おりおりの山(第63回) 作者プロフィール 柚木 文夫氏 千葉県隊友会会員 元防大山岳部監督 習志野支部長 桧町陸幕 現自衛隊山岳連盟会長 平成 2 年退官 2015 年 1 月 1 日 1958 年防衛大学卒 日 和 田 山-古代帰化人の里- う。 日 和 田 山 (鹿 台 橋 近 く か ら ) 林の中の広い尾根道を進み程なく、高指 山電波中継塔から続く車道に出る。車道を 左にしばらく進むと駒高の集落。開けた尾 根上に家が散在するいかにも奥武蔵らしい のどかな山村風景である。 駒 高 か 駒高の集落 ら 車 道 を 離 れ 林 の 1 月 中 旬 の 良 く 晴 れ た 一 日 、日 和 田 山( 3 05㍍)に出かけた。奥武蔵、古代帰化人 が住んだ高麗の里の一角にある小さな山で ある。朝8時、秩父線高麗駅。高麗の里の シンボル、天下大将軍と地下女将軍の対の ト ー テ ム ポ ー ル に 迎 え ら れ た 。鹿 台 橋 で 高 麗 川 を 渡り8時20分、 浄 水 場 脇 の 日 和 田山登山口。 林 の 中 の 遊 歩 道 を 2 0 分 程 も 登 る と 鳥 居 が あ っ て 男 坂 と 女 坂 に 分 か れ る 。急 な 岩 場 に 丁 寧 に 石 段 が 刻 ま れ た 男 坂を這い登り9時、二ノ鳥居のある金刀比 羅神社の台地に出た。ここの見晴らしが素 晴 ら し い 。眼 下 に 特 徴 の あ る 巾 着 田 の 風 景 、 見渡せば奥武蔵の山々、遠くに東京のビル 群を見はるかす。 神社の裏手を一登りして9時半、立派な 宝筐印塔の鎮座する日和田山頂到着。木立 二ノ鳥居からの巾着田 に 囲 ま れ 眺 望 も な い の で 、 早 々 に 出 発 し て 次 の 物 見 山 に 向 か 中 を 一 登 り し て 、1 0 時 物 見 山 。山 頂 の ベ ン チ で 一 休 み し ていると、次から次と登山客が登って来る が、それらがいずれ劣らぬ白髪頭なのがお かしい。 物見山からしばらく尾根をたどり北向地 蔵で昼食。 こ こ で も 次 々 と 通 り 過 ぎ る シ ル バ ー グ ル ー プ の品定め。 北向地蔵 自 分 の 事 は棚に上げて。 11時15分、やおら腰を上げてユガテ に向かう。標識に従い林の中のトラバース 気味の道を下り、登り返したところがユガ テ。12時。農家が2軒だけの集落だが、 畑が青々と広がり庭木や果樹も多く、奥武 蔵 の 別 天 地 の 趣 で あ る 。丁 度 ロ ウ バ イ が 真 っ 盛 りだった。 ユ ガ テ か ら 山 道 ユガテ集落 を少し下った後は、のどかな山村風景を眺 めながらの車道歩きで、東吾野駅到着13 時だった。
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