福島県学力調査の結果を基に、二つの視点から、会 津域内小学校5年生理科の全体的な成果と課題をまと めてみました。 視点1 全体的な傾向を分析 成果 観点別正答率で、「自然事象への関心・ 意欲・態度」の項目が、全国の平均正答率 を上回った。 理科好きな児童がとても多いこと がわかります。普段から児童の知的 好奇心をくすぐる授業実践が行われ ていたと考えられます。 課題 ① 「活用」問題の正答率が全国及び県の 平均正答率を下回った。 ② 観点別正答率で、「科学的な思考・表 現」と「自然事象についての知識・理 解」の項目が、全国及び県の平均正答率 を下回った。 視点2 知識等の「習得」はできていて も、「活用」ができていないようで す。サッカーでいうと、「習得」は 「ドリブル」や「シュート」で、 「活用」は「試合」になります。教 科書の「活用しよう」のページを授 業に位置付けることで、確かな理解 が深まります。 問題別に正答率を分析 成果が見られる問題 ① 星座早見盤の目盛りの合わせ方 ② 台風の発生場所と台風の進路 ③ 指や背中が曲げられる理由 「星座早見盤」を児童一人一人が 使用して、使い方をしっかり理解し たようです。台風の発生場所も、教 科書の図を使って指導がなされてい たと考えられます。 課題が見られる問題 ① 顕微鏡の使い方(対物レンズを使用する 順番) ② 試験管の空気を温めたときの、試験管に 張ったせっけん水の膜の変化の様子 ③ 水を温めたり冷やしたりしたときの水の 体積の変化 ④ 水が沸騰しているときの湯気の状態 ⑤ 月の動く方向と、星の色と明るさについ て 教科書の実験内容と異なる方法で 出題されると、正解率が下がるよう です。例えば、せっけん水の膜の問 題は、教科書では上向きの試験管で したが、学力調査では、下向きの試 験管で出題されました。 実験結果の記録だけで終わらず、 その現象が起こる要因をしっかり理 解させることが大切です。 会津地区は、冬になると、曇りや 雪の日が多くなります。直接観察す ることが難しい領域での正解率が低 くなるようです。 観察しやすい時期に授業ができる よう、年間指導計画を工夫したり、 授業で学習した後でも、観察に適し ている日を選び、児童に安全な観察 を勧めたりすることが大切です。ま た、ICTを活用することも効果的 です。 次回は、会津域内で正答率 が低かった「問題」について 確認し、具体的な対策を提案 します。 各小学校に、このよう な「学力調査結果」のデ ータが送られています。 各校の実態を分析し, 定着確認シートやフォロ ーアップシートを活用し て、正答率の低い問題で 問われている内容につい て、再度確認するなどし て、学力の定着を図って ください。
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