平成26年度短期給付財政安定化のための具体的対応策

5 平成26年度短期給付財政安定化のための具体的対応策
(1) 疾病予防と健康管理対策の啓蒙、啓発
① 疾病分析等の資料提供体制の整備及び所属所への巡回(職場懇談会の実施)
組合員及び家族の疾病傾向を、「男女別」「所属所別」「疾病分類別」「年齢別」
等、さまざまな角度から分析を加えた本組合独自のデータをデータベース化し、
各所属所における疾病予防対策等に利用・活用が図れるよう、提供体制を整
えます。
また、所属所別の疾病状況をみた場合、所属所間において特徴がみられる
ため、特徴が大きな所属所に対し、疾病別などの分析資料を持参のうえ、該当の
の所属所に出向き、分析結果や対策について共に検討を加えることとします。
ついては、平成26年度は10ヵ所以上の所属所を目標に巡回し、職場懇談
会を実施していきます。
提供可能データ一覧
・ 所属所別受診件数集計
・ 病類121分類別件数金額分布表(疾病分類表における「大分類」「中分類」別)
・ 過去3年間の病類別・受診状況他 など
② 組合広報紙「ハーモニー」の活用
定期的に健康情報を掲載し、健康情報発信としてのイメージの定着を図ります。
掲載予定記事
(ア) 「アンチメタボ(ロコモ)!チャレンジエクササイズ」
メタボリックシンドロームとロコモティブシンドロームの予防に効果的なエクササ
イズに関する内容を毎号交互に掲載します。
(イ) 「“プロ”のアイデアを食卓に!かんたんヘルシーレシピ」
プロの管理栄養士のアイデアを取り入れたヘルシー料理のレシピを掲載します。
(ウ) 「すぐ使える、「ココロの参考書」」
組合員だけでなく、家族のメンタルヘルスにも着目し、医師やカウンセラー等の
経験をもとにしたコラムやエッセイを中心に掲載します。
(エ)「お役立ち情報BOX」
季節毎のタイムリーな健康情報、ジェネリック医薬品の利用促進など、家族単
位で興味を持って取り組むことのできる内容を中心に掲載します。
また、この他にも最新の疾病予防法や、季節に合わせた健康情報(インフルエン
ザ予防法等)などを発信します。
総じて、組合員や被扶養者にとって身近からできる「健康づくり」「健康管理」の情
報を積極的に掲載し、疾病予防や健康意識の向上を図ります。
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③ 医療費抑制に向けたホームページの拡充
レセプト電子データの提供により、よりリアルタイムでの統計情報を組合員及び
被扶養者に提供できるよう医療費統計資料の更新を行います。
④ ジェネリック医薬品の推奨・差額通知書の送付
全国市町村職員共済組合連合会開発のジェネリック医薬品差額通知の
送付を毎年度実施していますが、引き続き組合員及び被扶養者
に対して1薬品につき一定額(月額500円以上予定)の差額が見込まれる傷病(精
神疾病、乳幼児等を除く)を対象に、平成26年度も年3回通知書を送付し、ジェネ
ッリク医薬品の有効性や安全性をアピールしていきます。(1回 2,000通程度送付)
また、ホームページや組合広報紙「ハーモニー」で適時に掲載し、「ジェネリック医
薬品お願いカード」の利用促進や差額通知の有効活用についてもアピール
していきます。
(2) 健康づくりのための各種会議、講座の開催
【所属所を対象としたもの】
① 共済事務担当者打合会・共済事務担当者(初任者)研修会
・短期給付実務講座
共済事務全般の説明ととも に、特定 健康 診査 及び 特定 保健 指導 の重 要性
を認識していただくこと、関連事業への協力を依頼し、職場における
「健康づくり」環境の整備を指導的立場に立って努めていただくこと、
複雑化している短期給付制度について、制度の内容及び最近の短期給付の状況
等を十分理解していただくことを目的として、各々年1回開催します。
② 管理監督者向けのメンタルヘルスセミナー
職場の管理監督者を対象として、職場内における良好な対人関係を構築する上
での問題点・注意点や、実例を交えた心のケアの具体的実践方法の紹介など職場
全体でメンタルケアの対応をしていくことの意識向上を図るとともに心の健康管理等
に関する情報提供の場として、年度1回開催します。
③ 保健師等向け歯科疾病予防対策
歯周疾患に関わりがある疾患といわれているのが、糖尿病以外に も肺炎や
心臓疾患など様々な病気があります。
口腔内を健康な状態に保つために必要な情報提供等を目的とし、所属所保健
師等を対象に、歯科衛生に特化したセミナーを年度1回開催します。
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【組合員、被扶養者を対象としたもの】
① 体幹エクササイズ・食育セミナー
健康づくりと生活習慣病の予防及び食生活改善等にポイントを置いたセミナー
で、組合員及びその家族を対象に県内2ヵ所で開催します。
② メンタルヘルスセミナー
心の健康の在り方やストレス社会との付き合い方を考えて、メンタルヘルスの対処
法にポイントを置き、ストレッチやマッサージ体験をしていただき、組合員及びその
家族を対象に県内2ヵ所で開催します。
③ 電話健康相談
24時間体制の電話(フリーダイヤル)による健康相談窓口を開設するため、専門
業者と契約し、組合員及び被扶養者の健康管理や安心した健康づくりに寄与
していきます。
受付相談内容は、疾病の症状や治療に関することを始め、近年重要視されてきた
メンタル面の相談に対応するため、希望により心理カウンセラー等と直接面談によ
カウンセリングが可能となっています。 る
(3) 検診事業の実施計画
疾病の予防及び早期発見・早期治療による、組合員及び被扶養者の健康の
保持増進並びに、生活習慣病該 当者 等の 減少 を図 るこ とを 目的 とし て、 各種
検診事業を行います。
① 組合が契約した検査機関で全組合員を対象とした血液・血圧・尿検査等を実施
し、35歳以上の組合員を対象に聴力検査・心電図検査・便潜血検査も同時に
実施します。
② 40歳以上(40歳未満は希望者のみ)の組合員を対象に胃部エックス線検査を
実施します。
③ 組合員及び被扶養者は、組合が契約した医療機関において、人間ドック等を年
度1回受診することができます(下表参照)。
内 容
1泊2日人間ドック
1 日 人 間 ド ッ ク
1 日 脳 ド ッ ク
対 象 者
助 成 金 額
組合員及び
26,000 円
その被扶養者
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受 診 者 負 担 額
1 日 人間 ド ッ ク 追 加 検 査 項目
脳
前
検
立
腺
が
骨
祖
ん
検
査
視触診のみ
子宮ガン検査
+
乳がん検査
婦
人
科
査
視触診+マンモグラフィ
視触診+乳房エコー
し
ょ
う
症
検
査
胃
カ
メ
ラ
検
査
胸
部
C
T
検
査
内
臓
脂
肪
測
定
検
査
頸
動
脈
超
音
波
検
査
ピ
ロ
リ
菌
検
査
4,000
1,000
1,000
2,000
2,000
1,000
1,000
3,000
1,000
1,000
1,000
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
円
④ 地域住民を対象とした行政が行う婦人科検診・消化器検査などのほか、生活習
慣病予防検診を自ら健診機関で受診した組合員及び被扶養者に、検診毎1,000円
を限度として申請により助成を行います。
⑤ 特 定 健 康 診 査 ・ 特 定 保 健 指 導 の 実 施 に よ り 、 メ タ ボ該 当 者 及 び 予 備 群 の
減少に努めます。
特定健康診査の実施方法については、組合員は労働安全衛生法に基づく定期
健康診査に特定健診の健診項目が含まれておりますので、今までどおりの健康診
査を行います。
また、被扶養者は組合が契約(集合契約を含む)した健診機関で、組合から発行
される特定健康診査受診券を持って受診することとします。
特定健康診査の受診率を調査・把握し、未受診である被扶養者のいる組合員に
対し、所属所を経由して受診を促し、より受診率の向上に努めます。
特定保健指導についても、共済組合が契約(集合契約を含む)した保健指導機
関による実施を基本とします。
(4) 救急箱補充薬品の支給
組合員を対象に一定の医薬品等を示し、希望医薬品等(歯科衛生品含む)を
配布(11月頃予定)することにより、適正受診を促し病院の受診の減少を図ります。
(5) 歯科疾患予防対策用品の支給
歯周病予防等に適した用品の提供により、う蝕・歯周病等の歯科衛生に
対する重要性を認識していただき、羅患率の削減を目的とします。
なお、本事業は、(4)救急箱補充薬品の支給と同時に実施します。
(6) インフルエンザ・日本脳炎予防接種助成
組合員及び被扶養者が、インフルエンザ・日本脳炎の予防接種をした場合、その
負担した額のうち1人1回につき、1,000円を限度として申請により助成します。
なお、インフルエンザは、新型・季節性を問いません。
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(7) 医療給付の適正化に関する実施事項
① 医療費通知
組合員及び被扶養者に対し、医療費に対するコスト意識の啓発と、医療と健康に
対する認識を深め、適正受診に自ら努める姿勢を促すことを目的として、受診
内容・医療費総額・自己負担額等を記載した医療費通知を、所属所を経由し
組合員に送付します。
〔実施方法〕 = 年3回実施(2、6、10月に、前4ヵ月処理分を通知)
〔記載内容〕 = 受診者氏名・診療年月・日数・診療区分・給付種別・医療費総額
法定給付額・公費負担額・自己負担額・家族療養費附加金等
高額療養費・入院附加金・支給済額
② レセプト資格、内容点検
ア 資格審査事務
レセプトの資格確認事務を、基幹システム及びレセプト管理システムを活用
し、資格審査事務を職員により徹底します。
イ レセプト内容審査
個人情報保護に関して、本組合が取り扱い業者として適当であると認めた、
レセプト点検業者に外部委託しています。
点検業者に委託することにより、専門スタッフによる高度な知識と技術を生か
し、正確・確実な点検業務の遂行が可能となります。
〔レセプト審査状況(平成24年度実績)〕
過誤調整金額 8,084,397円
(8) その他本組合における事務処理の適正化、充実化
① 傷病手当金の適正支給
傷病手当金請求書記載内容(傷病名・医師の意見欄等)と対象者のレセプト内容
を縦覧し、支給要件等の確認事務を徹底します。
② 被扶養者認定審査事務の適正化
被扶養者審査事務の取り扱いが適切に行われるよう、所属所共済事務担当者に
対して説明会などを通じて周知を図り、組合員に対しては、ホームページ・組合
広報誌を通じ周知していきます。
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③ 被扶養者実態調査の実施
すでに被扶養者となっている者に対しても、組合員との生計維持関係に着目した
実態調査を随時行い、被扶養者認定の適正化を図ります。
〔実施方法〕 = 被 扶 養 者 の 状 況 に よ り 調 査 項 目 、 調 査 月 を 設 定 し 、原則的
には、年1回以上調査を行います。
(共済組合が調査項目を設定しない者については、2年に1度
全員調査を行います。)
④ 公費負担医療受給者の把握
重度心身障害者、ひとり親家庭、乳幼児医療等の公費負担医療受給者の調査等
(レセプト点検による把握、組合広報誌への関連記事掲載等)を実施し、附加給付
等の適正支給に努めます。
⑤ 公務(通勤)災害、第三者加害行為の調査
レセプト管理システムの抽出機能を使用し、外傷性疾病(入院)の原因調査を行
います。
公務(通勤)災害・第三者行為に起因する疾病であった場合は、その医療費に関
しての求償を確実に行います。
また公務(通勤)災害・第三者行為に係る保険診療についての届出を徹底するよ
う、ホームページ・組合広報誌を通じ、広く組合員に周知します。
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