「おみやげコンシェルジュ」-悩めるおみやげ選びを全力サポート

松山市政策論文
「おみやげコンシェルジュ」-悩めるおみやげ選びを全力サポート!!
要約
松山の特産品についての一番のお客さんであるべき松山市民だが、地元にどんな特産品が
あるのかを知らない、知ってはいるが食べたことがないといった人も多い。
「おみやげコン
シェルジュ」というのは地元の高校生・大学生に松山の特産品についての知識をつけても
らい、特産品の良さを発信していくという制度だ。まずは「おみやげコンシェルジュ」と
なって松山の特産品の良さに気付いてもらう。そして「おみやげコンシェルジュ」の活動
を通し、多くの人に松山の特産品の魅力が広めていくことができる。
1. はじめに
県外に旅行に行くときは事前に観光雑誌やインターネットを見てどのお土産を買うか考
える。しかし、たくさん種類がありすぎて決められない。結局現地で実際にお土産を見て
買おうと思うのだが、実際に見ても何を買おうかかなり迷う。こんなときに、自分の希望
に合うお土産を見つけるサポートをしてくれる方がいると助かると思いこの企画を考えた。
また、松山には誇るべき特産品があるというのに意外と地元住民に知られていないものも
多い。また、存在は知っていても機会がなく触れたことがない、食べたことのないという
ケースもあると感じた。
「おみやげコンシェルジュ」たちの活動を通して県外の人だけでな
く、松山の人にも松山の良いものを知ってもらうきっかけになればいいと思う。
2. 問題点
特産品の紹介を見ていると特産品についての大まかなイメージはつかめるのだが、具
体的にどのような味なのか、使い心地はどうなのかといった具体的なイメージは掴みづ
らい。悩んだ挙句定番と呼ばれるものを買ってしまいがちになる。松山には多くの種類
の特産品があり、その中から自分の好みに合ったものを選ぶことができるはずである。
松山市は農水産物のブランド化に力を入れている。特産品のブランド化においてまず
最初のターゲットとすべきなのは地元の人間と言われている。地産地消により安定した
消費を生み出すことが大事なのだそうだ。また地元住民が贈り物をするときにブランド
化された特産品を選ぶことで、県外の人にも伝わっていくのだという。しかし、地元住
民があまり「まつやま農林水産物ブランド認定品」を食べたことがないようにも感じる。
そしてそれは「まつやま農林水産物ブランド認定品」に限ったことではない。松山の特
産品をより多くの人に知ってもらうためにはまず地元住人に松山の特産品を好きにな
ってもらわなければならない。
3. 企画内容
(1)企画概要
「おみやげコンシェルジュ」検定を行い資格取得者には、松山の特産品を広める活動を
行ってもらう。この「おみやげコンシェルジュ」とは松山の特産品についての知識を有し、
情報発信を行えるものと位置付ける。対象は松山市内在住のもしくは松山市内の学校に通
う高校生・大学生とする。
(2)選出方法
「おみやげコンシェルジュ」検定と称し、試験を行う。試験はマークシート形式で
問うのは特産品の基礎知識や歴史。
(3)「おみやげコンシェルジュ」について認知してもらうために
「おみやげコンシェルジュ」検定および資格について。市のホームページに掲載、チ
ラシの作成および掲示、TV やラジオでの告知、新聞に掲載などを行い、広くアピールす
る。チラシは市内の学校に通う高校生・大学生に活動をしてもらうため、松山市内の高
校・大学に配布。また高校生・大学生が多く利用する商店街やショッピングセンター、
図書館にも協力を要請しチラシを掲示してもらう。
(4)「おみやげコンシェルジュ」で取り扱うもの
松山市のホームページに掲載されている特産品を基本とするが「おみやげコンシェ
ルジュ」からの要請があれば随時追加していく。大まかに「みかん」「海の幸」「山の
幸」「まつやま農林水産物ブランド品」「伝統工芸品」「ドリンク」「地酒」に分類し、
分野ごとに試験を行う。コンシェルジュ検定を受けようとするものは自分の興味のあ
る分野を選び試験を受けられるようにする。すべての検定を受けることも可能だが1
つの試験のみを受験することも可能。1つの分野でも資格を持っていれば「おみやげ
コンシェルジュ」として活動ができるようにし、誰でも気軽に「おみやげコンシェル
ジュ」検定にチャレンジできるものとする。資格合格者には認定書と缶バッチを配布。
バッジの柄は分野ごとに異なる。この柄は「みきゃん」を必ず使うことと、各分野の
イメージに合ったイラストとすることを条件に一般募集をする。缶バッジの種類は全
7種類。各分野 1 種類ずつ、そしてすべての分野を取得したものに送られる缶バッジ
である。
(4)「おみやげコンシェルジュ」の活動
①インターネットでの情報発信
特産品一品一品にレーダーチャートを作成し掲載。利用者はレーダーチャートを
見て自分の望みに近い特産品を探し出せるようにする。
例
値段
紅まどんな
6
4
2
0
甘さ
大きさ
酸味
系列1
果汁
何を買うか漠然としている方のためには選択肢に答えていくと適した特産品を紹
介されるようにする。具体的には「みかん」買いたいが種類が多くどれを買えばよ
いかわからない場合「予算は何円以内か」「酸味が強いのがよいか、甘みが強いのが
よいか」といった選択肢が表示され、それらの質問に答えていくと自身の希望に近
いみかんが画面上に表示されるといった仕組みだ。
ホームページには Q&A コーナーを設置。利用者が気軽に質問できるようにする。
質問には「おみやげコンシェルジュ」のメンバーが自由に返答できる。また、よく
ある質問のコーナーも設置し、質問の重複を防ぐ。
また特産品の個々のページにはその特産品のちょっと変わった使い方や食べ方も
書かれているようにする。
「おみやげコンシェルジュ」たちは自分の取得している分
野の特産品について新たな魅力を発見し、自由に書き込める。
②意見交換会
ホームページに載せる紹介分、レーダーチャート等の作成は「おみやげコンシェ
ルジュ」たちが行う。希望者を募り合宿を行い、そこで実際にその分野の特産品に
触れ合いつつ話し合いを行う。またこの合宿とは別に分野の垣根を越え、
「おみやげ
コンシェルジュ」全体の意見交換会兼交流会を開催する。交流会場には「おみやげ
コンシェルジュ」が取り扱っている松山の特産品も集めて、直に特産品にふれあい
つつ情報交換をおこなう。ここでは普段は分野別に分かれて活動する「おみやげコ
ンシェルジュ」のメンバーが一つに集うことで、自身が保有する資格以外の特産品
について興味を持ってもらうことを目的とし実施する。
③ふるさと納税の記念品の追加
松山市ではふるさと納税の記念品として「まつやま農林水産物ブランド品」を
贈っている。しかし「伝統工芸品」
「ドリンク」
「地酒」が取り扱われていないため、
これらの分野のコンシェルジュたちがふるさと納税の記念品を選出する。
4.
「おみやげコンシェルジュ」資格取得者のメリット
履歴書に「おみやげコンシェルジュ」検定資格取得と書ける。また資格取得の証
として配布される缶バッジを掲示すれば市内の観光名所の入場料が割引となる。
5.松山市のメリット
県外の人に松山の良いものを知ってもらうきっかけになる。また「おみやげコン
シェル」の活動を通し、地元住民にも松山の特産品について知ってもらうことがで
きる。高校生・大学生としたのは、進学または就職のために県外に出る可能性が高
いためである。松山の特産品についての知識を有したものが県外に出て特産品を紹
介することで知名度も上がるだろう。また、高校生や大学生が自分では買わないよ
うな少し値段の高いものに触れることで、そのものの良さを理解する可能性もある。
高くともよいものだと分かれば今後その商品を購入することもありえる。つまりは
「おみやげコンシェルジュ」の活動は消費者教育にもつながる。
「おみやげコンシェ
ルジュ」の活動で松山の特産品の知名度とファンを増やすことができ、消費拡大に
つながる。
6.おわりに
松山には誇るべき特産品がたくさんある。
「おみやげコンシェルジュ」を通してた
くさんの人に松山の特産品の良さを知ってもらいたい。「おみやげコンシェルジュ」
の活動によりまずは地元住人に、さらに地元住民から県外の人に松山の特産品の良
さを伝えていくことができる。また、定番のお土産に偏るのではなく、より多くの
特産品を手に取ってもらえるようになるはずだ。そしてお土産選びで悩む人たちの
手助けができればよいと思う。
3187 文字
松山市ホームページ
(http://www.city.matsuyama.ehime.jp/)
農林水産物・食品の地域ブランド 確立に向けたガイドライン
( http://syoku-brand.com/pdf/h23_syoku-brand_guideline.pdf#search='%E7%89%B9%E
7%94%A3%E5%93%81+%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%8C
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