カメラ映像からの 群衆の属性や興味の推定 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 准教授 浮田 宗伯 1 広範囲多数対象追跡に対する カメラ群の連結関係情報の必要性 詳細観測 情報交換 有線ネットワーク どんな頻度で 対象が通る? 興味推定など 無線ネットワーク 広域観測 セキュリティ 流量解析など 視野間を対象が移動する? 2 従来技術とその問題点 カメラ映像における対象追跡は多数研究されて いるが, - カメラを跨いだ広域における追跡が難しい - 追跡だけでは,有用な情報が得られない 等の問題があり,広く実用化されるまでには至っ ていない. 3 本日の紹介内容 • 分散カメラにおける広域・多数対象追跡用 のカメラ間経路推定 – 広域分散カメラ間の追跡の高性能化 • 経路情報とグループ情報を利用した分散 カメラにおける対象追跡の高性能化 – 人群に関する新しい属性の取得 • 視野内における対象追跡の高性能化 – 視野内のオフライン追跡の高性能化 4 分散カメラにおける広域・多数対象追跡用の カメラ間経路推定 5 分散カメラ間の経路の定義 • 移動対象が各視野で最初・最後(IN/OUT)に検出された点 群の中で,隣接する2点の組 経路 経路 6 推定目標となる情報: 視野間の関係と経路の特徴 • 任意の2カメラを直接結ぶ経路 – 画像中のどこからどこが経路の始点・終点? – どれくらいの確率で対象が通る? – どれくらいの通過時間を要する? C2R2 C2R1 C1R2 C1R1 C3R1 C2 C3 C1 Image 視野 経路 7 推定に利用する情報 • 経路は視野における対象のIN/OUT点で定義 – 始点/終点がIN/OUT点と対応 • IN→IN,IN→OUT,OUT→IN,OUT→OUT – 全IN/OUT点を仮に(同一対象として)対応付ける • IN・OUT点のみに基づく処理 – ロバストな処理 経路 IN・OUT OUT・IN 経路 8 対応付けの時空間投票による経路検出 • 空間的・時間的な均一性の統合評価 – すべての入出の場所・経過時間を投票する – 投票結果をクラスタリング(ピーク検出) Count カメラ1 26sec 投票のピークが経路に相当 (ピーク内の対応付けは正し い追跡結果に相当する) カメラ2 7sec 空間的均一性 時間的均一性 統合評価 0 7 26 Time 9 実験環境 First floor C11 Door C12 C10 C5 Stairs C1 C2 Elevator C4 Stairs C3 10 実験環境 Second floor Stairs C7 C6 Elevator C9 C8 Stairs 11 実験結果 • 検出された入出点数(入力) – カメラ平均で10067(6792~13782) • 検出された経路数(出力) – 87本の双方向経路:誤対応経路なし 1 1 5 7 4 2 6 6 8 カメラ5 5 1 5 3 4 カメラ2 1 1 1 3 4 4 カメラ1 12 経路情報とグループ情報を利用した 分散カメラにおける対象追跡の高性能化 13 研究目的と技術的課題 研究目的:監視カメラなどの分散カメラを使った広域人追跡 14 低解像度のカメラ間における人同定 カメラ間人同定の従来研究 個人のアピアランスに着目 個人のアピアランス アピアランスの特徴量 濃度勾配,色ヒストグラム,など カメラ間の移動時間 カメラ間の移動時間を使った人同定精度の向上 60s 10s 15 グループ特徴量を用いた 分散カメラ間の人同定手法 新たな情報としてグループ特徴量を追加 その人が属するグループから得られる情報(例:人数,色情報) 同じグループの2人 16 グループ内ペア検出に用いる時空間特徴量 グループの位置関係や軌跡の類似性、 同時観測性に着目した時空間特徴量 2人の位置関係や 軌跡の類似性に着目した特徴量 17 グループ特徴量から得られる カメラ間個人同定用のスコア グループ特徴量 グループ内人数特徴量 グループ内色特徴量 その人の属する グループ内全員の 色ヒストグラムを平均 類似度の 計算 18 実験環境 2カメラ間の移動にかかる時間:平均65sec Camera a ・フレーム数:99997 ・検出人数:925人 ・グループ内ペア:152対 Camera b ・フレーム数:92835 ・検出人数:573人 ・グループ内ペア:134対 19 カメラ間人同定におけるグループ特徴量の効果 100% 青:個人特徴のみ 緑:グループ内色特徴量併用 紫:グループ内人数特徴量併用 黄:2つのグループ特徴量併用 50 同定成功 個人特徴量は 色特徴量のみ 0 100% 200 (%) 400 600 800 グループ内 色特徴量による 精度向上 拡大 50 0 個人特徴量は 色特徴量と 移動時間特徴の併用 200 400 600 同定成功順位 800 グループ内 人数特徴量による 精度向上 20 視野内における対象追跡の高性能化 21 追跡手法の種類 on-line・・・particle tracking off-line・・・data association with a graph 1 ・・・ frame ・・・ N frame t-1 frame t frame t+1 frame particle tracking data association 数フレーム間の 限定された探索領域から追跡 全フレーム間の 全探索領域から追跡 22 従来法の問題点 従来法 従来のグラフの構造では 人領域間の類似度計算に 速度(進行方向)情報を導入できない すれ違い t-5 frame t frame 提案法 t+5 frame 23 グラフへの進行方向制約の導入 従来のグラフの構造では 人領域間の類似度計算に速度(進行方向)情報を導入できない frame1 解決法 frame2 各ノードが一つの速度や進行方向コストのみを 持つようにノードを分裂する 24 実験結果 改善例 従来法 87 提案法 87 46 55 87 21 t-10 frame 46 55 87 21 46 55 21 21 21 87 55 t frame 失敗! 55 46 21 46 87 成功! 46 55 t+10 frame 25 まとめ 26 実用化に向けた課題 • 実際のシーンでの運用. – ハードウェア化・インフラ化など – プライバシーの問題など • 実際のアプリケーションで必要となる対象属 性(グループに加え,興味推定など)の推定 27 企業への期待 • 広域(ビル内や道路)における人や車などの 群としての流量の解析に期待. • 実際のシーン(アプリケーション)における歩 行者・客層の詳細な属性推定(興味推定な ど)を実施するため,データ取得にも期待. • 大規模システムを目標にする場合,コンソー シアム化にも期待 28 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :広域分散カメラ間の連結関 係推定法および連結関係推定プログラム • 登録番号 • 出願人 大学 • 発明者 :特許第4852765号 :奈良先端科学技術大学院 :浮田宗伯 29 お問い合わせ先 奈良先端科学技術大学院大学 産学連携コーディネーター 那脇 勝 TEL 0743-72 - 5191 FAX 0743-72 - 5194 e-mail nawaki@ip.naist.jp 30
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