第 23 回本連載では、プレス加工を製品側から眺め、図と写真で理解しながら加工の仕方をわかりやすく解説します。プレス加工に使われるプレス機械を知るプレス加工では金型の影響が大きいと言われるが、プレス機械を知ることも大切である。クランクプレス機械の特徴今回はプレス加工で最も多く利用されているクランクプレス（写真 1）を中心に、プレス機械フレームおよび構造の特徴について眺めてみてみたい。最近のプレス機械は安全上の問題から、回転部分や摺動部分にカバーがかけられているため構造が見えない。そこで、少し前の時代のプレス機械で解説する。構造を知るうえでは捨てがたいものがある。現在のプレス機械は機構、構造は変化することなく個々の内容を進化させプレス機械としての信頼性を高めたものと言える。プレス機械は上下運動を行う機構とそれを支えるフレームからなっている。フレームは加工力の反力を受けるため、弾性変形が生じる。それによってプレス加工精度が変化する。変化は、フレームと機構部分の軸受などの部分の隙間変動も影響する。この両者と熱変位に関する研究が、プレス機械進歩の大きな写真 1 クランクプレス部分と考えられる。それとともに、プレス機械の使いやすさの面からフレームの形状が考えられている面もある。プレス機械から弾性変形をなくすと、石が突然割れるように破壊することが考えられ危険である。そのためプレス加工は、金型、プレス機械の弾性変形変化と製品加工の品質面のバランスをとりながら加工しているものと言える。プレス機械を知る A B C D E F G H I J フレームの形とガイドの関係 C 形フレームの補強アーチ型フレームストレートサイドフレーム素回しプレスとギヤ掛けプレスエキセンプレスとエキセンタイププレスアンダードライブ構造ダイクッション付きプレス跳ね出し機構プレス機械を傾けるやまぐちふみお：所長／〒195−0074 東京都町田市山崎町 1380−G−1005／TEL : 042−793−7422／FAX : 042−793−4936 92 プレス技術