焼結磁石とヨークを必要としない次世代薄型平面スピーカーの開発

平成 25 年度
新技術・地域資源開発補助事業を活用した取組
市町村名
加美町
事 業 名
焼結磁石とヨークを必要としない次世代薄型平面スピーカー
企業等概要
企業等の名称
ケイテック株式会社
代表者氏名
代表取締役 髙橋 匡芳
所 在 地
宮城県加美郡加美町字雁原 325 番地
連 絡 先
0229-64-1229
U R L
http://www.k-technology.co.jp
平成 27 年 1 月現在
【事業者概要】
電子機器の設計、試作、生産、サービス役務提供全般。
画像処理・デジタル技術・情報処理技術をコア技術に、車載・医療機器・通信機器等
幅広い分野で、自社開発技術を使った商品提案、設計・製造を行っている。
【事業概要】
◇背景・経緯
近年、映像ディスプレイは、有機ELや4Kなど薄型高画質化が加速している。一方、
スピーカーは、焼結磁石と鉄ヨークを使用した 80 年以来変わらぬ構造をしている。磁石
の磁束をボイスコイルに集約させるために、磁石より大きく重量のある鉄ヨークを使用
しており、高音質を得るには、ある程度の容積が必要となる。そのため、薄型化された
映像機器に内蔵する場合、音質が悪くなってしまうという課題があった。
本事業は、薄型高画質化が加速する映像機器に相応しい薄型高出力スピーカーの開発
するもの。
◇研究開発の概要
射出成形樹脂磁石(ボンド磁石)磁気回路を用いた動電型薄型平面スピーカーユニッ
トの開発。焼結磁石と鉄ヨークを使用しない、ボンド磁石のみ使用したダイナミック型
スピーカーの実用化を目指す。
一般的なダイナミックスピーカーの構造
開発するスピーカーの構造
【成果】
◇新規性
・鉄ヨークが不要なため軽量薄型化が可能。
・従来のスピーカーは、ラッパ型のコーン型振動子を駆動するため、
音波が混在しひずみを発生する構造となっていたが、開発品は高
磁力のまま磁石構造を小型化し、線音源として振動板を駆動する
ため、ひずみの少ない平面波を作り出すことが可能。
・ボンド磁石の構造を工夫し磁力を高めることにより、振動板の材
質や厚みを変えられるため音色調整が可能。
従来品
開発品
◇商品化・販売
射出成形樹脂磁石磁気回路を用いた動電型薄型(20mm 厚)平面スピーカーユニットの
開発を行い、焼結磁石と鉄ヨークを使わない動電型のスピーカーの実用化に成功した。
スピーカーは、4点駆動型(W125mm×H140mm×D20mm)、3点駆動型(W65mm×H180mm×
20mm)、小型1点駆動型(W60mm×H60mm×D20mm)を製作した。これらは連結させて大型
のパネルスピーカーにも応用が可能である。
スピーカー音響特性・音圧レベル・電気的特性等を向上させ商品化に向け、継続して
研究を行っている。
左:4点駆動型
右:3点駆動型
小型1点駆動型
大型パネルスピーカー
【今後の展望】
音質を改善し、アミューズメント機器や車載スピーカーでの実用化を目指す。
本事業は、地域内企業が連携・協力して技術開発に取り組んでおり、メイドインジャ
パンの次世代技術として、東北の復興に貢献し、地域経済の活性化が期待できる。