株式会社ノーリツにおける デザイン保護の取り組み

デザインの現場とデザイン保護
株式会社ノーリツにおける
デザイン保護の取り組み
株式会社ノーリツ 研究開発本部 知的財産センター 特許技術グループ
月山由紀子
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はじめに
熱温水器、コージェネレーション機器など、厨房分
当社は 1951 年、「お風呂は人を幸せにする」とい
野はコンロや食器洗い乾燥機など、住設システム分
う創業の原点のもと、家庭用風呂の普及によって、
野はシステムバスやシステムキッチンなどといった
人々の生活水準を向上させたいという想いからス
製品を取り揃え、住宅設備分野を広くカバーしてい
タートしました。当初は風呂釜や給湯器という給湯
ます[図 1]。
機器での製品展開でしたが、その後システムバスな
どその他の住宅設備機器に事業を広げ、総合住宅設
備機器メーカーに成長してきました。現在では、ブ
1 知的財産活動
ランドメッセージ、「エコ*リラ*キレイ」を掲げ、
当社では、研究開発本部の中に知的財産センター
地球にやさしい暮らしをあたりまえにする“エコ”、
が設けられ、発明発掘、出願権利化、調査、契約・
住まいをまるごと居心地よくする“リラ”
、心身と
渉外、管理までの、特許、意匠、商標に関する業務
もに美しく、健やかにする“キレイ”
、これらの三
を行っています。知的財産センターの所員数は 12
つの要素をすべて輝かせる製品、サービスを提供す
名で、事業分野別で分業して業務に当たっています。
ることを目標に、温水空調分野、新エネルギー分野、
知的財産活動としては、毎年、開発部門と開発ス
厨房分野、住設システム分野の 4 分野で事業展開し
ケジュール・年間知財活動方針について打ち合わせ
ています。
を行い、そこで合意した方針に基づいて、年間の活
温水空調分野はガス・石油温水機器、温水暖房シ
動を進めています。また、製品開発と連動し、開発
ステムなど、新エネルギー分野は太陽光発電、太陽
の各段階で特許、意匠の出願項目および調査項目を
●図1 当社の事業分野
ガス温水機器
<温水空調分野>
太陽光発電
<新エネルギー分野>
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コンロ
<厨房分野>
システムバス
<住設システム分野>