予算編成におけるPDCAサイクルの取組み (平成27年度政府案) 平成27年2月 財務省主計局 目 次 ◆ 予算編成におけるPDCAサイクルの取組み(ポイント)・・・ 1 ◆ 国会の議決・決算検査報告等の反映状況 ・・・ 2 ・・・・・・・・・・ 6 ・・・・・・・・・ 12 ◆ 予算執行調査の反映状況 ◆ 政策評価の結果の活用状況 予算編成におけるPDCAサイクルの取組み (ポイント) ◆ 国会の議決・決算検査報告等の反映 決算に関する国会の議決については、審議の内容等を踏まえ、的確に反映。 〈例〉国庫補助金等により造成された基金の見直しについての反映。 【反映額:2,639億円、▲4,037億円】 会計検査院の指摘については、個別の事務・事業ごとに必要性や効率性を洗 い直し。 〈例〉農畜産業振興対策交付金の未使用額及び返還額の国庫返納。 【反映額:817億円】 【平成27年度予算等への反映額:1,663億円】 多額の不用が生じている事業等については、決算結果を踏まえ、個々の予算 の内容等を厳正に見直し。 〈例〉義務教育費国庫負担金について決算不用を適切に反映。 【反映額:▲35億円】 ◆ 予算執行調査の反映 平成26年度予算執行調査については、専門家の知見を活用するなど、調査の 質の向上等を図りつつ、75件の調査を実施。 調査結果を踏まえ、事業等の必要性・有効性・効率性について検証を行い、 予算に的確に反映。 〈例〉国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業について、普及展開の見 通しを精査し、候補事業を重点化することにより効率化。 【反映額:▲85億円】 【平成27年度予算への反映額:▲379億円】 ◆ 政策評価の活用 「行政機関が行う政策の評価に関する法律」に基づき各府省が実施した政策 評価の結果について、予算編成において適切に活用。 〈例〉「大学などにおける教育研究の質の向上(うち、先進的医療イノベーション人 材養成事業)」について、効率性の観点から、大学の自主的な取組みの更なる 充実を図るため指導教員、専門家の業務を整理し、一部を既存の教職員に対応 させることで、人件費等の関係予算を要求額より更に縮減した。 【活用額:▲5.2億円】 【平成27年度予算への活用額:▲305億円】 (注) 計数については、精査の結果、異同を生じる場合がある。 -1- 国会の議決・決算検査報告等の反映状況 ◆決算に関する国会の議決の反映◆ 国会の決算審査における様々な視点からの審議内容等を踏まえ、的確に反映。 <各府省:一般会計・特別会計> ○国庫補助金等により造成された基金の見直しについて 【反映額:2,639 億円、▲4,037 億円】 ・政府は、基金の設置造成に当たっ ては、必要額の精査等により基金規 模の適正化を徹底するとともに、事 業の進捗状況等を踏まえた実効性 のある見直しを毎年度実施し、使用 見込みの低い基金等については速 やかに国庫返納させるなど適正に 措置するべきである。 ・国庫補助金等の交付により法人等に設置造 成された基金については、財政規律の観点か ら、基金の創設や積み増しを厳に抑制するこ ととしたところである。また、行政改革推進 会議における検証を踏まえ、各府省において 基金の再点検を実施した結果、基金の余剰資 金の国庫返納等を進めているところ。 ・平成 27 年度歳入予算においては、公益法 人等の基金から 2,639 億円の国庫返納が行 われる予定。 ・平成 27 年度歳出予算においては、基金方 式による実施が真に必要な事業へと絞り込 み、10,126 億円を計上し、昨年度当初予算 (14,163 億円)と比べて大幅な減額(▲4,037 億円、▲29%)となっている。 (平成 23・24 年度決算議決事項) <各府省:一般会計・特別会計> ○独立行政法人における保有資産の規模の見直し等について 【反映額:147 億円】 ・政府は、各法人が保有する資産の 状況について一層の実態把握に努 めるとともに、将来にわたり必要が ないと認められる保有資産は、速や かに国庫納付させるほか、保有資産 の必要性についての見直しを各法 人が継続的に行うよう指導を徹底 すべきである。 ・独立行政法人における保有資産の規模の見 直し等については、総務省より、各独立行政 法人を所管する府省に対し、平成 26 年 9 月 に「独立行政法人の保有資産の不要認定に係 る基本的視点」を、国庫納付等の実績の調査 を行うことを盛り込んだ上で、再度周知徹底 したところ。 ・各法人が保有する資産の状況について実態 調査を実施するなど、保有資産の必要性につ いて見直しを行うよう引き続き指導してい るところ。 ・平成 27 年度歳入予算において、独立行政 法人からの不要資産として 147 億円の国庫 返納が行われる予定。 (平成 23・24 年度決算議決事項) (計数については、精査の結果、異同を生じる場合がある。また、上記歳入予算額の一部には重複するものがある。) -2- ◆会計検査院の決算検査報告の反映◆ 平成 25 年度決算検査報告における指摘や問題提起を踏まえ、個別の事務・事業 ごとに必要性や効率性を洗い直し、その結果を予算や執行に的確に反映。 (注)指摘金額は、単位未満切捨。 ○会計検査院における指摘 2,831 億円 不当事項 141 億円 職員の不正行為、会計経理が不当、租税、保険料の徴収不足、補助 金の過大交付 等 意見表示 処置要求 ・不適正な会計経理について改善を求められたもの ・予算執行の効率化・適正化を求められたもの ・制度の運用・改善を求められたもの ・保有資産等の有効活用を求められたもの ・事業効果の発現について改善を求められたもの 717 億円 処置済 1,978 億円 検査の過程で指摘を受け、既に是正・改善の措置を行ったもの (注)指摘事項の間で重複があり、合計には積み上がらない。 ○検査報告に対する対応状況 ◆予算に関連するもの 1,663 億円 (注)反映額には、平成 26 年度までの執行で対応し たものを含む。 (平成 27 年 1 月時点の見込み) (主な例) ・農畜産業振興対策交付金の未使用額及び返還額の国庫返納について 【指摘金額 731 億円】平成 25 年 11 月時点の未使用額及び返還額を国庫納付していない額 <農林水産省:一般会計> 【反映額:817 億円】 (反映額:816 億円) ・東日本大震災復旧・復興予備 ・独立行政法人農畜産業振興機構に 費を財源とする農畜産業振興対 策交付金の未使用額及び返還額 を国庫に納付させるよう改善さ せたもの 対して、肉用牛肥育経営緊急支援事 業等に係る未使用額及び返還額 817 億円を国庫納付させるとともに、今 後発生するものについても四半期毎 に納付させることとする処置を講じ た ・緊急人材育成・就職支援基金の返納について 【指摘金額 752 億円】中央職業能力開発協会に設置造成された基金のうち使用見込みのない額 <厚生労働省:一般会計> 【反映額:752 億円】 ・緊急人材育成・就職支援事業 臨時特例交付金を交付して設置 造成させた緊急人材育成・就職 支援基金について、使用見込み のない額を速やかに国庫へ返納 させるよう改善させたもの ・緊急人材育成・就職支援基金の残 額の活用方策について検討を進める などした上で、協会に対して使用見 込みのない額 752 億円を国庫へ返納 させる処置を講じた (計数については、精査の結果、異同を生じる場合がある。) -3- ◆事務・事業の進め方に関連するもの(主な例) ◇不適正な会計経理 <文部科学省> スポーツ振興委託事業において、事業を契約の締結前に実施 させ、契約決裁の日付から遡った日付を契約締結日とした契約 書を作成するなど不適正な会計経理を行っていたもの 【指摘金額:59億円】 省内部局に対し、委託費の適切な執行につ いて通知を発出するとともに、会議を通じて改 めて再発防止の周知徹底を図るなど、事業の より適正な執行が行われるよう対応 ◇予算執行の効率化・適正化 <厚生労働省> 特定疾病併用者(自立支援医療と医療保険の特定疾病制 度の併用者)に係る自立支援医療費の支給の制度、審査方 法等を周知して、適正に審査を実施することにより、特定疾病 併用者に係る自立支援医療費の額の算定が適正に行われる よう適宜の処置を要求し及び是正改善の処置を求めたもの 【指摘金額:15億円】 適正かどうか検証できない特定疾病併用者の自立支援医療 費の国庫負担金相当額等 都道府県を通じて事業主体(市町村)に対し、 特定疾病併用者に係る自立支援医療費の支 給の制度、審査方法等について通知等を発 出し、研修会の実施やマニュアルの配布など、 適正に審査が実施され、特定疾病併用者に 係る自立支援医療費の額の算定が適正に行 われるよう対応 ◇制度の運用・改善 <防衛省> 役務に関する有償援助調達(FMS調達)の実施に当たり、 引合書の請求及び確認に際し、給付を要求する役務につい てより具体的な内容や価格を記載するなどして、役務の内容 や価格の妥当性について十分な検証を行うための方策を検 討するよう意見を表示したもの 【指摘金額:157億円】 引合受諾書に記載された役務の内容や価格が、LOR(引合 書の請求を依頼する書類)において給付を要求した役務の内 容を反映した妥当なものであるか検証することができないもの の金額 FMS調達における具体的な役務の内容や、 費用の内訳を開示する必要性を、合衆国政 府に対して働きかけるとともに、日本側でLO R(引合書の請求を依頼する書類)を作成す る際には、引き続き訓令や通達に基づき具体 的な役務の提供内容を記載することと併せて、 合衆国政府に価格や内容の開示を求めるこ とで、FMS調達の透明性を確保し、役務の内 容や価格の妥当性を検証できるよう対応 ◇保有資産等の有効活用 <国土交通省> 新直轄方式による高速自動車国道の整備のために旧日本 道路公団等から譲渡を受けるなどした用地のうち、設置しない こととされた料金所の予定地等について、具体的な利用計画 を定めたり、今後も保有し続ける必要性についての具体的な 検討を行ったりすることなどにより、有効利用等を図るよう改 善の処置を要求したもの 【指摘金額:12億円】 有効利用されていない料金所予定地等に係る取得価額 有効利用されていない料金所予定地等につ いて、地方整備局等において地方公共団体等 との必要に応じた調整等を通じて具体的な利 用計画を定めるとともに、今後も保有し続ける 必要性の具体的な検討が行われるよう対応 ◇事業効果の発現 <財務省・経済産業省> 株式会社日本政策金融公庫の中小企業事業において、国か ら多額の政府出資金が交付されている証券化支援保証業務 等について、業務の必要性を十分に検討し、必要であると判 断する場合には、制度の枠組み等についての検討等を行い、 業務が中小企業者の円滑な資金調達に資することとなり、政 府出資金が有効に活用されるよう意見を表示したもの 【指摘金額:191億円】 保証業務等に係る平成25末現在の政府出資金の額 -4- 株式会社日本政策金融公庫において、外 部有識者による検討会を設置し、国内外の証 券化の現状分析や案件組成のための課題抽 出と改善策の検討を行っており、その結果を 踏まえ、業務の必要性等を検討し、中小企業 の円滑な資金調達に資するとともに、政府出 資金が有効に活用されるよう対応 ◆決 算 結 果 の 反 映◆ 予算の適正かつ効率的な使用の観点から、多額の不用が生じている事業等に ついて、決算結果を踏まえ、個々の予算の内容等を厳正に見直し、その結果 を予算に的確に反映。 <文部科学省:一般会計> ○ 義務教育費国庫負担金 【反映額:▲3,501 百万円】 ・公立小学校等の高位号俸教職員の 退職者の増加や県独自の給与抑制 措置等により、15,984 百万円の決算 不用を生じた。 ・教職員の若返り等による給与支給 実績を踏まえ、単価及び定数を精査 することにより、所要額の見直しを 行った。 <国土交通省:一般会計> ○ 都市開発資金貸付金 【反映額:▲3,089 百万円】 ・地方公共団体等の事業計画の変更 や用地の取得が難航したこと等に より、10,454 百万円の決算不用を生 じた。 ・地方公共団体等の要望内容や資金 調達計画等を精査し、所要額の見直 しを行った。 <厚生労働省:一般会計> ○ 母子父子寡婦福祉貸付金 【反映額:▲2,482 百万円】 ・地方公共団体における貸付実績が 予定を下回ったこと等により、 2,317 百万円の決算不用を生じた。 ・父子家庭等に対する貸付金の増加 影響額を反映する一方で、地方公共 団体における近年の貸付実績や貸付 原資の状況を精査することにより、 所要額の見直しを行った。 <経済産業省:エネルギー対策特別会計> ○ 石油備蓄事業補給金 ・国家備蓄石油を貯蔵するために借 り上げる民間タンク数が予定を下 回ったこと等により、3,288 百万円 の決算不用を生じた。 【反映額:▲1,750 百万円】 ・民間タンクの貯蔵量について、年 度計画を見直すとともに、管理単価 の設定方法についても精査し、所要 額の見直しを行った。 (計数については、精査の結果、異同を生じる場合がある。) -5- 予算執行調査の反映状況 ・ 予算執行調査とは、財務省主計局の予算担当職員や日常的に予算執行の現場 に接する機会の多い財務局職員が、予算の執行の実態を調査して改善すべき点 等を指摘し、予算の見直しや執行の効率化等につなげていく取組み。 ・ 平成 26 年度は、調査において専門家の知見を活用するなど、調査の質の向上等 を図りつつ、75 件の調査を実施。 ・ 調査結果を踏まえ、事業等の必要性、有効性及び効率性について検証を行い、6 事案について全部又は一部を廃止するなど、予算に的確に反映。 ・ 予算執行調査の調査結果の平成 27 年度予算への反映額は▲379 億円。 (参考1) 全部又は一部について廃止した事案 (6件) 調 査 事 案 名 調査主体(※) 省庁名 会 計 27’予算への 反映額(百万円) 公民館等を中心とした社会教育活性化支援プロ グラム 【全部】 財務局 文部科学省 一般会計 ▲133 消防防災関係アドバイザー派遣事業 【一部】 財務局 総 務 省 一般会計 ▲21 母子家庭等対策総合支援事業のうち母子自立 支援プログラム策定等事業 【一部】 財務局 厚生労働省 一般会計 ▲36 地域保健医療等推進事業 【一部】 本 省 厚生労働省 一般会計 ▲45 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金 (地域間交流拠点の整備) 【一部】 共 同 農林水産省 一般会計 ▲32 住宅セーフティネット基盤強化推進事業 【一部】 財務局 国土交通省 一般会計 ▲225 (※)「本 省」:本省調査(財務省主計局の予算担当職員が実施する調査) 「財務局」:財務局調査(財務局職員が実施する調査) 「共 同」:共同調査(財務省主計局の予算担当職員と財務局職員が共同で実施する調査) (参考2) 過年度の調査結果も予算編成に的確に活用(平成 27 年度予算への反映額は▲283 億円)。 -6- ◆ 主な反映状況の具体例 1.全部又は一部を廃止したもの <文部科学省:一般会計> 公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム【反映額:▲ 133 百万円】 全部廃止 <事案の概要> 文部科学省がモデル事業として地方公共団体に対して事業を委託(全額国費)し、地域人材による課題を抱える若 者の支援、家庭支援、地域防災・減災等の現代的課題解決のために、行政の垣根を越えた連携・協働及び地域の物 的資本や人的資本が最大限活用される先進的な取組みを実施するもの。 <調査結果> ・過去に同一・同様の取組みを行っている事例が見受けられた。 ・事業の成果・効果を把握するための成果測定指標の設定がない 又は一部設定していない事例があった。また、数値目標に関して は、過半数が設定していない状況であった。 <反映の内容等> ・予算執行調査等の指摘を踏まえ、平 成 26 年度限りで事業を廃止した。 <今後の改善点・検討の方向性> ・採択に係る審査を見直し、過去の取組みと比べて工夫や変化の ないモデル性の乏しい事業は採択すべきでない。 ・出来る限り数値目標を設定するよう努め、数値化が馴染まない 取組みであっても、PDCA サイクルを機能させるため、具体的な成 果測定指標を設定し、事業効果を可視化する必要がある。 <総務省:一般会計> 消防防災関係アドバイザー派遣事業【反映額:▲ 21 百万円】 一部廃止 <事案の概要> 消防庁に要望のあった市町村を対象に、市町村災害対応支援事業、災害情報伝達手段に関するアドバイザー派遣事 業(以下、 「伝達手段派遣事業」という。)、消防救急デジタル無線システムの整備に関するアドバイザー派遣事業(以 下、 「無線整備派遣事業」という。)を実施し、市町村が抱える課題の解決を図るもの。 <調査結果> ・市町村災害対応支援事業は、約3割の都道府県で類似事業が行 われ、 都道府県の推薦によりアドバイザーが委嘱されているほか、 県職員がアドバイザー派遣されている事例も見受けられた。 ・調査対象3事業は、いずれも消防庁が民間事業者と請負契約を 締結しているが、事業毎に別々の業者と契約を行っていた。 <今後の改善点・検討の方向性> ・市町村災害対応支援事業については、国と都道府県の役割分担 の観点から、事業の廃止も含めた抜本的な見直しを行うべき。 ・伝達手段派遣事業及び無線整備派遣事業については、事業毎の 別々の請負契約を改め、事業の統合を含めた検討を行うことで、 全体的な事業費の圧縮及び事業の効率化を図るべき。 <反映の内容等> ・市町村災害対応支援事業について は、事業内容の検証を行い、事業を廃 止した。 ・伝達手段派遣事業及び無線整備派遣 事業については、事業の効率化及びよ り効果的な課題解決のための派遣時 の助言内容の見直しの観点から、 「災 害情報伝達等アドバイザー派遣事業」 として一本化した。 <厚生労働省:一般会計> 地域保健医療等推進事業【反映額:▲ 45 百万円】 一部廃止 <事案の概要> 保健所等で働く保健師の教育・育成のほか、地域保健と職域保健の連携体制を構築するため、地方公共団体職員、 事業者、医療保険者などが集う「地域・職域連携推進協議会」の運営や、健康に不安を抱えるホームレスに対する 健康相談などを行う地方公共団体に対し補助を行うもの。 <調査結果> ・地域保健従事者現任教育推進事業については、研修期間、代替 職員の雇上げにおいて、予算と執行の乖離が認められた。 ・地域・職域連携推進事業については、協議会の開催回数におい て、予算と執行の乖離が認められた。 ・ホームレス保健サービス支援事業については、補助先数が硬直 化しており、他の国庫補助事業等との重複もみられた。 <今後の改善点・検討の方向性> ・予算と執行の乖離が認められた事業については、実態に即した 積算内容に見直すべき。また、ホームレス保健サービス支援事業 については、他事業との整理が必要ではないか。 -7- <反映の内容等> ・予算と執行の乖離が認められた事業 については、実態を踏まえ予算積算の 見直しを行った。 ・ホームレス保健サービス支援事業に ついては、平成 26 年度限りで廃止し た。 <国土交通省:一般会計> 住宅セーフティネット基盤強化推進事業【反映額:▲ 225 百万円】 一部廃止 <事案の概要> 住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居を図るため、賃貸住宅関連紛争に係る処理の円滑化、居住支援協 議会の活動支援等を行うもの。 <調査結果> ・紛争処理円滑化支援の相談事業について、最終的な解決につな がっていなかったり、ADR(裁判外紛争処理手続)機関等において 同様の事業が実施されており、また、研修事業については、定員 数に比べて参加者数が少ないケースが多かった。 ・居住支援協議会活動支援について、住宅確保要配慮者の住宅確 保につながる事例が少ない。 ・既存賃貸住宅活用に係る地域ネットワークの形成・活用促進事 業については、執行実績が無かった。 <今後の改善点・検討の方向性> ・紛争処理円滑化支援の相談事業については、事業の必要性の有 無を含めて検討すべきであり、研修事業については、費用対効果 の観点から支援の必要性も踏まえて実施方法を見直す必要があ る。 ・居住支援協議会活動支援については、支援の必要性の検証やよ り成果に直結するような内容となるよう見直す必要がある。 ・既存賃貸住宅活用に係る地域ネットワークの形成・活用促進事 業については、事業の廃止を含めて検討すべき。 <反映の内容等> ・紛争処理円滑化支援の相談事業につ いては廃止し、また、研修事業につい ては、開催会場等の見直しを行った。 ・居住支援協議会活動支援について は、協議会運営費の支援内容の見直し を行った。 ・既存賃貸住宅活用に係る地域ネット ワークの形成・活用促進事業について は、廃止した。 2.効率化を図ったもの <外務省:一般会計> 若手英語教員米国派遣交流事業【反映額:▲ 82 百万円】 <事案の概要> 若手英語教員(原則 20 代~30 代)を米国に派遣し、人的交流の機会を得させることにより、教員の米国理解を深 め、そのような経験を有する教員を通じ、日米交流を促進させることで、日米同盟の深化・発展につなげるもの。 <調査結果> ・事業の派遣目的について、英語指導力・英語能力向上が多くを 占め、日米交流が主目的となっておらず、プログラム内容も大学 における研修が主体であり、日米交流に特化していない。 <今後の改善点・検討の方向性> ・外務省が費用負担するのは、日米関係の深化・発展に資する日 米交流部分に限るべき。 <反映の内容等> ・日米同盟の深化・発展に特化するた め、事業目的から英語指導力・英語能 力向上を主目的とする部分を見直し、 米国理解を深めるプログラムに特化 するなど、プログラム内容を見直し た。 ・今後も事業評価を踏まえ、プログラ ム内容等について検討を行う。 <農林水産省:一般会計> 人・農地問題解決加速化支援事業【反映額:▲ 292 百万円】 <事案の概要> 人・農地プランの見直し支援等事業は、市町村が、人・農地プランの作成・見直しのために実施する活動について、 人件費、事務費等の補助を行うもの。 地域連携推進員の活動支援事業は、人・農地プランの作成・見直し、集落営農の組織化・法人化、新規就農者の定 着等の支援を行う地域連携推進員の設置とその活動に必要となる人件費、事務費等の補助を行うもの。 <調査結果> ・人・農地プランに係る経費補助について、市町村における補助 金の使途は、人件費が約 1/3 を占めており、人件費への補助が人・ 農地プランの作成推進に寄与しているのか明確ではない。 ・地域連携推進員を設置しなくても同様の活動が地域で行われて いるところも多い。 <今後の改善点・検討の方向性> ・人・農地プランに係る市町村への経費の補助について、必要性 があるのか、どのような効果があるのかを検証して、事業の在り 方を検討するべき。 ・地域連携推進員に係る経費補助について、市町村の負担なく国 庫補助をすることは適当ではない。また、他の施策や措置との重 複はないか、他の施策に加えて本事業を行う必要性やその効果を 検証し、事業の在り方を検討すべき。 -8- <反映の内容等> ・人・農地プランの作成・見直しの事 務費等については、市町村にも一定の 負担(補助率 1/2)を求める。 ・人件費についても、人・農地プラン の作成・見直しに直接結びつく活動に 支援を集中する。 ・地域連携推進員の設置の必要性は、 市町村によって異なるため、市町村に も一定の負担(補助率 1/2)を求める。 ・他の施策や措置との関係について は、今後、農業委員会改革の中での検 討状況等を踏まえつつ検討する。 <経済産業省:特別会計(エネルギー対策特別会計)> 国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業【反映額:▲ 8,541 百万円】 <事案の概要> 国際的なエネルギー需給の緩和を通じた我が国のエネルギー安全保障の確保を目的として、我が国の省エネルギー 技術等を海外で実証するもの。 <調査結果> ・実証事業終了後の技術システムの普及による省エネ効果実現の 政策目標の達成のためには、 1実証事業当たり 15 件程度の機器の 普及が必要であるが、15 件以上の普及実績があるのは 19.6%のみ であった。 <今後の改善点・検討の方向性> ・政策目標の達成に向け、個別事業レベルでの普及目標を検討す べき。その際には、件数だけでなく、費用対効果の観点も考慮す べき。 ・個別事業の採択段階から事業を絞り込み、予算規模に反映させ るべき。 <反映の内容等> ・個別事業毎の普及目標については、 事業実施前に、外部有識者による評価 委員会で審査することとし、審査の際 には、政策目標の実現に効果的に寄与 するものであるか総合的に判断する こととした。 ・予算規模への反映については、実証 事業を通じた普及展開の見通しを精 査し、候補事業を重点化することによ り、予算を減額した。 <防衛省:一般会計> 艦船の定期検査等【反映額:▲ 145 百万円(契約ベース) 】 <事案の概要> 艦船の定期検査等は、 「船舶の造修等に関する訓令(防衛庁訓令第 43 号) 」等に基づき、海上自衛隊の使用する船 舶のたん航性及び安全性並びにその使用目的に対する適合性を確保するために実施するもの。 <調査結果> ・定期検査・年次検査の間隔については、長短の差が大きく、そ の合理性に疑問がある。 <今後の改善点・検討の方向性> ・定期検査・年次検査に関して、検査間隔が短いものが発生しな いよう、抑制策を検討すべき。 <反映の内容等> ・今後は、修理計画を策定する段階で、 検査間隔が過度に短くならないよう 抑制する。平成 27 年度修理計画立案 においては、検査間隔が過度に短いも のが発生しないように調整し、可能な 限り検査修理の効率化及び可動率の 向上を図った。 ・また、一部艦船について定期検査間 隔の延伸を試行することとした。 <行政経費等に係る府省横断的な調査> 電力の調達状況【反映額:▲ 118 百万円】 <事案の概要> 電気の基本料金は、契約上の最大使用電力量(以下、 「契約電力」という。 )を基に設定され、契約電力は前期の契 約期間の最大消費電力量(以下、 「最大電力」という。 )を基に決められているもの。 【調査結果の分析に当たり、専門家(エネルギー需給に関する専門家)の知見を活用】 <調査結果> ・契約電力が最大電力を10%以上超過していた72施設のうち19施設 においては契約が見直されていなかった。また、最大電力抑制の ため、デマンド監視装置等の導入など様々な取組みが実施されて おり、実施済施設の約8割において、現在の契約電力が前期の契 約電力以内に抑えられていた。 <今後の改善点・検討の方向性> ・契約電力の設定に当たり、過去の電力使用状況を十分精査し、 適切な契約とすることで、経費削減を図るとともに、最大電力抑 制に向けた取組みの導入可能性を検討すべき。 <反映の内容等> ・過去の電力使用状況を精査の上、契 約電力を見直したほか、使用見込電力 量を見直し、経費削減を図った。 ・今後、デマンド監視装置の導入など 最大電力の抑制を検討するなど更な る経費削減に努める。 (計数については、精査の結果、異同を生じる場合がある。 ) -9- 平成26年度予算執行調査の27年度予算への反映額一覧 (単位:百万円) № 省 庁 名 調 査 事 案 名 調査主体 取りまとめ 財 務 局 (注1) 特別 会計 (注2) 26'予算額 27'政府案 増▲減額 反映額 1 内 閣 府 地域再生支援利子補給金 本 省 - 250 268 18 - 2 内 閣 府 地域自殺対策緊急強化事業(注6) 財務局 近 畿 - - - - 3 警 察 庁 自動車ナンバー自動読取装置の整備 本 省 - 1,635 261 ▲ 1,374 - 4 警 察 庁 警察情報通信基盤整備事業 本 省 - 6,213 10,395 4,181 ▲1 5 総 務 省 消防防災関係アドバイザー派遣事業 財務局 北海道 6 復 総 興 務 庁 省 被災地域情報化推進事業 本 省 - 7 総 務 省 電子政府の推進に必要な経費(情報システム関連) 本 省 - 8 総 務 省 国勢調査経費 本 省 - 2,328 67,045 ※1 * 37 16 ▲ 21 ▲ 21 3,663 1,937 ▲ 1,726 ▲ 1,726 10,871 * 11,850 * 979 - 64,717 ▲ 3,833 ▲ 20 9 法 務 省 日本司法支援センター(法テラス)運営費交付金 本 省 - 14,607 14,770 163 10 外 務 省 巡回医師団派遣事業 本 省 - 19 7 ▲ 13 ▲8 11 外 務 省 独立行政法人国際協力機構の中小企業海外展開支援に係る事業 本 省 - ▲ 3,861 ▲ 18 12 外 務 省 若手英語教員米国派遣交流事業 財務局 四 国 149 67 ▲ 82 ▲ 82 13 財 務 省 X線検査装置整備等経費 本 省 - 498 369 ▲ 129 ▲9 14 財 務 省 業務用車及びレンタカーに要する経費 本 省 - 1,832 * 1,806 * ▲ 27 ▲ 11 15 * * 150,274 * 146,413 * 文 部 科 学 省 公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム 財務局 関 東 133 - ▲ 133 ▲ 133 16 文 部 科 学 省 義務教育費国庫負担金 (公立小中学校の学校規模の適正化について) 共 同 東 海 1,532,183 1,528,404 ▲ 3,779 ▲ 1,298 17 復 興 庁 文 部 科 学 省 復興教育支援事業 本 省 - 18 文 部 科 学 省 先進的医療イノベーション人材養成事業 (がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン) 本 省 - 19 文 部 科 学 省 スポーツ競技団体に対する国庫補助金等に係る実態調査 本 省 20 文 部 科 学 省 深海地球ドリリング計画推進 本 省 21 文 部 科 学 省 独立行政法人理化学研究所における研究事業に係る物品調達等の契約 本 省 - * 22 厚 生 労 働 省 母子家庭等対策総合支援事業のうち母子自立支援プログラム策定等事業 財務局 北 陸 * 23 厚 生 労 働 省 特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設の財務状況 共 同 関 東 * 24 厚 生 労 働 省 医師臨床研修費補助事業 本 省 - 10,358 25 厚 生 労 働 省 柔道整復療養費 本 省 - 9,166,691 * 26 厚 生 労 働 省 地域保健医療等推進事業 本 省 - 27 厚 生 労 働 省 精神科救急医療体制整備事業 本 省 - 28 厚 生 労 働 省 日雇労働者等技能講習事業 本 省 - ※2 29 厚 生 労 働 省 勤労青少年の国際交流を活用したキャリア形成支援事業 本 省 - ※2 30 厚 生 労 働 省 生活保護費負担金(子を有する世帯及び母子世帯への給付) 共 同 東 北 31 厚 生 労 働 省 母子寡婦福祉貸付金 共 同 北 陸 32 厚 生 労 働 省 コールセンター事業(年金電話相談事業) 本 省 - 33 農 林 水 産 省 鳥獣被害防止総合対策交付金 共 同 東 海 34 農 林 水 産 省 林業・木材産業改善資金造成費補助金 財務局 中 国 35 農 林 水 産 省 有害生物漁業被害防止総合対策事業 (大型クラゲ国際共同事業除く) 本 省 - 36 農 林 水 産 省 人・農地問題解決加速化支援事業 本 省 - 728 37 農 林 水 産 省 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(地域間交流拠点の整備) 共 同 近 畿 38 農 林 水 産 省 中山間地域等直接支払交付金 共 同 沖 縄 39 経 済 産 業 省 石油備蓄事業補給金 本 省 - ※4 30,200 * 40 経 済 産 業 省 国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業 本 省 - ※4 41 経 済 産 業 省 地域商業支援事業 共 同 九 州 42 経 済 産 業 省 中小企業再生支援協議会事業 共 同 中 国 43 国 土 交 通 省 官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業 本 省 - 44 国 土 交 通 省 通学路対策 本 省 - 45 国 土 交 通 省 環境対応車普及促進対策 本 省 - 46 国 土 交 通 省 船舶建造における武器及び武器管制装置の製造 本 省 - 47 国 土 交 通 省 直轄河川の堤防除草に係る経費 本 省 - 48 国 土 交 通 省 住宅セーフティネット基盤強化推進事業 財務局 49 国 土 交 通 省 半島地域振興対策事業 本 省 50 国 土 交 通 省 飛行場灯火のLED化更新事業 本 省 - 51 国 土 交 通 省 社会資本総合整備事業(効果促進事業) 本 省 52 国 土 交 通 省 建設機械整備事業 53 環 境 省 54 防 衛 省 55 防 衛 56 防 衛 57 防 58 ※1 50 26 ▲ 25 ▲ 23 1,890 1,585 ▲ 305 ▲ 305 - 9,912 12,305 2,393 - - 10,312 10,736 424 - 53,119 * 51,481 * ▲ 1,637 ▲ 214 9,095 * 7,363 * ▲ 1,732 ▲ 36 2,620,091 * 2,631,096 * 11,005 - 9,032 ▲ 1,326 ▲ 988 9,377,133 * * * ※3 * * 210,442 - 104 97 ▲7 ▲ 45 1,881 1,322 ▲ 559 ▲ 522 401 344 ▲ 56 ▲ 56 117 77 ▲ 40 ▲ 39 939,770 * 926,747 * ▲ 13,023 5,040 - 4,406 ▲ 634 ▲ 2,482 4,465 4,881 415 ▲5 9,500 9,500 - ▲ 3,039 25 - ▲ 25 ▲ 25 349 445 96 ▲3 363 ▲ 364 ▲ 292 6,540 6,150 ▲ 390 ▲ 32 28,474 29,000 526 - 28,450 * ▲ 1,750 ▲ 1,750 22,000 13,459 ▲ 8,541 ▲ 8,541 3,900 2,300 ▲ 1,600 ▲ 1,600 4,439 4,476 36 ▲ 133 397 397 - - 1,084,057 * 1,094,749 * 10,692 - ▲ 64 529 481 ▲ 48 * 22,086 * 21,472 * ▲ 614 - * 88,593 * 91,129 * 2,536 ▲ 101 関 東 360 135 ▲ 225 ▲ 225 - 36 115 78 ▲ 17 - * 102,171 * 103,461 * 1,290 - * 1,996,419 * 1,996,554 * 135 - 本 省 - * 268,382 * 296,487 * 28,105 ▲ 90 環境金融の拡大に向けた利子補給事業 本 省 - 1,812 2,224 412 - 各種システムに係る事業費の検証(注7) 本 省 - 30,405 18,506 ▲ 11,898 ▲ 8,015 省 艦船の定期検査等(注7) 本 省 - 47,693 44,864 ▲ 2,830 ▲ 145 省 地対空誘導弾ペトリオットシステム整備用構成品及び維持部品の取得経費(注7) 本 省 - 15,099 9,653 ▲ 5,446 ▲ 389 衛 省 医薬品の調達方法等 共 同 福 岡 10,571 10,661 91 ▲ 167 防 衛 省 車両整備工場の整備(注7) 本 省 - 1,333 1,094 ▲ 239 ▲ 107 59 復 国 興 庁 会 東日本大震災アーカイブ 本 省 - 191 164 ▲ 28 ▲ 27 60 国 会 衆議院・参議院の契約形態 本 省 - 15,998 15,960 ▲ 37 ▲ 53 -10- ※5 ※4 ※1 平成26年度予算執行調査の27年度予算への反映額一覧 (単位:百万円) № 省 庁 名 調 査 事 案 名 調査主体 取りまとめ 財 務 局 (注1) 特別 会計 (注2) 26'予算額 27'政府案 増▲減額 反映額 61 各 府 省 電力の調達状況 財務局 関 東 - - - 62 各 府 省 燃料の調達状況 財務局 近 畿 - - - - 63 各 府 省 ETC割引の利用状況 財務局 東 海 - - - ▲1 64 各 府 省 出力機器(複写機・複合機等)の稼働状況 65 各 府 省 テレビに係る受信契約等の状況 66 各 府 省 情報システムの運用保守に係る経費 67 各 府 省 情報提供サービスの契約状況 68 各 府 省 69 各 府 70 各 71 各 72 73 74 75 ※ ▲ 118 財務局 四 国 - - - ▲ 70 財務局 北 陸 - - - ▲ 10 本 省 - - - - ▲ 900 共 同 東 北 - - - ▲ 20 法令外国語訳に係る経費 本 省 - - - - - 省 冊子等の印刷製本に係る経費 共 同 関 東 - - - ▲9 府 省 採用に係る広報経費 府 省 職員研修に係る経費 各 府 省 健康管理に係る経費 各 府 省 自動販売機の設置状況 ※ 独立行政法人 独立行政法人における広報関係経費 独立行政法人 独立行政法人におけるCIO補佐官の契約形態 ※ ※ 共 同 九 州 - - - ▲5 財務局 福 岡 - - - ▲1 財務局 北海道 - - - ▲ 86 財務局 中 国 - - - - ※ 財務局 九 州 - - - ▲ 15 ※ 共 同 沖 縄 - - - - ※ 合計 ▲ 37,924 (注1) 「本省」:本省調査(財務省主計局の予算担当職員が実施する調査) 「財務局」:財務局調査(財務局職員が実施する調査(26年度は16件を実施し、反映額は8億円。)) 「共同」:共同調査(財務省主計局の予算担当職員と財務局職員が共同で実施する調査(26年度は14件を実施し、反映額は88億円。)) (注2) 「特別会計」における「※1」は「東日本大震災復興特別会計」、「※2」は「労働保険特別会計」、「※3」は「年金特別会計」、「※4」は「エネルギー対策特別会計」、「※5」は「自動車安全特別会計」である。 (注3) 「調査事案名」における「※」は、調査において専門家の知見を活用した事案(7件)。 (注4) 「*」は、当該事案にかかる「26'予算額」「27'政府案」「増▲減額」が表中金額の内数となっているものである。 (注5) 計数は、それぞれ四捨五入によっているので、増▲減額において一致しない。 (注6) (2)地域自殺対策緊急強化事業は25'補正予算1,630百万円、26'補正予算2,500百万円で実施される交付金事業。 (注7) (54)各種システムに係る事業費の検証、(55)艦船の定期検査等、(56)地対空誘導弾ペトリオットシステム整備用構成品及び維持部品の取得経費、(58)車両整備工場の整備の計数は契約ベース。 (注8) 計数は、精査の結果、異同を生じる場合がある。 【参考】 過年度に実施した予算執行調査の27年度予算への反映額一覧 № 省 庁 名 (単位:百万円) 調 査 事 案 名 調査年度 反映額 1 内 閣 府 総合特区推進調整費 25年度 ▲ 4,500 2 復 内 興 閣 庁 府 東日本大震災における女性の悩み・相談事業 25年度 ▲2 3 内 閣 府 子ども・若者支援地域協議会体制整備事業 25年度 ▲ 17 4 総 務 省 消防活動の安全確保のための研究開発等 25年度 ▲0 5 外 務 省 独立行政法人国際協力機構(JICA)の国内支援要員 (プログラムコーディネーター) 25年度 ▲ 24 6 外 務 省 領事業務システム(旅券・査証・領事用端末) 25年度 ▲ 19 7 財 務 省 輸出入貨物分析機器整備経費 25年度 ▲2 8 財 務 省 税理士試験に必要な経費 25年度 ▲ 99 ▲ 2,151 9 文 部 科 学 省 義務教育費国庫負担金 25年度 10 文 部 科 学 省 ふるさと文化財の森システム推進事業 25年度 ▲1 11 厚 生 労 働 省 小児慢性特定疾患治療研究事業 25年度 ▲ 10,792 12 厚 生 労 働 省 高齢者のための地域支援事業(うち任意事業) 25年度 ▲ 697 13 厚 生 労 働 省 日本年金機構における郵送料金の支払い 25年度 ▲ 45 14 厚 生 労 働 省 生活保護(住宅扶助) 25年度 ▲ 3,198 15 農 林 水 産 省 国有林野事業における木材供給事業 25年度 ▲ 87 16 農 林 水 産 省 植物防疫事業交付金 25年度 ▲1 17 経 済 産 業 省 二酸化炭素削減技術実証試験事業 25年度 ▲ 2,600 18 経 済 産 業 省 戦略的基盤技術高度化支援事業 25年度 ▲ 281 19 経 済 産 業 省 経済産業統計調査事業 25年度 ▲ 55 20 国 土 交 通 省 特定離島港湾施設整備事業 25年度 ▲ 554 21 環 境 省 再生可能エネルギー等導入推進基金事業 (グリーンニューディール基金) 25年度 ▲ 3,000 22 防 衛 省 通信専用線の整備 25年度 ▲8 23 防 衛 省 海上自衛隊における弾薬の処分事業 25年度 ▲1 24 防 衛 省 自衛隊のアウトソーシング契約 25年度 ▲ 50 25 各 府 省 業務用車等の稼働状況等 25年度 ▲ 11 26 各 府 省 リサイクルトナーの活用状況 25年度 ▲ 20 27 各 府 省 Eメールの活用状況 25年度 ▲1 28 各 府 省 ポスター作製等経費 25年度 ▲1 29 各 府 省 情報システムの回線使用料の契約形態 25年度 ▲8 30 各 府 省 ソフトウェア購入経費 25年度 ▲2 31 各 府 省 図書購入費 24年度 ▲2 32 各 府 省 コピー用紙の購入経費 24年度 ▲1 33 各 府 省 光熱水料の支出状況 24年度 ▲ 42 34 各 府 省 庁舎等の各所修繕 24年度 ▲1 35 各 府 省 独立行政法人の本部等の賃借料(自社ビルの法人を除く) 22年度 ▲ 15 合計 ▲ 28,288 -11- 政策評価の結果の活用状況 ・ 各行政機関が行った政策評価結果に基づき、個々の事務事業の効率性の検証を 行うなど、予算編成において適切に活用。 ・ 政策評価の結果の平成 27 年度予算への活用額は▲305 億円。 ◆ 主な活用事例 <文部科学省> 大学などにおける教育研究の質の向上(うち、先進的医療イノベーション人材養成事業) 【活用額:▲ 521 百万円】 <政策・施策の概要> 大学等の教育研究を支える基盤を強化しつつ、特色ある発展に向けた取組みを支援すること や、事前・事後の評価の適切な役割分担と協調を確保すること等により、大学等の国際化や 教育研究の質の向上・保障を推進する。 <政策評価の結果等> <政策評価の結果の活用の内容等> ・大学等の特色ある多様で自主的な取組みの ・大学・大学病院における高度医療人材養成機 推進を継続しつつ、効率性の観点から、限ら れた予算の範囲内で各取組の更なる充実を 図る必要がある。 能が強化されるなど、政策目標は一定程度達成 できたものと認められるが、効率性の観点から 取組みの更なる充実が必要である。 ・政策評価結果を踏まえ、人件費、設備備品 費、会場借料等の積算単価の見直しにより経 費削減を図り、予算の削減要求を行った。 ・政策評価を踏まえ、効率性の観点から大学の 自主的な取組みの更なる充実が図られるよう、 指導教員、専門家の業務を整理し、一部を既存 の教職員に対応させることで人件費等の関係 予算を要求額より更に縮減した。 -12- <外務省> 経済協力(うち、ODAの理解促進に必要な経費) 【活用額:▲ 82 百万円】 <政策・施策の概要> テレビ番組やイベント等の情報発信を通じて、国民のODAへの関心を喚起する。 <政策評価の結果等> ・ホームページのアクセス数の年度目標(年 間 8,000 万~9,000 万件程度)は概ね達成し た一方で、広報番組の視聴率は目標(年間平 均5~6%)を下回った。 <政策評価の結果の活用の内容等> ・テレビ番組の視聴率については、過去数年間 にわたり目標が達成できていなかった。また、 ODAに対する実質的な国民理解の促進への 効果を測定する成果指標が設定されていなか った。インターネット等で二次利用することを 通じて、より費用対効果を高めることができる のではないか。 ・テレビ番組制作・放映について、従来実施 していた通年での放映形態を見直し、年間数 回の特別番組にすることで、放送内容の充実 を図り、予算の削減要求を行った。 ・ 「ODAや国際協力に関する理解・関心の促 進度合い」という新たな成果指標を設定した。 30 分番組を年間3回放映し、それらを二次利 用することで、ODA政策に関する発信力の強 化及び新規視聴者の獲得を目指すとともに、予 算の費用対効果の向上を図った。 <環境省> 環境政策の基盤整備(うち、環境研究総合推進費事業) 【活用額:▲ 1,000 百万円】 <政策・施策の概要> 環境の状況の把握、問題の発見、環境負荷の把握・予測、環境変化の気候や環境影響の解明・ 予測、環境と経済の相互関係に関する分析、対策技術の開発など各種の調査研究・研究開発を 実施するとともに、研究開発のための基盤の整備、成果の普及により環境分野の研究・技術開 発を推進し、環境問題の解決や持続可能な社会の構築の基礎とする。 <政策評価の結果等> ・政策評価の目標値として研究課題の事後評 価(5段階)で上位2段階を獲得した課題数 が 60%以上としているところ、その目標値に は僅かに及ばなかったものの、おおむね目標 に近い実績値となっている。 実績値 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 <政策評価の結果の活用の内容等> ・目標値について、近年の実績値では目標 (60%)を達成できていないため、高評価が見込 める案件に絞込みを行う必要がある。 52.6% 39.1% 50.0% 57.3% ・評価結果の趣旨を踏まえ、より環境政策に 貢献する内容の研究課題を重点的に推進す るため、必要な予算を要求した。 ・研究課題の新規採択時に高い成果が見込め る案件に絞り込みを行わせることとし、予算 を縮減した。 (計数については、精査の結果、異同を生じる場合がある。 ) 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