質問及び回答 - 公共建築協会

質問及び回答
別 添
質問
館長様の話のなかで「低利用会議室の積極的
活用」とございましたが、具体的にどの会議室
で、どういう理由で利用が低く、今後どういう活
用又は対策、整備が必要とお考えかご教授い
ただければと思います。
回答
大型会議などの際に使われる(個室や控室として使われる)小さな会議室等は、当館
規模の施設であれば必須のものですが、大型会議の利用が無い場合等には使われな
いことがままあります。それらの小会議室をどのように活用していくか、課題として鋭意
検討しているところです。
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長寿命化を求められていることは理解出来まし
たが、一方で、維持管理(検査・予防)の部分の
予算が少なすぎる(考え方)。壊れたら修理とい
うサイクルでは長く維持出来るか不安である
が、もっと必要性が訴えられないものか
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建物の維持管理については、施設(棟)毎に中長期計画を立て、適切な時期に適切な
予算をつけることが重要です。国土交通省官庁営繕部では、毎年、各地方整備局が開
催する保全連絡会議等を通じて、点検や中長期計画の必要性等を国家機関や地方自
治体の施設管理者に向けて発信しています。
国立京都国際会館1F正面玄関入った通路を挟
む両側の壁にたて形のひび割れがたくさん入っ
ています。大丈夫なのでしょうか。館内の他の
場所にもこうしたひび割れがはいっています
か?
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過去の不同沈下時に生じたひび割れ部分で、仕上げ部分の改修に至っていない部分
をご指摘いただいたものと想われます。講演1でご紹介したとおり、現在不同沈下は止
まっており、かつ耐震改修工事も終えておりますのでご安心ください。
本会館の場合、新築施設に比べて改修部分の
施設あるいは維持の費用が通常の施設より高
額すぎるのではないかと思いました。公共建築
は一般的にそうでしょうか?
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公共建築に限らず、改修の工事費は、仮設のやりくりなどの手間が多く、新築の工事
費より割高になります。また、建物のグレードが高いほど割高になりがちです。本会館
は、国家の威信をかけて整備された国際的な会議場であり、一般的な公共建築とは異
なるものです。通常の公共建築の維持費用は、同じ用途であれば民間施設と比較して
高額すぎるということはありません。
資料はどこでもらえますか?
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本講演会で使用した資料は、配布していません。ご理解願います。
深尾先生の講演の中で「意欲的な設計は往々
にして長持ちしない」とありましたが、この国際
会館はどうでしょうか?と聞きたいです。
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深尾先生からは「本会館は意欲的な設計ではありますが、時代の要請に応える改修や
維持管理を重ねることで、会議場としての機能を発揮している長寿命化の好例と捉え
ている。」とのコメントを頂きました。
何故台形にしたのかもう少し詳しく知りたい。
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会館を設計された大谷先生のお考えは、記録でしか確認できません。会館の冊子に投稿
された大谷先生のコメント(抜粋)を以下にご紹介します。
「この会館は台形・逆台形の空間の組み合わせで形づくられていることが特徴となってい
ますが、これも自然との応答から導かれたものです。つまり敷地及び周辺の山の穏やか
な曲線とスケールに比して、会館の中心的存在である大会議場のスケールが大きく、四
角形の形状がいかつく異形のものが立ち現れたように思われました。山肌に迫っていた議
場の壁面を内側に傾けることで、建物を山肌から離し山を圧迫することを緩和しようとして
台形の空間が導かれています。一方、一般執務空間では深い庇をさしかけ日照や雨を制
御し、好ましい居住空間を導くわが国古来の建築手法を踏襲し、その外郭線から逆台形
の空間を導いています。」
パワーポイントが見にくかったので、差し支えな
い範囲で、資料を公開して欲しい。(特に講演1
の技術的な資料、地層や沈下量等)
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本講演会で使用した資料は、配布していません。ご理解願います。
・国立京都国際会館の歴史と今後の目指すべ
き方向が詳細なデータを元に体系的に論じられ
て理解を深めることが出来た。講演2の資料を
HPに載せていただきたい。
残寿命を数値で示すことが出来ないでしょうか
本講演会で使用した資料は、配布していません。ご理解願います。
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建築物は、材料の耐久性などの物理的条件だけで無く、採算性などの経済的条件によっ
て除却される場合があります。このため、残寿命を数値で示すことは困難とされています。