深水栽培における生育相について 1.試験のねらい 水穂栽培における深卒管理は現地ゼもみられるが・深1ド管理の時期や方法1こついてはまちまち である。また、深水による茎薮の推移や倒伏・収量におよぼす影響についても明らかになってい ない。そこで、深水栽培の特性を明らかにレ、現場の肥培管理の資とする。 2.試験方法 昭和63∼平成元年の2か年、コシヒカリを用いて深水栽培について試験を実施した。63年の深 水の期間は移植後25日目から最高分げづ期までの26日間とし、以降は間断灌水とした。平成元年 の深水の期間は移植後18日及び25日目から最高分げつ期前までの21日間及び14日問で、以降10日 間の中干しを行った。標準区は移植後30日以降を間断灌水とした。 3.試験結果およぴ考察 (1)深水栽培によって分げつの発生が抑制され、深水の開始時期が早いほど抑制効果は大きかっ た。また、一分げつ茎は標準区より太くなり、生体重も増加した。 (2)最高茎数は標準区より少なかったが、有効茎歩合の向上により、穂数は標準区並に確保され た。しかし、深水栽培による一穂籾数の増加はみられず、総籾数は標準区と同程度で収量向上 にはつながらなかった。 (3)葉色は濃く経過し、処理後の葉色値は標準区よりO.5程度高かった。 (4〕深水栽培では草丈が伸びやすい特徴があり、処理直後の草丈が標準区と比較して、最も差が 大きかった。その結果、成熟期の桿長は長くなり、倒伏は標準区と差はみられなかった。 (5)桿長の伸長及び倒伏を考慮して、深水に中干しを組合せ検討した。深水終了時の草丈は標準 区よりゃや長かったが、中千し以降の草丈は短くなり、桿長には差がみられず、倒伏程度はや や軽くなっ走。また、分げつは抑制されたが、有効茎歩合の向上により穂数は確保された。し かし、深水のみの場合と同様、総籾数は標準区とかわらず、収量は向上しなかった。 4.成果の要約 深水によって分げつの発生を抑制することができるため、過剰后分げ?発生が予想される場合 には、深水管理は有効な手段と考えられる。しかし、その場合も桿が伸びやすいので中干しを組 合せる。 (担当者 作物部 青木岳央) 一15一 収量構成要素及び倒伏程度(昭63)一、 表… 桿長 穂 長 最高 穂数 有効茎 一穂 玄米重 登 熟 千 粒 総籾数 処理 ㎝ cm 茎数 /㎡ 歩合% 籾数 ㎏/a 歩 合 重 9 100■㎡ 深水 106 18.8 566 418 73.8 87 標準 98 19.0 633 404 63.8 87 倒伏 57.8 79,9 19.9 364 4,0 ら6.2 76,8 20.6 355 4.0 ⑳ 11② 林2 65q !②② ・’ ’1+. 一拳深水草丈 十 9② 8② 55②’ .峠 。。②籔 草7② 丈6② 5② 35② 4② 3② 2② 25② 十35 +49 +63 +77 成熟期 、“ .今標準章丈 船深水茎数 十 一十’ ’ヰ標準茎数 図一1 草丈及び茎数の推移(2カ年平均) 7 6 5 6 一.‘’‘’・’‘・・‘..一.・.一‘.・’“・・“‘・.・… “・・・・… 一’・・・・… 一.“....・・..、.。..、・.。.一. I …’図深水一 一一一一一・ ;二1 ニノ ’ 一 ・ ‘ ‘ ■ … ● ’‘一・一.’,..・ ●・’●●■.‘・ ’ . . . ‘ ■ 一 一一刀棲準__一 5.4 5. 1番、.; 一 ■1 ‘ 再 ’ 4 3 2 . 一.1‘ 一一 ●1 … 一・・‘‘‘ .・・.‘...一■■.‘■■■■■ ●一・・’●・.・ ・ I・’・.・‘‘ … ‘.・.・’ ‘●・‘●●‘●● ■ ‘ 一.・… .一 ,● ’’・●・ ‘‘ i. ● ・ 一 ‘ 1‘・■・ ●’ .● ● ・ . 1. . . ・4.6 … . ‘ 4.4 1 羅 短径 茎重 草丈 茎重1草丈 4’2 4 0 9 一剛x岬 g■㎝σ㈹ ’十35 +49 +63 斗77 出穂期 図一2 出穂前30日の茎の形質(昭63) 図一き 葉色の推移(昭63) .6②②一・一一一・一・・…一・__一一一_一一.. 55② ……二、 .’’’十’一’一一j・・ ’’汁 5②② .十深本ナ25 蚕・・1 *深水十!8 4②② 35② ’十 3②② 十35 図一4 十49 +63 工十77 成熱期 深水開始時期の違いによる茎数め推移(平元) 一16一
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