市の財政状況を市民の皆さんにより詳しく知っていただくために、 「貸借対照表」 「行政コスト計算 平成25年度決算 書」 「純資産変動計算書」 「資金収支計算書」の財務4表を国の基準に従い作成しました。内容は、学校・ 財政課☎0299-90-1129 ︵バランスシート︶ 住民サービスを提供するために保有している資産 (建物、道路、土地など) と、その資産をどのような 財源 (負債・純資産)で充てたかを総括的に対照表示したものです。1年ごとの決算では分かりにくい市 全体の財政状況を把握することができます。 平成24年度と比べて資産は約30億円増加しています。内訳は、繰越金が減ったことにより、流動資 産が減少している一方で、財政調整基金や東日本大震災復興交付金基金への積立金が増えたため投資 などが増え、公共資産も県から神栖総合公園の譲与を受けたことなどにより増加しました。なお、市債 の返済が進んでいることから将来世代の負担をあらわす負債は減少しており、世代間の公平性から見る と当市は将来世代への負担を軽減しています。 資産 25年度 流動資産 (現金、未収金、貸付金など) 投資等 ( 出資金、基金など) 公共資産 (庁舎、学校、道路、公園など) 増減額 25年度 11,321 15,183 △3,862 16,069 13,101 2,968 144,392 140,444 3,948 171,782 168,728 3,054 負 債 (将来の世代の負担) 純資産 (今までの世代の負担) 24年度 増減額 35,191 △100 136,691 133,537 3,154 35,091 負債・純資産の合計 171,782 168,728 3,054 平成25年度の経常的な行政活動のうち、 福祉サービスやごみの収集にかかる経費 など、資産形成につながらない行政サー 総行政コスト ビスに要したコストと、その財源となる (経常費用)① 使用料や手数料などの収入の関係を示し 人にかかるコスト たものです。 (職員給与や議員報酬など) 今年度は、震災からの復旧復興事業の 物にかかるコスト (備品購入、委託料、減価償 影響で総行政コストは大きく増えていま 却費、維持補修費など) す。特に、維持補修費の支出を含む「物 移転支出的なコスト にかかるコスト」は、約30億円の増と (補助金等、児童手当や生活 なっています。また、各種団体等の補助 保護、医療費など) 金、児童手当や生活保護費、医療費、介 その他のコスト 護サービスなどの社会保障関係支出(扶 (市債の利子など) 助費)である「移転支出的なコスト」は、 約3億7,600万円の増額となっており、 経常収益② 今後も伸びていくことが予想されます。 施設使用料や手数料などの行政 総行政コストから経常収益を除いた純 サービスに対する利用者負担です 経常行政コストは、市税などの一般財源 や、国・県からの補助金を充てています。 なお、復旧復興事業費は、ほとんど国・ 純経常行政コスト 県からの補助金などが充てられています。 (単位:百万円) 25年度 24年度 53,575 50,838 2,737 5,684 6,386 △702 21,460 18,423 3,037 25,562 25,186 376 869 25年度 4,206 25年度 (①-②) (純経常費用) 49,369 総行政コストから経常収益 を引いた金額です 5 広報かみす 第210号 843 24年度 4,120 24年度 46,718 増減額 26 増減額 86 増減額 2,651 25年度 変動(増減)したかを示したものです。 当期純資産変動額 当期純資産変動額は、前年度と比 (②-①)+③ 較して減ったものの年度末残高は増 純経常行政コスト① (行政コストにより算出さ 加しているため、順調に純資産を増 れた数値) やしています。主な内訳として、財 ※行政コスト財源不足額 源調達分は、税収が増加したものの 財源調達分② 国・県からの補助金や長期金融資産 償還金が減ったため、減額となって います。純資産が増加し、行政コス トも増加しているため財政的には拡 大傾向にあります。 1年間の資金の増減(現金の流れ) を示し、どのような活動に資金が必 要であったかを表しています。 経常的収支は前年度に引き続いて 復旧復興事業費の影響により、収支 が減額となっています。資本的収支 は国の緊急経済対策に伴う事業の前 倒しにより、繰越事業が増加した関 係で支出が増えており、大幅な赤字 となっています。これに伴い、基礎 的財政収支 (※プライマリーバラン ス)も赤字となっていますが、あく まで一時的なものであり、今後の状 況を見守ってゆく必要があります。 また、財務的支出については市債の 発行額より返還額が多いことから財 (市税や国・県補助金、国保 税、介護保険など行政コスト 計算書に計上されない財源) その他③ (資産形成、資産変動など) 年度末残高 3,154 24年度 増減額 5,231 △2,077 49,369 46,718 59,392 63,616 △4,224 △6,869 △11,667 136,691 133,537 2,651 4,798 3,154 務的収支は赤字となっていますが、順調に市債の償還が進 んでいることを示しています。 (単位:百万円) 25年度 当期収支(①+②+③) 24年度 増減額 △3,283 4,028 △7,311 7,129 10,987 △3,858 △9,740 △6,004 △3,736 基礎的財政収支(①+②) △2,611 4,983 △7,594 財務的収支③ △672 △955 6,550 9,833 △3,283 経常的収支① (毎年度継続的に、収入・ 支出されるもの) 資本的収支② (資産形成や投資などに係 る収入・支出) (市債などに係る収入・支出) 年度末残高 283 ※プライマリーバランス…借入金を除いた歳入と借入金返済のため の元利払いを除いた歳出の収支 平成25年度は、基金への積立金が増加し、県 減価償却累計率 から神栖総合公園の譲与を受けたことなどにより (固定資産の減価償却資産の老朽化を示す指標) 純資産は増加しましたが、あくまでも特別な要因 (単位:%) であり、震災の復旧復興事業の影響も受けている 減価償却資産の老朽化を示す指標 ため、今後の動向に注意する必要があります。 平成23年度末 55.3 市の所有する建物の老朽化は一段と進んでおり、 平成24年度末 56.4 公共資産の「更新」は大きな課題となっています。 平成25年度末 57.0 資産更新必要額は概算で年間40億円と試算して おり、今後は、「公共施設等総合管理計画」に基 ※指標の50を過ぎると、施設などの資産が耐用 づく公共施設の更新・統合・長寿命化等の計画的 年数の半分を超えたことになり、数字が大きい ほど、老朽化が進んでいることを示しています な実施、将来の更新投資のための資金確保が安定 的な財政運営に必要となります。 作成結果 行政コスト計算書 資産合計 24年度 (単位:百万円) (単位:百万円) 貸借対照表における純資産 (資産 と負債の差額) が1年間にどのように 資金収支計算書 (単位:百万円) 高齢者医療」を含めた市全体の財政状況です。 純資産変動計算 書 貸借対照表 神栖市の財務4表 道路などの整備や医療費助成などを行う「一般会計」と、「上下水道」 「国民健康保険」 「介護保険」 「後期 広報かみす 2015年2月15日号 4
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