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平成26年度 電気回路基礎 講義ノート
No.11
配布日:
1.6 重ね合せの理
回路網の解析はオームの法則とキルヒホッフの法則を適応すれば良いが,解析には種々の便利な定理がある。
R [Ω]
2つ以上の起電力を含む回路網の各枝路に流れる電流
は,各起電力がそれぞれ単独にあるものとして,別々
に各電流を求めて合成(重ね合せ)したものに等しい。
E1
[V]
E2
[V]
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平成26年度 電気回路基礎 講義ノート
No.12
例えば図 1.36 の各抵抗に流れる電流は,それぞれ起電力が
一つのみの場合の電流を求め,後で足し合わせる(方向に注意)
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R1 [Ω]
R2 [Ω]
R3 [Ω]
ことによって,求められる。
E1 [V]
E2 [V]
(1)E1 だけが単独で存在する場合
図 1.36
(2)E2 だけが単独で存在する場合
(1)(2)の答えを重ね合わせる。
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平成26年度 電気回路基礎 講義ノート
No.13
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1.7 鳳 - テブナンの定理
回路網中に複数の起電力がある場合には、鳳 - テブナンの定理を用いると簡単に解ける。テブナンの定理は,回路網中の任
意の2端子間を一つの抵抗と一つの起電力にまとめるための定理である。
a
R1
[Ω]
R3
[Ω]
E1 [V]
E2
[V]
a
R [Ω]
Ri [Ω]
R [Ω]
Vi [V]
b
b
ここで一つにまとめた抵抗 Ri は,抵抗 R がない場合の端子 a-b 間の合成抵抗(ただし起電力 E1,E2… は 0 [V] として短絡する)
であり , 次式で求まる。
① 一方,一つにまとめた起電力 Vi は,ミルマンの定理によって求めることができる。ミルマンの定理は次式で与えられる。
② ミルマンの定理は,いずれかの枝に起電力がない場合にも使用でき,その際はその起電力を 0 [V] として扱えば良い。
なお、ミルマンの定理を用いずに起電力 Vi を求める手法については,教科書 P.21 に記載されている。
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平成26年度 電気回路基礎 講義ノート
No.14
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1.8 電流の発熱作用と電力
電熱器や電気こたつなど,電流の発熱作用を利用した機器は多数ある。ここでは,電流の発熱作用,電気エネルギーと熱エ
ネルギーの関係,電力と電力量について学習する。
1.8.1 ジュールの法則
抵抗体に電流が流れると熱が生じる。これは抵抗体で① が② に変換されるためである。この関係は,イギリスの物理学者ジュールによって発見された。
③ 電流が t 秒間流れる時に発生する熱量(熱エネルギー)は次の式で表される。
④ ※エネルギーの単位は⑤ である。
※ 1 [J] は約 0.24 [cal] である。
1.8.2 電気エネルギーと電力
電気エネルギーは,熱エネルギーや機械エネルギーに変えることができる。1 秒当たりの電気エネルギーを⑥ といい,量記号に⑦ ,単位に⑧ を用いる。
⑨ ※ 1 [W] は 1 [J/s] に相当する。
1.8.3 電力量
電力 P は1秒当たりので電気エネルギーであるので,電力 P と時間 t の積は電気エネルギーの総量となる。
これを⑩ といい、量記号に⑪ ,単位に⑫ を
用いる。すなわち電力量と電力には以下の関係がある。
⑬ ※電力量 1 [W・s] は電気エネルギー 1 [J] に等しい
電力量の基本単位 [W・s] は非常に小さく扱いにくいため,通常電力量の単位としては,⑭ が用いられる。電力会社が算定する使用電力量にもこの単位が使われる。
すなわち,⑮ となる。
【参考1】1 [kWh] は何 [W・s] か?
【参考2】1800 [W] の電力を 20 分間,600 [W] の電力を 40 分間使ったときの電力量を求めよ。