簡易な農業経営設計システムについて 1ね らい 現在、経営に関する記録等を技術や経営改善に利用している農家は少ない状況である。一方、作 目、規模、収支、時期別労働時問等の簡単な指標により、経営目標を得たいと考えている農家は多 い。従つて (1)農家の希望する作目・規模で経営の設計を行う。 (2〕稗収益、経営費、農業所得及び旬別の労働時問を作目別に提示する。 (3)労働時問のグラフ化により、分かりやすい資料を提示する・ 以上のような点を目標にシステムの開発を行った。 2 方 法 本シろテムは現在パーソナルコンピュータの言語として広く利用されているBAS I Cで開発し た。また出力装置として15インチ幅のプリンタrを必要とする。 3 結果及び考察 (1)システムの概要 システムのフローを図一1に示した。本システムは、農家の希望データの入力と計算部分及び 指標データの舎理の部分から構成される。それぞれ設計データの入力は図一2の画面により、指 標データは図一3のような登録項目である。結果として3枚の資料が出力される。 (2)シ.ステムの特徴 本システムでは、より現実の農業経営内容に近づけるため次のような特徴がある。 1)実情に即した指導データの設定 同じ作目でも地域や個別農家の事情により作型や生産力水準が様々であり・これにより収支・ 労働時間も変化する。従って設計の精度を高めるために、同作目でも条件の異なるデータを多 数用意する。 2)経費算出のための共通減価償却費区分の設定 一般的に個別経営内には共通で剰用する建物、機械が多い。これらを作目別に単位当りで計 算すると規模によって矛盾が生じる。従ってこれらを一括し、経営規模別に設定した方が考え やすく、本システム俸農家の希望する鮭営規模に応じて適用する。一方、作目別には固有の施 設、癌械があるので、別途に減価償却費を単位当りで設定した。 3)労由カ換算にょる実質的な労働力の把握 個別経営内での労働力は単に人数のみの把握では不十分であり、男女別、年令、農業従事g 割合によって質が異なる。本システムでは基幹労働力を中心に従事老毎に労働力の換算を行 った。また、1目当りの労働時間の制限.(ここでは10時間)を行い、計画の結果と比較する 目安としている。 4)再計画による実現性の高い計画案の作成 耕地利用、労働配分状況、所得水準等の観点から、計画の結果を検討し、再計算により目的 とする実魂性の高い計画を作成する。 (担当者 企画経営部 北條 稔) 一33一 始 め 農家の輝計画 3 1 作業の選択 終 r 2 6 作業の選択 データの入力 1∼5 ①鰹営耕地面積 ②農業就業状況 ③希望作目コード ④希望作目の規模 摘漂データの管理 1.指標データの登録 2.指標データの修正 3.指標データの印刷 4.指標データの転送 5.指標デ・タの肖司除 計 算 捌 経営設計基礎 データの作成 i.経営条件と作目別収支一覧表 2.作圓別旬別労働時閻、耕地利用面積一一覧表 3.旬別労働配分図 図一1 システムのフロー 簡単な農葵経営設計 設計用基礎データ入力 1.耕地 3.希望する作目と規模 畑 a ① a ② ③ ② 氷田 ハウス 2.従嘉状況 a 〔春耳作〕 〔秋季作〕 4.共通の減魎償却費 訳;16才∼59才;60才∼ ;内 1男農業主1 1男農案従1 人1 =灘表; 人1 人1 人I 人: 人1 一家名 建物: 機械: 人1 人1 佳所: 電話: 水囲面積は? 図一2 設計データの入力画面 指標データの登録 111“1 12一コードA 181 1 1 I71 必要耕地 1 1 I31コードBl 収 量 15.1作 目1 141コードCl 単位当価格 ・101 1 1 ;91 副産物価額 1111 粗 収 益 i ; コ メ ン ト 農業経営費 労働時悶 一金 金 額 I㎞1費 目 1池i費 目 1121種菌繋蓄費; 1221動物償却費1 額 11・1肥料費1 1・・1成園剛 1川農薬費1 1241修理費; ;1・;光熱動力費1 1・・1支払労剛 I月1㎞■上 11321 ;・1・・l l・1} l l l 151441 1 1 1 」11・1小農具費1 ;・・1出荷経費1 ;1・1諸材料費1 1・・1共同飼胃費1 16147. ;・1・・l 11・1水利費1 ;・・1敷料費1 i1・1賃借料金1 1291飼料費; 1・・1建物償却費= 1・・;人工授精費1 181531 I l L坐械償却費1 1311診療衛生費1 ■l1621 1 1 .i21651 I g1561 1 1 I101591 図一3 指標データの登録項目 ※ 図一3は、練の位置関係を原稿通りとする。 一34一 旬I中 旬■下 旬■
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