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ホワイト ペーパー
EMC XtremIO ストレージ アレイ(バージョン 3.0)
詳細レビュー
要約
このホワイト ペーパーでは、EMC XtremIO ストレージ アレイに
ついて説明します。システム アーキテクチャ、オペレーション原
理、各種機能について詳しく解説します。XtremIO 独自の機能
(インライン データ削減技術[インライン重複排除およびデータ
圧縮を含む]、拡張性の高いパフォーマンス、データ保護など)
により、他のどのシステムでも解決できないデータ ストレージ
に関する問題に対して、どのようにソリューションが提供される
かについても取り上げます。
2014 年 7 月
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パーツ番号 H11752.5-J(リビジョン 06)
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
2
目次
エグゼクティブ サマリー ........................................................................................... 4
はじめに.................................................................................................................. 5
システム概要 .......................................................................................................... 6
X-Brick .................................................................................................................... 7
スケールアウト アーキテクチャ ................................................................................. 9
10TB スターターX-Brick(5TB) ........................................................................................... 10
システム アーキテクチャ ........................................................................................ 11
オペレーション原理 ................................................................................................ 13
マッピング テーブル .......................................................................................................... 13
書き込み I/O フローの仕組み ........................................................................................... 14
読み取り I/O フローの仕組み ............................................................................................ 19
システム機能 ........................................................................................................ 20
シン プロビジョニング ........................................................................................................ 21
インライン データ削減 ....................................................................................................... 21
インライン データ重複排除............................................................................................ 21
インライン データ圧縮 ................................................................................................... 23
合計データ削減 ............................................................................................................ 24
XtremIO のデータ保護(XDP) ............................................................................................ 25
XDP の仕組み ............................................................................................................... 26
静止データ暗号化 ............................................................................................................ 28
スナップショット ................................................................................................................. 30
拡張性の高いパフォーマンス ............................................................................................ 35
均等なデータ分散 ............................................................................................................. 38
高可用性 .......................................................................................................................... 39
無停止アップグレード........................................................................................................ 40
VMware VAAI の統合 ........................................................................................................ 41
XMS(XtremIO Management Server) ....................................................................... 45
システム GUI..................................................................................................................... 46
コマンド ライン インターフェイス ......................................................................................... 48
RESTful API ....................................................................................................................... 48
LDAP/LDAPS ..................................................................................................................... 48
管理の容易さ ........................................................................................................ 49
他の EMC 製品との統合......................................................................................... 50
PowerPath ........................................................................................................................ 50
VPLEX ............................................................................................................................... 50
RecoverPoint .................................................................................................................... 51
ソリューション概要 ............................................................................................................ 52
オープンスタック統合 ............................................................................................. 54
まとめ ................................................................................................................... 55
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
3
エグゼクティブ サマリー
フラッシュ ストレージは、データセンターで I/O パフォーマンスを上げるための魅力
的な方法です。ただし、コストが高く、拡張性、高可用性、エンタープライズ機能など
の犠牲を常に伴います。
XtremIO の 100%フラッシュ ベース型スケールアウト エンタープライズ ストレージ ア
レイでは、高度なパフォーマンスやスケーラビリティだけでなく、新しいレベルの使い
やすい SAN ストレージを提供する一方で、これまで実現できなかった高度な機能も
実現します。
XtremIO の新しいオール フラッシュ アレイは、パフォーマンスを最大限に発揮してレ
スポンス タイムのレーテンシーを一貫して低く抑え、エンタープライズ クラスの高可
用性機能、コストを大幅に削減するリアルタイム インライン データ削減、高度な機能
(シン プロビジョニング、VMware との緊密な統合、スナップショット、ボリューム ク
ローン、最高のデータ保護など)を実現するよう設計されています。
これは、所有コストを低く抑えることで達成されています。この製品のアーキテクチャ
は、フラッシュ メディアの寿命を延ばし、フラッシュ容量の効率コストを抑えるほか、
パフォーマンスとスケーラビリティの提供、運用効率の向上、高度なストレージ アレ
イ機能の実現など、フラッシュ ベース ストレージの全要件に対応します。
このホワイト ペーパーは、XtremIO ストレージ アレイを幅広い観点から紹介し、シス
テム アーキテクチャの詳細な説明、オペレーション原理、多彩な機能についても取り
上げます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
4
はじめに
XtremIO は、フラッシュの優れた可能性を完全に解放し、SSD やフラッシュ メディアを
ベースにしたユニークな特性を活かすアレイ ベースの性能を実現するよう設計され
たオール フラッシュ ストレージ アレイです。
XtremIOは業界標準のコンポーネントと独自のインテリジェント ソフトウェアを使用し
て、比類ないレベルのパフォーマンスを実現します。達成可能なパフォーマンスは、
IOPSで数十万から数百万に達し、1 ミリ秒以下での安定した低いレーテンシーを達
成します。 *
また、システムは、プランニングの手間を最小にするよう設計されており、アレイのプ
ロビジョニングと管理を極めて容易にするユーザー フレンドリーなインターフェイスを
備えています。
XtremIO は、次の主要な側面に価値をもたらすために、フラッシュを活用します。
•
パフォーマンス:システムの混雑状況や、ストレージ容量の使用状況にかかわらず、
レーテンシーとスループットを一貫して予測可能な一定した状態に保ちます。I/O
要求のアレイ内のレーテンシーは、通常 1 ミリ秒よりはるかに少なくなります。*
•
スケーラビリティ:XtremIO ストレージ システムは、スケールアウト アーキテクチャ
に基づいています。システムは、X-Brick と呼ばれる単一のビルディング ブロック
で開始されます。パフォーマンスや容量の追加が必要になると、システムは、
X-Brick を追加して拡張します。パフォーマンスが直線的に拡張することで、単一
の X-Brick 構成に比べて、2 つの X-Brick であれば 2 倍の IOPS を、4 つの X-Brick
であれば 4 倍の IOPS を、6 つの X-Brick であれば 6 倍の IOPS を実現します。
システムを拡張しても、一貫して低いレーテンシーが保たれます。
•
効率性:コア エンジンは、コンテンツ ベースのインライン データ削減を実装しま
す。XtremIO ストレージ アレイは稼働中、システムにデータが到達するのに従い、
自動的にデータを削減(重複排除および圧縮)します。これはフラッシュに書き込
まれるデータの量を削減するため、メディアの寿命を延ばすとともに、コストの削
減に役立ちます。XtremIO アレイは、細かいデータ ブロックでボリュームにオン
デマンドで容量を割り当てます。ボリュームは常に、パフォーマンス低下、容量の
過剰プロビジョニング、断片化を伴わずにシン プロビジョニングされます。コンテ
ンツ ベースのインライン重複排除が実装されると、残りのデータはさらに圧縮さ
れ、フラッシュ メディアに対する書き込みの量が削減されます。データ圧縮は重
複排除された(一意の)データ ブロックでインラインで実行されます。
*
小さなブロック長について測定。特性上、大きなブロック I/O では、どのようなストレージ システムでも高レーテンシーが発生
します。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
5
高い割合で書き込みを行うのを避けることには次のメリットがあります。

データ削減によるパフォーマンスの向上

フラッシュ アレイの SSD の全体的な耐久性の向上

データの格納に必要な物理容量の減少により、ストレージ アレイの効率が向
上し、GB あたりのストレージ コストが大幅に削減
•
データ保護:XtremIO はフラッシュに最適化された独自のデータ保護アルゴリズ
ム(XtremIO のデータ保護または XDP)を活用します。これにより、あらゆる既存
の RAID アルゴリズムを上回るパフォーマンスを実現しています。また、XDP の最
適化によって、データ保護目的でのフラッシュ メディアへの書き込みも減ります。
•
機能:XtremIO では、高性能および設置効率の高いスナップショット、インライン
データ削減(インライン重複排除およびデータ圧縮を含む)、シン プロビジョニン
グ、VMware VAAI の完全統合をサポートするほか、ファイバー チャネルと iSCSI
プロトコルもサポートします。
システム概要
XtremIO ストレージ アレイは、スケールアウト アーキテクチャに基づいた、オール フ
ラッシュ システムです。システムは、X-Brick と呼ばれるビルディング ブロックを使用
します。これを、図 2 で示すように、クラスター化することで、必要に応じてパフォーマ
ンスや容量を増やすことができます。
システムの処理は、スタンドアロンの専用 Linux ベース サーバーで制御されます。
これは XMS(XtremIO マネージメント サーバー)と呼ばれます。各 XtremIO クラス
ターには専用の XMS ホストが必要になります。このホストには、物理サーバーと仮
想サーバーのいずれかを使用できます。アレイは XMS から切断されても稼働し続け
ますが、構成や監視は実行できません。
XtremIO のアレイ アーキテクチャは、CPU、RAM、SSD、ホスト ポートなどの全リソー
スをバランスの取れた状態で直線的に拡張しながら、フラッシュの潜在的なパフォー
マンスをフルに発揮できるよう特別に設計されています。これにより、アレイは必要
などのレベルのパフォーマンスでも達成でき、さらに、予測可能なアプリケーションの
動作にとって不可欠な整合性のあるパフォーマンスを実現します。
XtremIO ストレージ システムは、長期間にわたって、システムの状態、アクセス パ
ターンに関係なく、一貫した極めて優れたパフォーマンスを提供します。それは真の
ランダム I/O の設計されています。
システムのパフォーマンス レベルは、その容量使用率レベル、ボリューム数、エージ
ングなどのいかなる影響も受けません。その上、パフォーマンスは「共有キャッシュ」
アーキテクチャに基づいていないため、データセット サイズやデータ アクセス パター
ンなどの影響を受けません。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
6
XtremIO は、コンテンツ対応ストレージ アーキテクチャにより、以下を実現します。
•
データ ブロックが分散された状況下でも、本質的に最大のパフォーマンスと最小
のフラッシュ ウェアを提供
•
分散型のメタデータにも対応
•
データやメタデータのホット スポットなし
•
構成が容易で、チューニング不要
•
インライン データ削減(重複排除およびデータ圧縮)、シン プロビジョニング、
高度なデータ保護(XDP)、スナップショットなどの先進的なストレージ機能
X-Brick
図 1 は X-Brick を示しています。
図 1: X-Brick
X-Brick は XtremIO アレイの基礎となるビルディング ブロックです。
各 X-Brick は、以下により構成されます。
•
以下を含む 2U DAE(ディスク アレイ エンクロージャ)×1:

eMLC SSD(標準 X-Brick)×25 または eMLC SSD
(10TB スターターX-Brick [5TB])×13

冗長 PSU(電源ユニット)×2

冗長 SAS 相互接続モジュール×2
•
バッテリ バックアップ ユニット×1
•
1U ストレージ コントローラー(冗長ストレージ プロセッサ)×2
各ストレージ コントローラーの構成:

冗長 PSU(電源ユニット)×2

8 GB/秒 FC(ファイバー チャネル)ポート×2
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
7

10 GbE iSCSI ポート×2

40 Gb/秒 InfiniBand ポート×2

1 Gb/秒管理/IPMI ポート×1
表 1 に、X-Brick ごとのシステム仕様を示します。
表 1: システム仕様(X-Brick ごと)
Feature
仕様(X-Brick ごと)
物理
• 5U
• eMLC Flash SSD(10TB スターターX-Brick [5TB])×13
• eMLC Flash SSD(標準 X-Brick)×25
高可用性
• 冗長
• ホット スワップ コンポーネント
• SPOF(単一障害点なし)なし
ホスト アクセス
対称アクティブ/アクティブ:どのコントローラー上のどのターゲット ポートか
らも、均一なパフォーマンスで、どのボリュームにも並行してアクセスできま
す。ALUA の必要はありません。
ホスト ポート
• 4×8 Gb/秒の FC
• 4×10 Gb/秒の Ethernet iSCSI
有効容量 *
• 10TB スターターX-Brick(5TB)タイプの場合:
- 3.16TB(13 個の SSD、データ削減なし)
- 6.99TB(25 個の SSD、データ削減なし)
• 10TB X-Brick タイプ:
7.47 TB(データ削減なし)
• 20TB X-Brick タイプ:
14.94TB(データ削減なし)
レーテンシ
1 ミリ秒未満 †
*
有効容量とはアレイに書き込み可能な圧縮できない一意のデータの量です。有効容量は通常、XtremIO のインライン データ
削減によって格段に大きくなります。最終的な数字は若干異なる場合があります。
†
1 ミリ秒未満のレーテンシーは通常のブロック サイズに適用されます。小さなブロックや大きなブロックのレーテンシーは大き
くなる可能性があります。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
8
スケールアウト アーキテクチャ
XtremIOストレージ システムには、単一のX-Brickか、複数のX-Brickのクラスターを含
めることができます。図 2 および表 2 を参照してください。 *
図 2: 単一の X-Brick と複数の X-Brick クラスターのシステム構成
2 つまたはそれ以上の X-Brick のクラスターでは、XtremIO は、ストレージ コントロー
ラー間のバックエンド接続性のために冗長 40 Gb/秒 QDR InfiniBand ネットワークを
使用し、高い可用性と超低レーテンシー ネットワークを確保します。InfiniBand ネット
ワークは、XtremIO アレイの完全管理型コンポーネントで、XtremIO システムの管理
者は、InfiniBand テクノロジで特殊なスキルを必要としません。
*
システム バージョン 3.0 はクラスターで最大 6 個の X-Brick をサポートします(2014 年第 4 四半期から利用可能)。
この数値は、今後の XtremIO オペレーティング システムのリリースで引き続き増加する予定です。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
9
単一の X-Brick クラスターの構成:
•
X-Brick×1
•
交換用バッテリ バックアップ ユニット×1
複数の X-Brick クラスターの構成:
•
2 台または 4 台の X-Brick
•
InfiniBand スイッチ×2
表 2: 単一の X-Brick と複数の X-Brick クラスターのシステム構成
10TB スターター
X-Brick(5TB)
1 台の
X-Brick
クラスター
2 台の
X-Brick
クラスター
4 台の
X-Brick
クラスター
6 台の
X-Brick
クラスター
X-Brick の数
1
1
2
4
6
InfiniBand
スイッチの数
0
0
2
2
2
交換用バッテリ
バックアップ
ユニットの数
1
1
0
0
0
10TB スターターX-Brick(5TB)
XtremIO の 10TB スターターX-Brick(5TB)は標準 X-Brick クラスターと同一ですが、
eMLC Flash SSD は 25 個ではなく 13 個しかありません。10TB スターターX-Brick
(5TB)に 12 個の SSD を追加して標準 X-Brick に拡張することができます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
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システム アーキテクチャ
XtremIO は他のあらゆるブロック ベース ストレージ アレイと同様に機能し、既存の
SAN との統合が可能で、ホストへの接続には 8 Gb/秒のファイバー チャネルおよび
10 Gb/秒の Ethernet iSCSI(SFP+)接続のいずれかを選択できます。
ただし、他のブロック アレイとは異なり、XtremIO は専用フラッシュ ストレージ システ
ムであり、最高のパフォーマンス、使いやすさ、高度なデータ管理サービスを提供す
るよう設計されています。XtremIO アレイ内の各ストレージ コントローラーは、ベース
プラットフォームとして特別にカスタマイズされた軽量な Linux ディストリビューション
を実行します。XtremIO オペレーティング システム(XIOS)は Linux 上で実行され、
図 3 で示されているようにすべてのアクティビティをストレージ コントローラーで処理
します。XIOS は高 I/O レートを処理するために最適化されており、システムの機能
モジュール、InfiniBand 経由の RDMA の運用、モニタリング、メモリ プールを管理し
ます。
図 3: X-Brick のブロック図
XIOS は、コンテンツ対応、低いレーテンシー、高パフォーマンス ストレージ サブシス
テムなどの特定の要件を満たすように設計された専用のプロセス スケジューリング/
処理アルゴリズムを備えています。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
11
XIOS では、以下が提供されます。
•
低レーテンシー スケジューリング:サブプロセスの効果的なコンテキスト切り替え
を有効にし、スケジューリングを最適化して、待機時間を最小に抑えます
•
リニアな CPU の拡張性:マルチコア CPU を含む、すべての CPU リソースを完全
に活用できるようにします
•
制限された CPU コア間同期:サブプロセス間通信およびデータ転送を最適化
します
•
CPU ソケット間同期なし:異なるソケットで実行されるサブプロセス間でのタスクの
同期や依存関係を最小化します
•
キャッシュ ライン対応:レーテンシーやデータ アクセスを最適化します
各 X-Brick のストレージ コントローラーは、冗長 SAS 相互接続を通じて接続された
DAE(ディスク アレイ エンクロージャ)を所有します。また、ストレージ コントローラー
は、冗長で高可用性の InfiniBand ファブリックに接続されます。ホストからどのスト
レージ コントローラーが I/O 要求を受信するかに関係なく、複数の X-Brick にある
複数のストレージ コントローラーが協調して要求を処理します。XtremIO システムの
データ レイアウトでは、確実に、すべてのコンポーネントが本質的に負荷を共有し、
I/O 動作に均等に参加します。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
12
オペレーション原理
XtremIO ストレージ アレイは、データ ブロックでデータを処理することで、システムに
データが到達するのに従い、データを自動的に削減(重複排除)します。重複排除は
(システム全体にわたって)グローバルで、常時稼働で、リアルタイムで実行されます
(後処理として実行されることはありません)。重複排除の後、データはインラインで
圧縮されてから SSD に書き込まれます。
XtremIO はグローバル メモリ キャッシュを使用します。これは重複排除済みのデー
タや、本質的にアレイ全体にデータを均等に分散するコンテンツ ベースの分散に対
応します。すべてのボリュームは X-Brick 全体、および全ストレージ アレイのホスト
ポートでアクセスできます。
システムは、高可用性のバックエンド InfiniBand ネットワーク(EMC 製)を使用します。
これは、クラスター内の全ストレージ コントローラー間で、超低レーテンシーおよび
RDMA(Remote Direct Memory Access)で、高速アクセスを提供します。RDMA を活
用することにより、XtremIO システムは本質的に、全ストレージ コントローラーに広が
る単一の共有メモリ スペースを実現します。
1 つの X-Brick の有効な論理容量は、格納されるデータセットによって異なります。
•
多くのクローンされた仮想化環境(仮想デスクトップ統合(VDI)など)でよく見られ
る重複度の高い情報では、効率的な有効容量は、使用できる物理フラッシュ容
量より格段に大きくなります。5:1~10:1 の重複排除の比率は、こうした環境で
定期的に達成されます。
•
多くのデータベースやアプリケーション データで一般的に見られる圧縮可能な
データの場合、圧縮率は 2:1~3:1 の範囲内にあります。
•
データ圧縮およびデータ重複排除の両方のメリットを得ている仮想サーバー イン
フラストラクチャ(VSI)などのシステムでは、一般に 6:1 の比率を実現しています。
マッピング テーブル
各ストレージ コントローラーには、SSD 上の各データ ブロックのロケーションを管理
するテーブルがあります。表 3 を参照してください(14 ページ)。
テーブルは次の 2 つの部分で構成されます。
•
テーブルの最初の部分は、ホスト LBA をそのコンテンツ フィンガープリントに
マップします。
•
テーブルの 2 番目の部分は、コンテンツ フィンガープリントを SSD 上のロケー
ションにマップします。
テーブルの 2 番目の部分を使用することで、XtremIO では、アレイ全体に均等に
データを分散し、SSD の最適な場所に各ブロックを配置するというユニークな機能が
提供されます。また、システムが、非対応のドライブをスキップしたり、アレイがほぼ
一杯で、書き込める空きのストライプがなくなったときに、新しいブロックの書き込み
先を選べるようにしたりできます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
13
書き込み I/O フローの仕組み
一般的な書き込み処理では、入力データ ストリームがアクティブ/アクティブのスト
レージ コントローラーのいずれかに到達し、データ ブロックに分割されます。データ
ブロックごとに、アレイは一意の識別子を使ってデータにフィンガープリントを作成し
ます。
アレイは、このフィンガープリントを使ってテーブルを管理し(表 3 を参照)、着信の書
き込みがアレイ内にすでに存在するかどうかを判断します。また、フィンガープリント
は、データの保存場所の判別にも使用されます。コンテンツ フィンガープリント マッピ
ングに対する LBA が、ストレージ コントローラーのメモリ内で、メタデータに記録され
ます。
表 3: マッピング テーブルの例
SSD オフセット/
物理的な場所
フィンガー
プリント
LBA オフセット
データ
➔
Address 0
➔
20147A8
➔
40
➜
データ
データ
➔
Address 1
➔
AB45CB7
➔
8
➜
データ
データ
➔
Address 2
➔
F3AFBA3
➔
88
➜
データ
データ
➔
Address 3
➔
963FE7B
➔
24
➜
データ
データ
➔
Address 4
➔
0325F7A
➔
64
➜
データ
データ
➔
Address 5
➔
134F871
➔
128
➜
データ
データ
➔
Address 6
➔
CA38C90
➔
516
➜
データ
データ
➔
Address 7
➔
963FE7B
–
重複排除機能
–
✕
注:
表 3 のデータ ブロックの色は、コンテンツに対応しています。一意のコンテンツが
別々の色で示され、重複するコンテンツは同一の色(赤)で示されています。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
14
システムは、フィンガープリントと、それに対応するデータ ブロックが、以前格納され
たかどうかを検証します。
フィンガープリントが新規の場合、システムは以下を実行します。
•
データを圧縮します。
•
ブロックが格納されるアレイの場所を選択する(LBA ではなく、フィンガープリント
に基づいて)。
•
「物理的な場所に対するフィンガープリント」マッピングを作成する。
•
フィンガープリントの参照回数を 1 つずつ増やす。
•
書き込みを実行する。
「重複した」書き込みの場合は、システムは新しい LBA をフィンガープリント マッピン
グに記録し、この特定のフィンガープリントの参照回数を 1 つ増やします。データは
すでにアレイ上に存在するため、物理的な場所へのフィンガープリント マッピングを
変更する必要も、SSD に書き込みを行う必要もありません。すべてのメタデータの変
更はメモリ内で実行されます。そのため、重複排除された書き込みは、最初の一意
のブロック書き込みより高速で実行されます。これは、XtremIO のインライン データ
削減の独自のメリットの 1 つで、これにより、重複排除で実際に書き込みパフォーマ
ンスが向上します。
SSD に対するデータ ブロックの実際の書き込みは、非同期で実行されます。アプリ
ケーション書き込み時に、システムはデータ ブロックを(RDMA 経由で異なるストレー
ジ コントローラーにレプリケートすることで保護されている)メモリ内書き込みバッ
ファーに配置し、直ちに ACK をホストに返します。バッファーに十分なブロックが集ま
ると、システムはこれらを SSD 上の XDP(XtremIO データ保護)ストライプに書き込み
ます。このプロセスは、最も効率的な方法で実行されます。詳細については、
XtremIO データ保護ホワイト ペーパーを参照してください。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
15
書き込み I/O がアレイに発行された場合:
1. システムは着信データを分析し、それを図 4 に示すようにデータ ブロックにセグ
メント化します。
図 4:
固定ブロックに分割されたデータ
2. 図 5 で示すように、アレイは、データ ブロックごとに、データに一意のフィンガー
プリントを割り当てます。
図 5:
各ブロックに割り当てられたフィンガープリント
アレイはこのフィンガープリントを使ってテーブルを管理し、後続の書き込みが
表 3(14 ページ)に示すように、アレイ内にすでに存在するかどうかを判別します。

システム内にデータ ブロックが存在しない場合は、データの場所を判別する
ためにフィンガープリントを使用して、他のストレージ コントローラーにブロッ
クを書き込もうとした履歴が、ストレージ コントローラーの処理により記録され
ます。

データ ブロックがシステム内にすでに存在する場合は、図 6 に示すように書
き込みは行われません。
図 6:
既存/繰り返しブロックの重複排除
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
16
3. アレイはデータ ブロックごとに参照回数を増やします。
4. 整合性のある分散型マッピングを使用することで、各ブロックは関連するフィン
ガープリントのアドレス スペースに対応するストレージ コントローラーに経路指定
されます。
整合性のある分散型マッピングは、コンテンツ フィンガープリントに基づいていま
す。フィンガープリントを計算する計算プロセスの結果、フィンガープリント値は均
等に分散され、フィンガープリント マッピングは、図 7 に示すように、クラスター内
のストレージ コントローラー間に均等に分散されます。
図 7:
クラスター全体に分散したデータ
注:
クラスター間のデータ転送は、図 7 に示すように、RDMA を使用して、低レーテン
シーおよび高速 InfiniBand ネットワークで実行されます。
5. システムは、ACK をホストに送信します。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
17
6. フィンガープリントの均等分散機能によって、クラスター内の各ストレージ コント
ローラーは、均等なデータ ブロックの分配を受け取ります。追加ブロックが届くと、
図 8 に示すようにストライプに振り分けられます。
図 8:
フル ストライプに振り分けられた追加ブロック
7. システムはデータ ブロックを圧縮して、各データ ブロックのサイズをさらに削減し
ます。
8. アレイ内で一番空きの多いストライプ(またはあればフル ストライプ)を埋めるの
に十分なデータ ブロックがストレージ コントローラーに集まると、図 9 に示すよう
に、データ ブロックがキャッシュから SSD に転送されます。
図 9:
SSD にコミットされたストライプ
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
18
読み取り I/O フローの仕組み
データ ブロック読み取り処理では、システムはフィンガープリント マッピングに対する
論理アドレスを LBA で検索します。フィンガープリントが見つかると、物理マッピング
に対しそのフィンガープリントの検索を実行して、特定の物理的な場所からそのデー
タ ブロックを取得します。データはクラスターおよび SSD 全体に均等に書き込まれる
ため、読み取り負荷も均等に分散されます。
XtremIO の各ストレージ コントローラーには、メモリ ベースの読み取りキャッシュがあ
ります。
•
従来のアレイでは、読み取りキャッシュは論理アドレス別に管理されていました。
読み取られる可能性の高いアドレスにあるブロックが、読み取りキャッシュに配
置されていました。
•
XtremIO アレイでは、読み取りキャッシュはコンテンツ フィンガープリントで管理さ
れます。読み取られる可能性の高いコンテンツを持つブロック(フィンガープリント
ID によって識別)が、キャッシュに配置されます。
これにより、XtremIO の読み取りキャッシュ重複排除が機能します。つまり、比較的
小さい読み取りキャッシュが、従来の同サイズのキャッシュに比べて、格段に大きく
見えるようになります。
要求されたブロック長がデータ ブロック サイズより大きい場合は、XtremIO はクラス
ター全体で並行してデータ ブロックの読み取りを実施し、それらをアプリケーションに
返す前に、より大きなブロックに組み立てます。
圧縮されたデータ ブロックは、デリバリする前に圧縮解除されます。
読み取り I/O がアレイに発行された場合:
1. システムは、各データ ブロックごとに LBA を識別するため着信要求を分析し、
データを保持するためのバッファーを作成します。
2. 次のプロセスは、並行して実行されます。

データ ブロックごとに、アレイは格納されたフィンガープリントを検索します。
フィンガープリントにより、X-Brick 上のデータ ブロックの場所が特定されます。
より大きな I/O(256 K など)では、複数の X-Brick により、各データ ブロックが
取得されます。

システムは、RDMA を通じ、InfiniBand を介して、要求された読み取りデータ
を処理ストレージ コントローラーに送信します。
3. システムは、完全に取り込まれたデータ バッファーをホストに戻します。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
19
システム機能
XtremIO ストレージ アレイでは、特別なライセンスがなくても常に利用できる幅広い
機能が提供されています。
システム機能には次が含まれます。
•
データ サービス機能:すべての着信書き込みで順番(次のリストのとおり)に適用
されます。

シン プロビジョニング

インライン データ削減:
− インライン データ重複排除
− インライン データ圧縮
•
•

XtremIO のデータ保護(XDP)

静止データ暗号化

スナップショット
システム全体の機能:

拡張性の高いパフォーマンス

均等なデータ分散

高可用性
その他の機能:

無停止アップグレード

VMware VAAI の統合
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
20
シン プロビジョニング
XtremIO ストレージは、小さな内部ブロック長を使用してネイティブにシン プロビジョ
ニングされます。これにより、シン プロビジョニングされたスペースに対し、きめ細や
かな解決策が提供されます。
システム内の全ボリュームはシン プロビジョニングされます。つまり、システムは実
際に必要なときにのみ容量を消費します。XtremIO は、一意のデータ ブロックのフィ
ンガープリント ID を計算した後、クラスター内にそれらを物理的に配置する場所を決
定します。そのため、書き込みの前にストレージ領域の事前割り当てをしたり、シック
プロビジョニングをしたりすることは一切ありません。
XtremIO のコンテンツ対応アーキテクチャの結果、ブロックはシステムのどの場所に
でも格納でき(場所を参照する場合はメタデータだけを使用)、一意のブロックを受け
取った場合にのみデータが書き込まれます。
そのため、多くのディスク中心型アーキテクチャを使用したシン プロビジョニングとは
異なり、XtremIO では、スペース クリープやガベージ コレクションが生じることはあり
ません。さらに、時の経過とともに発生するボリュームの断片化は XtremIO には該
当せず(ブロックはランダム アクセスのアレイに分散するため)、デフラグメンテーショ
ン ツールは不要です。
XtremIO の標準で備わっているシン プロビジョニングは、システム容量の使用率や
システムへの書き込みパターンにかかわらず、ボリュームのライフサイクル全体での
一貫したパフォーマンスやデータ管理も可能にします。
インライン データ削減
XtremIO のユニークなインライン データ削減は次の技術を活用することによって実
現しています。
•
インライン データ重複排除
•
インライン データ圧縮
インライン データ重複排除
インライン データ重複排除では、データがフラッシュ メディアに書き込まれる前に、
冗長性を取り除きます。
XtremIO はデータがシステムに到達したとき、自動的かつ全体的に、データの重複
排除を行います。重複排除は後処理ではなく、リアルタイムで実行されます。つまり、
XtremIO ではリソースを消費するバックグラウンド プロセスや後処理に関連する追
加の読み取り/書き込みがありません。そのため、ストレージ アレイのパフォーマン
スにマイナスの影響を及ぼすことがなく、ホスト I/O に割り当てられた使用可能なリ
ソースを無駄にしたり、フラッシュ ウェア サイクルを消費したりすることはありません。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
21
XtremIO では、データ ブロックはボリューム内のユーザー レベルのアドレスではなく、
コンテンツ別に格納されます。この結果、容量とパフォーマンスの観点からシステム
内のデバイス全体で理想的なロード バランシングが行われます。データ ブロックが
変更されるたびに、システム内の任意の SSD セットにデータが配置され、システム
がブロックのコンテンツをすでに認識している場合には、書き込みは一切行われま
せん。
すべての SSD を均等に使用し、完全なウェア レベリングを実現することで、システム
は常にアレイ全体にデータを分散させます。ホスト コンピューターによって同一の
LBA(論理ブロック アドレス)が繰り返し書き込まれた場合でも、それぞれの書き込み
は XtremIO アレイ内の異なるロケーションに割り振られます。ホストが繰り返し何度
も同一データを書き込んだ場合は、重複排除が行われるため、フラッシュに余分な
書き込みが行われることはありません。
XtremIO は効率の高いデータ重複排除のために、コンテンツ対応の、全体的に重複
排除されたキャッシュを使用します。システムのユニークなコンテンツ対応ストレージ
アーキテクチャによって、小さい DRAM アロケーションで実質よりも大きいキャッシュ
サイズを獲得することができます。そのため、XtremIO は仮想デスクトップ(VDI)環境
などに多い「ブート ストーム」などの困難なデータ アクセス パターンに最適なソ
リューションと言えます。
さらに、システムはインライン データ重複排除用としてだけでなく、アレイ全体にデー
タ ブロックを均等に分散するためにもコンテンツ フィンガープリントを使用します。こ
れによって、パフォーマンスに本来備わっているロード バランシング機能を活用する
ことで、データの再書き込みや再バランシングが不要なことから、フラッシュのウェア
レベルの効率性が強化されます。
このプロセスをインラインで、かつ、アレイ全体で実行することで、SSD への書き込み
も減少します。こうして SSD の耐久性が向上し、後処理の重複排除に起因するパ
フォーマンスの低下を防ぎます。
XtremIO のインライン データ重複排除とインテリジェントなデータ ストレージ処理に
よって、次のことが可能になります。
•
システム パフォーマンスを最大限に活用して、システム リソースの使用状況を
均等化
•
フラッシュの寿命を最大限に引き延ばす最小限のフラッシュ操作
•
均一なデータ分散により、システム全体でフラッシュ ウェアを均等に保つ
•
システム レベルでのガベージ コレクションが不要(後処理のデータ削減と逆)
•
ストレージ コストを最小化する SSD 容量のスマートな活用
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
22
インライン データ圧縮
インライン データ圧縮では、データがフラッシュ メディアに書き込まれる前に、すでに
重複排除されたデータを圧縮します。
XtremIO はすべての重複が削除された後にデータを自動で圧縮します。これにより、
一意のデータ ブロックに対してのみ圧縮が実行されます。データ圧縮は後処理では
なく、リアルタイムで実行されます。
データセットの種類によって全体的な圧縮可能レートが決まります。圧縮されたデー
タ ブロックはアレイに格納されます。
圧縮により、SSD に書き込む必要のある物理データの合計量を減らすことができま
す。この削減によって SSD の書き込み増幅(WA)が最小限になり、フラッシュ アレイ
の耐久性が改善します。
XtremIO のインライン データ圧縮は次の利点をもたらします。
•
データ圧縮は常にインラインで、後処理のアクティビティとして実行されることは
ありません。そのため、データは 1 度しか書き込まれることはありません。
•
圧縮は多様なデータセットでサポートされています(たとえば、データベース デー
タ、VDI、VSI 環境など)。
•
データ圧縮は多くの場合、データ重複排除を補足しています。たとえば、VDI 環
境では、重複排除はクローンされたデスクトップに必要な容量を大幅に削減しま
す。そして、圧縮は特定のユーザー データを削減します。その結果、より多くの
VDI デスクトップを単一の X-Brick で管理することができます。
•
圧縮は、データ ブロックを最も効率的な方法で格納することによってストレージ容
量を節約します。
•
XtremIO の強力なスナップショット機能と組み合わせると、XtremIO はペタバイト
単位の機能アプリケーション データでも簡単にサポートできます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
23
合計データ削減
XtremIO のデータ重複排除とデータ圧縮は互いに補完しあっています。データ重複
排除は冗長データ ブロックを排除することによって物理データを削減します。データ
圧縮は、各データ ブロックのバイナリ レベルでデータの冗長性を排除することによっ
て、データ フットプリントをさらに削減します。
図 10 はデータ重複排除とデータ圧縮プロセスの両方を組み合わせることの利点を
示しており、全体的なデータ削減につながります。
図 10:
データの重複排除と圧縮の組み合わせ
この例では、ホストが書き込んだ 12 個のデータ ブロックはまず 4 個のデータ ブロッ
クに重複排除され、3:1 のデータ重複排除率を実現していますえ。データ圧縮プロセ
スの後、4 個のデータ ブロックはそれぞれ 2:1 の比率で圧縮されるため、合計の
データ削減率は 6:1 になります。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
24
XtremIO のデータ保護(XDP)
XtremIOストレージ システムは、極めて効率の高い「自動修復型」ダブル パリティ
データ保護を備えています。 *
データ保護とメタデータ用スペースのために、システムには、ほんのわずかの容量
のオーバーヘッドが必要です。これらは再構築に専用のスペア ドライブを必要としま
せん。代わりに、「ホット スペース」という概念を活用し、アレイ上で空きスペースの
ある場所はどこでも、障害の発生したドライブの再構築に使用することができます。
システムは、1 台の再構築を実行するのに十分な分散容量を常時確保しています。
XtremIO は使用量が高くなったとしても、最小の容量オーバーヘッドでパフォーマン
スを維持します。システムにはミラーリング スキーム(および、関連する 100%の容
量オーバーヘッド)は不要です。
XtremIO では、データ保護、メタデータ ストレージ、スナップショット、スペア ドライブ、
パフォーマンスに必要なリザーブ容量が極めて少なく、ユーザー データ用のスペー
スが格段に多くなります。これにより、使用可能な GB あたりのコストを削減できます。
XtremIO ストレージ システムは、以下のことを実現します。
•
N+1 データ保護
•
わずか 8%という信じがたいほど少ないデータ保護容量オーバーヘッド
•
どんな RAID アルゴリズムの追随も許さないパフォーマンス(RAID アルゴリズム
の中でも最も書き込み効率に優れた RAID 1 は、XDP(XtremIO のデータ保護)に
比べて 60%以上の書き込みが必要です)
•
書き込み量が少なく、データが均等に分散されることから、どの RAID アルゴリズ
ムよりも優れたフラッシュの寿命
•
ドライブに障害が発生した場合には自動的に再構築を行い、従来の RAID アルゴ
リズムに比べて、再構築時間を短縮
•
システムに障害の発生したドライブが含まれていても、着信データを完璧に保護
する適応性の高いアルゴリズムのもたらす優れた堅牢性
•
同一個所の故障サポートによる管理性の向上
*
現在のソフトウェアのバージョンでは、一度に 1 台のドライブ再構築をサポートしています。デュアル並行型の再構築は、
次のポイント リリースで追加される予定です。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
25
表 4: XtremIO のデータ保護と RAID スキームの比較
データ保護
容量の
オーバー
ヘッド
ストライプ
更新ごと
の読み
取り
従来型アル
ゴリズムの
読み取りの
デメリット
ストライプ
更新ごと
の書き
込み
従来型
アルゴリズム
の書き込み
のデメリット
高い
1 つの障害
50%
0
–
2(64%)
1.6x
RAID 5
中
1 つの障害
25%(3+1)
2(64%)
1.6x
2(64%)
1.6x
RAID 6
低
2 つの障害
20%(8+2)
3(146%)
2.4x
3(146%)
2.4x
XtremIO XDP
RAID 1
よりも
60%向上
X-Brick
あたり
1 つの障害
極めて
低い
8%(23+2)
1.22
–
1.22
–
アルゴリズム
パフォー
マンス
RAID 1
XDP の仕組み
XDP(XtremIO のデータ保護)は、フラッシュ メディア固有のプロパティと、XtremIO の
コンテンツ アドレス ストレージ アーキテクチャを活用するように設計されています。
一切の機能的な低下なしに、データが格納されている場所をコントロールできるとい
うメリットを活用することで、XDP は、高い保護レベルおよび低ストレージ オーバー
ヘッドを達成しつつ、RAID 1 より優れたパフォーマンスを発揮します。また、追加のメ
リットとして、XDP は、基盤となるフラッシュ メディアの寿命をこれまでの RAID アルゴ
リズムに比べて大幅に改善します。これはエンタープライズ フラッシュ アレイでは重
要な考慮点です。
図 11:
行および対角パリティ
XDP は図 11 に示すように、N+2 行および対角パリティの変化形を使用します。これ
は 2 台の SSD で同時にエラーが発生した場合に保護を提供します。25 台の SSD を
もつアレイでは、容量のオーバーヘッドはわずか 8%になるというわけです。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
26
従来のアレイは、ディスクの物理的な同一の場所にある LBA(論理ブロック アドレス)
を更新します(これが原因でストライプの更新に高い I/O オーバーヘッドが生じます)。
XtremIO では、データは常に、最も空き容量の多いストライプに配置されます。ストラ
イプの更新ごとの読み取りおよび書き込みの I/O 動作のオーバーヘッドを効果的に
減らす、最も空き容量の多いストライプへのデータの書き込みは、XtremIO のオール
フラッシュのコンテンツ対応アーキテクチャでのみ実現可能です。このプロセスにより、
アレイが埋まっても XtremIO のパフォーマンスを均一に保ち、上書きと部分的なスト
ライプの更新が増えた時でも、長期にわたり稼働できるようになります。
さらに、XtremIO は、優れた再構築プロセスも備えています。従来の RAID 6 アレイが
1 台のディスク障害に直面した場合、RAID 5 の方式を使用して、各ストライプを読み
取り、ストライプ内の他のセルで不足しているセルを計算することによって、ディスク
を再構築します。一方、XtremIO では、不足した情報の再構築に P と Q の両方のパ
リティを使用し、次のセルの再構築に必要な情報のみを読み取る精密なアルゴリズ
ムを使用します。
表 5: 障害の発生したディスクを再構築するための XDP の読み取りと、他の RAID
スキームの読み取り方法の比較
アルゴリズム
障害の発生した幅 K のディスク
ストライプを再構築するための
読み取り
従来型のアルゴリズムの
デメリット
XtremIO XDP
3K/4
–
RAID 1
1
なし
RAID 5
K
33%
RAID 6
K
33%
注:
XDP の詳細については、XtremIO のデータ保護のホワイト ペーパーを参照してくだ
さい。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
27
静止データ暗号化
静止データ暗号化(DARE)では、メディアがアレイから取り外された場合でも重要な
データの安全性を確保するソリューションが提供されています。XtremIO アレイは高
パフォーマンスのインライン暗号化技術を採用しており、SSD メディアが取り外された
場合、アレイに格納されているすべてのデータが利用できなくなります。これにより、
盗難や輸送中の紛失などで不正アクセスを防ぐことができ、機密データを含む障害
コンポーネントを元に戻すまたは取り替えることができます。
DARE は多くの業界で確立されている必須の要件で、これには医療(患者の記録を
厳重に守る必要がある)、銀行(財務データの安全が極めて重要)、数々の行政機
関が含まれます。
XtremIO の DARE ソリューションの中心となっているのが、自己暗号化ドライブ(SED)
技術の使用です。SED には、SSD でデータの書き込みや読み取りを行う際に暗号化
および復号化を行う専用のハードウェアがあります。暗号化のタスクを SSD にオフ
ロードすることにより、XtremIO はアレイで暗号化が有効または無効になるときに
同じソフトウェア アーキテクチャを維持することができます。インライン データ削減、
XtremIO Data Protection(XDP)、シン プロビジョニング、スナップショットを始めとする
XtremIO のすべての機能やサービスは、暗号化されたクラスターで提供されます(非
暗号化クラスターでも提供)。
固有のデータ暗号化キー(DEK)がドライブ製造プロセスで作成されます。このキー
はドライブから離れることはありません。DEK を消去または変更することはできます
が、ドライブのデータは読み取れなくなり、DEK を回復させるオプションは提供されま
せん。権限のあるホストだけが SED のデータにアクセスできるようにするために、
DEK は認証キー(AK)によって保護されています。このキーがなければ、DEK は暗号
化されたままで、データの暗号化または復号化には使用できません。
図 12:
ロック解除された SED
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
28
SED はロックが解除された状態で出荷されます。つまり、どのホストでもドライブ デー
タにアクセスできます。ロックが解除されたドライブでは、データは必ず暗号化されて
います。しかし、DEK は必ず復号化され、認証は必要ありません。
ドライブのロックは、デフォルト ドライブの AK を新しいプライベート AK に変更し、起
動後または電源障害後(SSD がアレイから取り外された場合など)でもロックされた
ままになるよう SED 設定を変更することで実現しています。SSD がアレイから取り外
されると、オフになり、起動時に AK が必要になります。正しい AK がない限り、SSD
のデータは読み取り不可で安全です。
データにアクセスするには、ホストは正しい AK を提供する必要があります。これは、
ドライブの「取得」または「所有化」とも呼ばれ、DEK のロックを解除し、データへのア
クセスを可能にします。
ドライブの取得は起動時にのみ行われ、アレイが作動している限り SED はロック解
除されたままになります。どの場合でも、データは暗号化または復号化のハードウェ
アを通過するため、SED のロック時にパフォーマンス インパクトはありません。
図 13:
SED 動作モード
XtremIO All-Flash Array は次の SSD でデータを暗号化します。
•
データ SSD:すべてのユーザー データが格納されている場所
•
ストレージ コントローラーSSD:ユーザー データ ジャーナル ダンプが含まれてい
る場合がある
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
29
スナップショット
スナップショットは、特定の時点におけるボリュームのデータの状態を算出すること
で作成されるので、ユーザーはソース ボリュームが変化したとしても、必要に応じて
データにアクセスできます。XtremIO スナップショットは本質的に書き込み可能です
が、不変性を確保するために読み取り専用でマウントすることもできます。ソースま
たはソース ボリュームに属する任意のスナップショットのいずれかからスナップショッ
トを取得できます。
スナップショットは次に示すように、多様な事例で使用できます。
•
論理的な破損の保護
XtremIO では頻度の高いスナップショット(目的の RPO インターバルで実行可能)
を作成でき、論理データ破損からのリカバリにそれらを使用することができます。
スナップショットは、必要である限りシステムに保持することができます。論理
データの破損が起きた場合は、既知のポイント イン タイムまでアプリケーション
をリカバリするために、以前のアプリケーションの状態のスナップショット(論理
データの破損の前)を使用できます。
•
VMware
バックアップ サーバー/エージェント用のスナップショットを作成できます。これは、
本番サーバーからバックアップ プロセスをオフロードするために使用できます。
•
開発およびテスト
システムはユーザーが本番データのスナップショットを作成し、本番システムの
(設置率の高い、高パフォーマンスな)コピーを複数作成して、それを開発やテス
ト目的で使用することを可能にします。
•
クローン
XtremIO では、データ保全の書き込み可能スナップショットを使い、クローンのよ
うに使用することもできます。複数のサーバーの本番ボリュームのクローンとして
使用できます。クローンのパフォーマンスは、本番ボリュームのパフォーマンスと
まったく同じです。
•
オフライン処理
スナップショットを、本番サーバーからデータの処理をオフロードする手段として
使用することもできます。たとえば、データに対して(本番サーバーのパフォーマ
ンスに影響を与えるほど)重いプロセスを実行する必要がある場合、スナップ
ショットを使用して本番データの最新コピーを作成し、それを別のサーバーにマ
ウントできます。こうすることで、プロセスは本番サーバーのリソースを消費する
ことなく、(別のサーバーで)実行されます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
30
XtremIO のスナップショット テクノロジは、システムのコンテンツ対応性(インライン
データ削減)を活用して実装され、データの正しいタイム スタンプに I/O を誘導する
ユニークなメタデータ ツリー構造で、SSD メディア用に最適化されます。これにより、
高いパフォーマンスを持続できる効率的なスナップショットが可能になる一方で、複
数のスナップショットを作成する手段として、また、スナップショットがサポートできる
I/O 量の両方で、メディアの寿命を最大限に引き延ばします。
スナップショットの作成時に、システムは(システム内の実際のデータの)親メタデー
タへのポインターを生成します。このため、スナップショットの作成は非常に簡単な操
作で、システムに影響を及ぼすことはありません。また、容量は一切消費しません。
スナップショットの容量の消費は、変更で新しい一意のブロックの書き込みが必要に
なった場合にのみ発生します。
スナップショットの作成では、そのメタデータは、親ボリュームのメタデータとまったく
同じになります。新しいブロックが親に書き込まれると、新しい書き込みを反映する
ために親ボリュームのメタデータが更新されます(そして、標準の書き込みフロー
プロセスを使用して、ブロックがシステムに格納されます)。このブロックは、スナップ
ショットと親ボリュームの間で共有されている限り、書き込みの後でシステムから削
除されることはありません。これは、ボリューム上の新しい場所への書き込み(未使
用の LBA への書き込み)と、すでに書き込まれている場所での再書き込みの両方に
適用されます。
スナップショットのメタデータと親のメタデータは、ツリー構造で管理されます。スナッ
プショットと親ボリュームは、図 14 で示すように、この構造の葉として表現されてい
ます。
図 14:
メタデータのツリー構造
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
31
メタデータは、(スナップショットの元の親から)変更されていない全スナップショット
ブロック間で共有されます。スナップショットは、データブロックがその親と異なる LBA
のみの一意のメタデータを保持します。このメタデータの管理方法は経済的です。
新しいスナップショットが作成されると、システムは常に、スナップショットを作成した
エンティティから"2 枚の葉"(2 つの子エンティティ)を作成します。これらの葉の 1 枚
はスナップショットを、もう 1 枚はソース エンティティを表します。スナップショットが作
成されたエンティティは、それ以降直接使用されることはなくなりますが、メタデータ
の管理目的でのみ維持されます。
図 15:
スナップショットの作成
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
32
図 15 は、XtremIO システムの 16 ブロックのボリュームを示します。1 行目(A(t0)/S(t0)
とマーク)は、(t0)で最初のスナップショットが取得されたときのボリュームを示します。
t0 では、親(A(t0))とスナップショット(S(t0))が同じデータとメタデータを持っています。
これは、S(t0)が A(t0)の読み取り専用スナップショットであるためです(親と同じデータ
を持っている)。
注:
16 個あるブロックのうち、使用されているのは 8 ブロックのみです。ブロック 0 と
ブロック 4 は、重複排除の結果、物理容量の 1 ブロック分のみしか消費しません。
空白のドット地のブロックは、シン プロビジョニングされたブロックを表しています。
これは、物理容量は一切消費しません。
図 15 では、S(t1)にスナップショットを作成する前に、2 つの新しいブロックが P に書き
込まれています。
•
H8 は H2 を上書きしています。
•
H2 はブロック D に書き込まれます。しかし、A(t0)のブロック 3 に格納された H2 と
同じであるため、物理容量はほとんど消費しません。
S(t1)は、読み取り/書き込みスナップショットです。これには、親とは異なる 2 つの追
加ブロック(2 と 3)が含まれます。
(変更されたブロックや各スナップのメタデータの全コピーに専用のスペースの確保
が必要であった)従来のスナップショットとは異なり、XtremIO ではスナップショットに
専用スペースを確保する必要はなく、メタデータの「膨張」も起こりません。
XtremIO のスナップショットは、どんなときにも、スナップショットの親エンティティと共
有されていないブロックにのみ使用される一意のメタデータのみを消費します。これ
により、システムは、動的でエンティティの変更量に比例した極めて小さいストレージ
オーバーヘッドを使用し、大量のスナップショットを効率的に管理できます。
たとえば、t2 の時点では、ブロック 0、3、4、6、8、A、B、D、F は親エンティティと共有
されています。ブロック 5 のみがこのスナップショットで一意です。そのため、XtremIO
の消費するメタデータ ユニットは 1 つだけです。残りのブロックは親と共有され、正
確なボリューム データと構造をコンパイルするために、親のデータ構造を使用します。
システムは、ボリューム セットでのスナップショットの作成をサポートしています。セッ
ト内のボリュームから取得した全スナップショットは、相互に一貫性があり、全ボ
リュームの厳密に同一時点の情報を含みます。これは、スナップショットを作成する
ボリューム セットを選択するか、ボリュームをコンシステンシ グループ コンテナーに
配置し、コンシステンシ グループのスナップショットを作成することで、手動で作成で
きます。
スナップショットの作成中、システム パフォーマンスや全体的なシステム レーテン
シーに影響が及ぶことはありません(パフォーマンスは維持されます)。これは、シス
テム内のスナップショット数やスナップショット ツリーのサイズに左右されるものでは
ありません。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
33
スナップショットの削除は軽量で、エンティティ間の変更済みブロックの量にのみ比
例します。システムはコンテンツ対応性能により、スナップショットの削除を処理しま
す。各データ ブロックには、システム内の対象のブロックのインスタンス数を示すカ
ウンターが付いています。ブロックが削除されると、カウンターの値は 1 つずつ減少
します。このカウンター値がゼロのブロック(システムのボリュームまたはスナップ
ショット全体に、このブロックを参照する LBA(論理ブロック アドレス)が存在しないこ
とを意味します)は、新しい一意のデータがシステムに入ってきた時点で、XDP によっ
て上書きされます。
子孫を持たない子の削除には、システムによる追加的な処理は必要ありません。
ツリーの中にあるスナップショットを削除すると、非同期処理がトリガーされます。
このプロセスは、削除されたエンティティの子のメタデータと、親の親のメタデータを
マージします。これにより、ツリー構造が断片化されることがなくなります。
XtremIO では、ブロックの削除が必要になると直ちに解放済みとしてマークされます。
そのため、ガベージ コレクションは不要で、孤立ブロックを見つけ出し、削除するた
めにシステムがスキャン プロセスを実行する必要はありません。さらに、XtremIO で
は、スナップショットの削除がシステムのパフォーマンスや SSD メディアの寿命に影
響を与えることはありません。
スナップショットの実装は完全にメタデータ中心で行われ、アレイのインライン データ
削減を活用するため、データがアレイ内にコピーされることはありません。こうして、
多くのスナップショットの維持が可能になります。
XtremIO のスナップショットの特徴は、以下のとおりです。
•
専用のスナップショット スペースは不要。
•
ソース ボリュームの不変コピー/書き込み可能クローンの作成が可能。
•
瞬時に作成。
•
ソース ボリュームやスナップショット自体へのパフォーマンスの影響はほとんど
なし。
注:
スナップショットの詳細については、XtremIO のスナップショットのホワイト ペーパー
を参照してください。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
34
拡張性の高いパフォーマンス
XtremIO は、新しいアプリケーションだけでなく、すでに導入されているアプリケーショ
ンについても、将来的なパフォーマンスや容量のニーズに対応するためスケールア
ウトできるよう設計されています。XtremIO のアーキテクチャにより、管理の一元化や
システム全体のリソースのバランスを維持しながら、ビルディング ブロック(X-Brick)
を追加することで、パフォーマンスや容量を向上させることができます。
スケールアウトは、XtremIO のアーキテクチャにおける本質的な部分であり、既存の
ハードウェアを大掛かりにアップグレードしたり、長期間にわたるデータ転送をしなく
ても実行できます。
XtremIO ストレージ システムは、パフォーマンスや容量の追加が必要になったときに、
X-Brick を追加することによってスケールアウトできます。複数の X-Brick は、可用性
の高い、超低レスポンス タイムの冗長 InfiniBand ネットワークを介して結合されます。
システムが拡張してもリソースはバランスの取れた状態で維持され、アレイのデータ
はすべての X-Brick に分散されます。これによって、均一なパフォーマンスとバランス
の取れたフラッシュ ウェア レベルが保たれます。
システムの拡張には、ボリュームの構成や手作業でのボリュームの移動は不要で
す。 * XtremIOでは、再マッピングを最小限に抑える一貫したフィンガープリント アル
ゴリズムが使用されます。内部ロード バランシング スキームに新しいX-Brickが追加
され、既存の関連データのみが新しいDAEに転送されます。
ストレージの容量やパフォーマンスは、単一の X-Brick 構成に対して、2 つの X-Brick
であれば 2 倍の IOPS を、4 つの X-Brick であれば 4 倍の IOPS を、6 つの X-Brick
であれば 6 倍の IOPS を供給するなどのように、リニアに拡張します。ただし、レーテ
ンシーは図 16 に示すように、システムがスケールアウトされても一貫して低い状態
(1 ミリ秒未満)が保たれます。
*
現在のソフトウェア バージョンは、動的なスケールアウトをサポートしていません。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
35
図 16:
一貫した低レーテンシーと直線的なパフォーマンス スケーラビリティ
XtremIOはそのスケーラビリティに特化して開発されたため、そのソフトウェアにはク
ラスター サイズに対する制限が元々ありません。 *システム アーキテクチャは、レー
テンシーについても最も効率的な方法で対処します。ソフトウェア設計は、モジュラー
式が採用されています。すべてのストレージ コントローラーでは、さまざまな組み合
わせのモジュールが実行され、負荷全体を共有します。このような分散型ソフトウェ
ア モジュール(異なるストレージ コントローラー上にある)は、個別のI/O動作を処理
し、これはクラスターを通過します。XtremIOは、単一のX-Brickシステムか複数のXBrick クラスターかに関係なく、2 つのソフトウェア モジュール(2 ホップ)で、各I/O要
求を処理します。そのため、クラスターのサイズにかかわらず、レーテンシーは常に
一定に保たれます。
注:
1 ミリ秒未満のレーテンシーは、実際のテスト結果に基づいて、また、最悪の条件下
でのシナリオを想定して検証されています。 †
*
最大のクラスター サイズは、現在テストおよびサポートされている設定に基づきます。
1 ミリ秒未満のレーテンシーは通常のブロック サイズに適用されます。小さなブロックや大きなブロックのレーテンシーは大き
くなる可能性があります。
†
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
36
InfiniBand は、XtremIO のアーキテクチャで重要な役割を担っています。XtremIO は、
InfiniBand バックプレーンで、次の 2 種類の通信を使用します。制御メッセージ用
RPC(リモート プロシージャ コール)およびデータ ブロック移動用 RDMA(Remote
Direct Memory Access)。
InfiniBand は相互接続テクノロジで最高レベルの帯域幅(1 つの QDR 接続で 40
Gb/秒)であるだけでなく、極めて低いレーテンシーも誇ります。2 台の XtremIO スト
レージ コントローラー間のデータ ブロックの RDMA 転送における往復時間は 7 ミリ
秒で、XtremIO の各 I/O に対するレーテンシー許容値である 500 マイクロ秒と比較
すると、ほぼ無視できる程度と言えます。これによって、I/O を受信するストレージ コ
ントローラーがローカルかリモート(InfiniBand 経由)かに関係なく、ソフトウェアが必
要なストレージ コントローラーおよび SSD のリソースを自由に選択できるようになり
ます。
XtremIO のエンタープライズ機能(インライン データ削減、スナップショット、XDP、高
可用性など)は、スケールアウト アーキテクチャの一部として開発されています。す
べてのデータおよびメタデータは、クラスター全体に均等に分散されます。SAN ゾー
ンやマルチパスを使用して、あらゆるホスト ポートを通じて、I/O をアレイに収納でき
ます。そのため、すべてのワークロードがコントローラーと SSD に均等に分散される
ので、システムのどこであってもパフォーマンス ボトルネックが発生することが事実
上ありません。
XtremIO を使用すると、次のことを行えます。
•
プロセッサ、RAM、SSD および接続ポートがともに拡張するため、最高のバランス
でスケーラブルなパフォーマンスが実現されます。
•
内部通信は、高可用性 QDR(40 Gb/秒)InfiniBand 内部ファブリックを経由して
実行されます。
•
クラスターは N 方向にアクティブであり、どのボリュームにも、あらゆる X-Brick の
あらゆるストレージ コントローラー上のどのホスト ポートからも、同等のパフォー
マンスでアクセスできます。
•
RDMA のゼロコピー データ アクセスによって、クラスター サイズに関係なく、ロー
カル SSD でもリモート SSD でも I/O が同等になります。
•
データは、システムの拡張に伴い、すべての X-Brick でバランスの取れた状態が
維持されます。
•
より高い水準の冗長性を実現し、クラスターはハードウェアやソフトウェアの障害
に対し、より高い耐性を実現します。N ウェイ アクティブ スケールアウト クラス
ターでは、1 台のストレージ コントローラーに障害が起きても、システムが失うの
は全体的なパフォーマンスのわずか 1/N に留まります。
•
従来のデュアル コントローラー システムとは異なり、システムのアップグレードが
容易なため、XtremIO のスケールアウト モデルを使用することで、小規模に開始
し、ワークロードが増大するにつれてストレージ容量とパフォーマンスの両方を増
やすことが可能になります。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
37
均等なデータ分散
外部のアプリケーションから見ると、XtremIO は一見、標準的なブロック ストレージ
アレイのように見え、またそのように動作します。しかし、そのユニークなアーキテク
チャにより、内部データの整理に採用されているアプローチは根本的に異なります。
XtremIO では、論理アドレスを使用するのではなく、ブロック コンテンツを使用して、
データ ブロックを配置する場所を特定します。
XtremIO は、内部的にデータ ブロックを使用します。書き込み処理では、ネイティブ
ブロック サイズより大きいデータ チャンクは、アレイに到達した段階で標準ブロック
に分割されます。特殊な計算アルゴリズムを使って、着信データ ブロックごとに一意
のフィンガープリントが計算されます。
この一意の ID は、次の 2 つの主要な目的で使用されます。
•
アレイ内のどこにデータ ブロックを配置するかを特定する
•
インライン データ削減(ページ 21 を参照)
フィンガープリント アルゴリズムの持つ性質上、ID 番号は完全にランダムで、フィン
ガープリント値として使用できる範囲内に均等に分散されます。この結果、データ ブ
ロックはクラスター全体と、アレイ内のすべての SSD に均等に分散されます。言い換
えれば、XtremIO を使用すると、さまざまな SSD のスペース使用水準を確認したり、
すべての SSD に対するデータ書き込みが均等に行われるように管理したりする必要
が一切なくなります。XtremIO は一意の ID を基にブロックを配置することで、本質的
に均等なデータの分散を実現します(17 ページの図 7 を参照)。
XtremIO は、次のメタデータを保持します。
•
フィンガープリント ID マッピングに対する論理アドレス(LBA)
•
物理的な場所マッピングに対するフィンガープリント ID
•
各フィンガープリント ID の参照回数
システムはこれらすべてのメタデータをストレージ コントローラーのメモリに保持し、
RDMA を経由してさまざまなストレージ コントローラー間の変更記録をミラーリングす
ることでこの情報を保護します。また、これらの情報は定期的に SSD に保存されます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
38
すべてのメタデータをメモリに格納することで、XtremIO では次のユニークなメリット
が提供されます。
•
SSD 検索が不要
SSD 検索を回避することで、ホストの操作に使用できる I/O の数が増えます。
•
インスタント スナップショット
スナップショット操作は、スナップショット取得プロセスがアレイ メモリ内だけで行
われるため、即時に実行されます(ページ 30 を参照)。
•
瞬時の VM クローン作成
インライン データ削減と VAAI を、インメモリ メタデータと組み合わせることにより、
XtremIO はメモリ操作のみで 1 つの VM のクローンを作成できます。
•
安定したパフォーマンス
データの物理的な場所、大きいボリューム、広範な LBA 範囲は、システムのパ
フォーマンスに何の影響も及ぼしません。
高可用性
データ消失の回避と障害の複数発生時におけるサービスの維持は、XtremIO の
オール フラッシュ ストレージ アレイのアーキテクチャのコアとなる機能の 1 つです。
ハードウェアの観点から言うと、単一障害点となるコンポーネントは存在しません。
システム上の各ストレージ コントローラー、DAE、InfiniBand スイッチには、デュアル
電源装置が装備されています。さらに、システムにはデュアル バッテリ バックアップ
ユニット、デュアル ネットワーク、データ ポートも装備されています(ストレージ コント
ローラーごと)。2 つの InfiniBand スイッチは相互接続され、デュアル データ ファブ
リックを形成します。両方の電力入力ライン、およびさまざまなデータ パスは常時監
視され、何らかの障害が生じた場合には、リカバリまたはフェイルオーバーが試行さ
れます。
ソフトウェア アーキテクチャも同様の方法で構築されています。SSD にコミットされて
いないすべての情報は、ジャーナルと呼ばれる複数のロケーションに格納されます。
それぞれのソフトウェア モジュールは、ストレージ コントローラーとは別の場所に独
自のジャーナルを持っているため、不測の障害が起きた場合にも、これを使用して
データを復元できます。ジャーナルは特に重要なコンポーネントとみなされ、バッテ
リーでバックアップされている電源を備えたストレージ コントローラーに常備されてい
ます。バッテリ バックアップ ユニットに問題が生じた場合には、ジャーナルは、別の
ストレージ コントローラーにフェイルオーバーします。大規模な電源障害の際には、
バッテリ バックアップ ユニットにより、全ジャーナルをストレージ コントローラーの
ヴォールト ドライブに書き込んで、システムの電源をオフにすることができます。
また、スケールアウト型のデザインと XDP データ保護アルゴリズムにより、各 X-Brick
は 1 つの冗長性グループとして事前構成されます。このため、冗長性グループの
選択、構成、チューニングは不要です。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
39
XtremIO のアクティブ/アクティブ アーキテクチャは、最大のパフォーマンスと一貫し
たレスポンス タイムを確保するように設計されています。システムは、どのような障
害からも復旧し、完全な機能での再開を試みる自動修復メカニズムを備えています。
障害の生じたコンポーネントでは、フェイルオーバー アクションの前に、再起動が試
みられます。ストレージ コントローラーのフェイルオーバーは、最終手段として実行さ
れます。障害の種類を基に、システムは関連するソフトウェア コンポーネントのフェイ
ルオーバーを試みながら、他のコンポーネントの動作を継続します。そのため、パ
フォーマンスの影響は最小限に留められます。ストレージ コントローラー全体のフェ
イルオーバーは、復旧の試みが成功しなかった場合、または、システムがデータ消
失を防止するために最善策を講じなくてはならない場合にのみ実行されます。
一時的に使用不能状態に陥ったコンポーネントが復旧した場合は、フェイルバックが
開始されます。このプロセスは、ソフトウェア コンポーネントまたはストレージ コント
ローラー レベルで実行されます。システムでは、バウンス防止メカニズムにより、
不安定なコンポーネントやメンテナンス中のコンポーネントが原因で発生する障害を
防止できます。
コモディティ ハードウェアに組み込むことで、XtremIO は、ハードウェア ベースのエ
ラー検出のみに依存することなく、破損した領域の検出、修正、マーク付けを行う専
用アルゴリズムを備えています。SSD ハードウェアによって自動的に処理されない
あらゆるデータ破損シナリオは、アレイ上の XDP メカニズムや、ジャーナルに保存さ
れた複数のコピーで対処します。サイレントなデータ破損によるエラーを回避するた
めに、読み取り処理中は安全で信頼できるデータ整合性メカニズムとしてコンテンツ
フィンガープリントが使用されます。措定されたフィンガープリントに不整合が見つ
かった場合は、アレイは再度読み取るか、XDP 冗長性グループから再構築を試みる
ことで、データを復旧します。
無停止アップグレード
XtremIO オペレーティング システムの NDU(無停止アップグレード)中は、システム
はライブ クラスター上でアップグレード手順を実行し、クラスター内の全ストレージ
コントローラーを更新し、プロセスのアプリケーションを再起動します。この処理は
10 秒未満で行われます。基盤となる Linux カーネルはアップグレード プロセス中も
アクティブであるため、ホストがアプリケーションの再起動中にパスの切断を検出す
ることはありません。
Linux のカーネルやファームウェアのアップグレードなど稀なケースでも、サービスの
中断やデータ消失の危険性なく、XtremIO のオール フラッシュ アレイをアップグレー
ドすることが可能です。NDU プロシージャは、XtremIO マネージメント サーバーから
起動し、XtremIO のソフトウェアや基盤となるオペレーティング システム、ファーム
ウェアのアップグレードを実行できます。
Linux/ファームウェアの NDU 実行中、システムは自動的にコンポーネントをフェイル
オーバーし、ソフトウェアをアップグレードします。アップグレードの完了とコンポーネ
ントの稼働状態の検証後、システムはフェイルバックし、そのプロセスは他のコン
ポーネントで繰り返されます。システムが完全にアクセス可能なアップグレード プロ
セス中、データの消失はなく、パフォーマンスへの影響は最小限に抑えられます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
40
VMware VAAI の統合
VAAI(vSphere Storage APIs for Array Integration)は、ホスト ベースの VM クローン
作成の改善策として導入されました。VAAI を使用しない場合、フル VM をクローンす
るには、図 17 に示されているように、ホストは各データ ブロックを読み取って、クロー
ンされた VM のある新しいアドレスにそれを書き込む必要があります。これはホスト、
アレイ、ストレージ エリア ネットワー(SAN)をロードする高額な操作となります。
図 17:
VAAI を使用しないフル コピー
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
41
VAAI を使用すると、VM のクローン作成のワークロードは、ストレージ アレイにオフ
ロードされます。図 18 に示されているように、ホストは X コピー コマンドを実行する
だけで、アレイはデータ ブロックを新しい VM アドレスにコピーします。このプロセス
はホストとネットワークのリソースを節約します。ただし、ストレージ アレイのリソース
は依然消費されます。
図 18:
VAAI を使用したフル コピー
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
42
XtremIO は VAAI に完全に対応しており、これによりアレイは、vSphere と直接通信し
たり、高速化されたストレージの vMotion、VM プロビジョニング、シン プロビジョニン
グを提供することができます。
また、XtremIO と VAAI との統合によって、全操作をメタデータ主導型にすることで、
X-copy の効率はさらに高まります。XtremIO では、インライン データ削減とインメモリ
メタデータのために、X-copy コマンドの実行中に実際のデータ ブロックがコピーされ
ることはありません。図 19 で示されているように、システムは既存のデータに対して
のみ新しいポインターを作成し、プロセス全体はストレージ コントローラーのメモリ
内で行われます。そのため、ストレージ アレイのリソースを消費せず、システム パ
フォーマンスにインパクトを与えません。
たとえば、VM イメージは、XtremIO で即時にクローン化することができます(複数回
可能)。
図 19:
XtremIO を使用したフル コピー
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
43
これは、XtremIO のインメモリ メタデータとインライン データ削減でのみ可能です。
VAAI を実装するものの、インライン データ削減機能を備えていない他のフラッシュ
製品は、フラッシュに X-COPY を書き込み、後で重複排除を実行する必要があります。
インメモリ メタデータを持たないアレイは、X-COPY を実行するために SSD で検索を
実行する必要があります。これは、既存のアクティブな VM の I/O にマイナスの影響
を及ぼします。XtremIO を使用した場合にのみ、この処理は SSD への書き込みなし
で、既存の VM の I/O に影響を与えることなく、素早く完了できます。
VAAI 用 XtremIO 機能では、以下がサポートされます。
•
ゼロ ブロック/Write Same
ディスク領域のゼロ化操作に使用(VMware 用語:HardwareAcceleratedInit)。
この機能では、高速化されたボリュームのフォーマット化を実行できます。
•
クローン ブロック/フル コピー/XCOPY
同一物理アレイ内のデータのコピーや移行に使用(VMware 用語:
HardwareAcceleratedMove)。
XtremIO では、アクティブな VM 上のユーザーI/O に影響を与えることなく、ほぼ
瞬時に VM クローン作成を実行できます。
•
レコード ベースのロック/ATS(Atomic Test & Set)
VMFS ボリューム上でのファイルの作成やロック時(VM の電源投入や電源切断
時など)に使用します
(VMware 用語:HardwareAcceleratedLocking)。
競合なしで、ボリュームや ESX クラスターの増加に対応できます。
•
ブロックの削除/UNMAP/TRIM
SCSI UNMAP 機能を使用して、未使用のスペースを再利用できます(VMware 用
語:BlockDelete。vSphere 5.x のみ)。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
44
XMS(XtremIO Management Server)
XMS によって、次に示すように、システムを制御および管理できます。
•
新しいシステムの形成、開始、フォーマット
•
システムの稼働状態とイベントのモニタリング
•
システム パフォーマンスのモニタリング
•
パフォーマンス統計履歴データベースの管理
•
クライアントに GUI および CLI サービスを提供する
•
ボリューム管理およびデータ保護グループの操作ロジックを実装する
•
システムの管理(停止、開始、再始動)
XMS は、CLI や GUI とともにプリインストールされています。XMS は、データセンター
内の専用物理サーバーにインストールすることも、VMware 上の仮想マシンとしてイ
ンストールすることも可能です。
XMS は X-Brick ストレージ コントローラーのすべての管理ポートにアクセスする必要
があり、どの GUI/CLI クライアント ホスト マシンからもアクセスできる必要があります。
すべての通信に標準の TCP/IP 接続が使用されるため、XMS は前述の接続要件を
満たす場所であればどこにでも配置できます。
XMS はデータ パスに存在しないため、I/O に影響を及ぼすことなく、XtremIO クラス
ターから切断できます。XMS の障害はモニタリングや、ボリュームの作成や削除など
の構成アクティビティにしか影響を与えません。ただし、仮想 XMS トポロジーの使用
時には、VMware vSphere 高可用性機能を利用して、そうした障害を簡単に克服す
ることができます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
45
システム GUI
図 20 は、システム GUI と他のネットワーク コンポーネント間の関係を示しています。
図 20:
GUI と他のネットワーク コンポーネントの関係
システム GUI は、Java クライアントを使用して実装されます。GUI クライアント ソフト
ウェアは、標準の TCP/IP プロトコルを使用して、XMS と通信します。また、クライアン
トが XMS にアクセスできる場所であればどこでも使用できます。
GUI は、ほとんどのシステム操作を実行するための使いやすいツールを備えていま
す(一部の管理操作は、CLI を使用して実行する必要があります)。また、複数のボ
リュームの作成といった複数のコンポーネント上での操作は、GUI でのみ実行でき
ます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
46
図 21 に、簡単な手順でイニシエーター グループにボリュームをマップする際、
GUI をどのように使用できるかを示しています。
図 21:
GUI を使用して、ボリュームをイニシエーター グループにマップする
図 22 に、ユーザーがシステムのストレージ、パフォーマンス、アラート、ハードウェア
のステータスをモニタリングできる GUI のダッシュボードを示します。
図 22:
GUI を使用してシステムをモニタリングする
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
47
コマンド ライン インターフェイス
システムの CLI(コマンド ライン インターフェイス)を使用することで、管理者や他のシ
ステム ユーザーは、サポートされた管理操作を実行できます。CLI は、XMS にプリイ
ンストールされ、標準の SSH プロトコルを使用してアクセスできます。
標準の TCP/IP 接続を介して XMS サーバーと通信し、XMS へのアクセスにより Linux
CentOS ホストにインストールできる、CLI クライアント パッケージも用意されています。
RESTful API
XtremIO の RESTful API は、システムの自動化、オーケストレーション、クエリー、プロ
ビジョニングに HTTP ベースのインターフェイスを使用できるようにします。API を使用
すると、サード パーティ アプリケーションで、アレイを完全に制御および管理できま
す。そのため、XtremIO アレイ用に拡張性の高い管理ソリューションを開発できます。
LDAP/LDAPS
XtremIO ストレージ アレイは、CLI および GUI ユーザーの両方で LDAP ユーザー認証
をサポートしています。LDAP 認証用に構成すると、XMS はユーザーの認証を構成
済みの LDAP または AD(Active Directory)サーバーにリダイレクトし、認証済みの
ユーザーだけがアクセスできるようにします。ユーザーの XMS 権限は、ユーザーの
LDAP/AD グループと XMS の役割間のマッピングを基に定義されます。
XMS サーバーLDAP 構成機能では、XMS サーバーにログインする外部ユーザーを
単一または複数のサーバーを使用して認証できます。
LDAP 操作は、XMS サーバーに外部ユーザー資格情報でログするときに一度実行さ
れます。XMS サーバーは LDAP クライアントとして機能し、外部サーバーを使いなが
ら LDAP サービスに接続します。事前構成された LDAP 構成プロファイルと外部ユー
ザー ログイン資格情報を使用して、LDAP 検索が実行されます。
認証に成功すると、外部ユーザーは XMS サーバーにログインして、完全または限定
的な XMS サーバー機能にアクセスします(LDAP ユーザーのグループに割り当てら
れた XMS 役割に応じて)。
XtremIO ストレージ アレイは安全な認証のために LDAPS もサポートします。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
48
管理の容易さ
XtremIO は、極めてシンプルに構成および管理することが可能で、チューニングや
広範な計画は不要です。
ユーザーは XtremIO を使用することで、システムの最適化のために、さまざまな
RAID オプションから選ぶ必要がなくなります。システムが開始すると、XDP(25 ペー
ジを参照)はすでに、単一の冗長性グループとして構成されています。すべてのユー
ザー データは、X-Brick 全体に分散されます。また、階層化やパフォーマンス チュー
ニングは不要です。I/O データはすべて同等に処理されます。作成時、すべてのボ
リュームは全ポート(FC と iSCSI)にマップされ、アレイでストレージが階層化されるこ
とはありません。この特徴により、手作業によるパフォーマンス チューニングや最適
化設定が不要になるため、システムの管理、構成、使用が容易になります。
XtremIO の特徴
•
•
最低限のプランニング

RAID 構成不要

クローン作成およびスナップショットのサイズ設定を最小化
階層化なし

•
単一階層、オール フラッシュ アレイ
パフォーマンス チューニング不要

独立した I/O アクセス パターン、キャッシュ ヒット率、階層化の決定など
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
49
他の EMC 製品との統合
XtremIO は、他の EMC 製品との統合にも適しています。統合ポイントは、EMC のお
客様にさらなる価値を提供するために、XtremIO の将来のリリースで引き続き拡大さ
れます。
PowerPath
EMC PowerPath は、ホスト ベースのソフトウェアで、物理環境および仮想環境に導
入された異機種混在のサーバー、ネットワーク、およびストレージのために自動化さ
れたデータ パス管理およびロード バランシング機能を提供します。この特徴により、
ユーザーは高性能アプリケーションの可用性とパフォーマンスを備えたサービス レ
ベルを満たせるようになります。PowerPath は、エラーや障害の発生時、高可用性
のためにパス フェイルオーバーや復旧を自動化し、複数のパスに I/O を負荷分散
することで、パフォーマンスの最適化を図ります。XtremIO は、直接的に、また、
VPLEX を使用して XtremIO システムを仮想化することにより、PowerPath でサポート
されています。
VPLEX
EMC VPLEX ファミリは、データセンター内、データセンター全体、データセンター間で
データの移動とアクセスを提供するための次世代ソリューションです。このプラット
フォームは、ローカル フェデレーションと分散フェデレーションに対応しています。
•
ローカル フェデレーションは、1 つのサイト内にある複数の物理エレメントを透過
的に連携させる機能です。
•
分散フェデレーションは、2 つのサイト間のアクセスを遠距離まで拡大する機能
です。
VPLEX によって物理的な障壁が取り除かれ、さまざまな場所からキャッシュの整合
性のとれた、一貫したデータのコピーにアクセスでき、仮想ホスト クラスターまたは
物理ホスト クラスターを地理的に分散させることができます。この結果、計画的なイ
ベントを見越した、サイト間での柔軟な負荷の再配置が提供されると同時に、複数の
サイト間での透過的な負荷分散が可能になります。さらに、データセンターの 1 つを
停止させる可能性のある計画外のイベントが発生した場合は、障害が発生したサー
ビスを他の正常なサイトで再開できます。
VPLEX は、Local と Metro の 2 つのシステム構成をサポートしています。VPLEX Metro
をオプションの VPLEX Witness や交差接続構成で使用した場合、アプリケーションは、
中断やダウンタイムが生じることなく、障害が発生していないサイトで処理を続行で
きます。VPLEX によって仮想化されたストレージ リソースは、スタックを通じて協調し
て機能させることができ、地理的な違いやサービス プロバイダーを超えて、動的に
アプリケーションやデータを移動できる機能も備えています。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
50
XtremIO は、VPLEX Local または Metro クラスター内では高性能プールとして使用で
きます。XtremIO を VPLEX と併用すると、ホスト オペレーティング システム サポート、
データの移動、データの保護、レプリケーション、ワークロード リロケーションなど、
VPLEX のデータ サービスをすべて活用できます。
RecoverPoint
EMC RecoverPoint ファミリは、コスト パフォーマンスに優れたローカル CDP(継続的
データ保護)、CRR(継続的リモート レプリケーション)、CLR(継続的ローカル/リモート
レプリケーション)を提供します。これらのソリューションを使用すると、任意のポイン
ト イン タイム データをリカバリできます。RecoverPoint/EX は、EMC Symmetrix®
VMAX™ 10K、Symmetrix VMAX 20K、Summetrix VMAX 40K、VPLEX™、XtremIO
(VPLEX による仮想化時、今後のリリースでネイティブの RecoverPoint がサポートさ
れる予定)、VNX シリーズ、CLARiX CX3 または CX4 アレイのローカルおよびリモート
レプリケーションをサポートしています。
この製品では、お客様のデータ保護管理を一元化および合理化でき、ローカル デー
タ保護および継続的なデータ保護機能や、リモート レプリケーション機能を利用でき
ます。
•
ブロック レベルのリモートまたはローカルのレプリケーション
•
動的な同期、同期または非同期によるリモート レプリケーション
•
目的の RPO や RTO を確保しながら、ストレージ リソースやネットワーク
リソースを最適化できるポリシー ベースのレプリケーション
•
アプリケーション対応型の統合
•
Windows 環境でのジオクラスター サポート(RecoverPoint/CE を使用)
RecoverPoint for VMs は、完全に仮想化されたハイパーバイザー ベースのレプリ
ケーション ソリューションで、完全に仮想化された EMC RecoverPoint エンジンを元に
作成されています。
RecoverPoint for VMs の特徴:
•
低い TCO で RPO/RTO を VMware 環境で最適化します。
•
OR & DR を効率化し、ビジネス アジリティを向上させます。
•
IT またはサービス プロバイダーにクラウド対応データ保護を提供して、プライ
ベート、パブリック、ハイブリッド クラウドにサービスとしての災害復旧を可能にし
ます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
51
ソリューション概要
PowerPath、VPLEX、RecoverPoint、XtremIOを統合 *することにより、強力かつ堅牢で
高性能なブロック ストレージ ソリューションを実現します。
•
PowerPath:パス フェイルオーバー、ロード バランシング、パフォーマンス最適化
などの VPLEX エンジンを提供するために、ホストにインストールされます(または、
VPLEX を使用しない場合は XtremIO アレイに直接インストール)。
•
VPLEX Metro:分散された仮想ボリューム全体でストレージ サービスを共有でき
るようにし、Metro サイトやアレイの境界を越えて同時読み取りおよび書き込み
アクセスを実行できるようにします。
•
VPLEX Local:ターゲット サイトで使用され、EMC と EMC 以外のストレージ デバイ
スの両方を仮想化して、資産の使用効率を向上させます。
•
RecoverPoint/EX:VPLEX によってカプセル化されたすべてのデバイス(XtremIO
を含む)は、非同期、同期または動的な同期データ レプリケーションに
RecoverPoint サービスを使用できます。
次に例を挙げます。
ある組織は図 23 に示すように、NJ(ニュー ジャージー)、NYC(ニューヨーク シティ)、
IA(アイオワ)の 3 か所のデータセンターを所有しています。
図 23:
*
XtremIO、PowerPath、VPLEX、RecoverPoint を使用した統合ソリューション
RPQ 承認が必要です。EMC 担当者にお問い合わせください。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
52
NJ および NYC サイト間に Oracle RAC および VMware 高可用性ノードが分散され、
データは全サイト間を頻繁に移動します。
組織は、ストレージ インフラストラクチャにマルチベンダー戦略を導入しました。
•
XtremIO ストレージは、組織の VDI とその他の高性能アプリケーションに使用し
ます。
•
VPLEX Metro は、NJ と NYC の両方のサイトでデータの移動とアクセスを促進する
ために使用されます。VPLEX Metro は、Access-Anywhere(場所を問わないアク
セス)機能を組織に提供します。これにより、両方のサイトの読み取り/書き込み
で、仮想の分散ボリュームにアクセスすることができます。
•
災害復旧ソリューションは、Metro サイトと IA サイト間で、非同期の継続的なリ
モート レプリケーションに RecoverPoint を使用することによって実装されます。
•
VPLEX Metro は、EMC や EMC 以外のストレージのレプリケーションを実行できる
ようにしながら、資産やリソースの使用率を改善するために、IA サイトで使用され
ています。
EMC ソリューション(前述)は、次に示すようなユニークで優れた価値を提供します。
•
高性能ストレージ環境における高可用性および複数パスのパフォーマンスの最
適化
•
低レーテンシーと高スループットで数十万の IOPS をサポートする高パフォーマン
スのコンテンツ対応型オール フラッシュ ストレージ
•
ゼロ RPO で地理的に分散したクラスター
•
ほぼゼロの RTO で自動化された復旧
•
VPLEX Metro データセンター内、または、VPLEX Metro データセンター間での高可
用性
•
ワークロードに応じてサイト間で共有できる優れたパフォーマンス
•
XtremIO システムの継続的なリモート レプリケーション(または、CDP または CLR)
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
53
オープンスタック統合
OpenStack は、プライベートおよびパブリック クラウドを管理するためのオープン プ
ラットフォームです。ストレージ リソースをクラウドの任意の場所の置き、オンデマン
ドで使用することを可能にします。Cinder は、OpenStack のブロック ストレージ サー
ビスです。
XtremIO Cinder ドライバーを使うと、OpenStack クラウドは XtremIO ストレージにアク
セスできます。XtremIO Cinder 管理ドライバーは XtremIO アレイでのボリュームの作
成と削除を管理し、OpenStack が作成したインスタンス/VM に対してボリュームを接
続/分離します。ドライバーは、ボリュームへのイニシエーター マッピングの作成を自
動化します。これらのマッピングは OpenStack インスタンスを実行して XtremIO スト
レージにアクセスするのを可能にします。これらすべては OpenStack クラウド要件に
基づいてオンデマンドで行われます。
OpenStack XtremIO Cinder ドライバーは XtremIO RESTful API を利用して、
OpenStack の管理リクエストを XtremIO アレイに伝えます。
OpenStack クラウドは iSCSI またはファイバー チャネル プロトコルを使用して
XtremIO にアクセスできます。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
54
まとめ
XtremIO では、高度な革新的アーキテクチャが開発されました。このアーキテクチャ
は、すべての SSD エンタープライズ ストレージ サブシステム用に最適化されていま
す。XtremIO は SSD メディアの機能を活用および最適化する充実した機能セットを
備え、エンタープライズ環境のお客様のニーズと要件に優れたソリューションを提供
するよう特別に設計されています。
XtremIO の機能には、真の拡張性を備えたソリューション(必要に応じて、追加の
容量やパフォーマンスを購入可能)、数十万の IOPS に対応する高パフォーマンス、
安定した 1 ミリ秒未満の低レーテンシー、コンテンツ対応のインライン データ削減、
高可用性、シン プロビジョニング、スナップショット、VAAI サポートなどがあります。
また、XtremIO は、SSD メディアの特徴を活用することで、効率的かつ強力なデータ
保護メカニズムを提供する独自の特許取得済みのスキームも備えています。これに
より、2 件の障害が同時に発生したり、複数の障害が連続して発生した際にデータを
保護することができます。
さらに、XtremIO には、GUI とコマンド ライン モードの両方を備えた、包括的かつ直観
的でユーザー フレンドリーなインターフェイスも組み込まれています。これは、使いや
すさを追求して設計され、効率的なシステム管理を実現します。
XtremIO は、全 SSD エンタープライズ SAN ストレージに卓越したソリューションを提
供すると同時に、お客様に優れた総所有コストのソリューションを提供します。
EMC XtremIO ストレージ アレイの概要
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