資産運用の重要性 大阪電気通信大学 金融経済学部 学

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「資産運用の重要性」
私は、現在、大阪電気通信大学金融経済学部資産運用学科で教佃をとっています。電気通信大学に金融経済学
部というのは違和感を覚える方がいらっしゃるかも知れませんが、少しご説明をさせてください。わが国は戦後の荒
廃とした社会から、
「ものづくり」による経済発展を遂げ、GDP の増強と貿易収支黒字による外貨獲得を通して、大き
な資産を蓄積し、先進国の列に参入しました。21 世紀に入り時代は変わり、今や資産運用による所得収支が国家の
経常収支の増加を維持するうえで重要となってきました。工業生産による貿易収支と資産運用による収支のバラン
スが、今後のわが国の健全な国家経済の維持にとってますます重要性が増してきたということです。個人が正しい
資産運用の知識を習得し、資産運用について高い能力を持つ人材を育成することは、社会経済ひいては国家経済
にとって重要不可欠であり、大学としても、資産運用を通じて社会に貢献できる人材の育成が急務と考えているから
です。
私が担当する資産運用フォーラム(産学連携講座)は公開講座として、単に学生だけでなく社会人の皆様にもご
参加いただき、各界を代表される方々にゲストスピーカーとして
「資産運用の重要性」について様々な観点からご講
演をいただいています。
セゾン投信の中野社長は、毎年ボランティアで講座の提供にご協力くださり、昨年 10 月も
「本物の投資が社会を
変える」のテーマで約100名の受講者に熱く語っていただき、大変大きな反響を呼びました。
この紙面をお借りして、
中野社長のご支援に心から感謝申し上げます。
なぜ資産運用が重要なのかという理由は多くあると思います。本日はその代表的なものについて述べてみたいと
思います。①超低金利の長期化(1995 年以降預金金利はほぼゼロ金利状態が続いています。預金では資産が増や
せない時代の到来です。)②拡大する財政赤字 ( 対 GDP の財政赤字比率は G7 中で群を抜く高さです。待っている
のは社会保障の削減です。) ③少子高齢化の進展(高齢化により年金を受け取る人が増え、少子化で税金を払う人
が減ります。財政はますます悪化します。)④年金に対する不安(生命保険会社のアンケート結果でも世代を問わ
ず、
「老後の生活が心配」が国民の最大の関心事です。)⑤インフレ対応(政府はインフレターゲットを 2%としてい
ます。インフレが高進し、預金金利が 0 では資産の目減りが始まります。)⑥長生き対応(健康で長生きが一番です
が、身体の健康と同時にお財布も健康でないと、老後が苦労の連続になります。)・・・ 国は国民を、会社は従業員
を守りたくても守りきれない時代が到来しています。自分が今まで貯めてきた金融資産にも自分に代わって働いても
らう、
これが資産運用です。人生同様に雨の日も風の日も台風の日もあります。ただその不遇の時代をいかに生きる
かによってその後の人生が決まります。資産運用も同様です。
読者の皆様方のご健康ご多幸、セゾン投信の今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。
Profile
大手信託銀行時代に国際部門、資産運用部門、個人
部門に従事、取締役常務執行役員を経て、現在は大阪
電気通信大学金融経済学部 学部長、教授
大阪電気通信大学金融経済学部
学部長、教授
なかい まさひこ
中井 正彦氏
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