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5. 2 調査方法
5. 2. 1 概査
概査とは,施工地まで到達できない場合に実施する調査方法であり,遠望より表 5. 2-1の項目を調
査する。
表 5. 2-1 概査調査項目
調査項目
調査方法
緑化成績
対象地全体の自然回復状況を周辺環境のあわ
せて総合的に 5 段階に評価する。表 5. 2-2に
判定基準を示す。
植被率
対象地全体の植被率を示す。
分布型
対象地全体に植物がどのような位置に成立し
ているか評価する。表 5. 2-3に判定基準を示
す。
総
合
群落型
草
本
木
本
対象地全体の植物群落のパターンを総合的に
見て 5 段階に評価する。主に木本群落を主体と
して評価することになる。
対象地全体の草本群落だけを総合的に 5 段階に
評価する。
判定基準は総合評価と同様とする。
対象地全体の木本群落だけを総合的に 5 段階に
評価する。
判定基準は総合評価と同様とする。
土性
航空緑化工指針の土性判定に基づき,5つに区
分する。
その他
緑化基礎工の有無や山腹工の程度などを記録
する。
5-2
区分
5:非常に良好
4:良好
3:普通
2:一部問題あり
1:問題あり
4:全面緑化
3:ランダム
2:全体に分散
1:全面的に裸地
5:安定
4:移行
3:先駆
2:導入
1:衰退
備考
表 5. 2-4
同上
目視で可能であれ
ば実施
同上
目視で可能であれ
ば実施
5:粘性土
4:砂質土
3:レキ質土
2:軟岩
1:硬岩
ただし,1:硬岩は
航空緑化では適用
しない
目視で可能であれ
ば実施
気づいたことを記
入
(1)成績判定基準
成績判定基準を表 5. 2-2に示す。
表 5. 2-2 成績判定基準
判定区分
模式図
主な事例
5:非常に良好
· 植物が健全に生育している
· 植被率が 80%以上で問題となる崩壊
などが生じていない
· 正常遷移で次の群落に移行している
4:良好
· 一部不良な箇所が見受けられる
· 植被率が 60%程度であるが健全に生
育している
· 基盤が一部流出しているが大きな被害
は発生していない
3:普通
· 植物が全体的に生育しているが元気が
ない
· 現在はあまり生育が良くないが今後回
復する見込みがある
2:やや困難
·
·
·
·
1:困難
· 植被率が 20%未満で回復する見込み
少ない
· 植物が全体的に枯死している
· 基盤がながれ回復する見込みがない
· 大きな崩壊が全体的に生じている
5-3
植物が全体的に生育不良である
部分的に枯死している区画がある
今後衰退傾向にある
偏向遷移でクズ群落等に覆われている
(2)分布型判定基準
分布型判定基準を表 5. 2-3 分布型判定基準に示す。
表 5. 2-3 分布型判定基準
説明
判断例
4:全面緑化
全面的に植生があり,植被率が
80%以上の場合
· 全面的に植生があるが大き
な石などがある部分で裸地
が生じている。
3:ランダム
植被率が 20~80%であり植生や
裸地の発生位置が,数カ所に集中
的に存在する場合
· 全体的に植生で覆われてい
るが,上部のかぶり部分で植
生が生育していない
· 一部崩壊が生じている
2:分散
植被率が 20~80%であり,植生
や裸地の発生位置が,全面的に存
在する場合
· 肥料分が不足し全体的に植
生が粗な状態
1:全面裸地
全面的に裸地であり植被率が
20%以下の場合
· 全体的に衰退している
· 崩壊箇所が多く,今後崩壊が
広がっていく
分布型区分
模式図
5-4
(3)群落型判定基準
群落型判定基準を表 5. 2-4に示す。
表 5. 2-4 群落型区分
群落区分
草本群落
木本群落
説明
1:衰退
植生が衰退傾
向もしくは衰
退してしまっ
た群落
2:導入
導入植生が主
体の群落
3:先駆
導入植生から
侵入種特に先
駆的なものが
主体の群落
4:移行
(2 次林)
先駆的な植生
から,2 次林
を形成する森
林(高地では
草地の場合も
ある)が主体
の群落
5:安定
(極相林)
温量区分で極
相群落といわ
れる群落
森林群落
ハイマツ群落(高地等)
5-5
5. 2. 2 詳細調査
詳細調査とは,概査の調査項目に加えて直接施工地に行き調査したものである。表 5. 2-5に項目を
示す。
表 5. 2-5 詳細調査の調査項目-1
調査項目
草本
代表植物
木本
調査地に生育している木本の群落高を 4 段階に
評価する。判定基準を表に示す
木本群落高
代表
レキ径
最大
土性
2mm 以上のレキのおおよそのサイズを測定す
る。日本統一土質分類法に基づき 5 段階に評価す
る。
2mm 以上のレキの周辺にある最大のレキのサイ
ズを測定する。
緑化後,再生してできた土壌の粒径組成を判断す
る。乾燥害や透水性など主に物理性の評価が可能
である。日本農学会法に基づき 5 段階に評価する
基岩層
緑化前からある基岩(地盤)の土性を測定する
再生層
緑化後,再生してできた土壌の土壌硬度を山中式
土壌硬度で測定し航空緑化工指針に基づき 6 段
階に評価する。
土壌硬度が 27mm 以下では根が侵入できるとい
われている。
再生層
緑化前からある基岩(地盤)の土壌硬度を測定す
る。
緑化後,再生してできた土壌の土色を下図のよう
な 4 段階に評価する。
土色によって有機炭素量(腐
植量)を判断することが出来る。
腐植量は保肥性な
ど主に化学性の評価が可能である。
基岩層
緑化前からある基岩(地盤)の土色を評価する。
基岩層
区分
備考
4:10m~
3:5~10m
2:2~5m
1:~2m
5:~2mm
4:2~20mm
3:20~75mm
2:75~300mm
1:300mm~
同上
1:砂土
2:砂壌土
3:壌土
4:埴壌土
5:埴土
再生層
土壌硬度
土色
調査方法
調査地に生育している草本の代表的なものを 3
種程度記録する
調査地に生育している木本の代表的なものを 3
種程度記録する
5-6
同上
1:~18
2:18~23
3:23~27
4:27~30
5:30~
6:レキおよび岩
再生できてい
なければ測定
しない
同上
レキでは測定
しない。
1:明褐色~褐色
2:暗褐色
3:黒褐色
4:黒色
再生できてい
なければ測定
しない
同上
調査項目
pH
土壌酸度
再生層
基岩層
EC
電気伝導
度
再生層
基岩層
再生層
腐植量
基岩層
CEC
陽イオン
交換容量
再生層
基岩層
表 5. 2-5 詳細調査の調査項目-2
調査方法
緑化後,再生してできた土壌の土壌酸度を測定
する。
一般に植物が生育できる土壌酸度の範囲は
pH4.0~8.0 である。
緑化前からある基岩(地盤)の土壌酸度を測定す
る。
緑化後,再生してできた土壌の電気伝導度(EC)
を測定する。
区分
物質の電気の通りやすさを示す指標で,土壌中に含
まれて植物の生育を阻害する物質が多いと高い傾向
を示す。
緑化前からある基岩(地盤)の土壌酸度を測定す
る。
緑化後,再生してできた土壌の腐植量を測定す
る。
備考
再生できてい
なければ測定
しない
再生できてい
なければ測定
しない
再生できてい
なければ測定
しない
腐植とは動植物の遺体等が土壌中で微生物や化学的
な作用で分解合成されてから作られた,暗色無定型
な有機高分子化合物の総称である。地力の増大=腐
植量の増大とはいえないが,多くの場合,地力の向
上が腐植量の増大へとつながる。
緑化前からある基岩(地盤)の腐植量を測定す
る。
緑化後,再生してできた土壌の CEC を測定す
る。
再生できてい
なければ測定
しない
土壌の保肥力を示す値で,この値が少ないと施肥し
ても効果が持続しない。
緑化後,再生してできた土壌の CEC を測定す
る。
航 空緑化工指 針で
の土性区分
地山(基岩層)の土性を指針での判定区分に従っ
て評価する。
その他
調査で気づいたことを記録する。
5:粘性土
4:砂質土
3:レキ質土
2:軟岩
1:硬岩
※ なお土壌は,施工時と思われる地山の土壌を基岩層,その後,生成された土壌を再生層とし
て評価している。再生層が非常に薄い場合は測定していない。
5. 2. 3 航空写真
航空写真調査とは,概査および詳細調査を実施できなかったが,1 つの施工箇所の面積がおおよそ
1ha 以上と大規模であるかつ施工後に航空写真が撮影された施工箇所を抽出し,①成績判定,②植被
率を測定した。
5-7
5. 3 その他の調査データ
先の 4 章および 5 章で整理した,台帳および国有林 GIS から施工範囲の環境要因を抽出した。施
工範囲は,詳細工事資料および写真,図面を参考に崩壊地の形状,標高,規模を参考に GIS 上に投影
した図面から選び出した。抽出項目を表 5. 3-1に示す。
表 5. 3-1 対象地の環境要因測定項目
諸元
分類
植生
気象
GIS
基盤
工事
台帳
植生
基盤
備考
選択した範囲に含ま
周辺植生自然 を環境省自然環境保全基礎調査のデータから GIS
れるメッシュとそれ
度
に統合し,選択した範囲の植生自然度を測定した。
を囲む外周の平均
処理された DEM を利用し選択した範囲の最も高
標高
い標高をその地点の標高とした。
処理された DEM を利用し選択した範囲の 8 段階
方位 最出
に方位を指定した後最も頻度の高い方位をその地
点の方位とした。
斜面が多様な向きを
処理された DEM を利用し選択した範囲の 8 段階
方位 偏差
していると評価する
に方位を指定した後,その標準偏差を求めた。
ことができる。
処理された DEM を利用し選択した範囲の緯度と
温量指数
標高から月平均気温を求める近似式から気温を算
出後計算した。
処理された DEM を利用し選択した範囲に含まれ
最大勾配
る傾斜の最大勾配
平均勾配
上記の平均勾配
選択した範囲の勾配の標準偏差である。この値が 斜面の多様な勾配を
勾配偏差
大きな場合,斜面の凹凸が大きいと予想される
示す指標
国有林 GIS 地
選択した範囲の国有林 GIS 地質情報を抽出した。
質
国土数値情報 選択した範囲の国土数値情報の地質情報を抽出し
地質
た。
国有林 GIS 土
選択した範囲の国土数値情報から抽出した。
壌
治山台帳に記載されている完成年月日を工事完了
経過年数
日として年単位で計算した。
1:スラリー工法
2:ベース方式
工法
次の 5 つの工種に分類した
3:空播き方式
4:アス乳
5:その他
追肥の有無
追肥実施の有無を台帳より判読した
1:なし
2:溝切り工
3:柵工
緑化基礎工
緑化基礎工を 6 つに分類した
4:筋工
5:伏工
6:軽量法枠工
導入植物区分 導入植物(播種植物)を表 5. 3-2の 8 つに区分した
導入種
導入植物(播種植物)の植物名を記入した。
台帳土性
土性を台帳から抽出した。
台帳地質
台帳に記載されている地質を抽出した。
項目
説明
5-8
表 5. 3-2 導入植物区分
区分
説明
在来木本
s
外来木本
●
●
●
●
●
在来草本
外来草本
外草
外在草
外草・在木
外在草・在木
外在草・外在木
在草・在木
在木
不明
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
種子配合
外来草本
外来・在来草本
外来草本,在来木本
外来・在来草本および在来木本
外来・在来草本および外来・在来木本
在来草本および在来木本
在来木本
種子配合のわからないもの
5-9