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2015年
3次元物体をどんな方向から撮影しても高精度に認識・検索し、関連情報を提示する「アングルフリー物体検索技術」を開発
2015年2月16日
1997
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年
04
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月~
2015
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02
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3次元物体をどんな方向から撮影しても高精度に認識・検索し、
関連情報を提示する「アングルフリー物体検索技術」を開発
~スマホなどを看板や建物にかざすだけで、観光ナビゲーションサービスを実現~
日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦 博夫、以下「NTT」)は、3次元の物体をどのような方向
から撮影しても、高精度に立物体を認識・検索し、関連情報を提示する「アングルフリー物体検索技術」を開発しました。
本技術を活用すれば、スマートフォンやウェアラブルカメラを通
じて、周囲の建物・史跡や店舗、商品などを高精度に認識し、
観光コンテンツや店舗・商品情報などを提示します。情報コン
テンツの多言語対応を図ることで、2020年に向けては、日本や
見知らぬ街を訪れる世界中の人々の観光を支援する「会場案
内」「ルート案内」「観光案内」などの観光ナビゲーションサービ
スの提供も可能となります。
また、技術の活用用途としては他に、商品にカメラをかざすと
価格や口コミ、在庫などを閲覧できる「商品検索」や、指定ス
ポットでカメラをかざすだけでスタンプをゲットできる「デジタル
スタンプラリー」、展示物にカメラをかざすと解説コンテンツを
提示する「作品解説」、機器にカメラを向けると説明書が見える
「電子マニュアル」などの展開も可能です。(図1 )
図1 「アングルフリー物体検索技術」の利用イメージ
画像をクリックすると拡大されたものをご覧になれます。
開発概要
2020年に向けては、増加する訪日外国人向けの観光案内や屋内外の交通案内、スポーツイベントなどでの会場案内な
ど、一人ひとりの属性や置かれた状況に応じたスマートなナビゲーションサービスが求められています。その実現には、
人と同じように、自由な位置や方向からシーンを捉えても、そこに含まれる3次元物体を検索できる技術の確立が不可欠
です。
しかし、本やCD、印刷物などの平面物に比べて、立体物は撮影方向によって画像上の見え方が大きく変わるために、異な
るカメラアングルで撮影すると検索精度が低くなるという課題があります。また、検索精度を保つために1つの物体に対し
て100枚程度の画像を予めデータベースとして登録する必要があり、そのコストの負担が大きいという課題などあり、3次
元物体の認識を活用したサービスの普及の障壁となっていました。
ポイント:コスト10分の1に
NTTが今回開発した「アングルフリー物体検索技術」で
は、画像特徴の重要度をその出現頻度に基づき統計的に
推定する方法を用いることで、物体などの検索精度を大
幅に向上させたほか、入力画像と参照画像の間の対応関
係を正確に特定することにより、参照画像として事前に
データベースに用意する画像の数を従来の1/10程度まで
大幅に削減することを可能としました。これにより、様々な
カメラアングルで撮影された画像からでも、そこに写り込
んだ3次元の物体を検索することを可能とします。(図
2 )
図2 「アングルフリー物体検索技術」の特徴
画像をクリックすると拡大されたものをご覧になれま
す。
今後の展開
NTTは今後、本技術の実用化を進め、2020年までには、様々なパートナーとのコラボレーションを通じ、見知らぬ街を訪れ
る世界中の人々の移動や観光を支援するナビゲーションサービスを提供できるように取り組んでまいります。
なお、本技術を用いた観光ナビゲーション、移動支援サービスへの応用例について、2015年2月19日~20日に開催する
NTT R&Dフォーラム2015においても、紹介いたします。
「NTT R&Dフォーラム2015」サイト http://labevent.ecl.ntt.co.jp/forum2015/info/
(参考)
本技術は、国土交通省が行った「東京駅周辺高精度測位社会プロジェクト実証実験」で「画像認識による屋内測位」のた
めの技術としても利用されました。
http://www.ntt.co.jp/news2015/1501/150115a.html
「アングルフリー物体検索技術」の概要について
「アングルフリー物体検索技術」
は、NTTが従来から培ってきた音・映
像の高速探索技術であるロバストメ
ディア探索(RMS)や物体識別技術を
進化させた、「ロバストオブジェクト探
索技術(RMS-object)」を元に実現し
ました。本技術のポイントは次のとお
りです(図3 )。
図3 技術のポイント
図3 技術のポイント
画像をクリックすると拡大されたもの
をご覧になれます。
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<ポイント1> 物体の回転・拡大縮小をシミュレートした対応付け
射影幾何学から導かれる同一立体物上での拘束条件を用いた独自の対応付け処理により、入力画像と参照画像の間で
画像特徴の対応関係を正確に特定することに成功しました。この技術により、ユーザが正面を意識せずに参照画像と異
なる方向で撮影した入力画像からでも、そこに写り込んだ3次元の物体を検索することができます。また、サービス事業者
の立場では少数の方向からの画像を登録しておくだけで良いため、事前に用意する画像数を従来の1/10程度まで大幅に
削減することができます。
<ポイント2> 画像特徴の重要度推定
画像特徴の重要度をその出現頻度に基づき統計的に推定する方法を開発しました。この方法では、検索に役立つ画像特
徴により大きな重みをつけて画像特徴どうしの照合を行うことができます。これにより、大量の画像や動画像に写り込んだ
物体などの検索(インスタンスサーチ)を、精度評価値(MAP ※1)において当社従来法に比べ約70%向上しました。
<ポイント3> 画像特徴のインデクシングによる高速照合
画像特徴データベースは、特徴空間内での分布を考慮した独自の方法により短い符号(ハッシュ)に変換しインデクシン
グしています。これにより画像特徴データベースから、入力画像に合致する画像特徴群を従来に比べて約2倍の速度で照
合します。
【イベントのお知らせ】 伊東商工会議所とのトライアルサービスについて
NTTは、伊東商工会議所(住所:静岡県伊東市銀座元町、
会頭:海野 英夫)と共同で、2015年2月25日(水)~3月3日
(火)の期間で開催される「第3回伊東MAGARI雛イベント」
を訪れるユーザを対象に、2015年2月28日(土)~3月3日
(火)の4日間限定で、本技術を活用した新たなデジタルス
タンプラリーのトライアルサービスを、西日本電信電話株
式会社 静岡支店の現地運営協力のもと実施します。
トライアルサービスでは、トライアル参加者が一定のルー
トを訪れたことを、スマートフォンや携帯電話でユーザが
撮影した画像から「アングルフリー物体検索技術」を使用
して判定します。GPSのみでは困難であった屋内での訪問
ルート判定が本技術により可能になります。(図4 )
図4 トライアルの概要
画像をクリックすると拡大されたものをご覧になれま
す。
「第3回伊東MAGARI雛」サイト http://www.ito-cci.or.jp/hina.htm
用語解説
※1
MAP: Mean average precisionの略。検索結果の上位にどれだけ適合する画像が出現しているかの指標
別紙・参考資料
図1 「アングルフリー物体検索技術」の利用イメージ
図2 「アングルフリー物体検索技術」の特徴
図3 技術のポイント
図4 トライアルの概要
本件に関するお問い合わせ先
日本電信電話株式会社
サービスイノベーション総合研究所
企画部広報担当
E-mail:[email protected]
Tel:046-859-2032
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ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合があり
ますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
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