主な質疑内容(PDF:122KB)

【議事(1)
宮崎県高齢者保健福祉計画・宮崎県介護保険事業支援計画の策定について】
(事務局より説明)
○それぞれの立場からの意見
(委員)
事業の計画と実施において、「在宅医療・介護推進協議会」の設置及び二次医療圏域で
の「地域協議会」の設置が、現場の市町村の具体的な政策につながってくると考えている。
(委員)
地域包括ケアシステムに取り組んでいく中で、中山間地域についてどのように考えてい
るのか。また、地域包括支援センターの役割が重要になってくると思うが、どのように考
えているのか。
(事務局)
中山間地域のシステムの確立・構築は非常に重要であると考えており、「地域協議会」
等の中で、各圏域の地域課題等について多職種で協議するということに対して支援してい
きたい。
また、県としてはまず、医療と介護の連携の充実が重要であると考えており、そこをつ
なぐ役割の訪問看護ステーションを充実させていこうと考えている。
(委員)
離島、僻地、中山間地域では事業者の収支が合わないので、事業者主体としては、然る
べきところにコンパクトシティのように、ある程度数をまとめていくしか、今後はやって
いけないのではないかと考えている。
(会長)
介護の問題にはどうしても需要と供給のバランスがついて回る。地域に特化するなどい
ろんな工夫をしていかざるを得ないと考えている。
(委員)
国富町では、3年前から健康寿命を伸ばそうと、シニア元気アップ運動を町内全域で展
開している。向こう3年間でもこの運動を徹底して展開していきたい。
また、3年前は国富町に施設がどんどんできたが最近落ち着いてきており、入所される
方もサービスの内容の良い施設を選択する時代になってきたのではないか。
(会長)
介護保険制度を運営していく上で、健康寿命をいかに伸ばすか、要介護認定率をいかに
下げるかということが非常に大事であると考えており、知事も次の2期目に健康寿命日本
一を掲げているので、そういった施策を県として取り組んでいく必要があると考えている。
(委員)
現在の薬は、飲み方使い方が非常に難しくなってきている。認知機能が低下した高齢者
や独居高齢者が多いことから、服薬に関する見守りや指導をしていく必要がある。高齢者
とお薬という問題があるということを、介護、福祉施策の中で認識していただきたい。
(委員)
重症になる前に、要介護にならないように介護予防が重要であり、そのためには、口腔
ケア、栄養の改善、運動機能の向上について、より充実させていく必要があるのではない
か。
(委員)
理学療法士会の方でも、介護予防、地域ケア会議に協力していかなければいけないと考
えている。地域ケア会議は市町村が中心になってくると思うが、依頼の流れ等その辺につ
いて、県の方から指導していただき、システム作りをしていただきたい。
(事務局)
現在、各地域で在宅医療介護推進協議会の設置について説明会を実施している。各市町
村、各関係団体等に集まっていただき、最終的には市町村ごとに地域ケア会議や介護予防
等につなげていければと考えており、その中でルール作り等について一緒に取り組んでい
きたいと考えている。
(委員)
認知症の方を地域で包括的に支えていこうとしていく中で懸念しているのが、自治会や
老人クラブ等の加入率が伸び悩んでいることである。地域での連携が必要なのに逆の方向
に進んでいる。色々な機会をつくり、皆さんに加入していただけるよう整えていくことが、
必然的に高齢者が住みやすいまちづくりに繋がっていくのではないか。
(事務局)
自治会加入率、老人クラブ加入率は年々減っている。介護保険制度が改正される中、地
域支援事業という関わりの中でも、老人クラブやシルバー人材センター等の重要性は認識
している。いつもでも安心して暮らしていける体制を構築するためには、それらの加入率
を増やしていくことが必要であると考えており、今後、ますます地域の結びつきが高まる
かたちで県としても取り組んでいきたい。
(委員)
全老連で特に若手の加入について取り組んでいる。もう少し老人クラブに加入していた
だければ、色々な問題も解決するのではないか。
(委員)
昨年、地域見守り応援隊というのを発足した。従来の地域の見守りから、さらに重層的
に社会全体で見守りをしていこうと、配達業者や電気、ガス等様々な分野の業種と一緒に
取り組んでいる。
市町村でどういった取組ができるかというところで懸念されるのが、介護人材の確保で
ある。今後は、住民主体の取組とあわせて専門職の方々をどのように掘り起こし、確保し
ていくかが一番の課題になってくる。
(委員)
今後、在宅医療、介護が出てくる中で、一番身近で目が向けられていないのが食事のこ
とではないか。栄養士会では、3年前から在宅ケアの栄養改善に取り組んでいる。実際に
在宅訪問というのは難しいものであり、在宅訪問向けのスキルを積んだ管理栄養士を養成
している。地域連携として、いろんな場に栄養士会を呼んでいただきたい。また、地域ケ
ア会議は市町村単位で動くものであるため、市町村においても多職種の方が動けるよう県
の方から指導していただきたい。
(委員)
今回の介護報酬マイナス改定が今計画に及ぼす影響は。
(事務局)
介護報酬の関係については、介護保険給付費に影響があると考える。影響については、
市町村において検討していただいているところであり、今後見直しをしていくこともある
と考える。
(委員)
施設について推計してみると、29年度までは増えるが、今回のマイナス改定は施設の
統廃合が狙いだという記事もあった。他にも100万人の介護人材の確保が必要だという
記事もあったが、今回のマイナス改定は、その辺りにも大きな影響を与えるのではないか。
(事務局)
報酬改定については、前々から大幅なマイナス改定になるという情報は流れており、そ
のためか、前回の3年間の施設整備サービス量(利用定員総数)と比べると、27年から
29年のそれはかなり減っている。一方で地域密着型事業のサービスの報酬については逆
にプラスになるという情報もあったりするため、入所系のものについても増える方向があ
るかもしれない。いずれにしても、今、市町村の方で最終的な調整をしていただいている
ところである。
(事務局)
人材確保、特に処遇改善については、施設関係者の皆様と実施に結びつけられるよう県
としても取り組んでいかなければいけないと考えている。
(委員)
計画を立てて実施しても、住民の皆様がどれだけ動いていただけるかが最終的なカギに
なってくる。自助、共助、公助ということで、一人一人が理解を深めていくしかないと考
えると、啓発をどのようにしていけばいいかということになる。県の方からも指導いただ
きながら、市町村と一緒になって実効的な啓発をお願いしたい。
(委員)
今、福祉を語ると、福祉関係者だけが参加する形になっているが、地域包括ケアや地域
ケア会議をするときでも、多職種の方に参加していただけるような工夫が必要ではないか。
(委員)
サービス提供事業者として、今、いろんな事業所が参入しているが、県の支援計画が市
町村の介護保険事業計画を支えていくような対応を取っていただきたい。
(委員)
今回の改正において在宅に移行していくというのは、家族から介護を解放するという本
来の介護保険法の目的とは逆の方向に進んでいる気がするが、財政面の問題等もあってこ
のようになっているのか。
(事務局)
介護保険制度はお互いが助け合おうということからスタートしており、その精神は今も
受け継がれていると思う。ただ、地域包括ケアシステムの構築においては、地域で支える
体制づくりをやっていこうと。また、財政面においても、持続可能性を担保するといった
問題もある。
(事務局)
また、地域包括ケアシステムはできるだけ住み慣れた地域で住んでいただこうというの
が大きな論点の一つである。その中で、家族の負担が大きくなるといけないので、施設あ
るいは医療施設に入っているのとある程度同じようなサービスを利用させていこうと、こ
の二つの視点から進めていく必要がある。
(委員)
認知症等についても、地域ケア会議等を通じて地域全体で高齢者をみていくことになる
と思う。そういったことも含めて、地域ケア会議は意義のあるものではないだろうか。
(委員)
現在、徘徊模擬訓練等が各地で行われているが、地域で支えていこうという意識からさ
れていると思う。これからは多職種も含め、いろんな世代の方に理解していただくために、
啓蒙していくことが求められていると思う。
(委員)
今、防災活動等に関しては、自分の身は自分で守ろうという意識があるが、医療等に関
しても行政、専門家任せでなく、自分たちのためだという意識を住民が自分のこととして
やっていくために、住民の意識を変えていかないといけないのではないか。
(委員)
県の保健福祉計画や地域支援計画、各自治体の地域福祉計画等横の連携を十分に図って
いかないと、宮崎県の総合的な地域づくりというのはなかなか進まないと思う。住民が主
体的に取り組んでいくためにも、その点をお願いしたい。