鹿児島県高齢者保健福祉計画(案)〔表紙,目次,総論〕(PDF:3640KB)

鹿児島県高齢者保健福祉計画(案)
平成27年度∼平成29年度
鹿児島県
目
次
■総論■
第1章
作成に当たって
第1節
第2節
第3節
第4節
第5節
第2章
…………
…………
…………
…………
…………
1
1
1
1
3
高齢者を取り巻く環境変化と時代潮流 …………
高齢化の現状と将来推計
…………
高齢者の生活状況
…………
5
7
16
高齢者の現状と将来推計
第1節
第2節
第3節
第3章
計画作成の趣旨
計画の性格
計画の期間
計画作成の経緯
高齢者保健福祉圏域の設定
計画の基本的な方向
第1節
第2節
第3節
基本理念
政策目標
施策の展開
重点目標
主要施策
…………
…………
…………
…………
…………
69
69
69
69
70
…………
…………
…………
…………
73
91
94
102
…………
…………
…………
…………
…………
105
112
121
126
133
■各論■
第1章
健康づくりと社会参加の推進
第1節
第2節
第3節
第4節
第2章
地域包括ケアシステム構築の推進
第1節
第2節
第3節
第4節
第5節
第3章
健康づくりの推進
各種健診等の推進
生きがいづくり・社会参加活動の推進
就業・就労対策の推進
地域包括ケアシステム構築へ向けた
取組の支援
在宅医療・介護連携の推進
日常生活を支援する体制の整備
介護予防の推進
高齢者に適した住環境の形成促進
認知症施策の推進と高齢者の尊厳の確保
第1節
第2節
第3節
第4節
本県における認知症の現状
認知症予防の推進
早期診断・早期対応の推進
認知症の人と家族への支援の充実
…………
…………
…………
…………
140
149
151
162
第5節
第4章
第2節
第3節
…………
…………
181
182
多様な介護サービスの提供と質の確保・
向上
…………
介護サービスの種類とサービス量の見込み ……
介護給付等に要する費用の適正化の推進 ………
186
206
210
高齢者の住みよいまちづくり
高齢者の安全な暮らしづくり
…………
…………
212
213
…………
…………
…………
…………
221
229
231
232
…………
…………
…………
234
235
235
人材の育成・確保
第1節
第2節
第3節
第4節
第8章
後期高齢者医療制度の円滑な運用
「鹿児島県医療費適正化計画」の推進
高齢者の快適で安全な生活の確保
第1節
第2節
第7章
177
介護給付等対象サービス基盤の充実
第1節
第6章
…………
高齢者医療の適切な推進
第1節
第2節
第5章
高齢者の権利擁護
人材の養成研修の推進
介護従事者の就労環境等の整備促進
県福祉人材・研修センターの充実等
NPO等多様な主体の活動の推進等
計画の推進
第1節
第2節
第3節
関係機関・団体等との連携
推進体制の充実
進行管理(評価システム)
■総論■
第1章
第1節
作成に当たって
計画作成の趣旨
本県の総人口は,若年層の就職・進学による県外への転出や少子化などにより,昭和60年代か
ら減少傾向にあります。平成25年10月1日現在の本県の高齢化率は27.8%で全国18位となっており,
また,高齢単身世帯や高齢夫婦世帯の割合が高いことが特徴として挙げられます。
戦後の第1次ベビーブームに出生した,いわゆる「団塊の世代」が平成27(2015)年までには
高齢者世代に加わり,高齢化が進んでいます。それに伴い,高齢単身世帯や高齢夫婦世帯,認知
症高齢者など要介護認定者が増加し,高齢者の生活様式,考え方及び価値観も一層多様化してい
ます。
こうした高齢者を取り巻く現状等を踏まえ,「団塊の世代」がすべて75歳以上となる平成37
(2025)年の高齢者像,高齢社会像を念頭に置き,高齢者が住み慣れた地域や家庭で生きがいを
持って,すこやかで安心して暮らせるよう,これまでの取組を発展させ,「地域包括ケア計画」
として在宅医療・介護連携の推進等の新しい地域支援事業に積極的に取り組み,地域社会全体で
高齢者を支える仕組みづくりなど市町村が主体となった地域づくり・まちづくりを本格的に進め
る計画として作成しました。
第2節
計画の性格
この計画は,老人福祉法第20条の9の規定に基づく「老人福祉計画」及び介護保険法第118条の
規定に基づく「介護保険事業支援計画」を「鹿児島県高齢者保健福祉計画」として一体的に作成
するもので,「鹿児島県保健医療計画」など他の計画との調和を図りながら,本県における高齢
者の保健・医療・福祉 等に関する各種施策について,総合的かつ計画的に推進するための基本
的方向を明らかにします。
第3節
計画の期間
この計画は,平成27年度を初年度とし,平成29年度を目標年度とする3か年計画とします。
第4節
計画作成の経緯
計画の作成に当たっては,保健・医療・福祉関係者,学識経験者等23名で構成する「鹿児島県
高齢者保健福祉計画作成委員会」を設置し,その意見を伺いながら進めるとともに,より専門的
な助言等を得るために,委員会の中に9名で構成する「専門部会」を設置しました。
また,作成過程においては,高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査及びパブリック・コ
メントを実施し,広く県民の意見の把握と反映に努めました。
1
【図表1−1】計画の作成体制
高齢社会対策推進本部
副
知
事
部
長
等
計画作成委員会
・住民代表
・保健・医療・福祉関係者
・学識経験者
・行政代表等
15名
23名
幹 事 会
関係課長等
44名
高齢者保健福祉計画
ワーキンググループ
専 門 部 会
(保健・医療・福祉の専門家)
(テーマに応じて担当課を調整)
2
9名
第5節
高齢者保健福祉圏域の設定
県計画では,介護保険法第118条の規定に基づき,介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見
込みを定める単位となる圏域(以下,「高齢者保健福祉圏域」という。)を定めることとなってい
ます。
圏域については,国の「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な
指針」(以下,「基本指針」という。)によると,保健医療サービス及び福祉サービスの連携を図
る観点から医療法に基づく二次保健医療圏と一致させることが望ましいとされています。
このようなことから,「高齢者保健福祉圏域」については,国の基本指針を踏まえ,鹿児島県保
健医療計画の二次保健医療圏と一致させて,次の9つの圏域を設定しています。
【図表1−2】
高齢者保健福祉圏域(平成27年3月現在)
圏域名
対象市・郡等
市町村数
鹿児島
高齢者保健福祉圏域
鹿児島市,日置市,いちき串木野市,
鹿児島郡(三島村,十島村)
5
南
薩
高齢者保健福祉圏域
枕崎市,指宿市,南さつま市,南九州市
4
川
薩
高齢者保健福祉圏域
薩摩川内市,薩摩郡(さつま町)
2
出
水
高齢者保健福祉圏域
阿久根市,出水市,出水郡(長島町)
3
姶良・伊佐
高齢者保健福祉圏域
霧島市,伊佐市,姶良市,姶良郡(湧水町)
4
曽
於
高齢者保健福祉圏域
曽於市,志布志市,曽於郡(大崎町)
3
肝
属
高齢者保健福祉圏域
鹿屋市,垂水市,肝属郡(東串良町,錦江町,
南大隅町,肝付町)
6
熊
毛
高齢者保健福祉圏域
西之表市,熊毛郡(中種子町,南種子町,
屋久島町)
4
奄
美
高齢者保健福祉圏域
奄美市,大島郡(大和村,宇検村,瀬戸内町,
龍郷町,喜界町,徳之島町,天城町,伊仙町,
和泊町,知名町,与論町)
9圏域
12
43
3
【図表1−3】
高齢者保健福祉圏域
鹿児島県高齢者
保健福祉圏域
出水高齢者保健福祉圏域
長島町
出水市
伊佐市
阿久根市
さつま町
湧水町
川薩高齢者保健福祉圏域
姶良・伊佐高齢者保健福祉圏域
薩摩川内市
姶良市
霧島市
いちき串木野市
薩摩川内市
日置市
曽於高齢者保健福祉圏域
鹿児島高齢者保健福祉圏域
鹿児島市
曽於市
垂水市
志布志市
南さつま市
鹿屋市
大崎町
南九州市
東串良町
肝属高齢者保健福祉圏域
枕崎市
南薩高齢者保健福祉圏域
肝付町
指宿市
錦江町
南大隅町
奄美高齢者保健福祉圏域
鹿児島高齢者保健福祉圏域
奄美市
熊毛高齢者保健福祉圏域
龍郷町
大和村
喜界町
奄美市
宇検村
西之表市
瀬戸内町
徳之島町
三島村
中種子町
天城町
屋久島町
伊仙町
南種子町
和泊町
十島村
知名町
与論町
4
第2章
高齢者の現状と将来推計
第1節
高齢者を取り巻く環境変化と時代潮流
我が国の人口構造は, 長期にわたる出生率の低迷により少子高齢化が進む中で,戦後の第1次ベ
ビーブームに出生した,いわゆる 「団塊の世代」と呼ばれる世代(約617万人)が,現在,高齢者
世代に加わっており,今後,更に高齢化が進行しようとしています。
「団塊の世代」の高齢化に伴い,多様な生活様式,考え方及び価値観を持った活動的な高齢者
が増加するとともに,一人暮らし世帯や介護など生活上の支援を必要とする高齢者も増加するこ
とが予想されます。
国においては,平成37(2025)年を見据えながら,少子化対策,医療制度,介護保険制度や公
的年金制度などについて,中長期的に受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度の改革
に向けた様々な取組が進められています。
このような中,高齢者が住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることが
できる社会を築くためには,保健・医療・福祉を始め,社会参加,教育・学習,雇用・就業,生
活環境など幅広い分野において,国・県・市町村はもとより,地域社会,企業,家庭,個人が相
互に協力しながら,それぞれの役割を積極的に果たしていくことが重要です。
【図表2−1】高齢化の状況
(万人)
14,000
70
12,000
60
10,000
50
8,000
40
6,000
30
4,000
20
2,000
10
0
0
昭25
昭35
昭45
昭55
平2
総 人 口
平7
平12
65歳以上
平17
平22
高齢化率(%)
平27
平37
平42
平47
老年人口指数
(単位:万人)
区
総
分
人
昭25 昭35
昭45
昭55
平2
平7
平12
平17
平22
平27
平37
平42
口 8,412 9,430 10,467 11,706 12,361 12,557 12,693 12,777 12,806 12,660 12,066 11,661
平47
11,212
65歳以上
416
540
739
1,065
1,490
1,826
2,201
2,567
2,925
3,395
3,657
3,685
3,740
高齢化率(%)
4.9
5.7
7.1
9.1
12.0
14.5
17.3
20.1
22.8
26.8
30.3
31.6
33.4
老 年 人 口 指 数
8.3
8.9
10.3
13.5
17.3
20.9
25.5
30.5
36.1
44.2
51.6
54.4
59.0
(注1)老年人口指数は,65歳以上人口を15∼64歳人口(生産年齢人口)で除して100を掛けたもの
(注2)平成22年の高齢化率は総人口から年齢不詳を除いて算出
[平成22年までは総務省統計局「国勢調査」,平成27年及び37年は国立社会保障・人口問題研究所
「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」]
5
【図表2−2】合計特殊出生率の推移
合計特殊出生率(人)
2.00
1.75
1.76
1.54
1.60
1.42
1.36
1.26
1.39
1.39
1.41
1.43
1.20
0.80
0.40
0.00
昭55 昭60
平2
平7
平12 平17 平22 平23 平24 平25
[厚生労働省大臣官房統計情報部「平成25年人口動態統計」]
【図表2−3】社会保障給付費と高齢者関係給付費の推移
(単位:兆円,%)
区
分
昭50 昭55 昭60 平2 平7 平 1 平 1 平21 平22 平 2 3 平24
2
7
社 会 保 障 給 付 費 a 11.8 24.8 35.7 47.2 64.7 78.1 88.5 101.1 104.7 107.5 108.6
高齢 者関係 給付費
3.9 10.8 18.8 27.9 40.7 53.0 61.9 69.3 71.1 72.2 74.1
b
割 合 b/a
32.9 43.4 52.8 59.1 62.9 67.9 69.9 68.5 67.9 67.2 68.3
(注1)社会保障給付費は,医療,年金,福祉その他を指す。
(注2)高齢者関係給付費は,年金保険給付費,高齢者医療給付費,老人福祉サービス給付費,高年齢雇用
継続給付費を合計したもの
[国立社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計(平成24年度)」]
6
第2節
1
高齢化の現状と将来推計
我が国の現状と将来推計
(1)高齢化の現状
①
総人口及び世帯の状況
総務省統計局「人口推計」によると,平成26年の我が国の総人口は1億2,707万人で,平成
22年より約100万人減少していますが,65歳以上人口は3,296万人となり,平成22年と比べ,
371万人,12.7%の増加となっています。また,75歳以上人口は1,590万人となり,平成22年
と比べ,183万人,13.0%の増加となっています。
また,平成22年国勢調査によると,一般世帯数は5,184万2千世帯で,平成17年に比べ,
277万9千世帯,5.7%増加しています。このうち,65歳以上の世帯員がいる一般世帯は
1,933万8千世帯で,平成17年に比べ,213万3千世帯,12.4%増加しており,一般世帯の
37.3%を占めています。
この中で,高齢単身世帯(65歳以上の人一人のみの一般世帯)は479万1千世帯で,65歳
以上の世帯員がいる一般世帯の24.8%を占め,高齢夫婦世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫
婦1組のみの一般世帯)は525万1千世帯で,65歳以上の世帯員がいる一般世帯の27.2%を
占めています。
②
高齢化率
高齢化率は,昭和30年頃までは5%程度で推移しましたが,昭和30年代以降上昇を続け,
昭和45年には7%(いわゆる「高齢化社会」),さらに平成7年には14%(いわゆる「高齢
社会」)を超え,平成26年には25.9%となり,4人に1人が高齢者という「超高齢社会」と
なっています。
また,総人口に占める75歳以上の高齢者の割合は,平成26年には12.5%となっており,今
後も増加傾向が続き,総人口に占める割合は一層大きなものになると見込まれています。
【図表2−4】我が国の65歳以上人口及び75歳以上人口
[大正9年∼平成22年は総務省統計局「国勢調査」,平成25年及び26年は総務省統計局「人口推計」,平成
27年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成25年3月推計)」]
7
③
高齢化の要因
高齢化の要因としては,公衆衛生の向上や生活環境の改善,食生活・栄養の改善,医療技
術の進歩等により死亡率が低下し,平均寿命が急速に伸びたことなどが考えられます。
また,晩婚化・非婚化の進行やライフスタイルの変化等による,出生率の低下も背景にあ
ると考えられます。
ア
平均寿命の伸長
平均寿命は,図表2−5のとおり,昭和22年では男性が50.06歳,女性が53.96歳でした
が,生活環境の改善や医療技術の進歩等により,平成25年には男性が80.21歳,女性が
86.61歳と大幅に伸長し世界最高の水準に達しています。
【図表2−5】平均寿命の年次推移
区分
昭22
30
40
50
(単位:歳)
平2
7
12
17
22
23
24
25
男
50.06 63.60 67.74 71.73 75.92 76.38 77.72 78.56 79.55 79.44 79.94 80.21
女
53.96 67.75 72.92 76.89 81.90 82.85 84.60 85.52 86.30 85.90 86.41 86.61
男女差 3.90 4.15 5.18 5.16 5.98 6.47 6.88 6.96 6.75 6.46 6.47 6.40
[厚生労働省大臣官房統計情報部「平成25年簡易生命表」]
(単位:歳)
【図表2−6】主要国の平均寿命の国際比較
国
名
作成基礎期間
男
女
日
本
2013
80.21
86.61
アメリカ合衆国
2011
76.3
81.1
中
国
2010
72.38
77.37
イ
ン
ド
2006∼2010
64.6
67.7
韓
国
2012
77.9
84.6
フ ラ ン ス
2013
78.7
85.0
ド
イ
ツ
2009∼2011
77.72
82.73
イ タ リ ア
2012
79.57
84.41
スウェーデン
2013
80.09
83.71
ロ
シ
ア
2012
64.56
75.86
[厚生労働省大臣官房統計情報部「平成25年簡易生命表」]
イ
出生率の低下
出生数は,図表2−7のとおり戦後のベビーブーム期に当たる昭和24年の約269万7千
人をピークに,昭和50年以降は減少傾向となり,平成25年に約103万人と戦後最低を記録
しています。
また,出生率も出生数の動向に沿って推移し,平成25年には昭和22年の4分の1以下に
減少しています。一方,1人の女性が生涯に生む子供の数を示す合計特殊出生率について
は,平成25年には1.43となり,昭和22年の3分の1以下ではありますが,平成17年以降は
増加傾向にあります。
8
団 塊の世 代
【図表2−7】出生率等の年次推移
区
分
出生数(人)
出生率(人口千人対)
合計特殊出生率
昭和22
2,678,792
34.3
4.54
昭和23
2,681,624
33.5
4.40
昭和24
2,696,638
33.0
4.32
昭和30
1,730,692
19.4
2.37
昭和40
1,823,697
18.6
2.14
昭和50
1,901,440
17.1
1.91
昭和60
1,431,577
11.9
1.76
平成2
1,221,585
10.0
1.54
平成7
1,187,064
9.6
1.42
平成12
1,190,547
9.5
1.36
平成17
1,062,530
8.4
1.26
平成22
1,071,304
8.5
1.39
平成23
1,050,806
8.3
1.39
平成24
1,037,231
8.2
1.41
平成25
1,029,816
8.2
1.43
[厚生労働省大臣官房統計情報部「平成25年人口動態統計」]
(2)将来推計
国立社会保障・人口問題研究所の推計(図表2−4)によると,総人口が減少する中で
高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け,平成27年には26.8%と我が国の人口
の4人に1人が,さらに平成47年には33.4%と3人に1人が65歳以上の高齢者になると予
測されています。
また,65歳以上の高齢者に占める75歳以上の高齢者の割合も,平成32年に52.0%となり,
高齢者の約半数が75歳以上になると予測されています。
一方,世帯についてみると,図表2−8のとおり,一般世帯数は平成27年に5,290万世帯程
度になることが予測され,高齢単身世帯や高齢夫婦世帯についても,それぞれ600万世帯(一
般世帯に占める割合11.4%),620万世帯(一般世帯に占める割合11.7%)と,いずれも増
加することが見込まれています。
【図表2−8】世帯の現状及び将来推計(全国)
(単位:千世帯)
区
分
昭和60年
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
平成27年
平成32年 平成37年
一 般 世 帯 37,980
40,670
43,900
46,782
49,063
51,842
52,904
53,053
52,439
高 齢 単 身 世 帯
1,181
1,623
2,202
3,032
3,865
4,791
6,008
6,679
7,007
高 齢 夫 婦 世 帯
1,415
1,967
2,763
3,661
4,487
5,251
6,209
6,512
6,453
高齢単身世帯/一般世帯
3.1%
4.0%
5.0%
6.5%
7.9%
9.2%
11.4%
12.6% 13.4%
高齢夫婦世帯/一般世帯
3.7%
4.8%
6.3%
7.8%
9.1%
10.1%
11.7%
12.3% 12.3%
[平成22年までは総務省統計局「国勢調査」平成27年以降は,国立社会保障・人口問題研
究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(平成25年1月推計)」]
9
2
本県の現状と将来推計
(1)高齢化の現状
①
総人口及び世帯の状況
総人口は,昭和30年に204万4千人とピークに達した後,昭和30年代に入ると,高度経済成
長期における若年層を中心とした人口流出が続いたことなどから減少し,昭和50年には172
万4千人となりました。昭和50年代に入ると,オイルショックの影響による経済の低迷や若
者のふるさと志向の高まりなどに加え,県の積極的な県外企業の誘致などにより,人口流出
に歯止めがかかり,昭和60年には181万9千人にまで回復しましたが,平成2年にはまた減
少に転じ,平成7年に179万4千人,平成12年に178万6千人,平成17年には175万3千人と
なりました。
平成22年国勢調査による平成22年10月1日現在の本県の総人口は170万6千人で,全国47
都道府県中24位となっており,平成17年国勢調査時に比べ,4万7千人,2.7%減少してい
ます。
また,一般世帯数は72万7千世帯で,このうち65歳以上の世帯員がいる一般世帯は29万4
千世帯と一般世帯数の40.5%を占め,全国平均37.3%を3.2%上回っています。65歳以上の
世帯員がいる一般世帯について,図表2−17のとおり,昭和60年から平成22年までに実施さ
れた過去6回の国勢調査結果から世帯類型別割合の推移をみると,昭和60年から平成22年に
かけて,高齢単身世帯の割合は8.3%から14.1%に,高齢夫婦世帯の割合は7.6%から13.1%
にそれぞれ増加しています。
②
高齢化率
高齢化率は,昭和35年には7%を超え,昭和60年には14.2%と年々上昇を続け,平成25年
には27.8%(平成25年総務省統計局「人口推計」)と,全国18位の水準となっています。
【図表2−9】総人口及び高齢化率の推移
60.0%
S30 2,044,112
H12 1,786,194
S50 1,723,902
S60 1,819,270
H22 1,706,242
H25 1,680,319
50.0%
H47 1,385,760
H7 1,794,224
20.0%
10.0%
0.0%
1,500,000
H2 1,797,824
40.0%
30.0%
2,000,000
H17 1,753,179
34.4% 35.6% 36.3%
32.4%
33.4%
27.8% 29.5%
31.6%
24.8% 26.5%
29.1%30.3%
22.6%
25.1% 26.8%
19.7%
22.8%
16.6%
20.1%
12.7%14.2%
17.3%
10.1% 11.5%
14.5%
8.5%
12.0%
7.2%
5.4% 5.7% 6.3% 5.5% 6.2%
9.1% 10.3%
7.1% 7.9%
6.3%
4.8% 4.7% 4.7% 4.9% 5.3% 5.7%
1,000,000
500,000
0
昭 昭 昭 昭 昭 昭 昭 昭 昭 昭 昭 平 平 平 平 平 平 平 平 平 平 平
5 1 1 2 3 3 4 4 5 5 6 2 7 1 1 2 2 2 3 3 4 4
0 5 5 0 5 0 5 0 5 0
2 7 2 5 7 2 7 2 7
鹿児島県の高齢化率
全国平均の高齢化率
鹿児島県の総人口(人)
(注1)総人口には「年齢不詳を含む」 平成25年は総務省統計局「人口推計」
平成27年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)
(注2)(
)書は総人口に対する割合で,[ ]書は65歳以上人口に対する割合
[平成22年までは総務省統計局「国勢調査」]
10
【図表2−10】本県の人口構成の推移
(注1)総人口には「年齢不詳を含む」
平成27年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)
(注2)(
)書は総人口に対する割合で,[
]書は65歳以上人口に対する割合
[平成22年までは総務省統計局「国勢調査」,平成25年は「鹿児島県年齢別推計人口調査結
果(平成25年10月1日現在)」]
③
高齢化の特徴
本県は,全国平均と比較して次のような特徴がみられます。
ア 全国平均に比べ約10年先行して高齢化が進行しています。
イ 一般世帯数に占める高齢単身世帯及び高齢夫婦世帯の割合が全国平均を大きく上回って
います。(図表2−11)
高齢単身世帯の割合:全国1位,高齢夫婦世帯の割合:全国3位
ウ 75歳以上の高齢者の割合が高くなっています。
11
【図表2−11】高齢単身世帯及び高齢夫婦世帯数
高齢世帯数
一 般
区 分
年
一般世帯 全国
世帯数
世帯数
鹿児島県
全
国
に占める
割
合
単独世帯
全国
順位
一般世帯
に占める
割
合
(単位:千世帯)
高齢夫婦 単独世帯と高齢夫
婦世帯の合計
世 帯
全国
順位
一般世帯
に占める
割
合
全国
順位
一般世帯
に占める
割
合
順位
平成22年
727
294
40.5%
30位
14.1%
1位
13.1%
3位
27.9%
1位
平成47年
622
290
46.6%
7位
20.1%
1位
14.8%
2位
34.9%
1位
平成22年
51,842
16,200
31.2%
−
9.6%
ー
10.4%
−
20.0%
−
平成47年
49,555
20,215
40.8%
−
15.4%
ー
11.6%
−
26.3%
−
(注1)平成22年国勢調査における「高齢夫婦世帯」は,夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦1組のみの一般世帯
をいう。
(注2)平成47年における「高齢夫婦世帯」は,世帯主の年齢が65歳以上の世帯をいう。
[平成22年は総務省「国勢調査」,平成47年は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将
来推計(都道府県別推計)(平成26年4月推計)」]
【図表2−12】75歳以上の高齢者比率
(単位:%)
順位
都道府県
比 率
順位
都道府県
比 率
1
秋田県
18.4
6
山口県
16.3
2
島根県
18.0
7
徳島県
16.3
3
高知県
17.4
8
鹿児島県
16.2
4
山形県
17.0
全 国
13.0
5
岩手県
16.6
(注)比率:人口に占める75歳以上の高齢者の割合
[国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」]
④
高齢化の要因
高齢化の要因としては,全国と同様に医療技術の進歩等による平均寿命の伸長や晩婚化,
非婚化等による出生率の低下(図表2−14 出生率:昭和30年24.5‰,平成25年8.7‰)等
が考えられます。
ア
平均寿命の伸長
平均寿命は,厚生労働省発行「平成25年簡易生命表」及び「都道府県別生命表」による
と,平成22年まで男性は全国平均を下回っていますが,女性は昭和40年以降ほぼ全国並み
で推移しています。
また,都道府県別に比較すると,平成22年では男性が33位,女性が27位となっています。
【図表2−13】平均寿命の年次推移
年
昭和
区分
40
50
60
2
男 県
全国
女 県
全国
(単位:歳)
7
12
平成
17
22
23
24
25
67.36
70.54
74.09
75.39
76.13
76.98
77.97
79.21
-
-
-
67.74
71.73
74.78
75.92
76.38
77.72
78.56
79.55
79.44
79.94
80.21
72.71
76.53
80.34
82.10
83.36
84.68
85.70
86.28
-
-
-
72.92
76.89
80.48
81.90
82.85
84.60
85.52
86.30
85.90
86.41
86.61
[[平成22年までは厚生労働省大臣官房統計情報部「完全生命表」,「都道府県別生命表」
平成23年以降は厚生労働省大臣官房統計情報部「平成25年簡易生命表」]
12
イ
出生率の低下
出生率は,図表2−14のとおり,昭和40∼50年は14∼15‰台で,本県は全国を約3ポイ
ント下回っていましたが,その後全国との差は縮小して,近年では全国平均を上回る状況
となっています。
【図表2−14】出生率の年次推移
年 昭
区分
30 40 50 60
出生率
(人口千人対)
合計特殊
出生率
平
2
県 24.5 15.8 14.3 12.7
全国 19.4 18.6 17.1 11.9
県 - 2.39 2.11 1.93
全国 2.37 2.14 1.91 1.76
7
12
17
22
23
24
25
10.5 9.3 9.1 8.5 8.9 9.0 8.8 8.7
10.0 9.6 9.5 8.4 8.5 8.3 8.2 8.2
1.73 1.62 1.58 1.49 1.62 1.64 1.64 1.63
1.54 1.42 1.36 1.26 1.39 1.39 1.41 1.43
(注)昭和47年以前は沖縄県を含まない。
[ 厚 生 労 働 省 大 臣 官 房 統 計 情 報 部 「 平 成 2 5 年 人 口 動 態 統 計 」]
⑤
地域別の状況
平成25年における高齢化率を市町村別にみると,図表2−15のとおり,南大隅町の45.1%
を筆頭に,15市町村で35%以上となり,全43市町村の7割を超える33市町村で30%以上とな
っています。(全国平均25.1%,県平均27.8%)
また,高齢化率を圏域別にみると,図表2−16のとおり,南薩圏域が最も高く,続いて曽
於,熊毛圏域の順となっており,いずれも30%を超えています。
なお,高齢化率が最も低いのは鹿児島圏域で,23.9%となっています。
【図表2−15】市町村別高齢化率の状況
比率
40%以上
35%以上
圏域
40%未満
30%以上
35%未満
25%以上
30%未満
いちき串木野市
鹿児島
南
薩
水
良
佐
於
日置市
30.3%
三島村
30.7%
十島村
30.3%
南さつま市 35.9% 枕崎市
33.8%
南九州市
35.0% 指宿市
33.5%
さつま町
36.0%
属
熊
毛
奄
美
計
23.0%
阿久根市
36.8% 長島町
伊佐市
37.1%
湧水町
36.9%
曽於市
36.0% 大崎町
薩摩川内市 28.2%
志布志市
肝
鹿児島市
31.0%
薩
川
出
姶
伊
曽
20%以上
25%未満
南大隅町
45.1%
肝付町
38.2%
錦江町
40.9%
垂水市
36.6%
東串良町
35.0%
中種子町
35.0% 西之表市
南種子町
2町
32.9% 出水市
28.5%
姶良市
27.5%
鹿屋市
26.0%
霧島市
23.7%
33.9%
31.4%
32.9% 屋久島町
29.0%
32.0%
大和村
37.4% 伊仙町
34.8% 龍郷町
宇検村
36.4% 喜界町
34.7% 徳之島町
29.8%
28.3%
瀬戸内町
34.3% 奄美市
27.1%
天城町
31.8%
与論町
31.3%
知名町
30.8%
和泊町
30.0%
13市町村
18市町村
8市町
2市
[県統計課「鹿児島県年齢別推計人口調査結果(平成25年10月1日現在)」]
13
【 図 表 2 − 16】保 健 福 祉 圏 域 別 人 口 構 造
圏
域 総
人
口
鹿児島
688,840
南
薩
139,952
川
薩
120,624
出
水
87,489
姶
伊
曽
良
佐
於
241,263
肝
属
159,813
熊
毛
44,029
奄
美
114,234
県
計
1,680,319
83,604
0∼ 14歳
人
口
(構成比)
95,767
(13.9)
16,335
(11.7)
16,914
(14.0)
11,711
(13.4)
34,143
(14.2)
10,136
(12.1)
21,921
(13.7)
6,089
(13.8)
16,689
(14.6)
229,706
(13.7)
15∼ 64歳
人
口
(構成比)
428,701
(62.2)
75,241
(53.8)
67,919
(56.3)
48,524
(55.5)
141,823
(58.8)
45,163
(54.0)
89,233
(55.8)
23,849
(54.2)
63,207
(55.3)
984,176
(58.6)
65歳 以 上
人
口
(構成比)
164,372
(23.9)
48,376
① (34.6)
35,791
(29.7)
27,254
(31.2)
65,297
(27.1)
28,305
② (33.9)
48,659
(30.4)
14,091
③ (32.0)
34,338
(30.1)
466,437
(27.8)
( 単 位 : 人 ,% )
(再 掲)
40歳 以 上
75歳 以 上
人
口
人
口
(構成比) (構成比)
396,506
85,435
(57.6)
(12.4)
94,956
28,786
(67.9)
(20.6)
75,293
21,102
(62.4)
(17.5)
56,251
15,900
(64.3)
(18.2)
145,356
36,770
(60.3)
(15.2)
56,658
16,903
(67.8)
(20.2)
101,412
29,231
(63.5)
(18.3)
29,593
8,201
(67.2)
(18.6)
74,533
20,757
(65.3)
(18.2)
1,030,557
263,083
(61.3)
(15.7)
(注)県計は,転入・転出の県外分のみを推計要素としているので市町村人口の合計と一致しない。
[県統計課「鹿児島県年齢別推計人口調査結果(平成25年10月1日現在)」]
(2)将来推計
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)」によ
ると,総人口は今後も減少し,平成27年には165万人程度になると見込まれます。(図表2−
10)
また,高齢化は,今後も全国平均を上回る高い水準で推移し,平成27年には26.8%程度に
達するものと見込まれています。(図表2−4)
さらに,65歳以上の高齢者に占める75歳以上の後期高齢者の割合をみると,平成17年には
50.6%であり,高齢者の2人に1人は後期高齢者となっています。(図表2−10)全国が本
県と同程度になるのが平成32年(52.0%)と予測されているため(図表2−4),本県は全
国に比べ,約15年先行すると言えます。
一般世帯数については,国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道
府県別推計)(平成26年4月推計)」の推計によると,平成27年には72万4千世帯程度になる
と予想されています。(図表2−17)
一方,高齢単身世帯と高齢夫婦世帯は今後も増加し,平成27年には高齢単身世帯が11万5
千世帯程度(一般世帯に占める割合15.9%),高齢夫婦世帯が10万4千世帯程度(一般世帯に
占める割合14.4%)になると予想されています。(図表2−17)
14
【図表2−17】世帯の現状及び将来推計(本県)
(単位:世帯)
区 分
昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年
一 般 世 帯 639,362 656,944 687,021 714,413 722,937 727,273 724,000 707,000 683,000
高 齢 単 身 世 帯 53,367 63,683 76,009 88,542 96,935 102,443 115,000 123,000 125,000
高 齢 夫 婦 世 帯 48,333 61,451 78,131 90,467 94,873 95,610 104,000 108,000 107,000
高齢単身世帯/一般世帯
8.3%
9.7%
11.1%
12.4%
13.4%
14.1%
15.9%
17.4%
18.3%
高齢夫婦世帯/一般世帯
7.6%
9.4%
11.4%
12.7%
13.1%
13.1%
14.4%
15.3%
15.7%
[平成22年までは総務省統計局「国勢調査」
平成27年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(都道府県推計)
(平成26年4月推計)」]
【図表2−18】一般世帯数に占める高齢世帯の推移
[平成22年までは総務省統計局「国勢調査」
平成27年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)
(平成25年1月推計)」及び「日本の世帯数の将来推計(都道府県推計)(平成26年4月推計)」]
15
第3節 高齢者の生活状況
1 鹿児島県の高齢者の特徴
(1)一般高齢者の日常の意識(円グラフ:外側が全国,内側が本県)
本県の高齢者は,全国の高齢者と比較して以下のような特徴が見られます。
○ 健康と感じている者が多い(「とても健康」と「まあまあ健康」で約7割以上を占める。)
○ 仕事に生きがいを感じている者が多いが,趣味等に生きがいを感じている者が少ない。
○ 自宅で介護を受けたい者が約7割を占める。
(自宅で家族中心・自宅で家族の介護と外部の介護サービス・外部の介護サービスを自宅で)
○ 全国と同じように自宅で最期を迎えたい者が5割以上を占める。
【図表3−1】本県と全国の高齢者の日常の意識の比較
健康
生きがいを感じるとき
0.0
良くない
2.1
あまり良く
ない14.8
健康でな
い, 5.4
良い 29.8
家族団らん
無回答, 3.9
とても健康,
10.9
37.7
【本県】仕事
趣味・スポーツ
【全国】仕事
趣味・スポーツ
どんな介護を受けたいか
福祉施設,
4.5
自宅(家
族), 18.5
病院, 8.4
老人福祉
施設, 9.0
高齢者向
住宅 4.1
自宅 34.9
わからな
い, 6.9
無回答, 7.2
わからな
病院, 17.2
い, 10.7
高齢者向
住宅, 1.8
自宅(家族
と介護サー
ビス), 25.0
病院, 27.7
福祉施設,
4.1
自宅(介護
サービス),
24.6
自宅, 56.8
老人福祉
施設 19.2
自宅, 54.6
【本県】自宅(家族+介護サービス)
自宅(家族に依存せず介護
サービス中心)
【全国】自宅
[県:平成25年度高齢者等実態調査
高齢者の健康に関する意識調査]
38.2%
37.7%
26.5%
44.7%
最期を迎えたい場所
わからない
7.1
無回答, 9.6
全国
ボランティア活動
10.9%
63.6%
29.8%
21.8%
病院20.0
鹿児島県
友人との食事
まあ良い
21.8
【本県】とても健康
まあまあ健康
【全国】良い
まあ良い
44.7
テレビ・ラジオ
普通31.5
老人保健
施設 11.8
26.5
趣味・スポーツ
まあまあ健
康, 63.6
有料老人
ホーム, 4.9
38.2
仕事
あまり健康
でない,
16.2
有料老人
ホーム3.0
10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 (%)
43.5%
24.6%
34.9%
【本県】自宅
病院
【全国】自宅
病院
56.8%
17.2%
54.6%
27.7%
国:平成25年度高齢者の地域社会への参加に関する意識調査
16
(2) 一般高齢者の生活機能
○
一般高齢者の生活機能のうち,年齢が上がるとともに低下する主なものは次のとおりです。
・ 階段を手すりや壁を伝わらずに昇れない
・ 外出の回数が減った
・ 椅子に座った状態から何も使わずに立ち上がれない
・ 固いものが食べにくい
【図表3−2】生活機能の低下(一般高齢者
N=24,008)
60.8
転倒に対する不安
51.9
階段を手すりや壁を伝わらずに昇れない
昨年と比べ外出の回数が減った
38.7
椅子に座った状態から何も使わずに立ち上がれない
38.4
半年前に比べ固い物が食べにくい
38.3
80歳代以上
70歳代
バスや電車で一人で外出していない
外出を控えている
65歳∼69歳
排尿ができない
食事の用意をしていない
N=2400
預貯金の出し入れをしていない
家事ができない
0
20
40
80 (%)
60
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活ニーズ調査]
○
外出を控えている者の主な理由
・ 足腰などの痛み
(全体 53.6%,80歳以上 63.1%)
・ 脳卒中後遺症,目・ 耳などの障害 (全体 22.7%,80歳以上 27.4%)
・ 交通手段がない
(全体 13.4%,80歳以上 16.4%)
高齢者の生活機能のうち,階段の昇降や椅子からの立ち上がり等の運動器の機能低下は転倒
に対する不安を強くさせ,外出などの行動制限につながっている可能性が高い。
【図表3−3】外出を控える理由(複数回答)(外出を控えている者
N=4,105)
63.1
足腰などの痛み
27.4
障害(脳卒中の後遺症,目・耳など)
16.4
交通手段がない
80歳代以上
トイレの心配
70歳代
病気
65歳∼69歳
外での楽しみがない
N=4105
経済的問題
その他
0
10
20
30
40
50
60
70
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
17
○ 食事・栄養
・ 80歳 代 で 3 食 摂 取 し て い る 者 ( 80.6% )
・ 誰かと食事を共にする機会
毎日ある者
( 57.6% )
ほとんどない者
( 6.9% )
【図表3−4】食事に関する事項
1日の
食事回数
食事を抜く
こと
誰かと食事
を共にする
機会
○
(N=24,008)
65歳∼69歳
70歳代
80歳代以上
全体
3回
91.9
92.6
80.6
91.6
2回
6.3
4.3
2.9
5.1
1回
0.1
0.1
0.1
0.1
毎日
1.2
1.5
1.8
1.5
有 週に何回か
4.1
3.0
4.1
3.6
月に何回か
7.1
5.7
6.6
6.3
ほとんどなし
85.5
85.9
82.1
84.7
毎日
67.1
58.4
47.8
57.6
週に何度か
6.7
5.9
7.9
6.7
月に何度か
12.7
14.9
14.9
14.3
年に何度か
7.0
10.6
13.9
10.5
ほとんどない
4.3
6,4
10.1
6.9
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
歯の手入れ
歯磨き,入れ歯の手入れの実施率は,加齢との関連は少なく各年代とも80%を超えて
いる。
・ 定期的な歯科受診の実施率の低さは課題
・
【図表3−5】歯みがき等の状況
(※入れ歯の使用者のみ
毎日歯磨きを実施
N=15,442)
80歳代以上
定期的な歯科受診を実施
70歳代
毎日入れ歯の手入れを実施(※)
65歳∼69歳
0
20
40
60
80
100
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
○
・
生活支援サービスの利用状況
高齢者の生活を支える生活支援サービスの利用率は低い。
【図表3−6】生活支援サービスの利用状況
利用率(%)
福祉タクシー
5.7
外出ボランティアサービス
3.6
配食サービス
11.9
買い物サービス
3.8
(N=24,008)
実施市町村数(か所)※
−
9
37
7(食材配達)
平成26年度
地域包括支援セ
ンター運営状況
調査(市町村回
答分)
(%)
週4回以上 週2∼3回
週1回
月1∼3回
ボランティアのグループ
1.4
2.6
2.4
8.2
スポーツグループやクラブ
4.1
8.6
4.4
6.5
趣味のグループ
2.7
5.6
4.6
10.1
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
18
※
(3)在宅要介護(要支援)者の状況
○
在宅の要介護・要支援者が要介護・要支援が必要になった理由
・
・
・
在宅の要介護・要支援者全体
在宅の要介護・要支援者男性
在宅の要介護・要支援者女性
認知症(28.5%),脳卒中(24.7%)
脳卒中(38.7%),認知症(21.3%)
認知症(31.6%),脳卒中(18.8%)
【図表3−7】在宅の要介護(要支援)者が要介護(要支援)が必要になった理由
(複数回答,N=17,279)
(%)
38.7
40.0
31.6
28.5
30.0
24.7
21.3
20.0
18.8
10.0
0.0
全体
認知症
脳卒中
男性
高齢による衰弱
女性
骨折・転倒
関節疾患等
心臓病
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
○
在宅要介護・要支援者本人が日常生活で困っていること(介護・医療・住まい)
・
・
・
身体機能の低下(44.2%),
病気(30.9%)
認知症になること(21.4%)
【図表3−8】日常生活で困っていること(介護・医療・住まい)(複数回答)
(N=17,279)
全体(N=17,279),複数回答
身体機能の低下
44.2
病気
30.9
認知症になること
21.4
介護者(家族等)の心身の負担
17.6
経済的負担
14.1
緊急に入院等が必要になること
10.6
住まい(手すり取付,段差解消等)
4.7
介護に関する情報の入手方法
2.1
特に不安はない
17.4
わからない
8.3
0
20
40
60 ( %)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
19
○
在宅要介護・要支援者本人が日常生活で困っていること(生活支援に関すること)
(複数回答)
・ 災害時の避難の際の援助
16.8%
・ 緊急時の対応(連絡など) 12.0%
・ 外出に関すること
11.9%
【図表3−9】日常生活で困っていること(生活支援)(複数回答)
(N=17,279)
全体(N=17,279),複数回答
災害時の避難の際の援助
16.8
緊急時の対応(連絡など)
12
外出に関すること
11.9
掃除や洗濯,買い物など家事
11.8
食事に関すること
11.5
近所付合い・地域とのつながり
4
生活全般に関する相談
3.1
その他
1.7
特に不安はない
32.8
わからない
13.4
0
10
20
30
40 ( %)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(4)高齢者等の見守り活動の状況
地域における高齢者等の安否確認や見守り活動の状況については,一般高齢者に調査した
結果,「どちらかと言えば行われていると思う」が最も多く(34.4%)なっています。
【図表3−10】地域における高齢者等の安否確認や見守り活動の状況(N=24,008)
(単位:%)
十分に行われ
ていると思う
どちらかと言
えば行われて
いると思う
どちらかと言
えば不十分だ
と思う
ほとんど行わ
れていないと
思う
14.2
34.4
11.8
6.0
わからない
26.2
無回答
7.4
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
20
2
生活機能の状況
現在は要介護(要支援)認定を受けていない一般高齢者について,「平成25年度高齢者等
実態調査・日常生活圏域ニーズ調査」において,「運動器」や「閉じこもり」等に関連する
項目ごとに,年齢階級毎の生活機能レベルを分析し,高齢者が要介護状態となることを予防
するために実施する「介護予防事業」の事業企画等の資料として活用します。
(1)運動器
運動器機能は,高齢者の日常生活の活動を高め,家庭や社会へ参加を促すための基本的な
機能ですが,5つの項目とも,加齢に伴い,機能の低下している者の割合が高くなっていま
す。
特に,「転倒に対する不安」のある者の割合は,65歳∼69歳で28.1%,70歳∼74歳で37.1
%,75歳歳∼79歳で47.0%と高くなっており,早期からの転倒予防のための取組の必要性を
示しています。
【図表3−11】運動器機能の状況
(%)
80.0
階段を手すりや壁を伝
わらずに上れない者
70.0
60.0
椅子に座った状態か
ら何もつかまらずに立
ち上がれない
50.0
15分くらい続けて歩け
ない
40.0
30.0
ここ1年間に転んだこ
とがある
20.0
10.0
転倒に対する不安が
大きい
0.0
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(2)閉じこもり予防
閉じこもりについては,加齢に伴い外出の回数が減少している者が増加しており,特に「昨
年と比べ外出の回数が減っている」者の割合が75歳∼79歳で22.8%,80歳∼84歳で33.9%,
85歳以上で46.3%となっており,「足腰などの痛み」や「脳卒中後遺症や耳・目の障害」が
外出を控える理由となっています。
閉じこもりは,低栄養,口腔機能低下,運動器機能低下の要因になることから,閉じこもり
予防のための取組は,高齢者の介護予防を進めるために重要です。
【図表3−12】閉じこもりの状況
(%)
50.0
週1回以上外出しいる
40.0
5m以上歩ける
30.0
昨年と比べ外出の回
数が減っている
20.0
買い物に外出する頻
度が週1日未満
散歩に外出する頻度
が週1日未満
10.0
0.0
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
21
【図表3−13】外出を控えている者の外出を控える理由
63.1
足腰などの痛み
27.4
障害(脳卒中の後遺症,目・耳など)
16.4
交通手段がない
80歳代以上
トイレの心配
70歳代
病気
65歳∼69歳
外での楽しみがない
N=4,105
経済的問題
その他
0
10
20
30
40
50
60
70
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(3)転倒
転倒リスクに関連する5項目のうち,「歩く速度が遅くなってきた」や「背中が丸くなっ
てきた」等の変化が見られる者の割合が加齢に伴い高くなっています。
また,転倒に対する不安のある者の割合も加齢とともに高くなっています。
【図表3−14】運動機能等の変化
(%)
90.0
歩く速度が遅くなって
きた
80.0
70.0
背中が丸くなってきた
60.0
50.0
杖を使っている
40.0
30.0
この1年間に転倒した
ことがある
20.0
10.0
5種類以上の薬を飲ん
でいる
0.0
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(4)栄養・口腔
一般高齢者には食事が自分で食べられない者はほとんどいませんが,高齢化に伴い「半年
前に比べて固いものが食べにくい」,「口の渇きが気になる」等口腔機能の低下がみられる者
は増加しています。
また,年齢にかかわらず約8割の者は歯磨きを毎日行っていますが,定期的に歯科受診を
している者は前期高齢者は3割を超えていますが,後期高齢者になると3割以下となり,85
歳以上では2割以下となっています。
口腔機能を保持・向上させることは,食を通じた心身の健康維持はもちろん,誤嚥性肺炎の
予防,認知症の進行の抑制など,高齢者の生活の質の向上につながることから,「栄養改善」
とともに介護予防の取組として重要です。
22
【図表3−15】生活状況等の変化
(%)
6か月間で2∼3Kg
以上の体重減少が
あった
50.0
40.0
食事は自分で食べら
れない
30.0
半年前に比べて固い
ものが食べにくい
20.0
10.0
お茶や汁物でもむせ
る
0.0
口の渇きが気になる
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(5)認知機能
認知機能については,いずれの項目も加齢に伴い該当する者の割合が高くなっており,認
知症に対する不安・心配事として,「自分や家族が認知症にならないか不安」(46%)が最も
多く,次いで,「認知症になった時の対応や介護の仕方がわからない」(24.7%)となってい
ます。
【図表3−16】認知機能等の変化
(%)
周りの人から「いつも
同じ事を聞く」など物
忘れがあると言われる
40.0
30.0
自分で電話番号を調
べて,電話をかけるこ
とができない
20.0
今日が何月何日か分
からない時がある
10.0
これまで認知症にか
かったことがある
0.0
現在認知症の治療中
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
23
【図表3−17】認知症に対する不安・心配事の内容(複数回答)
0.0
20.0
40.0
46.0
自分や家族が認知症にならないか心配
認知症になったときに対応や介護の仕方がわ
からない
24.7
自分のことで最近「もの忘れ」があり,認知症で
ないかと心配
18.4
家族のことで,最近「もの忘れ」が多くなるなど,
「おかしいな」と感じるが,単なる「もの忘れ」な
のか,認知症なのかわからない
心配事を相談したくてもどこに相談してよいかわ
からない
その他
60.0 %
11.3
7.2
3.9
不安なことや心配なことはない
19.5
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(6)うつ予防
うつのスクリーニング項目については,5項目とも年齢が上がるほどに該当する者の割合
が高くなっており,「以前は楽にできていたことが今ではおっくうに感じられる」者が,75
歳∼79歳で23.4%,80歳∼84歳で30.2%,85歳以上で40.1%となっています。
5項目のうち,2項目以上に該当する者は症状の有無のアセスメント等を行い,必要に応
じて個別支援を行うことが重要ですが,一般高齢者向けに,こころの健康やうつ予防につい
ての正しい知識の普及・啓発を行うことも重要です。
【図表3−18】ここ2週間の健康等の状況
(%)
50.0
(ここ2週間)毎日の生活に充
実感がない
40.0
(ここ2週間)これまで楽しめ
ていたことが楽しめない
30.0
(ここ2週間)以前は楽にでき
ていたことが,今はおっくうに
感じられる
20.0
(ここ2週間)自分が役に立つ
人間だとは思えない
10.0
(ここ2週間)分けもなく疲れ
たような感じがする
0.0
65∼69歳 70∼74歳 75∼79歳 80∼84歳 85歳以上
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
24
(7)日常生活の自立度
①
手段的自立度(IADL)
手段的自立度については,一般高齢者の加齢に伴う低下は見られませんが,在宅要介護(要
支援)者とは顕著な差が見られます。
【図表3−19】日常生活について
一般高齢者(N=24,008), 在宅要介護(要支援者)(N=17,279)
日用品の買い物をしている
83.8
20.3
請求書の支払いをしている
81.7
32.7
バスや電車で一人で外出している
一般高齢者
79.5
12.5
預貯金の出入れをしている
自分で食事の用意をしている
69.3
27.4
0.0
20.0
在宅要介護
(要支援)者
78.8
25.2
40.0
60.0
80.0
100.0
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
②
日常生活動作(ADL)
日常生活動作(ADL)については,一般高齢者と在宅要介護(要支援)者は顕著な差が
見られますが,更衣や排泄の項目では,他の項目に比較して差が小さくなっています。
【図表3−20】日常生活について
一般高齢者(N=24,008), 在宅要介護(要支援者)(N=17,279)
自分でトイレができる
97.2
40.8
自分で洗面や歯磨きができる
97.0
45.7
食事は自分で食べられる
81.6
自分で入浴ができる
96.3
40.8
自分で着替えられる
96.2
60.4
寝床に入るとき,介助は受けない
93.7
56.2
50メートル以上歩ける
93.2
38.4
座っていることができる
73.3
階段を昇り降りできる
20.0
40.0
在宅要介護
(要支援)者
77.9
32.6
0.0
93.1
90.6
30.0
小便の失敗がない
一般高齢者
95.5
69.4
大便の失敗がない
96.8
60.0
80.0
100.0
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
25
(8)地域のつながり
地域のつながりがあると感じるかについて,全体では,「とても感じる」が39.0%,「少し
感じる」が34.1%をとなっており,約7割の人が地域につながりがあると感じています。
また,地域で行われていることについて,全体では,「近隣同士でよく立ち話や挨拶をして
いる」が67.8%と最も多く,次いで「困ったときは,近隣同士で助け合っている」(48.5%),
「地域の回覧板などがよく活用されている」,「公民館など集まれる場所があり,利用されて
いる」(41.6%)などの順となっています。
【図表3−21】地域のつながりがあると感じるか
わから
ない
5.8%
感じ
ない
3.6%
あまり
感じな
い
12.2%
無回答
5.3%
とても
感じる
39.0%
少し感
じる
34.1%
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−22】地域で行われていること
全体(N=24,008)
近隣同士でよく挨拶や立ち話をしている
67.8
困った時は近隣同士で助けあっている
48.5
地域の回覧板などがよく活用されている
41.6
41.6
公民館など集まれる場所があり,利用されている
町内会などの活動が活発に行われている
28.7
学校等の行事等に住民が積極的に参加している
18.8
16.2
15.2
行政のイベントに住民が積極的に参加している
講など伝統的なつながりが残っている
行われていることはない(よく知らない)
7.6
6.2
ボランティアなどの活動が活発に行われている
0
10
20
30
40
50
60
70
80 (%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
26
(9)社会参加の状況
①
知的能動性
知的能動性の指標においては,一般高齢者の加齢に伴う能力の低下は見られませんが,在
宅要介護(要支援)者とは顕著な差が見られます。
【図表3−23】日常生活の状況
一般高齢者
在宅要介護要支援)者
健康についての記事や番組に
関心がある
年金などの書類が書ける
新聞を読んでいる
本や雑誌を読んでいる
0
20
40
60
80
100 (%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
②
社会参加
会やグループ等への参加頻度について週1回以上参加している割合は,「スポーツ関係の
グループ」活動に参加している人が17.1%と最も多く,次いで「趣味関係」
(12.9%), 「ボ
ランティアグループ」(6.4%)に関する活動などの順となっています。
また,社会参加活動や仕事の頻度については,週1回以上参加している割合は,「収入の
ある仕事」が,17.2%と最も多く,次いで「見守りが必要な高齢者の支援活動」(4.6%),
「介護が必要な高齢者の支援活動」(3.2%)の順となっています。
会やグループ等については町内会・自治会以外の活動は半数以上の人が参加しておらず,
社会参加活動については地域の美化活動や収入のある仕事以外の活動は7割以上の人が参加
していない状況です。
【図表3−24】会・グループ活動への参加の状況
全体(N=24,008)
スポーツ関係のグループ
17.1
57.0
週1回以上
趣味関係
ボランティアグループ
12.9
56.1
6.4
57.7
老人クラブ 4.3
60.2
町内会・自治会 3.1
月1∼3回
年に数回
39.2
参加していない
学習・教養サークル 2.3
72.5
その他の団体等 3.6
無回答
56.6
0%
50%
100%
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
27
【図表3−25】社会参加活動や仕事への参加の状況
全体(N=24,008)
収入のある仕事
17.2
61.3
見守りが必要な高齢者の支援
4.6
活動
週1回以上
72.6
月1∼3回
介護が必要な高齢者の支援
3.2
活動
77.3
年に数回
子育て中の親の支援活動 2.5
77.4
参加していない
地域の美化活動 2.2
45.8
0%
無回答
50%
100%
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
③
社会的役割
社会的役割については,一般高齢者の加齢に伴う能力の低下は見られませんが,一般高齢
者と在宅要介護(要支援)者とは顕著な差が見られます。
【図表3−26】社会的役割について
一般高齢者(N=24,008), 在宅要介護(要支援者)(N=17,279)
病人を見舞うことができる
91.3
30.4
若い人に自分から話しかける
87.1
50.4
家族や友人の相談にのる
85.2
36.6
友人の家を訪ねている
要介護者
74.9
20.5
0.0
20.0
一般高齢者
40.0
60.0
80.0
100.0 (%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(10)将来の生活の不安
将来の生活への不安について,全体では,「自分や配偶者の健康や病気のこと」が59.9%
と最も多く,次いで「自分や配偶者が介護を必要とする状態になること」(48.0%),「生活
費や老後の蓄えのこと」(25.2%)の順となっています。
男女別にみると,男性は女性に比べ,自分や配偶者の「健康や病気のこと」,「介護を必要
とする状態になること」及び「子ども・孫などの将来のこと」への不安の割合が高く,全体
的に,男性は女性に比べ不安の割合が高くなっています。
28
【図表3−27】将来の生活への不安の内容
全体 24,008
男性 10,977
女性 12,894
59.9
64.1
56.5
自分や配偶者の健康や病気のこと
48.0
51.8
44.9
自分や配偶者が介護を必要とする状態になること
25.2
24.8
25.4
生活費や老後の蓄えのこと
一人きりの暮らしになること
21.9
22.5
21.4
子ども・孫などの将来のこと
17.2
21.7
13.3
社会の仕組みや人々の価値観が変わること
15.1
15.0
15.2
財産管理や相続のこと
14.0
15.0
13.1
5.8
6.2
5.5
家族・親族との人間関係のこと
4.2
4.3
4.0
隣近所,友人との付き合いのこと
13.1
13.1
13.2
不安は感じない
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
70.0 (%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
29
3
就業の状況
(1)就業構造
平成24年就業構造基本調査によると,65歳以上の就業者数は90,800人で,65歳以上人口
456,900人のうち19.9%が何らかの仕事に従事しており,これを性別にみると,男性は
184,100人のうち53,000人(28.8%),女性では272,800人のうち37,800人(13.9%)が就業
しています。
また,従業上の地位別割合をみると,雇用者45.7%,自営業主42.2%,家族従業者11.8%
となっており,全国平均(雇用者58.5%,自営業主32.4%,家族従業者8.5%)に比べ,雇用
者の割合が低く,自営業主の割合が高くなっています。
65歳以上の高齢者の就業構造は図表3−28のとおりで,第1次産業37.1%,第2次産業
14.1%,第3次産業47.5%となっており,全国平均(第1次産業17.0%,第2次産業19.6%,
第3次産業58.6%)に比べ,第1次産業就業者の割合が著しく高く,第2次及び第3次産業
就業者の割合が低くなっています。
【図表3−28】65歳以上の高齢者の就業構造
分類不能の産業
1.3%
第1次産業
37.1%
サービス業7.0%
農業・林業35.8%
第3次産業
47.5%
製造業
7.3%
卸・小売業14.4%
第2次産業
14.1%
[平成24年就業構造基本調査]
(2)就労の理由
就労の理由について,全体では,「健康に良いから」が47.1%と最も多く,次いで「生きが
いが得られるから」
(40.9%),
「生活費をまかなうため」
(35.2%)などの順となっています。
性別では,男女ともに,「健康に良いから」(男性 45.6%,女性 49.1%),「生きがいが
得られるから」(男性 39.9%,女性 42.0%)の順となっていますが,いずれも女性の方
が割合は高くなっています。
また,年齢別にみると,「85歳以上」は,「65∼69歳」に比べて,「家業の後継者(子ども
など)を助けるため」の割合が高くなっており,それ以外の理由についてはいずれも「65∼
69歳」が「85歳以上」に比べて割合が高くなっています。
30
【図表3−29】就労の理由(複数回答)
全体(N=9,429)
性別男性(N=5,232)
性別女性(N=4,146)
65∼69歳(N=3,103)
85歳以上(N=459)
健康に良いから
41.0
40.9
39.9
42.0
42.0
生きがいが得られるから
34.6
35.2
生活費をまかなうため
31.3
28.3
47.1
45.6
49.1
44.0
38.5
40.2
29.4
30.9
生活費の不足をおぎなうため
27.5
23.3
33.4
22.8
22.7
22.9
22.2
21.8
何もしないと退屈だから
17.1
17.0
17.1
将来に備えて蓄えをできるだけ増やすため
11.3
13.3
13.6
13.1
12.3
家業の後継者(子どもなど)を助けるため
21.8
16.1
8.6
9.6
7.4
10.8
おこづかいがほしいから
4.1
4.1
3.1
5.4
3.4
2.4
友達がほしいから
特に理由はない
3.5
3.3
3.8
3.3
その他
2.5
2.6
2.3
3.7
1.1
わからない
0.0
5.9
0.7
0.5
0.9
0.2
1.7
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
4 生きがいの状況
(1)生きがいの程度
生きがいの程度について,全体では,「十分感じている」が35.9%,「多少感じている」が
41.5%となっており,約8割の人が生きがいがあると感じています。
男女別に見ると男性は,女性に比べ生きがいを感じている人の割合がやや高くなっていま
す。
また,健康状態別にみると,「とても健康」な人は,60%以上が生きがいを「十分感じて
いる」と回答していますが,
「健康でない」人の9.5%が,
「あまり感じていない」または 「感
じていない」と回答しています。
31
【図表3−30】生きがいの程度
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(2) 生きがいを感じるとき
生きがいを感じるときとしては,全体では,「子どもや孫など家族との団らんのとき」が
52.3%と最も多く,次いで「仕事に打ち込んでいるとき」(38.2%),「趣味やスポーツなどに
熱中しているとき」(37.7%)などの順となっています。
男女別にみると,男性は女性に比べ「仕事」や「夫婦団らん」に生きがいを感じている割
合が高く,女性は男性に比べ「友人や知人と食事,雑談をしているとき」に生きがいを感じ
ている割合が高くなっている。
【図表3−31】生きがいを感じるとき
) 全体(N=24008)
) 男性(N=10977)
) 女性(N=12894)
0.0
10.0
(% )
20.0
30.0
40.0
50.0
52.3
50.5
54.0
子どもや孫など家族との団らんのとき
38.2
仕事に打ち込んでいるとき
45.4
32.1
37.7
趣味やスポーツ・レクレーションに熱中しているとき
34.6
テレビを見たり,ラジオを聞いているとき
34.5
友人や知人と食事,雑談をしているとき
29.3
26.9
41.4
37.7
40.4
36.9
43.3
34.1
夫婦団らんの時
42.8
24.7
23.3
26.0
旅行に出かけたとき
10.7
11.7
9.8
ボランティアや地域の活動をしているとき
8.4
8.5
8.3
勉強や教養を高めるための活動に取り組んでいるとき
生きがいを感じることはない
60.0
2.9
2.8
2.9
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
32
5
健康の状況
(1)健康状況
①
現在の健康状況
現在の健康状態について,全体では,「まあまあ健康」が63.6%ともっとも多く,「まあ
まあ健康」と「とても健康」の10.9%をあわせると,70%以上の人が健康であると答えてい
ます。
年齢別にみると,65∼69歳では3.7%が「健康でない」と回答していますが,高齢になる
ほど「健康でない」人の割合が高くなり,85歳以上では,7.2%が「健康でない」と回答し
ています。
【図表3−32】現在の健康状態
(%)
性別
0.0
20.0
40.0
全体(N=24008)
63.6
男性(N=10977)
62.5
女性(N=12894)
年齢別
70∼74歳(N=5940)
75∼79歳(N=5340)
80.0
16.2
15.9
64.5
65∼69歳(N=6070)
60.0
16.4
68.7
12.1
65.4
14.8
61.6
17.9
100.0
10.9
5.4 3.9
12.5
5.4 3.7
9.6
5.4 4.0
12.8
11.9
10.4
3.72.6
4.8 3.1
5.9 4.2
80∼84歳(N=3956)
59.4
19.1
9.2
7.2 5.1
85歳以上(N=2488)
58.3
20.7
8.0
7.2 5.7
健康でない
無回答
まあまあ健康
あまり健康でない
とても健康
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
②
治療中の疾患の種類
現在,治療中,後遺症のある病気については,全体では,「高血圧」が47.0%最も多く,
次いで「目の病気」(19.0%),筋骨格の病気(骨粗しょう症,関節症等)(12.6%)などの
順となっています。
男女別にみると,男性は女性に比べ,「糖尿病」や「心臓病」の割合が高く,また,女性
は男性に比べ「筋骨格の病気(骨粗しょう症,関節症等)」や「高脂血症(脂肪異常)」の
割合が高くなっています。
33
【図表3−33】治療中,後遺症のある病気(複数回答)
全体(N=24,008)
男性(N=10,77)
0.0
女性(N=12,94)
10.0
(%)
20.0
30.0
目の病気
16.9
筋骨格の病気(骨粗しょう症,関節症等)
9.1
9.2
7.4
7.9
7.0
7.3
5.6
8.7
6.4
胃腸・肝臓・胆のうの病気
高脂血症(脂質異常)
呼吸器の病気(肺炎や気管支炎等)
脳卒中(脳出血・脳梗塞等)
外傷(転倒・骨折等)
がん(新生物)
血液・免疫の病気
うつ病
認知症(アルツハイマー病)
パーキンソン病
その他
ない
1.3
20.8
18.6
11.0
心臓病
19.0
12.6
5.7
糖尿病
耳の病
50.0
47.0
45.7
48.1
高血圧
腎臓・前立腺の病気
40.0
13.3
10.7
12.4
12.4
6.2
6.7
5.7
4.6
5.3
4.1
4.2
5.7
2.9
2.4
1.7
3.0
2.3
2.7
2.0
1.2
1.1
1.2
0.8
0.5
1.0
0.8
0.7
0.9
0.4
0.5
0.3
6.9
6.2
7.5
12.8
13.9
12.0
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
③
要介護にならないために取り組んでみたいこと
要介護状態にならないために取り組んでみたい健康づくり等について,全体では,「自宅
や自宅周辺で手軽にできる運動や健康づくり」が71.3%と最も多く,次いで「食生活の改
善」
(39.7%),
「認知症の予防について知識を習得する」(32.4%)などの順となっています。
男女別にみると,女性は男性に比べ,「食生活の改善」や「転倒予防など,事故を避ける
ための知恵やコツを習得する心臓病」の割合が高くなっているが,男性は女性に比べ「取
り組んでみたいものは特にない」の割合が高くなっています。
34
【図表3−34】取り組んでみたい運動や健康づくり(複数回答)
全体(N=19736)
性別 男性(N=9268)
性別 女性(N=10344)
(%)
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
60.0
70.0
自宅や自宅周辺で手軽にできる運動や健康づくり
39.7
35.4
43.5
食生活の改善
認知症の予防についての知識を習得する
24.8
転倒予防など、事故を避けるための知恵やコツを習得する
39.3
29.7
11.3
11.9
10.7
9.7
8.2
11.0
歯みがきや義歯(入れ歯)の手入れ方法などを習得する
その他
32.4
22.1
13.7
スポーツクラブ等でマシンを使った運動
取り組んでみたいものは特にない
80.0
71.3
67.5
74.9
9.2
5.6
13.2
4.3
5.0
3.7
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
④
要介護にならないために取り組んでいること
要介護状態にならないために取り組んでいる健康づくり等について,全体では,「歯みが
きや義歯(入れ歯)の手入れ方法などを習得する」が33.6%と最も多く,次いで「食生活
の改善」(10.3%),「自宅や自宅周辺で手軽にできる運動や健康づくり」(4.7%)などの順
となっています。
男女別にみると,男性は女性に比べ,「歯みがきや義歯(入れ歯)の手入れ方法などを習
得する」や「食生活の改善」の割合が高くなっているが,女性は男性に比べ「自宅や自宅
周辺で手軽にできる運動や健康づくり」や「スホーツクラブ等でマシンを使った運動」の
割合が高くなっています。
【図表3−35】取り組んでいる運動や健康づくり(複数回答)
全体(N=19736)
男性(N=9268)
(%)
女性(N=10344)
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
7.5
5.9
8.9
歯みがきや義歯(入れ歯)の手入れ方法などを習得する
食生活の改善
19.2
23.0
26.4
39.9
39.1
40.7
自宅や自宅周辺で手軽にできる運動や健康づくり
3.8
3.8
3.7
スポーツクラブ等でマシンを使った運動
認知症の予防についての知識を習得する
5.4
8.1
10.6
7.0
4.4
9.4
転倒予防など、事故を避けるための知恵やコツを習得
する
4.5
4.6
4.4
その他
42.0
45.2
特に何もしていない
39.1
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
35
(2)入院患者・入院外患者受診状況等
平成23年患者調査によると,本県の受療率を年齢階級別に見ると,0∼4歳と55歳以上が入
院・外来ともに高くなっています。特に入院においては,75歳以上,外来では65歳以上で急
増傾向にあります。
一方,歯科においては,逆に低くなる傾向が見られます。
【図表3−36】本県の年齢階層別入院・外来・歯科外来受療率(人口10万対)
14,000
12,000
10,000
外来
8,000
歯科外来
6,000
入院
4,000
2,000
0
外来
0∼4
歳
5∼14
歳
15∼24
歳
25∼34
歳
35∼44
歳
45∼54
歳
55∼64
歳
65∼74
歳
75歳
以上
12,972
7,084
3,171
2,416
3,544
3,403
4,548
6,010
9,580
歯科外来
217
560
667
1,254
1,042
1,397
1,431
1,338
993
入院
485
127
229
548
634
919
1,608
2,784
7,100
[厚生労働省大臣官房統計情報部「平成23年患者調査」]
①
入院の状況
平成23年の「患者調査」によると,県においては,65歳以上の入院患者数は23.7千人で,
65歳以上人口(平成23年10月1日現在449千人)の5.3%を占めています。
なお,全国の65歳以上の入院患者数は914.9千人で,65歳以上人口の3.1%となっています。
疾病別の構成比(県計)は,65歳未満では,「精神及び行動の障害」が43.2%と最も多くな
っていますが,65歳以上では「循環器系の疾患」が24.5%と最も多く,次いで「精神及び行
動の障害」(17.3%),「神経系の疾患」(11.0%),「損傷,中毒及びその他の外因の影響」
(10.5%)などとなっています。
【図表3−37】入院患者の状況(県計)
(単位:千人,%)
65歳以上
疾 病 分 類
65歳未満
循環器系の疾患
5.8
(
24.5 )
0.7
(
7.4 )
精神及び行動の障害
4.1
(
17.3 )
4.1
(
43.2 )
神経系の疾患
2.6
(
11.0 )
0.8
(
8.4 )
損傷,中毒及びその他の外因の影響
2.5
(
10.5 )
0.5
(
5.3 )
新生物
1.9
(
8.0 )
0.9
(
9.5 )
呼吸器系の疾患
1.7
(
7.2 )
0.2
(
2.1 )
筋骨格系及び結合組織の疾患
1.4
(
5.9 )
0.4
(
4.2 )
内分泌,栄養及び代謝疾患
0.7
(
3.0 )
0.1
(
1.0 )
消化器系の疾患
0.7
(
3.0 )
0.3
(
3.2 )
腎尿路生殖器系の疾患
0.7
(
3.0 )
0.1
(
1.0 )
感染症及び寄生虫症
0.5
(
2.1 )
0
(
0.0 )
その他
1.1
(
4.6 )
1.4
(
14.7 )
23.7
(
100.0 )
9.5
(
100.0 )
合 計
(注)(
)内は「合計」に対する構成比である。
[厚生労働省大臣官房統計情報部「平成23年患者調査」]
36
②
入院外の受診状況
平成23年患者調査によると,県においては,65歳以上の入院外の受診者数は52.0千人で,
65歳以上人口(平成23年10月1日現在449千人)の11.6%を占めています。
なお,全国の65歳以上の入院外の受診者数は3,329.9千人で,65歳以上人口の11.2%とな
っています。
疾病別の構成比(県計)は,65歳未満では,「消化器系の疾患」が23.2%と最も多く,次
いで「呼吸器系の疾患」(15.3%),「筋骨格系及び結合組織の疾患」(9.2%)などの順とな
っていますが,65歳以上では,「循環器系の疾患」が最も多く26.3%,「筋骨格系及び結合
組織の疾患」(22.5%)
,「消化器系の疾患」(10.2%)などとなっています。
【図表3−38】入院外の受診状況(県計)
(単位:千人,%)
疾 病 分 類
65歳以上
65歳未満
循環器系の疾患
13.7
(
26.3 )
3.6
(
6.8 )
筋骨格系及び結合組織の疾患
11.7
(
22.5 )
4.9
(
9.2 )
消化器系の疾患
5.3
(
10.2 )
12.3
(
23.2 )
内分泌,栄養及び代謝疾患
2.9
(
5.6 )
2.0
(
3.8 )
眼及び付属器の疾患
2.6
(
5.0 )
1.2
(
2.3 )
損傷,中毒及びその他の外因の影響
2.1
(
4.0 )
2.8
(
5.3 )
呼吸器系の疾患
2.0
(
3.8 )
8.1
(
15.3 )
皮膚及び皮下組織の疾患
1.6
(
3.1 )
2.8
(
5.3 )
新生物
1.4
(
2.7 )
1.0
(
1.9 )
神経系の疾患
1.4
(
2.7 )
0.8
(
1.5 )
腎尿路生殖器系の疾患
1.4
(
2.7 )
1.6
(
3.0 )
精神及び行動の障害
1.0
(
1.9 )
2.6
(
4.9 )
感染症及び寄生虫症
0.9
(
1.7 )
2.0
(
3.8 )
4.0
(
7.7 )
7.3
(
13.8 )
52.0
(
100.0 )
53.0
(
100.0 )
その他
合 計
(注)(
)内は「合計」に対する構成比である。
[厚生労働省大臣官房統計情報部「平成23年患者調査」]
③
歯科受療の状況
平成23年患者調査によると,本県の65歳以上の患者総数は3.0千人で,65歳以上人口
(平成23年10月1日現在449千人)の0.7%を占めています。
なお,全国の65歳以上の患者総数は307.4千人で,65歳以上人口に占める割合は1.0%とな
っています。
疾患別(県計)にみると,65歳未満では「その他の歯及び支持組織の障害」が36.4%と最
も多く,65歳以上では「歯肉炎及び歯周疾患」が46.7%と最も多くなっています。
【図表3−39】歯科受療の状況(県計)
疾
病
分
(単位:千人,%)
類
歯肉炎及び歯周疾患
う蝕
その他の歯及び支持組織の障害
合
(注)(
計
65歳以上
65歳未満
1.4( 46.7)
0.4( 13.3)
1.2( 40.0)
3.0(100.0)
3.6(33.6)
3.2(29.9)
3.9(36.4)
10.7(100.0)
)内は「合計」に対する構成比である。
[厚生労働省大臣官房統計情報部「平成23年患者調査」]
37
(3)後期高齢者医療の現状
①
後期高齢者医療の被保険者の状況
平成20年度に後期高齢者医療制度が創設され,被保険者数は年々増加しており,平成24
年度末の本県の被保険者数は260,969人となっています。
【図表3−40】後期高齢者医療の被保険者数の推移
本県(千人)
本県計
全国(万人)
全国
1,800
400
350
1,346
1,389
1,434
1,473
1,517
1,600
1,400
300
1,200
250
1,000
200
800
150
250
256
254
259
600
261
100
400
50
200
0
0
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
[厚生労働省「後期高齢者医療事業年報」]
②
後期高齢者医療費の状況
我が国の国民医療費は,近年の急速な高齢化や医療の高度化により年々増加し,特に,
後期高齢者医療費は国民医療費全体の約35%となっており,医療保険財政を圧迫する大き
な要因となっています。
本県の後期高齢者医療費も,被保険者の増加に伴い,年々増加傾向にあります。
【図表3−41】国民医療費の推移
(兆円)
国民医療費
後期高齢者医療費
40
34.8
36.0
37.4
38.6
39.2
30
20
10
12.0
12.7
13.3
13.7
11.4
(33.4%)
(34.0%)
(34.5%)
(34.8%)
(32.8%)
20年度
21年度
22年度
23年度
24年度
0
[厚生労働省「国民医療費」「後期高齢者医療事業年報」]
38
【図表3−42】後期高齢者医療費の推移(本県)
[県後期高齢者医療広域連合「事業報告書」]
6
今後の暮らしについて
(1)どのような介護を受けたいか。
どのような介護を受けたいかについて,全体では,「自宅で家族の介護と外部の介護サー
ビスを組み合わせた介護を受けたい」が25.0%で最も多く,次いで「家族に依存せずに生
活できるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい」(24.5%),「自宅で家族中心
の介護を受けたい」(18.5%)などの順となっています。
男女別にみると,男性は,「自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせた介護
を受けたい」が28.5%で最も多いが,女性は,「家族に依存せずに生活できるような介護サ
ービスがあれば自宅で介護を受けたい」が27.2%で最も多くなっている。
年齢別では,年齢が高くなるにつれて,「自宅で家族中心の介護を受けたい」の割合が高
くなる傾向がみられます。
39
【図表3−43】どのような介護を受けたいか。
年齢別
性別
全体(N=24008)
25.0
男性(N=10977)
24.6
28.5
女性(N=12894)
21.5
27.2
21.9
65∼69歳(N=6070)
25.5
70∼74歳(N=5940)
25.6
75∼79歳(N=5340)
25.4
80∼84歳(N=3956)
23.6
85歳以上(N=2488)
23.7
22.7
15.0
27.3
20%
9.9
8.5
7.8
7.6
40%
60%
9.6
4.2
8.6
10.4
5.5
7.2
9.7
25.0
4.9
6.7
10.1
19.7
22.5
18.5
0%
10.0
15.8
22.8
8.4
7.8
15.0
29.1
20.2
9.0
18.5
6.8
8.3
9.3
9.2
8.3
80%
4.9
4.1
4.0
3.3
6.3
8.5
10.2
12.7
13.6
100%
自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせた介護を受けたい
家族に依存せずに生活できるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい
自宅で家族中心の介護を受けたい
特別養護老人ホームなどの施設で介護を受けたい
医療機関に入院して介護を受けたい
有料老人ホームや高齢者向けの住宅に引っ越して介護を受けたい
無回答
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(2)最期を迎えたいと思う場所
最期を迎えたいと思う場所について,全体では,「自宅」が57.0%で最も多く,次いで「病
院などの医療施設」(17.0%),「特別養護老人ホームなどの福祉施設」(4.1%)などの順とな
っています。
【図表3−44】最期を迎えたい場所
全体(N=24008)
兄弟姉妹など親族の家
0.3%
子どもの家
0.7%
その他
1.2%
無回答
7.2%
わからない
10.7%
高齢者向けケア
付き住宅 1.8%
特別養護老人
ホームなどの
福祉施設 4.1%
自宅
56.8%
病院などの医療施設
17.2%
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
40
7 住宅の状況
(1)住宅の状況
平成22年国勢調査によると,本県の高齢者44万9千人のうち,介護老人福祉施設など介
護サービスが提供される施設や病院等に入所している方が3万7千人(8.3%)となってお
り,大多数(91.7%)は住宅で生活しています。
また,住宅で生活する世帯のみで見ると,65歳以上の親族がいる世帯(29万4千世帯)
の88.1%(25万9千世帯)は持家となっており,全国平均(82.3%)に比べて5.8ポイント
高くなっています。さらにこれらの世帯の中でも高齢夫婦世帯(9万5千世帯)における
持家の割合が93.1%(8万8千世帯)と高くなっています。
【図表3−45】住宅の所有状況等
【高齢者の住まいの内訳】
(単位:世帯,%)
【住宅の所有状況】
社会施設の入所者
23,788人(5.3%)
病院・診療所の
入院者
13,437人(3.0%)
持 家
給与住宅
公営・公団・公社の借家
間借り
民間の借家
住宅以外居住一般世帯
(本県)全世帯(一般)
64.9%
65歳以上の親族
がいる世帯
6.8%
23.4%
88.1%
うち高齢単身世帯
4.5%6.5%
82.3%
6.5% 9.9%
3.0% 3.5%
93.1%
うち高齢夫婦世帯
(全国)65歳以上の親族
がいる世帯
住宅 375,052人
(91.7%)
82.3%
0%
20%
6.5% 10.0%
40%
60%
80%
100%
(単位:世帯)
公営・公団・
公社の借家
持 家
民間の借家
給与住宅
間借り
住宅以外居住
一般世帯
合 計
(本県)全世帯(一般)
471,771
49,605
170,495
19,673
7,714
8,015
727,273
65歳以上の親族が
いる世帯
259,529
13,174
19,141
578
1,330
682
294,434
うち高齢単身世帯
84,315
6,660
10,101
157
854
356
うち高齢夫婦世帯
(全国)65歳以上の親族
がいる世帯
88,763
2,885
3,358
173
213
218
102,443
95,610
15,917,247
1,252,326
1,938,674
55,039
126,079
48,322
19,337,687
(注1) 給与住宅とは,勤務先の会社・官公庁・団体などの所有又は管理する住宅に,職務の都合上又は給与
の一部として居住している場合である。
(注2) 高齢単身世帯は65歳以上の単身世帯,高齢夫婦世帯は夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦のみの世帯であ
る。
[平成22年国勢調査]
(2)住宅のバリアフリー化の状況
身体機能の低下した高齢者の転倒などの事故の発生を防止するには,住宅のバリアフリー
化が有効ですが,平成25年住宅・土地統計調査によると,本県の高齢者等が居住する住宅にお
いて,「手すりの設置」は45.6%,「屋内の段差解消」は18.6%,「廊下などが車椅子通行可能
な幅」は18.4%となっています。このうち,自立生活を前提に円滑・安全な移動を可能とする
基礎的水準として,「2か所以上の手すり設置又は段差のない屋内」を満たす住宅の割合につ
いては,38.8%となっており,借家の割合は28.4%と低い状況となっています。
【図表3−46】高齢者等のための設備を設置した住宅の割合
[%]
県計
50
45
40
持家
45.6
38.8
借家
47.6
40.7
32.1
35
28.4
30
22.8 24.4
25
20
18.4 19.6
13.9
15
18.6 19.2 16.8
11.9
14.3 15.0
10.8
10
5
道路 から玄関まで
車椅子 で通行可 能
段差のな い屋内
通行 可能な幅
廊 下などが車 椅子
またぎ やすい浴槽の高さ
1か所 以上の手すり設置
又は段 差のない屋内
2か所 以上の手すり設置
0
[総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」]
41
(3)住まいに関する困り事
住まいの困り事について,「建物が古く,台風や地震が怖い」が15.3%で最も多く,次い
で「玄関や廊下,浴室やトイレに手すりがない」(9.9%),「買い物や通院に不便」(9.5%)
などの順となっています。
【図表3−47】住まいの困り事
全体(N=24008)
建物が古く台風や地震が怖い
15.3%
玄関や廊下,浴室やトイレなどに手すりがない
9.9%
買い物や通院に不便
9.5%
家が広すぎる(部屋数が多く掃除が大変など)
7.7%
玄関などに段差があり通りにくい
6.9%
家が狭い(部屋数が足りない 廊下や出入口が狭いなど)
4.2%
日当たり・風通しが悪い,騒音がひどい
3.1%
家賃やローンが高い
1.5%
治安が悪い
0.6%
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(4)高齢者の生活を支援する介護サービス等を提供する住まいの状況
介護サービス等を提供する住まいについて,平成22年度末における本県の「介護保険3施設
(介護老人福祉施設,介護老人保健施設及び介護療養型医療施設」)の定員は,15,994床,認
知症高齢者グループホーム,養護老人ホーム及び有料老人ホーム等の「その他の施設・居住系
サービス」の定員は,11,844床となっています。
また,生活支援や介護サービス等の提供がある高齢者向けの住宅(サービス付きの高齢者専
用賃貸住宅)やシルバーハウジング)は766戸となっています。
介護を必要とする要介護(要支援)認定者(8万8千人)に対し,高齢者の生活を支援する
介護サービス等を提供する住まいの定員は,上記の施設や住宅の合計約2万8千人であり,要
介護(要支援)認定者数の32%となっています。
42
【図表3−48】介護保険施設及びその他の施設・居住系サービス等の定員数
(定員数は平成22年度末現在 開設済の施設等のみ計上)
区
分
介護老人福祉施設 (床)
介護老人保健施設(床)
介護療養型医療施設(床)
認知症高齢者グループホーム(人)
地域密着型介護老人福祉施設(床)
養護老人ホーム(床)
有料老人ホーム(床)
軽費老人ホーム,ケアハウス,生活支援ハウス(床)
サービス付き高齢者住宅(旧高専賃等を含む) (戸)
計
30.5
20.5
4.9
定員数
8,734
5,861
1,399
4,806
107
2,321
3,241
1,369
766
28,604
16.8
8.1
11.3
割合(%)
30.5
20.5
4.9
16.8
0.4
8.1
11.3
4.8
2.7
100.0
4.8
2.7
0.4
0%
20%
40%
介護老人福祉施設
介護療養型医療施設
地域密着型介護老人福祉施設
有料老人ホーム
サービス付き高齢者住宅(旧高専賃を含む)
60%
80%
100%
介護老人保健施設
認知症高齢者グループホーム
養護老人ホーム
軽費老人ホーム,ケアハウス,生活支援ハウス
[県介護福祉課調べ]
8
独居高齢者(介護が必要だが受けていない)の日常生活の状況
(1)世帯状況
一般高齢者のうち独居高齢者は4,916人(20.5%)で,そのうち,434人(8.8%)が「介
護が必要だが,受けていない」となっている。
【図表3−49】一般高齢者の家族構成
(N=24,008)
人数(人)
割合(%)
家族などと同居
17,102
71.2
一 人 暮 ら し
4,916
20.5
そ
の
他
158
0.7
無
回
答
1,832
7.6
24,008
100.0
合
計
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−50】「介護が必要だが受けていない」高齢者の家成構成(N=1,662)
人数(人)
割合(%)
家族などと同居
1,213
73.0
一 人 暮 ら し
434
26.1
15
0.9
1,662
100.0
そ
合
の
他
計
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
43
(2)生活習慣・生活機能
「介護が必要だが受けていない」独居高齢者は,1日3回の食事や5メートル歩行,週1
回の外出や散歩の実施については,年齢階級毎に大きな差はみられないが,椅子から何もつ
かまらずに立ち上がれる者の割合は加齢とともに減少し,74歳∼84歳の5割,85歳以上の7
割は何かにつかまらなければ椅子から立ち上がれない状況である。
また,外出を控える者の割合も加齢と共に増加し,「足腰の痛み」や「交通手段がない」
等を理由とする者が多い。
【図表3−51】「介護が必要だが受けていない」独居高齢者の生活習慣・生活機能
(年齢階級別)
全体(N=434)
5メートル歩行
週1回以上の外出
85歳以上
74歳∼84歳
1日3回の食事
65歳∼74歳
週1回以上の散歩
椅子からの立上り
0
20
40
60
80
100
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−52】「介護が必要だが受けていない」独居高齢者のうち,外出を控えている者
の外出を控える理由(年齢階級別)
全体(N=224)
足腰の痛み
交通手段がない
トイレの心配(失禁など)
耳の障害
目の障害
外での楽しみがない
病気
経済的な問題
脳卒中の後遺症など
その他
85歳以上
74歳∼84歳
65歳∼74歳
0
20
40
60
80
(人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(3)生活支援サービスの利用
「介護が必要だが受けていない」独居高齢者の生活を支えている生活支援サービスのなか
で最も利用者の多い「高齢者サロン」においても利用者は114人(26.3%)にとどまっている。
また,「誰かと一緒に食事をする機会」については,「ほとんどない」者が2割いるなど,
独居高齢者の孤立化を防ぎ地域での生活を継続させる地域の支援の必要性が高まっています。
44
【図表3−53】「介護が必要だが受けていない」独居高齢者の利用しているサービス
(年齢階級別)
全体(N=434)
高齢者サロン
地域見守りネットワーク
65∼74歳
74∼84歳
家事支援ボランティア
85歳以上
民間業者の宅配サービス
緊急情報システム
配食サービス
0
20
40
60
80
(人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−54】「介護が必要だが受けていない」独居高齢者の誰かと一緒に食事をする機会
(単位:%)
無回答, 18
全体(N=434)
毎日ある, 33
ほとんどない,
93
週に何度かあ
る, 67
年に何度かあ
る, 100
月に何度かあ
る, 123
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
9
老老介護の状況
(1)在宅要介護(要支援)者の介護者の状況
65歳以上の在宅要介護(要支援)者の介護者の36.6%が65歳以上の高齢者で,いわゆる老老
介護(要介(要支援)護者,介護者ともに65歳以上)の状態にある。
【図表3−55】65歳以上の在宅要介護(要支援)者の介護者の年齢
人数(人)
割合(%)
65歳未満
6,264
50.7
65∼74歳
1,764
14.3
75∼84歳
1,796
14.5
85歳以上
959
7.8
無 回 答
1,563
12.7
12,346
100.0
合
計
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
45
4,519人(36.6%)
(2)現在利用しているサービスの満足度(介護者が回答)
老老介護の介護者は,現在利用しているサービスについて,「満足している」,「ほぼ満足
している」者が74.0%を占めている一方,「満足していない」,「あまり満足していない」者
が3.2%となっています。
「満足している」,「ほぼ満足していない」理由として,「睡眠がとれるようになった」,「心
身の負担の軽減」等の割合が高く,要介護者(要支援)者全体と同様の傾向となっています。
また,「満足していない」,「あまり満足していない」理由は,「経済的負担が大きくなって
いる」,「要介護(要支援)者本人の心身の状態の維持・軽度化につながっていない」等が高
い割合となっています。
【図表3−56】現在利用しているサービスの満足度(N=2,339)
満足していない,
1.1%
あまり満足していな
い, 2.1%
わからない, 4.4%
無回答, 10.4%
満足
ほぼ満足
どちらとも言えない
満足, 33.2%
どちらとも言えない,
8.1%
あまり満足していない
満足していない
わからない
ほぼ満足, 40.8%
無回答
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−57】現在利用しているサービスに満足している理由(複数回答)(単位:%)
※
老老介護者(※)
介護者全体(※)
睡眠がとれるようになった
88.4
90.1
心身の負担の軽減
87.0
83.6
心の余裕が生まれ,気持ちが明るくなった
47.3
48.3
自由に使える時間が持てるようになった
46.9
43.8
要介護者との関係が良くなった
39.8
39.7
老老介護者:老老介護の介護者で,現在利用しているサービスに「(ほぼ)満足している」,
「どちらともいえない」と回答した者(N=1,919)
介護者全体:在宅要介護(要支援)者の介護者で,現在利用してるサービスに「(ほぼ)
満足している」,「どちらともいえない」と回答した者(N=10,147)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−58】現在利用しているサービスに満足していない理由(複数回答)
※
(単位:%)
老老介護者(※)
介護者全体(※)
経済的負担が大きくなっている
18.6
19.5
要介護者の状態の維持・軽度化につながっていない
16.3
12.9
まだ利用したいサービスがあるが,十分に受けられない
15.2
16.7
回数や時間が希望するものと異なる
14.4
15.8
老老介護者:老老介護の介護者で,現在利用しているサービスに「(あまり)満足していない」,
「どちらともいえない」と回答した者(N=263)
介護者全体:在宅要介護(要支援)者の介護者で,現在利用してるサービスに「(あまり)
満足していない」,「どちらともいえない」と回答した者(N=1,459)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
46
(3)在宅で介護を行う上で,困っていること
老老介護の介護者の現在の困りごとは,「災害避難の支援」(21.2%),「経済的負担」
(17.2%),「緊急な施設への入所」(16.4%)となっているが,将来の不安については,「緊
急な施設への入所」(38.5%),「経済的負担」(31.6%),「災害時避難の支援」(29.0%)と
なっており,現在の困りごとより将来に対する不安を感じている者が多くなっています。
なお,介護者全体についても同様の傾向がみられます。
【図表3−59】老老介護者の現在の困りごとと将来の不安
老老介護者(N=2,339),複数回答
災害時避難の支援
経済的負担
緊急な施設への入所
将来
住まい(段差解消等)
現在
在宅医療の提供体制
情報の入手方法
相談相手がいない
地域の理解・協力
特に不安はない
(人)
0
200
400
600
800
1,000
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−60】介護者の現在の困りごとと将来の不安
要介護(要支援)者全体(N=17,279),複数回答
災害時避難の支援
経済的負担
緊急な施設への入所
将来
住まい(段差解消等)
現在
在宅医療の提供体制
情報の入手方法
相談相手がいない
地域の理解・協力
特に不安はない
0
2,000
4,000
6,000 (人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
47
10
がん患者の状況
(1)日常生活で困っていること
在宅要介護(要支援)者のうち,がんの治療中または後遺症のある者530人の現在の困り
事は,介護・医療・住まいに関することでは,「病気」(48.5%)が最も多く,ついで「身
体機能の低下(握力,脚力,そしゃく力の低下等)」(47.4%),「介護者(家族など)の心
身の負担」(21.1%)が多くなっています。
また,生活支援に関することでは,「災害時の避難の援助」(18.5%)が最も多く,つい
で「緊急時の対応」(14.2%),「食事に関すること(炊事,栄養管理など)」(14.0%),「掃
除や買い物などの家事」(13.4%),「外出に関すること(交通手段,外出の支援体制など)」
(13.2%)となっています。
【図表3−61】日常生活で困っていること(介護・医療・住まいに関すること)
(複数回答)
全体(N=530)
病気
257
身体機能の低下
251
介護者(家族等)の心身の負担
112
認知症になること
101
経済的負担
80
緊急に入院等が必要になること
63
住まい(手すり取付,段差解消等)
32
介護に関する情報の入手方法
14
特に不安はない
67
わからない
31
0
100
300 (人)
200
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−62】日常生活で困っていること(生活支援に関すること)(複数回答)
全体(N=530)
災害時の避難の援助
緊急時の対応
食事に関すること
掃除や買い物などの家事
外出に関すること
生活全般に関する相談への対応
近所づきあい,地域とのつながり
その他
特に不安はない
わからない
98
75
74
71
70
22
22
6
161
60
0
50
100
150
200 (人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
48
(2)今後希望する生活場所
今後希望する生活場所については,ほとんどの者が「現在のまま住み続けたい(改修も含む)」
(72.6%)としています。
【図表3−63】今後希望する生活場所
全体(N=530)
現在のまま住み続けたい
385
現在の住まいを改修して住み続けたい
33
介護老人保険施設
17
有料老人ホーム,軽費老人ホーム
9
子ども,兄弟姉妹,親族宅
6
高齢者対応の住宅やアパート
5
グループホーム
2
その他
23
無回答
50
0
100
200
300
400 (人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(3)これからも住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために必要なこと
「健康状態がよくなるように生活に気をつける」が最も多く(67.0%),ついで「自分や家
族のための相談窓口」
(28.1%)や「緊急時や夜間の在宅医療・介護サービス」
(26.8%),
「介
護している家族が休めるためのショートステイや通所サービス」(25.3%)が多くなってい
ます。
【図表3−64】これからも住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために
必要なこと(複数回答)
全体(N=530)
現在のまま住み続けたい
385
現在の住まいを改修して住み続けたい
33
介護老人保険施設
17
有料老人ホーム,軽費老人ホーム
9
子ども,兄弟姉妹,親族宅
6
高齢者対応の住宅やアパート
5
グループホーム
2
その他
23
無回答
50
0
100
200
300
400 (人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
49
11
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)ハイリスク者の生活状況
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは,主に加齢による運動器の障害のために,
移動能力の低下を来たし,要介護状態になったり要介護状態になる危険の高い状態のことです。
(1)ロコモティブシンドローム(運動器症候群)ハイリスク者の割合
平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査で調査した「在宅要介護(支援)者」
17,279人のうち「筋骨格系の病気(骨粗鬆症,関節症等)」や「外傷(転倒,骨折等)」の病
気の治療中または後遺症のある者(実数)は5,737人(33.2%)で,一般高齢者の15.0%の2
倍以上となっている。
(2)ロコモティブシンドローム(運動器症候群)ハイリスク者の運動機能等
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)ハイリスク者は,要介護(要支援)者と比較
しても「手すり・壁を伝わらずに階段を昇ること」(88.6%)や「15分歩行」(76.5%)(ロ
コチェック項目)等の機能が低下してる者の割合が高く,「転倒に対する不安」のある者の
割合91.9%)も高い。
【図表3−65】ロコモティブシンドローム(運動器症候群)関連の運動機能等の状況
ハイリスク者(N=5,737) 要介護者(N=17,279),一般高齢者(N=24,008)
91.9
転倒に対する不安
88.6
手すり・壁なしの階段昇り
89.7
椅子からの起立
ハイリスク者
要介護者
一般
76.5
15分連続歩行
1年間の転倒の有り
0
20
40
60
80
100
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(3)ロコモティブシンドローム(運動器症候群)ハイリスク者の生活状況等
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)ハイリスク者の買い物や散歩で外出する頻度
は介護者全体とほど同様で,「週1日未満」の者が「買い物」は52.1%,「散歩」は43.8%と
なっています。
【図表3−66】ロコモティブシンドローム(運動器症候群)ハイリスク者の外出頻度
(単位:%)
ハイリスク者※
要介護(要支援)者
一般高齢者
買い物での外出が週1回未満
52.1
49.5
9.7
散歩での外出が週1回未満
43.8
41.1
11.6
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
50
【図表3−67】現在治療中または後遺症のある病気
要介護者(N=17,279),一般高齢者(N=24,008)
高血圧
4,750
筋骨格の病気
3,032
認知症
3,774
脳卒中
目の病気
心臓病
糖尿病
1,576
571
外傷(転倒・骨折等)
要介護者
呼吸器の病気
一般高齢者
胃腸・肝臓・胆のう
腎臓・前立腺
耳の病気
高脂血症
パーキンソン病
がん
うつ病
血液・免疫の病気
その他
ない
0
5,000
10,000
15,000
(人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
<参考>
◆
新・7つの「ロコチェック」(2009)
ひとつでも当てはまれば,ロコモの心配があります。
1
2
3
4
5
6
7
家のなかでつまずいたり滑ったりする
階段を上るのに手すりが必要である
15分くらい続けて歩けない
横断歩道を青信号で渡りきれない
片脚立ちで靴下がはけない
2㎏程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして
持ち帰るのが困難である
家のやや重い仕事(掃除機の使用,布団の上げ下ろしなど)が
困難である
(運動器や介護予防に関する研究の進歩に合わせて,今後変更され
ることがあります)
51
12
脳卒中患者の生活状況
(1)日常生活で困っていること
在宅要介護(要支援)者のうち,脳卒中で治療中または後遺症がある者3,774名の現在の困
り事は,介護・医療・住まいに関することでは,「身体機能の低下(握力,脚力,そしゃく
力の低下等)」(50.1%)が最も多く,ついで「病気」(35.1%),「介護者(家族など)の心
身の負担」(23.0%)が多くなっています。
また,生活支援に関することでは,「災害時の避難の援助」(19.8%)が最も多く,ついで
「緊急時の対応」(13.1%),「外出に関すること(交通手段,外出の支援体制など)」(11.3
%),「食事に関すること(炊事,栄養管理など)」(11.0%),となっています。
【図表3−68】日常生活で困っていること(介護・医療・住まいに関すること)
(複数回答)
全体(N=3774),複数回答
身体機能の低下
1889
病気
1325
介護者(家族等)の心身の負担
868
認知症になること
825
経済的負担
651
特に不安はない
602
緊急に入院等が必要になること
467
住まい(手すり取付,段差解消等)
186
介護に関する情報の入手方法
77
0
500
1,000
1,500
2,000 (人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−69】日常生活で困っていること(生活支援に関すること)(複数回答)
全体(N=3774),複数回答
災害時の避難の援助
748
緊急時の対応
494
外出に関すること
428
食事に関すること
417
掃除や買い物などの家事
370
近所づきあい,地域とのつながり
132
生活全般に関する相談への対応
119
その他
69
特に不安はない
1256
わからない
548
0
500
1,000
1,500 (人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
52
(2)介護保険サービスの利用
①
要介護認定を申請した理由(きっかけ)
脳卒中の治療中または後遺症のある者の要介護認定を申請した理由(きっかけ)は,「医
療機関から勧められた」の割合(52.1%)が最も高く,要介護(要支援)者より15ポイント
高くなっています。
ついで「家族,親族,知人などから勧められた」(44.0%),「健康状態に不安があった」
(32.4%)となっています。
【図表3−70】要介護認定を申請した理由(きっかけ)(複数回答)
要介護(要支援)者(N=17,279) 脳卒中(N=3,774)
52.1
医療機関の勧め
44.0
家族・親族・知人等の勧め
32.4
健康状態の不安
21.6
入浴・排泄の不安
脳卒中
17.3
家族の心身の負担の増加
要介護者
16.4
家事の不安
11.6
家族以外との交流の減少
9.7
住まいの不安
2.6
その他
4.5
わからない
0.0
20.0
40.0
60.0
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
②
介護保険サービスの利用状況
脳卒中の治療中または後遺症のある者の介護保険サービスの利用状況は,「希望するサー
ビスを全て利用」する者の割合(54.6%)が最も高く,要介護(要支援)者より高くなって
います。ついで,「希望するサービスを一部利用している」(30.3%)となっており,要介護
(要支援)者と同様の傾向となっています。
なお,「全く利用していない者」(5.0%)については,要介護度の低い者ほど多くなって
います。
【図表3−71】介護保険サービスの利用状況
要介護(要支援)者(N=17,279) 脳卒中(N=3,774)
54.6
希望するサービス全て利用
30.3
希望するサービスの一部を利用
5.0
全く利用したことがない
3.6
以前利用したが,現在は利用なし
脳卒中
要介護者
6.5
無回答
0.0
20.0
40.0
60.0 (%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
53
③
介護保険サービスを「全く利用したことがない」者
要介護認定を受けていても介護保険サービスを「全く利用したことがない」者の要介護度
は,「脳卒中の治療中または後遺症のある者」,「要介護(要支援)者」のどちらの群におい
ても,「要支援1」,「要支援2」及び「要介護1」の軽度者に多くなっています。
【図表3−72】要介護度別介護保険サービスを全く利用しない者の割合
(脳卒中の治療中または後遺症のある者)
要介護5,
2.1%
不明, 1.1%
要介護4,
5.9% 要介護3,
6.9%
要支援1,
28.7%
要介護2,
10.6%
要介護1,
22.9%
要支援2,
21.8%
「脳卒中の治療中または後遺症のある者」で介護保険サービスを全く
利用していない者 (N=188)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
【図表3−73】要介護度別介護保険サービスを全く利用しない者の割合
(要介護(要支援)者)
要介護4,
2.5%
要介護3,
4.3%
要介護5,
1.4%
不明, 0.7%
要介護2,
9.5%
要支援1,
36.5%
要介護1,
20.1%
要支援2,
25.0%
「東介護(要支援)者」で介護保険サービスを
全く利用していない者(N=1,221)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
要介護認定を受けていても介護保険サービスを「全く利用したことがない」理由は,「脳
卒中の治療中または後遺症のある者」,「要介護(要支援)者」のどちらの群においても,「今
のところサービスを利用しなくても生活できる」とする者の割合が最も高く,5割を超
えています。
また,どちらの群も介護度の低い者ほど,「今のところサービスを利用しなくても生活で
きる」とする者の割合が最も高くなっています。
54
13
介護老人保険施設(特養)等入所希望者(待機者)
平成25年度高齢者実態調査・日常生活圏域ニーズ調査において,「今後希望する生活場所」
として,「特別介護老人ホーム」,「グループホーム」,「有料老人ホーム」,「高齢者対応住宅」
に入所(入居)したいと回答した者1,259名の生活状況等は以下のとおりです。
(1)要介護度別
入所希望者の要介護度は,「要介護1」(17.7%)が最も多く,次いで「要介護2」(17.2
%)と比較的介護度の低い者が多くなっています。
【図表3−74】要介護(要支援)度別入所希望者
入所希望者(N=1,259)
要介護5
要介護4
14
26
29
58
要介護3
43
要介護2
160
57
要介護1
27
要支援1
女性
164
59
要支援2
男性
112
129
113
36
無回答
159
70
0
50
100
150
200
250
(人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(2)要介護認定を申請した理由(きっかけ)
入所希望者の要介護認定を申請した理由(きっかけ)は,「家族・親族・知人等の勧め」
(48.8%)が最も多く,ついで「健康状態に不安があった」(40.1%),「医療機関から勧め
られた」(39.6%)となっています。
要介護(要支援)者と比較すると,「健康状態に不安があった」,「入浴や排泄に不安があ
った」(27.9%),「家族の心身の負担が増えていた」(25.7%)等,ほとんどの項目で割合が
高くなっています。
【図表3−75】要介護認定を申請した理由(きっかけ)
要介護(要支援)者(N=17,279) 入所希望者(N=1,259)
48.8
家族・親族・知人等の勧め
39.6
医療機関の勧め
40.1
健康状態の不安
27.9
入浴・排泄の不安
入所希望者
要介護者
25.7
家族の心身の負担の増加
26.5
家事の不安
15.9
家族以外との交流の減少
10.6
住まいの不安
その他
2.8
わからない
3.0
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
55
(3)入所希望者の「認知症高齢者の日常生活自立度」
入所希望者の認知機能障害の判定基準の一つである「認知症高齢者の日常生活自立度」は,
現在,見守り以上の支援の必要な「ランクⅡ以上」は,男性が68.9%,女性は64.6%となっ
ています。
初回の要介護認定申請時は,「ランクⅡ以上」は男性44.5%,女性42.1%で,初回申請以
降,認知機能障害が進んでいる者が多くなっています。
【図表3−76】要介護認定を申請した理由(きっかけ)
入所希望者のうち,認知症高齢者の日常生活自立度の判明している者
(N=1,063)
188
36
49
初回
53
男性
現在
105
Ⅱ以上
78
Ⅰ
自立
510
現在
女性
142
138
291
初回
167
234
0
100
200
300
400
500
600
(人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(4)入所希望者の現在の困り事
①
介護・医療・住まいに関すること
入所希望者の介護・医療・住まいに関する現在の困り事の割合は,「身体機能の低下(握
力や脚力の低下,咀しゃく力の低下等)」(49.7%)が最も多く,次いで「病気」(35.3%),
「介護者(家族など)の心身の負担」(26.9%)となっています。
要介護者全体と比較すると,いずれの困り事の項目も約5ポイント高く,特に「介護者(家
族など)の心身の負担」(要介護者は17.6%)は,9ポイント以上高くなっています。
【図表3−77】現在の困り事(介護・医療・住まいに関すること)
入所希望者(N=1,259),複数回答
身体機能の低下
626
病気
445
認知症になること
392
介護者(家族等)の心身の負担
339
経済的負担
285
緊急に入院等が必要になること
226
住まい(手すり取付,段差解消等)
83
介護に関する情報の入手方法
40
0
200
400
600
800 (人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
56
②
生活支援に関すること
入所希望者の生活支援に関する現在の困り事の割合は,「災害時の避難の際の援助」
(20.0%)が最も高く,次いで「掃除や洗濯,買い物などの家事」(17.3%),「緊急時の対
応(連絡など)」(16.7%)となっています。
要介護者全体と比較すると,いずれの困り事の項目もポイントが高く,特に「掃除や洗濯,
買い物などの家事」(17.3%),「外出に関すること(交通手段,外出の支援体制など)」
(16.0%),「食事に関すること(炊事,栄養管理など)」(15.9%)の毎日の生活に特に欠
かせない生活支援サービスについては5ポイント以上高くなっています。
【図表3−78】現在の困り事(生活支援に関すること)
入所希望者(N=1,259),複数回答
災害時の避難の援助
252
緊急時の対応
210
外出に関すること
202
食事に関すること
200
218
掃除や買い物などの家事
近所づきあい,地域とのつながり
生活全般に関する相談への対応
73
80
その他
36
特に不安はない
290
わからない
216
0
100
200
300 (人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(5)入所希望者の介護者
①
介護者に代わって介護や支援をしてくれる人
入所希望者の介護者が数日間介護ができなくなった時に介護者に代わって介護や支援をし
てくれる人については,要介護者全体に比較すると,「配偶者や子ども,兄弟姉妹や親戚」
(31.8%)や「近所の住民」(1.2%)のインフォーマルなサービスの割合が少なくなって
います。
【図表3−79】介護者に代わって介護や支援をしてくれる人
要介護者(N=17,279) 入所希望者(N=1,259)
31.8
配偶者や子ども,兄弟姉妹や親戚
27.6
ショートステイ
入所希望者
12.9
通所サービスの回数を増やす
要介護者
5.9
在宅サービスの回数を増やす
1.2
近所の住民
12.2
かわってくれる人はいない
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
②
介護者が在宅で介護を行う上で困っていること
介護者が在宅で介護を行う上で現在困っていることは,「経済的負担」(17.5%),「緊急
な施設・病院への入所が必要となること」(15.7%)の順であり,将来に不安なことも「経
済的負担」,「緊急な施設・病院への入所が必要となること」が高率であるが,いずれも現
在より約10ポイント高くなっています。
57
【図表3−80】介護者が在宅で介護を行う上で困っていること,将来の不安
入所希望者(N=1,259)
経済的負担
324
220
緊急な施設への入所
329
198
災害時避難の支援
163
198
59
69
住まい(段差解消等)
相談相手がいない
48
54
在宅医療の提供体制
52
地域の理解・協力
53
44
将来
現在
95
44
42
情報の入手方法
94
特に不安はない
0
155
100
200
300
400
(人)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
14
市町村規模別の状況
地域で行われている近隣同士の挨拶や町内会・自治会の活動については,市町村規模による
差はありませんが,独居高齢者等の要得隠語者への安否の確認や見守り活動は,5万人以下の
市町村では50%以上の者が「十分・どちらからと言えばできている」としています。
【図表3−81】
地域で行われていること
(N=24,008)
近隣同士でよく挨拶や立ち話をしている
地域の回覧板・掲示板などがよく活用されている
町内会・自治会・子ども会などの地縁団体の活動が活発に行
われている
公民館や集会所など気軽に集まれる場所があり,よく利用され
ている
困った時は近隣同士で助けあっている
1万人以下の市町村
1万人∼5万人の市町
5万人以上の市
学校等が実施している行事等に住民が積極的に参加している
鹿児島市
行政が主催するイベントに住民が積極的に参加している
ボランティアやNPOの活動が活発に行われている
講や結(ゆい)など伝統的なつながりが残っている
行われていることはない(よく知らない )
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
58
【図表3−82】
独居高齢者や認知症高齢者の世帯への安保確認や見守り活動の状況
(N=24,008)
十分に行われていると思う
どちらかといえば行われていると思う
鹿児島市
どちらかといえば不十分だと思う
5万人以上の市
ほとんど行われていないと思う
1万人∼5万人
1万人以下の市町村
わからない
無回答
0.0
20.0
40.0
60.0
(%)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
15 要介護(要支援)認定者の状況
(1)要介護(要支援)認定者の概要
高齢者人口の増加に伴い,要介護(要支援)認定を受けている高齢者(要介護認定者)は年
々増加傾向にあり,平成26年10月末現在で97,883人となっています。
65歳以上に占める割合(認定率)は20.6%で,全国平均の17.9%と比べて高く,制度開始
時の平成12年度末と比較すると,約1.6倍(35,258人増)となっています。
要介護度別にみると,全国データに比べ要支援2,要介護1及び要介護5の割合が高くなって
います。
さらに,認定率を経年でみると,平成15年度末以降は横ばい状態にあったものの,平成20
年度末以降から再び上昇傾向にあります。また,年齢階層区分別の認定率をみると,80歳以
上から認定率が急上昇しています。
【図表3−83】要介護(要支援)認定者の状況
(単位:人)
第1号被
区分
第1号被
要支援
要支援
要介護
要介護
要介護
要介護
要介護
保険者数
1
2
1
2
3
4
5
476,084
全国 32,631,859
(B)
13,599
13,784
19,304
14,795
12,449
12,467
11,485
97,883
13.9%
14.1%
19.7%
15.1%
12.7%
12.7%
11.7%
100.0%
764,685 707,021 593,941
5,858,018
839,667 807,449
14.3%
(注1)
13.8%
1,123,998 1,021,257
19.2%
17.4%
13.1%
12.1%
保険者に
占める割
(A)
本県
合計
10.1%
100.0%
合(B/A)
20.6%
17.9%
介護保険事業状況報告(平成26年10月分)による。
(注2) 要介護(要支援)認定者数は第1号被保険者のみ。
[県介護福祉課調べ]
59
【図表3−84】要介護度別認定率
25.0%
19.7% 19.2%
20.0%
15.0%
17.4%
13.9% 14.3%
15.1%
14.1% 13.8%
12.7% 13.1%
本県
12.7% 12.1%
11.7%
10.1%
10.0%
全国
5.0%
0.0%
要支援1
要支援2
要介護1
要介護2
要介護3
要介護4
要介護5
[県介護福祉課調べ(平成26年10月分介護保険事業状況報告)]
【図表3−85】要介護(要支援)認定者数・認定率の推移
(人)
120,000
25.0%
19.8%
100,000
17.9%
18.7%
18.5%
18.5%
18.1%
18.1%
18.5%
20.3%
20.6%
20.6%
20.6%
18.9%
20.0%
16.5%
80,000
15.3%
15.0%
60,000
10.0%
40,000
5.0%
20,000
62,625
68,568
76,131
80,003
79,993
81,040
80,291
80,925
83,029
85,315
88,398
91,376
94,866
94,845
97,883
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26.10
0.0%
0
認定者数
認定率
[県介護福祉課調べ(各年度3月分介護保険事業状況報告,平成26年については10月分)]
60
【図表3−86】年齢階層区分別認定率の状況
84.8%
120,000
90.0%
80.0%
72.1%
100,000
70.0%
80,000
60.0%
50.7%
50.0%
60,000
40.0%
29.2%
40,000
30.0%
13.5%
20,000
0
2.8%
20.0%
6.1%
10.0%
65∼69
70∼74
75∼79
80∼84
85∼89
90∼94
95歳以上
高齢者数
106,552
96,802
94,382
82,634
54,081
23,859
8,127
認定者数
2,958
5,864
12,760
24,152
27,427
17,198
6,889
高齢者数に
占める認定者の割合
2.8%
6.1%
13.5%
29.2%
50.7%
72.1%
84.8%
0.0%
(注1)高齢者数:平成25年度国勢調査「市町村別年齢別人口」(平成25年10月1日時点)
(注2)認定者数:鹿児島県国民健康保険団体連合会「介護保険事業に関する受給者の状況等
(平成25年10月審査分)」
[県介護福祉課調べ]
【図表3−87】圏域別要介護(要支援)認定率の推移
25
20.6
認定率(
%)
20
21.5
17.2
15.3
21.9
20.3
20.2
21.4
21.4
19.5
18.4
16.5
15.3
14.7
14.6
15
13.2
20.6
18.5
12.9
11.6
10
5
0
鹿児島
南薩
川薩
出水
姶良・伊佐
平成13年3月末
曽於
肝属
熊毛
奄美
県計
平成26年10月末
[県介護福祉課調べ(平成13年3月分,平成26年10月分介護保険事業状況報告)]
(2)今期計画期間における要介護(要支援)認定者及び要介護度別の推計
高齢者の増加,とりわけ75歳以上人口の大幅な増加に伴い,要介護(要支援)認定者は一
層増加すると見込まれ,平成29年度には約10万6千人となり,平成12年度比の約1.7倍に増加
し,第1号被保険者に占める割合(認定率)も22.8%になる見込みです。
61
【図表3−88】要介護(要支援)認定者及び要介護度別の推計(平成27年1月20日現在)
(単位:人)
区 分
平成27年度 平成28年度 平成29年度 平成32年度 平成37年度
第1号被保険者
482,554
489,786
496,805
511,573
514,609
要介護(要支援)認定者計
100,238
102,865
105,941
113,005
117,183
第1号被保険者に占める割合
20.8%
21.0%
21.3%
22.1%
22.8%
要支援1
13,817
14,109
14,255
14,766
15,403
要支援2
14,097
14,577
14,953
16,111
16,827
介
要介護1
20,041
20,794
21,707
23,517
24,429
護
要介護2
15,045
15,339
15,806
16,870
17,512
度
要介護3
12,766
13,139
13,654
14,456
15,105
別
要介護4
12,991
13,414
13,989
15,073
15,452
要介護5
11,481
11,493
11,577
12,212
12,455
(注)各市町村の介護保険事業計画の推計値(第1号被保険者のみ)を集計
[県介護福祉課調べ]
(3)要介護度別サービス利用の状況
要介護度別にサービス利用の状況をみると,要介護4及び5を合わせた割合は,居宅サー
ビスで13.2%,地域密着型サービスで32.4%,施設サービスで68.5%となっています。
【図表3−89】要介護度別サービス利用人数・割合
要支援 要支援 要介護 要介護 要介護 要介護 要介護
計
1
2
1
2
3
4
5
居宅サービ 人数
8,390 10,138 13,805 10,432
6,787
4,635
2,919
57,106
ス
割合
14.7%
17.8%
24.2%
18.3%
11.9%
8.1%
5.1%
100.0%
地域密着型 人数
129
168
1,887
2,086
2,441
2,016
1,201
9,928
サービス
割合
1.3%
1.7%
19.0%
21.0%
24.6%
20.3%
12.1%
100.0%
施設サービ 人数
0
0
773
1,420
2,989
5,234
6,039
16,455
ス
割合
0.0%
0.0%
4.7%
8.6%
18.2%
31.8%
36.7%
100.0%
[県介護福祉課調べ(鹿児島県国民健康保険団体連合会「介護保険事業に関する受給者
の状況等(平成26年12月審査分))]
(4)要介護(要支援)認定の申請理由
申請理由については「家族,親族,知人などからすすめられた」が48.0%と最も多く,次
いで「医療機関からすすめられた」が37.3%,「健康状態に不安があった」が30.9%となっ
ています。
62
【図表3−90】要介護(要支援)認定の申請理由(複数回答)
50.0
(単位:%)
48.0
37.3
40.0
30.9
30.0
17.7
20.0
17.6
14.7
11.9
7.0
10.0
3.1
その他
わからない
住まいに不安があった
家族以外の人との
交流が少なくなっていた
家族の心身の負担
が増えていた
入浴や排せつに不安が
あった
調理、掃除など家事に不
安があった
健康状態に不安があった
医療機関からすすめら
れた
家族、親族、知人など
からすすめられた
0.0
5.2
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(5)要介護状態になった理由(主な原因疾患)
要介護認定者が要介護(要支援)状態になった主な原因疾患は,脳卒中(脳出血,脳梗塞,
くも膜下出血)が最も多くなっています。
男女別にみても男女を問わず脳卒中が最も多く,特に男性は全体の40.0%となっています。
また,要介護度別にみると,重度者は脳卒中が多く,軽度者は骨折・転倒,関節疾患など,
生活機能の低下に起因するものが主な原因疾患となっています。
【図表3−91】要介護(要支援)状態になった理由(主な原因疾患)
要介護(要支援)が必要になった理由
(%)
38.7
40.0
30.0
28.4
24.7
18.8
18.5
20.0
13.3
10.0
0.0
本県合計
認知症
全国合計
脳卒中
本県男性
高齢による衰弱
全国男性
骨折・転倒
関節疾患等
[県:平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査
63
本県女性
心臓病
全国女性
※ 本県:複数回答
国:平成25年度国民生活基礎調査]
(6)要介護(要支援)認定者の世帯の状況
①
世帯状況
在宅の要介護認定者の世帯状況は,「家族と同居」が58%,「高齢独居」が32%となって
おり,「家族と同居」と答えた方のうち,「夫婦のみ世帯」が31%,「同居世帯(配偶者及び
ほかの家族)」が18%,「同居世帯(配偶者以外の家族)」が41%となっています。
【図表3−92】在宅の要介護(要支援)認定者の世帯状況
その他
10%
高齢独居
32%
夫婦の
み世帯
31%
同居世
帯(配
偶者以
外の家
族)
41%
同居世
帯(配
偶者及
び他の
家族)
18%
家族と同居
58%
施設等入居
10%
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
②
介護者の状況
主な介護者の状況については,「配偶者(夫・妻)」が23.7%と最も多く,次いで「娘」
(18.4%),「息子」(14.0 %)となっており,「介護サービスのヘルパー」は16.8%となっ
ています。
また,男女別では女性が69.6%,男性が30.4%で女性が全体の約7割を占めています。
【図表3−93】主に誰の介護を受けているか(介護を受けている方のみ)
23.7
0%
18.4
20%
14.0
40%
16.8
60%
80%
配偶者(夫・妻)
娘
息子
子の配偶者
兄弟・姉妹
孫
介護サービスのヘルパー
その他
無回答
100%
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
64
【図表3−94】男女別介護者の内訳
100%
80%
60%
70.2
67.3
70.9
68.7
69.6
女性
40%
20%
男性
29.8
29.1
32.7
30.4
31.3
16年度
19年度
22年度
25年度
25年度(全国)
0%
(注)全国の状況は,要介護者と同居している介護者のみの状況である。
[県:高齢者実態調査(平成16年度,19年度,22年度)平成25年度:高齢者等実態調査・日常
生活圏域ニーズ調査
全国:平成25年度国民生活基礎調査]
【図表3−95】年齢別介護者の内訳
25年度
58.7
22年度
59.6
19年度
16.4
17.8
55.3
0%
20%
65歳未満
16.2
22.6
20.0
40%
60%
65∼74歳
75∼84歳
8.7
24.7
80%
100%
85歳以上
(注)19年度,22年度調査では「75歳以上」となっており,85歳以上も含んで集計している。
[高齢者実態調査(平成19年度,22年度),高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査(平成25年
度)]
介護を行うようになってからの体調や生活状況の変化については,「人間の尊厳や老後
について考えるようになった」(26.0%),「健康・体力づくりを心がけるようになった」
(19.4%)というプラスの反応がある反面,
「精神的・身体的負担が大きくなった」
(27.1%),
「自由に行動できなくなった」(22.9%)などマイナスの影響も示されています。
65
【図表3−96】介護者の体調・生活状況の変化(複数回答)
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(7)現在困っていること
①
a
要介護(要支援)者本人
介護・医療・住まいの困り事
「現在の困り事」では,回答割合の多い順に,
「身体機能の低下」,
「認知症になること」,
「病気になること」,「介護者(家族など)の心身の負担」となっています。
【図表3−97】在宅要介護(要支援)者本人の現在の困り事(介護・医療・住まい)
(複数回答)
0.0
(%)
20.0
40.0
身体機能の低下
60.0
44.2
認知症になること
21.4
病気
20.9
介護者の心身の負担
17.6
経済的負担
14.1
緊急的な施設・病院への入所
10.6
住まい(手すりの取付、段差解消など)
4.7
介護に関する情報の入手方法がわからない
2.1
特に不安はない
17.4
わからない
8.3
[成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
b 生活支援に関する困りごと
困りごととしては,「災害時の避難の際の援助」(16.8%),「緊急時の対応(連絡など)」
(12.0%),「外出に関すること」(11.9%),などの順となっています。
また,「特に不安はない」は32.8%となっています。
66
【図表3−98】在宅要介護(要支援)者本人の現在の困りごと(生活支援)(複数回答)
0.0
(%)
5.0
10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0
災害時の避難の際の援助
16.8
緊急時の対応(連絡など)
12.0
外出に関すること
11.9
掃除や洗濯、買い物などの家事
11.8
食事に関すること
11.5
近所付き合い,地域とのつながり
生活全般に関する相談
その他
4.0
3.1
1.7
特に不安はない
32.8
わからない
13.4
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
(8)今後の生活や介護について
在宅要介護(要支援)者本人は,約8割%が在宅での生活(現在の住まい)を希望しており,
介護者も約半数%が在宅での介護を希望しています。
【図表3−99】在宅要介護(要支援)者本人の今後の生活場所についての意向
0.5%
現在のまま住み続けたい
2.7%
0.9%
現在の住まいを改修し住み続
けたい
介護保険施設に入所したい
12.6%
1.2%
4.3%
1.3%
有料老人ホーム等へ入居した
い
グループホームへ入居したい
4.5%
72.0%
子どもや親族のところへ転居し
たい
高齢者対応の住宅へ転居した
い
その他
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
67
【図表3−100】在宅介護者の今後の介護についての意向
介護保険サー
ビス等も利用
しながら在宅
で介護,
34.0%
無回答, 36.5%
家族中心の在宅で介護
施設へ入所させたい
12.7%
2.8%
介護保険サービス等も
利用しながら在宅で介
護
9.7%
地域の助けや介護サー
ビス等を利用した在宅
での介護
その他
4.4%
無回答
[平成25年度高齢者等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査]
68
第3章
第1節
計画の基本的な方向
基本理念
この計画の基本理念は、
『心豊かで活力ある長寿社会を目指して』
∼高齢者ができる限り住み慣れた地域で社会参画※しながらかつ尊厳を持って安心して暮ら
していける長寿社会の実現∼
とします。
高齢者を取り巻く環境変化と時代潮流,現状と将来推計,本県の地理的特性及び市町村高齢者
等実態調査・日常生活圏域ニーズ調査等の結果を踏まえ,本県の目指す将来像として,健康で長
生きし,自己の役割を認識・発揮することにより,主体的な活動が活発になり,みのりの多い人
生を送れる「高齢者像」と,できる限り住み慣れた地域で,元気で長生きし,役割を持って社会
に積極的に参加し,互いに認め合い,心豊かに暮らし,互いに助け合い,共に支え合う「高齢社
会像」を設定しました。
このような「高齢者像」と「高齢社会像」を念頭に置いて,高齢者ができる限り住み慣れた地
域で社会参画しながらかつ尊厳をもって安心して暮らせる長寿社会の実現を目指します。
※
基本理念の「社会参画」については,社会参加活動への単なる参加ではなく,生きがいや
役割を持って社会活動に積極的に参加してもらうことにより,自分らしく,また,社会に役
立っていることを認識してもらうために使用しています。
第2節
政策目標
県計画の基本理念を実現するため,次の3点を基本的な政策目標とします。
■
生きいきと暮らせる長寿社会づくり
高齢者が生きがいを持って,すこやかで心豊かに暮らせる地域社会の実現
■
安心して暮らせる長寿社会づくり
いつでも,どこでも,だれでも保健・医療・福祉の総合的なサービスを受けられる地域
社会の実現
■
支え合って暮らせる長寿社会づくり
互いに認め合い,助け合い,共に生きる地域社会の実現
第3節
施策の展開
■重点目標
この計画においては,前計画「鹿児島すこやか長寿プラン2012」に引き続き次の二つを重点
目標とし,各種施策の有機的な連携を図りながら政策目標の達成に取り組みます。
69
● 健康づくりと社会参加の促進
● 地域で高齢者を支える仕組みづくり
■主要施策
基本的な政策目標や重点目標を達成するため,次のような施策を展開します。
1
健康づくりと社会参加の推進
高齢者が,生活習慣病等を原因とした要医療・要介護状態に陥ることを予防することや,
健康寿命の延伸及び生活の質の向上を図るためには,若い世代からの取組が重要であること
から,生涯を通じた主体的な健康づくりや疾病予防の取組の施策を推進します。その豊富な
知識や経験・技能を生かし,「共生・協働の地域社会づくり」の担い手の中心として,社会
参加することや,就労,生きがいづくりなどに取り組めるような環境の整備を図るための施
策を推進します。
2
地域包括ケアシステム構築の推進
「重度な要介護状態となっても,住み慣れた地域で,自分らしい暮らしを,人生の最後ま
で続けることができる」ために,日常生活の場(日常生活圏域)において,医療・介護・予
防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムが,各地域の実情に応じ
たかたちで構築されることを目指します。
3
認知症施策の推進と高齢者の尊厳の確保
認知症の予防,早期診断・早期対応のシステムを構築するとともに,認知症高齢者が尊厳
を保ち穏やかな生活を送り,また,その家族も安心して社会生活を営むことができるように
するための施策を推進します。
4
高齢者医療の適切な推進
高齢者にとって安心できる医療の給付など,医療保険制度の安定的な運営を図るとともに,
県民の健康の保持や医療の効率的な提供を推進し,増大する高齢者医療費が適切なものとな
るような施策を推進します。
5
介護給付等対象サービス基盤の充実
介護保険財政の安定的な運営や公平・公正な要介護認定の確保により,持続可能な介護保
険制度の構築に努めるとともに,介護サービスの質の確保・向上や多様な介護サービスの提
供ができるようにするための施策を推進します。
6
高齢者の快適で安全な生活の確保
高齢者が,できる限り住み慣れた地域や家庭で,快適で安全な生活を送れるようにするた
めの施策を推進します。
7
人材の育成・確保
高齢者が,質の高い保健・医療・福祉に関するサービスを適時,的確に受けられるように
するため,これらのサービスに従事する人材の育成・確保を図るための施策を推進します。
8
計画の推進
計画を効果的に推進していくための方策を定め,適切な進行管理を行います。
70
県高齢者保健福祉計画第6期計画 (案)
2025年の推計データ
基本理念
■県人口
1,522千人 (H25比 △9.4%)
■高齢者人口
523千人 (H25比 12.2%)
■高齢化率
34.4%
(H25 : 27.8%)
■高齢世帯数,高齢世帯割合
高齢単身世帯数 120千世帯,18.4%
高齢夫婦世帯数 107千世帯,15.6%
■要支援/介護認定者数
119千人 (H26.10時点)
本県の保健
福祉の現状
■高齢化率が高い
(H25:全国18位)
■一般世帯に占める高齢
単身・夫婦世帯率とも
に高い
(H22:単身:全国1位)
(H22夫婦:全国3位)
■1人当たりの
後期高齢者医療費が
高い (H23:全国8位)
本県の目指す
高齢者像
健康で長生き
し,
本県の特性
■温暖な気候
■豊かな自然
■固有の伝統文化
■ゆったりとした
環境
■長寿地域である
奄美地域の存在
■地理的条件や自然
条件の厳しい離島
地域の存在
自己の役割を
認識・発揮す
ることにより,
主体的な活動
が活発になり,
心豊かで
みのりの多い
人生を送れる
活力ある
長寿社会
高齢者を取り巻く環境変化と
時代潮流
を目指して
■本格的な高齢社会の到来
(団塊の世代→高齢者世代へ突入)
■高齢単身・夫婦世帯の増加
■認知症高齢者の増加
■高齢者の社会参加活動の増加
■高齢者の価値観の多様化,生活様式の変化
■女性の社会進出と共働きの増加
■少子化の進行
■介護保険制度の改正
本県の目指す
高齢社会像
住み慣れた地域で
(分権型,
定住型社会)
∼高齢者が
できる限り
住み慣れた地域で
社会参画しながら
かつ尊厳を持って
安心して
暮らしていける
高齢者実態調査等の結果
元気で長生きし,
(自助,予防)
■一般高齢者調査
・一人暮らしの者の割合(20.5%)
・ボランティア活動への参加の頻度(週1回以上)(6.4%)
・今後,希望する生活場所が自宅(83.8%)
・最期を迎えたい場所が自宅(56.8%)
社会に参加し,
役割を持ち,
(貢献,自己実現)
■在宅要介護(要支援)者
・介護・介助が必要になった主な原因
認知症(28.5%)
脳卒中(24.7%)
・今後も同じ場所(自宅)に住み続けたい(76.5%)
●介護者
・主な介護者 配偶者(23.7%)
娘(18.4%)
65歳以上(36.2%)
・困り事
災害時の避難の際の援助(12.1%)
経済的負担(11.9%)
互いに認め合い,
心豊かに暮らし,
(尊厳,安心)
互いに助け合い,
共に支え合う
(互助,共助,協働)
■若年者
・介護予防のために特に取り組んでいない(31.9%)
71
長寿社会の実現∼
(平成27∼29年度)の構成(案)
政策目標
施策の展開
重点目標
施策の内容
圏域編
①健康づくりの推進
②各種健診等の推進
1 健康づくりと
社会参加の推進
鹿児島
③生きがいづくり・社会参加活動の推
進
④就業・就労対策の推進
生きいきと
暮らせる
南薩
長寿社会づくり
①地域包括ケアシステムの構築へ向け
た取組の支援
1 健康
づくりと
社会参加
2 地域包括ケアシス
テム構築の推進
②在宅医療・介護連携の推進
③日常生活を支援する体制の整備
④介護予防の推進
の推進
川薩
⑤高齢者に適した住環境の形成促進
①本県における認知症の現状
3 認知症施策の推進
と高齢者の尊厳の
確保
安心して
②認知症予防の推進
出水
③早期診断・早期対応の推進
④認知症の人と家族への支援の充実
⑤高齢者の権利擁護
暮らせる
姶良・伊佐
長寿社会づくり
①後期高齢者医療制度の円滑な運用
4 高齢者医療の
適切な推進
②「鹿児島県医療費適正化計画」の推
進
①多様な介護サービスの提供と質の確
保・向上
5
介護給付等対象
サービス基盤の
充実
②介護サービスの種類とサービス量の
見込み
③介護給付等に要する費用の適正化の
推進
2 地域で
高齢者を
支える
曽於
6 高齢者の快適で
安全な生活の確保
①高齢者の住みよいまちづくり
肝属
②高齢者の安全な暮らしづくり
仕組み
支え合って
暮らせる
①人材の養成研修の推進
づくり
7 人材の育成・確保
②介護従事者の就労環境等の整備促進
熊毛
③県福祉人材・研修センターの充実等
長寿社会づくり
④NPO等多様な主体の活動の推進等
①関係機関・団体等との連携
8 計画の推進
②推進体制の充実
③進行管理(評価システム)
72
奄美