第1回懇話会記録(PDF:164KB)

参考資料1
第1回
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兵庫県老人福祉計画(介護保険事業支援計画)改定懇話会
記録
報告事項
A構成員:認知症の方を精神科病院等の利用からできる限り住み慣れた地域で暮らし続ける
社会へというが、新聞記事によると、認知症で精神科に入院する人は 1996 年の約 2 万 8
千人から 2011 年に 5 万 3 千人と2倍になっており、実情と違うと感じた。
事務局:認知症の方は年々増えており、施設入所者も多いことは承知しているが、少しでも
地域で暮らせるような社会づくりに取り組みたいと思う。
B構成員:県民モニター結果で、介護経験の有無に関わらず施設での介護を望む結果となっ
た。住み慣れた地域でという国の施策とのギャップを感じる。
事務局:施設介護を望む数が多いのは、老老介護など厳しい現状、家族への配慮もあると思
う。実際は、身近な住み慣れた地域での暮らしを希望する方も多いと考えており、その方
向で進めたいと考える。
C構成員:介護保険が 2000 年に出来てから 14 年が経ち、度々の改定で複雑化した。当初の
理念は貧民救済型福祉から脱却し契約型社会保障をやるという革命的制度論の構築で、そ
れが受け入れられ定着したが、財政問題も生まれた。制度の本質を忘れて財政的な枠に入
れようという計画ではいけない。
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県計画改定について~たたき台
D構成員:地域支援事業でNPO・ボランティアの役割が期待される中、視点でいう「介護
人材」とは介護専門職のことか。人材は、数が要るといってもすぐに育つものでないので、
どう考えているのか確認したい。
事務局:介護福祉士などいわゆる介護職を想定しているが、ご指摘のようにNPO等の役割
にも留意すべきと考えるので、そういう観点も含めて検討したい。
E構成員:高齢者の住環境の整備で、サービス付高齢者向け住宅の整備促進とあり、国土交
通省が主になってどんどん作っているが、中身のサービスにはばらつきがあるとか、監視
の目が届かないなど問題点も多い。
事務局:サービス付高齢者向け住宅は、数だけ増えれば良いとは思っておらず、特定施設入
居者生活介護事業所の指定を受けた施設を増やしていく必要があると考えている。
F構成員:現在、供給されている高齢者向け住宅の8~9割は介護保険収入を見込んだ介護
認定者向けの住宅といってもよく、元気な高齢者が元気なうちに住み替えできる高齢者住
宅の供給が全国的に遅れている。むしろ介護保険を使わない高齢者向けの住宅を作る事業
者に補助金を出して促進してはどうか。
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D構成員:地域包括支援センターの機能強化とあるが、現状の機能に加えて更に実施すると
いうことか。既に地域包括支援センターの職員は疲弊しており、これ以上の業務は難しい
と思うが、具体にどう考えるか。
事務局:地域包括支援センターにプラスしての事業ではなく、県として現機能が有効に回る
ようバックアップするという意味で書いている。
G構成員:税と社会保障の一体改革の医療介護連携の検討で、医療は病院完結型から地域完
結型に変えようとしており、地域の開業医が介護職・家族・地域社会と連携・協力して、
病院においてではなく、自宅・特別養護老人ホーム・認知症高齢者グループホーム・サー
ビス付高齢者向け住宅など居宅で死亡診断書が書けるように進んでいく。人はいつまでも
活躍して安心して生きている訳ではなく、次の社会にどう繋いでいくのかを地域包括ケア
システムという仕組みで行う制度改正が進んでいる。しかし、資料では、安心して死を迎
えて次の社会に引き継ぐ仕組みを作るということが、ほとんど触れられていない。
C構成員:まず、生老病死を継ぎ目なく捉え、こういう理念でこういう風に安心できる生活
支援をしようという総論があって、その具体策として医療・住宅などの各計画に書いてい
く段取りだと思う。
座
長:計画の守備範囲を広げすぎないよう明確にする必要がある。
事務局:地域包括ケアの目的には看取りまで入っており、多職種連携により自宅で看取る体
制を作ることも課題である。
H構成員:老人福祉計画というからには、老人が安心して地域でできるだけ安らかに暮らし
ていく。元気な間は働いていただき、働けなくなって自立出来なくなった時に地域でどう
見守るかが最終目的ではないか。県で工夫して地域資源を集中してできるだけ様々な職種
の人が納得しながら助けあっていく計画として欲しい。地域包括ケアシステムの5つの要
素のうち「住まい」は貧弱で、サービス付高齢者向け住宅の整備促進には非常に多くの問
題・課題があり、どのように対応していくか指針として市町に示し支援していかないと前
に進まない。地域包括ケアシステムは県民モニター結果にあるように、どういうものか医
療・福祉の関係者でもはっきりしておらず、県民への周知啓発と意見をきいていくことが
計画に打ち出されるべきと思う。
事務局:地域包括ケアの概念・定義の理解を求めていきたい。
「住まい」では、住み慣れた
ところでいかに過ごすかがあり、強調して示したいと思う。
A構成員:目次構成で「高齢者の住環境の整備」の次に「認知症支援体制の整備」が来てい
るが、ニーズ的に見て入れ替える方がよいのではないか。
事務局:現計画での整理を踏襲しているが、ご意見を踏まえつつ検討したい。
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I 構成員:保険者は市町であり、6期介護保険事業計画は市町が作る義務がある。県は市町
を支援する立場である。老人福祉計画と介護保険事業支援計画との関係では、老人福祉計
画の方が範囲が広いので、介護保険以外の老人クラブなどについても意見をいただいた方
がよい。
J構成員:老人福祉計画の中に、県と県社会福祉協議会、市町と地域の社会福祉協議会との
関係性・連携策・協力体制も入れて欲しい。第5期の評価・検証についても考えて欲しい。
また、人材がないとシステムがあっても動かないので、人材育成を計画の中で章立てにし
て、専門職に限らず地域の方々の意識向上も含めてどうやっていくか前面に出した方がよ
いと思う。
K構成員:人材の確保について、地域的に人が少ないところは確保が難しく、市町計画にも
人材の確保・育成を入れるよう対応して欲しい。県計画でも前の方に位置づけがんばって
欲しい。表現も、介護・福祉人材とか介護人材というように明確になるよう調整して欲し
い。
D構成員:人材育成を市町に任せるというのはなかなか厳しい。ケアマネジャーへの研修に
ついても、同じ人ばかりが受講し資質に差が生じている。市町も計画を立てる中で努力は
するが、具体にどうすれば効果的な手法があるのかも含めて考えて欲しい。
C構成員:人材については、学会・研修会が常設され、タイムリーに相談できる機能が不可
欠で、県の広域事業として予算を付けられればと考える。
L構成員:専門的な人材だけでなく、社会的資源である老人クラブなどでもクラブに入る人
が減っており、そういう資源も少なくなっていく問題を抱えている。
M構成員:介護者のポスト・地位が高く評価されていない印象がある。介護に就職する人に
対する頭の切り替えが必要である。介護士になる人は威張っても困るが、社会への奉仕者
として認める格付けが必要だと感じている。
N構成員:要望として、地域支援事業の総合事業を実施する上で、NPO・ボランティアの
力が必要となり、継続的支援をお願いしたい。総合事業の充実で、近隣市町でバランスが
取れるよう県の立場から見てほしい。医療介護連携は市町では難しく、県の立場からバッ
クアップをお願いしたい。住環境でサービス付高齢者向け住宅はサービス内容をチェック
する機関がなく適正な運営の確保が出来る方策を考えて欲しい。
O構成員:特別養護老人ホームに「特別」をつける必要があるのか疑問である。介護老人ホ
ームでよいと思う。要介護者側で自らプランを作り事業者を選択しサービスを受けるシス
テムを前向きに考えたらと思う。契約自由の原則に戻って自ら契約すべきである。また、
給付費をチェックする機関を作っていく必要があるのではと思う。
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市町計画策定に係る県基本指針(案)について
G構成員:地域包括支援センターの設置主体は行政であるとしても、市町・地域の社会福祉
協議会が大きな役割を果たすべきである。行政にしかできない専門性のあるものは行政が
責任を持つ仕組みとしつつ、地域の社会福祉協議会が地域包括支援センターの運営主体と
なり、自治会・民生委員を変えていく覚悟がないと地域社会は変わらない。また、社会サ
ービス利用の前提として、まず老後のために蓄えた資産や年金から先に消費するよう行政
が介入しなければ、民間委託のケアマネジャーが自社サービスを増やすことに繋がる。人
生を締めくくる場面のパートナーとして働くなど民間がやるべき役割もあり、地域包括支
援センターの民間委託を考え直して、行政・社会福祉協議会が責任を果たして欲しい。
P構成員:在宅でのサービス整備促進ということで、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・
随時対応型訪問介護看護など在宅医療と介護の連携では看取りも含めて訪問看護が重要
と思う。保健医療計画との調整もあると思うが、計画に訪問看護ステーションの設置目標
数を示して欲しい。
Q構成員:県民モニター結果に、地域包括ケアシステムが認知されていないとあったが、そ
れが最後の項目の在宅での生活不安に繋がっていると思う。地域密着など整備するサービ
スは、市町が住民にニーズ調査を行い作っていくが、その作業の中でも広報は大事である。
住民の力も合わせて新しいサービスを作っていくためにも、広報を計画に位置づけて欲し
いと思う。
D構成員:認知症の増加に伴う市民後見について、後見人を決めるのは裁判所で、人材その
ものを育てていくのは市町だが、育ってきたとしても認めて貰うのはスムーズにいってお
らず、裁判所への働きかけは県にお願いしたい。
Q構成員:最近、県が定期巡回の相談窓口を看護協会に置いたが、県と事業者の間に職能団
体を入れて頂いたのは、身の丈に応じて相談がしやすく、それを県に繋いでいただけるの
で効果的と思う。
H構成員:地域包括ケアという目的に向けて進んでいるが、それぞれ思惑が違うので相談で
きる窓口が必要で、医療・介護・福祉・行政が一緒になったワンストップの窓口があれば、
各業種の人が相談でき、問題解決できる。医師会としてもそうしたものを考えている。
I構成員:県基本指針(案)には、権利擁護や地域包括支援センターの人員などについて記載
している。地域包括ケアシステムは 2025 年に確立するので、今はなく、ないものを議論
せよと言われても、分かりにくい。人材育成は国でも検討している。介護保険法の展開に
は、保険者ががんばって「公私共働」を進める必要がある。今後 39 年間で3割の人口減
を迎える兵庫県は危機感を持っており、これをどうするか引き続きご意見をお願いしたい。
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