さいゆうしゅうしょう 最優秀 賞 とっとりけん ち じ しょうじゅしょう さ く ひ ん 鳥取県知事 賞 受賞作品 「実りの感動を受け継ぐ米作り」 鳥取市立神戸小学校 6年 いけぐち こ う すけ 池口 幸佑 ぼくの家は米を作っています。今年も田んぼの稲に穂がつき始めました。それを 見たとき、ぼくはなんだかうれしくなりました。昨年までは、それを見ても当たり前の景 色で、何も思っていなかったのにです。 それにはわけがあります。昨年までは祖父と祖母が田んぼ仕事を全てやってい ました。しかし、昨年の稲かりの後祖父が帰らぬ人となりました。そこで今年から母 と祖母が米作りをすることになったからです。けれど、母は米作りのことは何も知ら なかったので、ちゃんとできるか心配していました。 まずは田おこしを始めました。ぼくは小さい頃から祖父に教えてもらっていたので、 トラクターの操作の基本は知っていました。だから母に教えてあげることができまし た。ぼくだけでなく、近所のおじさんにも教えてもらいました。なんとか無事、二番ず きまでできました。 次に田んぼに水をはり、代かきをして田植えの準備です。それも近所の方が水 があたるように手伝ってくださいました。 しかし、代かきの途中困ったことが起こりました。トラクターの調子が悪く、故障し てしまい、買いかえなくてはならなくなったのです。いつもなら、新しい機械を買うと なるととてもわくわくします。でもそのトラクターは、ぼくが生まれる前から祖父が長い 間大切に使っていたものだったので、思い出のトラクターがこわれて、とても悲しい 気持ちになりました。でも長い間使っていたのでくたびれたんだなと考えると、がん ばってくれたトラクターに感謝の気持ちでいっぱいになりました。代かきも無事終わ りました。 さあ次はいよいよ田植えです。母はまた、田植え機の使い方が分からず困って いました。そこで、当日業者の人に来てもらいました。ぼくが田んぼに行くと、順調 にやっている姿が見えました。ぼくは苗を機械に乗せるのを手伝いました。 こうして田植えも無事終わりました。水の管理は、祖母ががんばったし、ぼくも水 の具合を毎週のように見に行きました。 いろいろな人に助けてもらいながら、ここまで来ました。母は、 「米作りを教えてくれる先生がいて、とても助かったな。来年はもっと上手にできる かな。」 と言っています。 ぼくは小さいころ、祖父の米作りを見てかっこいいなと思っていました。母が引き 継いだ米作りは、次はぼくが引き受けます。祖父のようにかっこよく、おいしい米を 作りたいなと思います。そして次は子どもたちに引き継いでもらおうと思います。そう することでいつまでも米を作ることができるでしょう。 そのためにこれからもしっかり手伝いをしたいです。
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