(テーマ)「国民と社会の動員ー戦前の歴史と今日の動きから ―権力

第10回 反戦・反格差市民セミナー〈グローバル競争国家への転換を撃つ〉
(テーマ)「国民と社会の動員ー戦前の歴史と今日の動きから
―権力によるマスコミ支配の企て―」
(講師)矢野 宏さん(「新聞うずみ火」代表。関西大学社会学部講師)
(主催) 関大校友連絡会
(会場) 大阪市立 西区民センター第4会議室(定員60名)。入場無料。予約不要
(地下鉄千日前線/鶴見緑地線「西大橋」下車3分。大阪市立中央図書館北側)
。
(日時)‘15年3月22日(日)14:00~17:00(受付13:30~)。
講師紹介 矢野 宏さん 1959年12月生まれ
読売新聞大阪本社元記者黒田 清さんが市民ジャーナリズムを目指して主宰した
「黒田ジャーナル」の元記者。その意思を受け継いだ月間ミニコミ誌「うずみ火」
の代表として活動。現在「うずみ火講座」
、「ジャーナリスト養成講座」等、市民ジ
ャーナリズムとして多彩な活動を行っている。関大社会学部講師。
主な著書「大阪大空襲訴訟を知っていますか」
、
「在日挑戦」他。
(セミナーのねらい)
〔Ⅰ〕
① 安倍政権の下、戦後日本の国の形を根本的に変える企てが進んでいます。その本
質は「経団連」のグローバル化された権益の実現です(ここでは、グローバル大
資本・金融資本、大富裕層をひとくくりにして「経団連」と呼びます)
。
「経団連」権益は二つの分野を国と社会(
「国民国家」と呼びます)に持ち込もう
としています。
ひとつは「経団連」の経済的権益を国策に置き換えること、つまり国の「成長戦
略」とすることです。さらなる非正規化促進(派遣拡大、ブラック的雇用の合法
化)
、軍事振興産業化や武器輸出、ODAの軍事解禁、核・原子力一体国策維持
(核燃サイクル、原発輸出、再稼動等)
、TPP、消費増税と法人税減税、年金資
産の株式市場への開放、ばらまき財政の復活等が列挙できます。
「経団連」国策は
国民の命と暮しを壊すことによって成り立つ構造なのです。
「貧困化政策」と言わ
れる悪政です。
もう一つは、
「経団連」のグローバルな投資や企業活動と、その権益の「軍事保
護」です。それは「経団連」単体に留まらず、
「国際経団連」と呼ぶべき世界的な
グローバル大資本・金融資本、大富裕層の共通権益の軍事保障体制への参画を意
味します。
「経団連」と「国際経団連」の権益の軍事保障が“集団的自衛権”を旗
印にした「海外武力行使」への踏み込みであり、
“積極的平和主義”や“国際貢
献”を謳って“地球の裏側まで”軍事の対象を拡げようとする企てを生みます。
その流れの中で、
「米国との一体参戦化軍事整備」の前線に辺野古新基地建設問題
や日米防衛の為のガイドライン改定が押し出されています。
② 安倍政権の本質的使命は「経団連」権益のふたつの分野を“国益”に据えた国へ
の造り変えにあります(ここではそのような「経団連」権益国家を「グローバル
競争国家」と呼びます)
。言葉を替えると安倍政権は“国際競争力”と“国際貢
献”をキーワードに「国民国家」を解体・再編し、
「グローバル競争国家」に国民
と社会を動員する使命を担って登壇したものです。安倍首相の個人的政治趣向で
はなく、国家の総「経団連」的支配階層が求める国家改造計画であり、
「国民国
家」の戦略的・組織的な解体・再編の企てです(安倍首相の言う“戦後レジーム
からの脱却・解体”の本質)
。
‘戦後70年’の今、私達が立ち会っているのはそのような根源的、歴史的な転
換過程と見なければなりません。
〔Ⅱ〕
① 先日安倍首相は、来夏の参院選挙後に「改憲」に取り掛かる政治スケジュールを
口にしました。
「グローバル競争国家」への転換・再編には軍事保障のフリーハン
ド確保が必須条件となります。その阻害壁である現「非戦憲法」の転覆が企てら
れているのです(新自由主義の実利改憲)
。改憲には議会の3分の2の制圧を得た
上で、国民投票を制することが求められます。権力による「改憲国民運動」の組
織化・発動を予想しなければなりません。現在進行している戦争国家への国民と
社会の動員が「改憲国民運動」の発動で一挙にステージアップされる政治次元の
招来です。
② 国家による国民操作の企てはいつの時代にも散見されますが、特に戦争社会に於
いては顕著です。
「グローバル競争国家」転換が求める「軍事」拡大・強化の時代
にあっては同じ軌跡を描きます。教育の国家統制の動き、歴史改ざんの動き、思
想誘導の動き、領土問題等を通した排外主義や軍事強化の動き、国家による情報
隠しの動き、報道機関の分断促進の動き、等々が挙げられます。
安倍政権の「軍事」拡大・強化の動きの中で進行する「秘密法」
(国家による情
報隠し・操作のフリーハンド)
、NHKへの人事介入、朝日バッシング問題、フリ
ージャーナリスト人質問題等は、大手マスメディアの分化・分断と合わせて戦前
・戦中の国民と社会の戦争への動員の歴史が記憶に蘇ります。
③ 国民の目線で権力を監視するのはジャーナリズムの不可欠な使命です。
「秘密法」
を先駆けに進行する情報統制社会化の流れはマスメディアの萎縮を射程にしてお
り、NHK、朝日問題も合わせてマスメディアの分断・取り込みの企図がうかが
えます。国民と社会の動員は先ず言論・報道機関が狙われるのです。
国民が主権者としての権利を行使する為には正しい情報が不可欠であり、その為
には情報の消費者に留まるのではなく、ジャーナリズムへの権力や外部の圧力・
介入に対してジャーナリズムを孤立させず共に立ち向かう姿勢が求められます。
今回の市民セミナーでは、進行する安倍政権の国民と社会の動員に対抗する為
「権力によるマスコミ支配の企て」について歴史に学び、今を考える機会となるこ
とを願っています。 「改憲国民運動」の影が迫りつつある予感の中で・・・。