを SAPシステム以外にも拡大へ 「想像 以 縮 前の 10 % 程 度に抑えられている。 経営企画本部 プラットフォーム部 プラット (古 上に WANに流れるデータ量が少なかった」 「複数のシス フォームチームの喜田 篤史氏も、 RecoverPointとVNX でSAPシステムのDR 環 森氏)というように、圧縮/重複排除機能による テムが複雑に絡み合うため、ストレージの機能 境を構築したネットワンシステムズは、さらな データ削減率は共に高い。同じWANにはファイ だけでフェイルオーバーを行うと操作が複雑に る機能強化を見据えている。その1つが RPO の ル サーバーのデータも流れているが、それらに なります。今では登録した通りに実行するだけ 変 更管 理 だ。現 在、すべてのシステムで 2 秒以 影響されることもないという。 で、運用初心者でも短時間の教育で操作ができ 下の RP O を実現しているが、システムによって さらに副次的な効果も得られた。SAP システ るため、SRMとの連携は必須といえます」と、オ は 1日 1 回の取 得で 十 分なこともある。そこで RecoverPointの最新バージョンでは、重要度の 高い SAP のデータベース系は最短時間、変更の ネットワーク構成図 少ないOSなどは日次というように個別にRPOを 専用線 DC1 DC2 設定して、きめ細かな管理を実現させている。 「RPOが自由に設定できるようになれば、バッ クアップ ソフトのRecoverPointでの置き換えも OTV 可能で、活用範囲が今以上に拡がると考えてい ます」と古森氏は語る。 WAN また、RecoverPointによるDRをSAPシステム 以外にも拡大していく構想だ。 「保守サービスの Ethernet Fabric LB LB Ethernet Fabric 情報を扱う管理系システムなど、当社にとって重 要なシステムがプライベート クラウド基盤上で 多数稼働しています。それらの運用担当者からも DR 環境を構築したいというリクエストがあるた め、重要度の高いシステムを保護する環境を早 仮想基盤システム VNXシリーズ RecoverPoint RecoverPoint 期に作りたいと思います」と、古森氏は展望を語 VNXシリーズ 仮想基盤システム る。RecoverPoint の機能向上とともに、同社の 事業継続対策は高度な進化を遂げていく。 2015年1月版 EMCジャパン株式会社 〒151-0053 東京都渋谷区代々木 2-1-1 新宿マインズタワー お問い合わせは http://japan.emc.com/contact/ http://japan.emc.com ©Copyright 2015 EMC Corporation. All rights reserved. EMC、EMC2、EMCのロゴ、EMC RecoverPoint および VNXは、EMC Corporationの登録商標、または商標です。これらの商標は、日本または諸外国で商標登録等により、 適用法令で守られている場合があります。他のすべての名称ならびに製品についての商標は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。 UC1093-1 1/15
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