Title 内外金利構造の連動性について Author(s) - HERMES-IR

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内外金利構造の連動性について
稲垣, 寛
一橋論叢, 89(2): 255-271
1983-02-01
Departmental Bulletin Paper
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/10086/12970
Right
Hitotsubashi University Repository
(79) 内外金利構造の連動性について
内外金利構造の連動性について
国際間の短期資本移動が自由な条件の下にあるとき、
各国の金利水準の間には、裁定行動を通じる収敏作用が
基本的に働く。とりわけ固定為替相場制度においては、
国内金利に対する政策的な裁量性は乏しく、通貨当局が
国内金利水準を独立的に操作しうるのは変動相場制の場
^1︶
合だけであることはよく知られている。
更に、たとえ短期的には国内金利水準についてコント
ロールが可能であるとしても、そのことは必ずしも金利
の期間構造にっいてまで、すなわち利回リカーブのパタ
ーンについても政策的に操作しうることを意味してはい
^2︶
ない。それならぱ、内外の金利期間構造は、長短金利変
稲 垣
動の国際的な同時化進行を通じて、常に同型のバターン
に収敷する性椿を有するのだろうか。
ことである。結論のみを先取りして言えぱ、内外の金利
本稿の課趨は、右の問いに対して一つひ解答を試みる
構造は密接な連動関係にあるが、各国間の利回りバター
ンの組み合わせを規定するのは、為替レートについての
短期およぴ長期の予想、すなわち為替レートの期間構造
である。
先ず次節において、M・ビーンストツクーJ・ロング
ボトムによって与えられた開放体系下の金利期間構造の
基本式に依拠しながら、内外の利回り力ーブのバターン
の組み合わせを定式的に確認する。同時に、基本式の立
^ヨ︶
場と代替的な関係にある先物為替相場の期間構造論に関
255
寛
第二号 (80)
第八十九巻
一橋論叢
わらせて、基本式の性楕付けを行う。三節において、検
証に先立ち、為替予想とインフレ予想の処理方法につい
て予備的な検討を加える。次いで、我が国のデータに基
づく基本式についての暫定的な検証結果を提示し、基本
式についてのオリジナルな検証と比較を行う。最後に、
近年における日米間の金利水準の変動に見られる連動関
係と、利回り構造について観察される乖離現象について、
以上の議論に基づく説明を試み、それをもって要約に代
一つは金利構造論にインフレ期待をどのように組み入れ
るかである。我々はこれについてもすでに折谷︹10︺、黒
田︹13︺による精カ的な貢献を享受しているが、インフ
レ期待をその予想期間の差異に関わらせて区別する作業
は未処理である。
^4︶
もう一つの課題は、開放経済下の内外金利変動に見ら
れるハーモニゼーシ目ンを、従来の期間構造論に如何に
接合させるかである。この課題は今日なお未開発の状況
く、本稿の主眼は、金利構造論と為替の期間構造と結合
開により、障害が取り除かれつつある。すでに述べた如
にあるが、近年における為替レート決定理論の急遠な展
金利の期間構造理論は、1・フィヅシャーやヒヅクス
させることにより、金利構造論の国際化を試みることに
える。
等によって先鞭をつけられて以来、すでにかなりの歴史
︵4︶ 稲垣︹%︺はインフレ予想における短期予想と長期予
している。
︵3︶ 本稿の議論は峯・国目目竃き員︹2︺に全面的に依拠
照。
有効性は限られている。稲垣︹%︺、黒田︹13︺8.9章参
︵2︶ 期持理論の立場からは、たとえぱH彗弩吊o昌oくの
岩参照。
︵1︶ 甲Uo声2目易o呂淳ωH>オ冨く弓−㎝畠毘︹ω︺・昌岩・H00・
ある。
を有するが、現在我々の共有する議論内容は、主として
過去二〇年間にインテンシブに蓄積されたものが多い。
それらは、この間の現実経済の急速な展開に触発され、
主として実証面における研究成果によって占められてい
る。すなわち一九六二年のD・マイセルマン︹6︺によ
る期待モデルの実証分析を始発とし、一九八二年の黒田
︹13︺による研究成果によって、金利の期間構造論は一
つの到達を見た。
今後の期間構造分析に求められている課題は二つある。
256
(81) 内外金利構造の連動性について
想の菱異について若千の指摘を行なっている。
以下の議論では、日米の二国のみからなる開放経済を
上式は、ポート・フォリオ投資を通じて、基本的に先
物アンカバーの金利平価が支配することを示すものであ
る︵句、Vo︶。内外資産が完全な代替関係にあるとしよう。
この時、
射11お︷十耐 ︵N︶
完全予見の下で、仮りに予想為替レートが先物為替レ
想定する。両国間の自由な資本移動はポート・フォリオ
レートに基づく裁定作用が常に働くものとしよう。なお
ートに正確に反映しているとすれぱ、ω式は先物カバー
が成立する。
予想は完全予見の下に行われるとしよう。従って、予想
付きの金利平価を示している︵射−由。11§ 但し勿は期
投資を内容とし、そこでは内外金利楕差およぴ予想為替
の不確実性に関わるリスク要因の作用は排除される。
間調整を行った為替レートの直先スプレッド率︶。
および長期のそれぞれについて同式は成立するはずであ
②式では無隈定の単一期間が想定されているが、短期
︶ ︶
この時、内外資産からなるポート・フォリォ・。ハラン
スの構成比は、我が国の金利αと米国の金利凧との樒差、
︶ ︵
ネットの内外金利格差に関する増加関数とされる。但し、
︵
㈹、ω式より、二期間のみからなる金利期間構造の基
ート変化率のの間に成立する︵*は米国を示す︶。
先物アンカバーの金利平価が内外の短期金利ωおよぴ期
︶
間調整済みの予想短期為替レート変化率的の間に、また
︵
長期金利別およぴ同じく期間調整された予想長期為替レ
︵
勾115“十S ︵阜︶
﹃1−ご十ε ︵ω︶
る。すなわち、
および予想為替レートがと現行為替レート助で与えられ
︵ ︵
る為替の予想変化率⑤とによって、たとえぱ次のように
^1︺
示される。
b、ミー1、︵5−寅o1困︶し11︵b.1b︶㌔肉一、、Vo ︵H︶
︶
すなわち、ポート・フォリボ全体Wに占める国内金融
︵
資産功の割合は、予想為替レートの変化率を差し引いた
︵
為替レートは一ドルに対する円の交換レート︵邦貨建
て ︶で与えられてい る 。
257
二
橋諭叢 第八十九巻 第二号 (82)
は、国内全融資産について完全な代替性を前提として導
また、㈲式で与えられる開放経済下の金利構造基本式
お−↓11︵射。1∼︶十︵Slδ︶ ︵餉︶
かれる期待理論と整合性を有している。特定満期選好仮
本式が得られる。
長短金利格差によって示される国内の利回り構造
り︵円安︶、円先高予想︵“︿o︶の下にあるとする。こ
ースとして、現行為替レートが長期均衡レートを上回
内外の利回り構造は同一バターンを取る。また一つのケ
ートが長期均衡︵芸HSllo︶にある定常状態の下では、
る。内外の裁定行動が完全に行われるならぱ現行為替レ
為替レートの期間構造︵籟﹁δ1lN︶によって規定され
連が取り上げられる点は共通している。相違点は、ポー
利構造︵さk︶およぴ為替レートの期間構造のの間の関
ものである。モデルの特定化は異なるが、内外の長短金
は、いわば㈲式の■1−ト十NをNll㌣−*と読みかえた
によって試みられている先物為替レートの期間構造分析
㈲式について更に付言するならぱ、ポーター︹7︺等
には、当然のことながら㈲式は成立しない。
説で示されるような市場分断が国内市場に存在する場合
の時、短期的には、経常収支赤字などの短期要因によっ
ター等の為替レートの構造分析では、全利から為替レー
︵由1﹃1−ぺ︶は、米国の利回り構造︵ター∼1−5と予想
て円先安感︵δVo︶が支配しているとすれぱ︵N︿o︶、
トヘの因果律を想定しており、その逆ではないことであ
てより高く、短期金利は日本の方が高水準となる。この
幅に下回る︵ぺくk︶。すなわち、長期金制は米国におい
平価を適用する。
期待理論を適用し、直先為替レートの期間分析には金利
る。この因果偉の枠内で、金利構造については伝統的な
︵
我が国における金利格差γは米国の長短金利格差xを大
︶ ︶
時、為替レートの予想スプレヅド率が、長期において小
従って、多様な決定要因を合む現在の為替レート決定
︵ ︵
さく、短期において大きいとすれぱ︵雪V一主・現実的
理論との適合関係が不十分とならざるをえない。
法のみが異なる。
︵1︶ 芦碗8舅ざ鼻︹∼︺旧、阜︸参照。為替レートの表示方
^2︺
な一つのケース︶、利回り力ーブは米国において順鞘、
日本では逆鞘といケ対照的なバターンを取ることもあり
うるo
25ε
(83) 内外金利構造の連動性について
︵2︶ 稲垣︹9︺参照。 インフレ過程においてポーターの為
替構造論を検討。
に向かわせる、裁定取引によりもたらされる循環的。な変
よって促されると考えてよい。ここに言う実質金利は事
動部分、とである。裁定取引は両国間の実質金利楕差に
既出の基本式について検証を行うに先立ち、為替レー
に際しては、予想インフレ率の適切な処理がポイントと
られる。従って、既出の基本式について推計作業を行う
前概念であり、名目金利と予想インフレ率の差として得
トの長短予想についての適当な処理方法を確定しなけれ
に安定的に収敏するものと考える。
においても、長期予想は購買カ平価に基づく均衡レート
るという見解は、多くの支持を得ている。従って、以下
しながら、長期均衡レートが購買カ平価により決定され
が存在する場合には、為替レートの予想は短期において
あるとする単純化を行っているが、リスク・プレ、ミアム
関係を想定しており、投資家はリスク・ニュートラルで
される。なお本稿では、内外の金融資産の間に高い代替
常収支余剰を反映する外貨建て純償権の規模により決定
アムの大きさは、一定のリスク評価係数の下で、累積経
なる。更に、短期為替レートの第三の決定要因として、
一方、短期における為替レートの決定メカニズムにつ
よりボラタイルとなる。従って内外の短期金制の乖離幅
ぱならない。
いては、議論が多岐にわたっている。しかしこれについ
は、長期金利の場合より大きくなると予想される。言い
為替リスクを補償するリスク・プレミアムの存在を指摘
ても、犬筋のところでは議論の集約化が進んでおり、次
かえれぱ、内外金利の連動性は、短期金利については、
為替レートの決定理論については、現在までのところ、
の如く整理ができる。短期的に為替レートの変動は二つ
相対的に低い生言える。
する議論がある。深尾︹12︺によれぱ、リスク・プレミ
の部分からもたらされる。すなわち、ω長期均衡レート
以上の予備的な考察に基づいて、基本式の特定化を次
一般的な承認を得た理論は未だ確立されていない。しか
と現行レートとのギャップを埋めようとする回帰的な調
^1︺
整部分と、②内外の金融資産の実質収益率を均等化方向
259
一一一
の如く行う。㈲式を再出すれぱ、
肌、型はそれぞれ貨幣供給量と実質国氏生産の変化率を
♂1ーミ︵§1§︶1只嘗−茅︶一〇︿β︿戸o︿b︿H︵昌︶
示す。
この時長期均衡レートの変動は、内外のインフレ率格差
肉”芝掌 ︵α︶
にあるとすれぱ、
δ1−昌︵﹃1司。︶−︵∼1ぎ。︶]十迅︸5㌧︿〇一$︿o
には為替の需給均衡条件から導かれるべきもの︶。
ことにより、たとえぱ次の如き表現が可能である︵厳密
実質金利格差およぴ緊積経常収支余剰を直接に導入する・
次いで為替レートの短期予想については、先述の如く
によってもたらされる。今、数量説に従って、インフレ
為替レートの長期予想については、先述した如く購買
︶
カ平価を採用する。すなわち現行レート亙が均衡レート
︵
由1﹃1−︵寅︷−∼︶十︵sI昌︶ ︵伽︶
第二号 (84)
第八十九巻
ミ“1ーぎも。ト 、 ︵oo︶
ミー1雷﹃ ︵N︶
λは調整速度である。我が国の実質金利が米国のそれを
金利椿差に対する為替予想の反応の程度を示しており、
︵旨︶
︶
実質金利は名目短期金利のから短期予想インフレ率、πを
︵
差し引くことにより得られる。右辺第一項は両国の実質
需給 均 衡 式 を 両 国 に つ い て 次 の 如 く 想 定 す る 。
ここに〃、ρ、γはそれぞれ貨幣供給量、物価水準、
上回る時、ドル建て資産から円建て費金への需要のシフ
よ り、
我が国における累横経常収支余剰︵︸ド︶は対外純資産
︶
基づく長期均衡為替レート風は、㈹、ω、㈹式
一
カ
平
価
に ︵
為替リスクをヘヅヂしうるが、それは国内の、全体とし
の蓄積をもたらす。この時、個々の投資家の立場からは
治および机を一定として、㈹、ω式より長期均衡レート
が多少ともリスク回避型である隈り︵$︿o︶、経常収支
ての投機家のリスク負担によってのみ可能となる。後者
︵
想長 期 為 替 レ ー ト の 変 化 率 の の 収 敏 値 と す れ ぱ 、
ヘの変化率を導き、それをもって、完全予見の下での予
隻11お膏︷11︵﹂ミミ“︶・︵ミぎ︶.一・︵ミ5︶.一 ︵o︶
トが発生し、為替予想はドル先安となる︵㌧︿o︶。また、
実質国民生産であり、・κはマーシャルの居を示す。購買
は長期的には貨幣の超過供給の関数と考え、最も単純な
一橋論叢
260
(85) 内外金利構造の連動性について
︵2︶
しぱしば利用され、良好な結果を得ている。
将来の異なる時点までの予想期間の長短の差異によって
の累積余剰は、たとえ内外の実質金利格差が存在しない
た結果を示せぱ、
もたらされる予想インフレ率の違いを無視していること
の大きさを一定として固定化していること、②現在から
旨−、⋮︵由#−∼︶十員︵§1§#︶Ib︵螢−茅︶1宍喧1?︶
の二点において二つの推定方法には大きな難点がある。
しかしながら、いずれの場合も、①事前的な実質金利
−$︼﹃ ︵旨︶
前記の二点を回避する一つの方法は、ややイージーで
としても、ドル先安予想︵暑くo︶をもたらす。
すなわち、内外の利回り構造︵アおよぴx︶は、ω貨幣
はあるが、短期の為替予想は先物為替レートに正確に反
㈲式の基本式の構成要素について、以上の如く特定し
供給、国民総生産の伸ぴ率格差、②実質金利格差︵帽ーぎ
映されていると考えることである。完全予見の下で先物
為替レートを短期予想為替レートの不偏推定値と看なし
?︶
うるという検証結果も存在する。
由11﹃1司砧︶、㈹累積経常収支余剰を介在させながら密接
㈹式に推定作業を施す際の陣害は、すでに指摘した如
為替リスクに対するプレミアムは完全予見の下では存
な連動関係を有しているはずである。
く、予想インフレ率の推定方法についてである。インフ
と考えてよい。
在しない。あるいはその大虐さは無視しうる程度である
様々なタイプの分布ラグ・モデルの利用がある。過去の
このように考えることは、通常の名目金利平価に対し
レ予想の仕方については、最も一般的な推定方法として、
インフレ率の加重平均あるいは幾何級数平均として得ら
て実質金利平価の成立を想定することであり、たとえイ
考慮していることになる。
れるインフレ率をもって、予想インフレ率の代理変数と
リシヅトに得シれる予測値をもって予想インフレ率とす
右の見解に基づいて、検証に当たっては、予想短期為
ンプリシヅトにせよ事前的な実質金利の変動の可能性も
る方法がある。名目金利とインフレ予想に関する﹁フィ
替レートの変化率を為替レートの直・先スプレヅド率に
するものである。あるいは、 。時系列モデルからイ”スプ
ヅシャー効果﹂の検証作業において、二つの推定方法は
261
9H﹃ぐo︿﹃︿− . ︵ご︶
える。
注︵1︶ 計測に用いたデータ︵四半期別︶
許容されると考える。
明変数の平均値として代置させることは、現実面からも
国を外生的に取り扱い、それをもって世界の主要国の説
従って推定作業は、ω式にとって代わる次式について行
より代理させる。すなわち先のω式を次式の如く置きか
o︿負くポo︿布く一〇︿﹃︿− ︵宝︶
五−残存満期最長期の加年物国債最終利回
rーコール・レート
㎜−マネー・サプライ︵凧︶前年同期比伸ぴ率
米国について
砂−実質GNP成長率
に関する計測緒果
C
[ l j}{;
; C
iR
0.768
(B*
(
-
3.78)
r
(
1.82)
(
e
f
0.36
:
∼−TB・レート︵3ヵ月︶
㍗1先物為替レート・スプレヅド率︵3ヵ月物、年率︶
伽−GNP成長率
〃ーマネー・サプライ︵呂H・>︶伸ぴ率
■
適切な処置
︵3︶ 計測期間く宕ミ舟−Hく、旨o.H令
︵2︶︵︶内はま値
と考えられ
る3が
、取り
0
デルによっ
我が国の金利構造は米国の金利構造と密接な連動関係に
表ユによって計測結果が与えられている。全体として、
︵4︶ 資料H目ぎ昌凹弐昌巴ヨ量昌邑9津一娑8
て代用させ
f.
る。我が国
d.
。の側から米
は必ずしも高いとは言えず、特にダ﹁ビン・ワトソン比
あると主張できる。しかしながら、計測式自体の説明カ
では二国モ
あえず本稿
0.78
W.
(-2.50)
C
D.
-0.921
;
S.E.
(-5.06)
0.56
-O.290
y*)
Rz
0.52)
'(y-
0.129
(m-m*)
0, 1 9 1
*)
ムー20年満期財務省債券利回
なお、日・米のみからなる二国モデルを用い、我が国
表1 内外金利構造の連動性
数と取り換えることも可能である。また、その方がより
ぱ主要複数国の当該変数の加重平均をもって、米国の変
に﹁小国﹂仮定を置くことについては、他の方法、例え
︵おー﹃︶11︵却−∼︶十ミ︵§ーミ︶−b︵埠−葦︶1㌣ぐ
我国について
第二号 (86)
われる。
第八十九巻
一橋論叢
262
(87) 内外金利構造の連動性について
内外の金利構造の乖離は、予想為替レートの期間構造
的には大きな作用を及ぼしている生言える。更に、今回
の影響を受けており、特に予想短期レートの変動が相対
の計測において無視したリスク・プレミアムを残差変動
の結果は、説明変数の取捨選択に厳密な再検討を要する
個別の説明要因にっ一いては、GNP成長率格差を除き、
から抽出できれぱ、説明力を強めることが期待できる。
一 目本畏期金剰{量長蝸国伽皿庸利回〕
5 0
(宰〕
米国の長期金利格差、マネー・サプライ変化率格差、為
7 6
一米国長期金利(T.旧o出一5年蘭期個最嶋澗回)
なおその際は、為替レートについての安定的な長期予想
9 8
}米国短期金利工丁一日mレート3ヵ月i
れの係数も、ω式で示した符合条件を満たしており、ま
ことを示唆している。
●
リスク・プレミアムが求められる結果、内外の金利格差
は短期金利の領域内でより大きな乖離を生む。言えかえ
れぱ、各国の金利変動において、短期金利の相対的に強
い独立性が更に高められるはずである。
この点については図1によって確認できる。一九七九
年第4四半期から八一年第3四半期に至る二年は、両国
間の短期金利が急激に収敏する前半期と、再び大きく乖
離を始める後半期を舎み、両期間を通じて短期金利は大
幅な変動を示している点が特徴的である。この間、為替
の直先スプレッド率の変化は、前半期における五%ド
ル・ディスカウントから丁五%プレミアムヘの激しい
反転と、後半期には更に一〇%ディスカウントという一
層急激な再反転が対応している。他方、この一年を通じ
263
Into而aユ10na■Fm別od乱1S舳tもtIo畠
貴料
80 81 62
76 77 78 79
75
榊
H 日本短畑金利(コール・レート〕
替レートの直先スプレヅド変化率の各項目におけるいず
m
に比べ、変動幅の大きな短期予想に対して、より大きな
11{刎
た‘値も五%有意水準をクリァしている。
図I 日米の長短金利の変動
第二号 (88)
第八十九巻
一橘論蓮
て両国の長期金利は、二%ー二・五%のほぼ安定した乖
離幅を保ちながら、米国においては一〇・五%から=一
どっている。同期間中における両国間のマネー・サプラ
%へ、我が国では八・五%から九・五%へと上昇傾向をた
イの伸び率樒差は、平均的に八%︵第4四半期の平期伸
ぴ率は米国約一〇%、日本四%、季節調整済みによる比
較︶である︵数字はH算Φ;き昌巴ヨ量冒邑望註8よ
り引用した︶。
以上の観察から、短期金利変動の相対的な独立性が、
予想短期為替レートのボラタイルな動きと密接に関わっ
ていることが確認できる。
なお、インフレ予想と金利・為替レートとの関わりに
回りバターンの間
に見られる金般的
目ンの動きに注目
なハーモニゼーシ
しよう。八○年代
に入ってから見ら
れる、対照的な利
回リバターンの対
応関係とその変化
れぱ、観察対象期
を強いて平準化す
間は二つの部分に
分けられる。両国
間の長期金利水準の逆転が生じた一九七七年第4四半期
っいては次節で取り上げる。
計測式の改良を行い、暫定的な計測結果を更に納得的
… 一… 一(R.一r.)
をその区分時点として、前半期は両国の利回りバターン
(R−r〕 資料1・帖m茗t1晒岬㎞㎜iolStat酎i苗
なものにする必要があるが、一つの方法として、利回リ
74 75 76 η 78 79 唱0 81(年〕
が共に逆鞘から順鞘へと移行している。後半期は再ぴ順
−4
パターンの変動と対応する時期区分を行い、それにダミ
−3
鞘から逆鞘へと反転して行く期間である。
−2
ー変数処理をすることが、試行結果から示唆された。
−1
いずれのバターンも、短期金利のボラタイルな動きに
0
図nは説明の便宜のために図1より作成したものであ
1
主導されていることが観察できる。計渕式ωの右辺一項
〔%〕
る。図1・nよりさまざまな興味あるファクト・ファイ
2
︵米国の金利格差︶に、上記時期区分に従う係数ダミー
3
ンディングが可能であるが、差し当たっては、内外の利
図1I 日米の利回りバターンの変動
264
(89) 内外金利構造の連動性について
外金利構造の連動関係を、外生的な変動に対する調整過
ことを意図している。その手法として、短期調整モデル
を採用した検証結果は、推計式のフィヅトを高めること
次に、本稿が依拠している金利構造の基本式を提示し
を高次の定差モデルにより特定化し、定常モデルにおけ
程と長期の定常的関係の両者について、斉合的に捉える
た、ビーンストヅクn回ングボトム自身による計測作業
る内外金利構造間の収敏化の度合を、特定のラグ次数を
を示唆している。
について若干触れておこう。
彼らの推計式は我々のモデルと三点において異なる。
はそれらのうちの代表例とされる推定式である。
有する幾つかの代替的なモデルと対応づけている。次式
︵記号はこれまでの表記に準じる。従って、γ、xは
、1IIo.8+一.o︸十1o.8ぎ︵ミζミ・b1一︶十〇.8Hド
1o.o8■民岡1Io.S一防b1−oIo8旨
︵o.os︶
︵o.8ミ︶
﹄お■蜆︶Io.む︵、−5;1.oo8ぎ︵ミ之ミら.−︶、
﹄ぺ1IIo.o塞十〇.S㌧お十〇.豪﹂き−−19お︵奈お■旧−
︵o.8︶︵9畠︶ ︵o.塞︶ ︵o.H阜︶
第一は、外国を複数国︵米・独・仏・日︶で捉え、そ
れに英国を対置させている。従って説明変数は複数国の
当該変数についての加重平均︵貿易シェアiによるウェ
イト付け︶を用いている。﹁小国﹂仮定を置く上で適切
な処置と言える。
二つに、予想短期為替レートの変化を、予想長期レー
トヘの部分的調整過程として捉えている点である。こ
れまでの記号を用いれぱ、予想短期為替レートの変化率
内外の金利構造を示す。またτはタイム・トレンド項、
ミ﹄.一はマネー・サプライの外貨建て表示である。計
は、
δ11ざ−o︿㌧︿− ︵ご︶
測期間一九六九年第−四半期−一九八○年第−四半期。
串毫o亭置蜆︶に従うものとすれぱ、定常状態においては
^4︺
すなわち、金融市場が効率市場仮説︵向葭g薯庁呂胃ぎ芹
︵ ︶内は標準誤差。︶
となる。長期予想については本稿のモデルと同じく貨幣
数量説を取る。従って、内外のマネー・サプライの伸ぴ
率格差が短期ならびに長期予想の共通の説明要因となる。
第三点は、モデルの特定化に見られる特徴である。内
265
第二号 (90)
第八十九巻
一橘論叢
の伸ぴ率が等しい時、金利水準の差異にかかわらず、基
内外の金利構造は完全な収敏化︵内外マネー・サプヲイ
本的には内外の利回りバターンが同型化すること︶がな
される。右式はこのような関係を適切に示す短期調整モ
デル、およぴ定常モデルとされる。
・同式より、海外の金利構造は英国内の金利構造の上に
その影響を明確に及ぼしていることが確認できる。
以上の結果ならぴに、フロート制の期間を共有するほ
ぼ同一の観察期間について行れた、日米のデータによる
我々の検証結果から、内外の金利︵構造︶は強い連動関
係にあると主張できる。 .
オリジナル・モデルは高次のヲグ構造を有しているこ
とから、xのrに及ぼす累積的インバクトは一様でない。
例えば前式において、xの一%の変化がyの上に全面的
に反映するのに要する期間は、12四半期である。しかし
定常状態に達するまでの経過期間中の各期におけるイン
パクトの大きさを見ると、最初の4四半期を一サイクル
ュートを示したのち、8四半期までにほぽXのレベルに
として先ず上方に、続いて下方へと大きくオーバー・シ
滅衰的に収敏している。
長期予想に比して活発な予想短期為替レートの変動が
このようなスイングをもたらしていることは容易に想像
できる。しかしながら、才リジナル・モデルでは為替予
想に関しては、長期および短期予想のいずれについても
マネー・サプライの相対的伸び率のみをもって共通の説
明変数としており、短期予想に独立の要因が割り当てら
れていない。従って、為替レートについて、調整期間中
に生じる短期予想と長期予想の間の乖離、言いかえれぱ
為替予想の期間構造が明示されていない。
また定常状態においては、為替予想は長期予想のみを
が成立するため、為替に関する予想要因は介在しないと
含む︵より厳密には、購買カ平価に従う長期均衡レート
言うべきである︶。この時内外金利構造の間に利回りバ
ターンの差異が発生するとすれば、それは既出の、倒、
ω式より長期金利の内外楮差のみによってもたらされる
、︵予想要因が全く介在しないとすれば、すでに述べた如
く内外の金利構造は完全に同型化する︶。
以上、オリジナル・モデルの特徴について若干の指摘
を行ったが、同モデルの主張は、内外金利構造のハーモ
ニゼーシ目ンに重点を置いていると言える。他方、本稿
266
(91) 内外金利構造の連動性について
のモデルは、内外金利構造の変動に見られる同時化進行
一九七九年十月以降、連邦準備制度は、それまで金融
ないし、ハーモニゼーシ司ンを確認することと並んで、
内外の利回りバターンの間に発生する歪みないし両者間
政策の中間運営目標としてきたフェデラル・ファンド・
レート操作に代えて、支払準備の操作を通じるマネー・
のディバージヨンを明示的に抽出する意図を持つもので
ある。
サプライの直接的なコントロールを目指した。
既出の図nから観察されるように、中間目標の変更を
これまでの議論から明らかな如く、我々のモデルにお
いて予想短期為替レートは重要な役割を果たす。計測作
契機として、その後の米国の金利は短期変動の激しさを
一層強めている。とりわけ短期金利の乱高下が顕著であ
業においては、暫定的に先物為替レートのスプレヅド率
によって代理させた。
の変化に大きく左右される。最終節では、一九七九年か
利の動きが決定的に重要であり、後者は予想インフレ率
年の第4四半期に至る同期間中の日米の金利水準は、共
密接である。すなわち、一九七九年第4四半期から八○
こσような状況下においても内外の金利の連動関係は
る。
ら八○年にかけ.て見られた日米間の金利構造の顕著な離
に大幅な上昇を示し、特に長期金利の共変関係が明瞭で
既述の如く、為替レートの短期予想においては実質金
反現象を、予想インフレ率、実質金利の変化に基づく予
︵1︶
折谷︹10︺参照。
たとえぱ深尾︹12︺、−.苧
では順鞘−逆鞘−順鞘のパターンが対応している。
−順鞘−逆鞠という利回りパターンの変動に対し、日本
ターンの動きはむしろ離反的である。米国における逆鞘
ある。しかしながら、この期間中における両国の金利バ
︵2︶
㈲.司−弓凹目p︹占oゴ関や㎞ 参照。
勺.H窒己G︺やご参照。
を参照。
想短期為替レ﹂トの犬幅な変動に関わらせて解明する。
︵3︶
司墨自岸Φ−︹㎞︺
︵4︶
き、特にバターンに直接影響を与えている日米の短期金
この期間中に見られる日米の金利パターンの対照的動
26?
四
第二号 (92)
第八十九巻
一橘論叢
において資金需要はおおむね満たされ、実質金利の変動
は小幅にとどまる。この時インフレ予想が発生すると、
利水準の間に見られる大きなギャヅプに対しては、どの
ような説明が可能だろうか。これまでの議論に従えぱ、
それに対する名目金利の調整は時間の遅れを伴い、﹁フ
ートのスプレッド率︵三力月物年率︶は、一九七九年第
説明の便宜上、三節の数字を再出すれば、先物為替レ
きるo
八○年前半にかけての米国には、丁度右の状況が見られ
る短期下落予想を生み出す。一九七九年第−四半期から
と実質金利の低下が対応し、それは、為替レートに対す
の時、実質金利は低下する。すなわち、名目金利の上昇
ィッシャー効果﹂は不十分にしか作用しない。従ってこ
両国の実質金利の変動とその格差を反映する予想短期為
−四半期から八○年第4四半期に至る二年間に、五%デ
る。すなわち、二一%を超えるインフレーシ目ンの下で、
替レートの激しい動きに、主要な要因を求めることがで
ィスカウントから一・五%プレミアム、そして再び一〇
名目短期金利はこの期間約一一%であり、事後的な実質
た。この間、日本において実質金利はプヲス値を取って
%ディスカウントヘと反転している。両国の短期金利の
いる。既述の如く、同期間中先物為替レートは七.一%
かながらプラス値を取っていたから、実質金利は低下し
ドル・ディスカウントであり、内外の実質金利楮差と為
金利はマイナス値となった。それに先立つ期間はわず
に対応している。この点は利回りバターンの鋏状の乖離
ミアムを経て再ぴディスカウントとなる短期間の乱高下
替レートの現実の対応関係は、これまでの議論と整合し
間に見られる格差縮小とその後の拡大の動きは、短期予
現象としてすでに指摘した。
想為替レートのドル・ディスカウントから、ドル・プレ
ここで取り上げるのは、予想インフレ率と実質金利の
ている。
一方、一九七九年一〇月以降、新金融調整方式の下に
関係である。
新金融調整方式の採用される以前の時期においては、
おいては、同じく高いインフレ率の下にありながら、そ
れまでとは反対に、名員金利の上昇は、マネー・サプラ
金利変動の平準化を図ることが政策当局の基本婆勢であ
った。その結果は、物価が相対的に安定している状況下
268
(93) 内外金利構造の連動性について
の増大に対応して、七二%ディスカウントから始まり、
それに先立つ期間と対照的である。すなわち、実質金利
期から八○年第3四半期に至る先物為替レートの動きは、
の比例的上昇を反映するものとなった。七九年第4四半
イの直接的規制の下で、資金需給変動に基づく実質金利
関係を有するものである。
が、それは従来の構造論に代替するものでなく、補完的
体系における利子率構造論への一つのアプローチである
みに基づく議論を内容としてきた。一方、本稿は、開放
場分断理論の立場は、いずれも明示的には、国内要因の
これまで、利子率構造論における期待理論あるいは市
測作業を行い、また、米国の﹁高金利時代﹂を取り上げ、
金利構造の基本式の検討と、それに基づく予備的な計
ターンの組み合わせを生んでいる。
領域において大きく乖離する形で、さまざまな利回りバ
きた。その結果、両国間の金利構造は、短期金利の対応
米国の短期金利は乱高下しながら上昇トレンドを示して
日米両国における長期金利の趨勢附上昇を背景として、
一九七七年以降八O年代の現在に至る期間を通じて、
て処理されている。
長期、短期を間わず事前的実質金利は固定的なものとし
の見解に従ってきた。一方従来の利子率構造分析では、
役割を果たすことが主張されており、本稿においてもそ
為替レートの短期予想においては、実質金利が重要な
指摘しておこう。
通する、インフレ予想に関しての今後の検討課趨を一つ
最後に、利子率構造の国際理論と従来の国内理論に共
一 ^1︶
二・一%ドル・プレミアムヘと反転している。
直観的な考察を行った。
な考察を通じて、事後的な実質金利は激しい短期変動を
示していることを確認している。
他方、米国の﹁高金利時代﹂についての我々の直観的
のハーモニゼーションとディバージ冒ンの組み合わせは、
その偏結は以下の如く要約される。国際間の金利構造
基本的に為替レートの期間構造により規定されるが、主
きな乖離は、大部分がインフレ予想の誤差に基づくもの
事前の実質金利と事後の実質金利の間に常に生じる大
である。従って、乖離に対する我々の対応の仕方は二つ
として為替レートの短期予想変動によって、大きく影響
を受ける。
269
第二号 (94)
第八十九巻
一橋論叢
ある。一つは、事前の実質金利に関する固定的な想定を
廃棄できるような方策を検討することである。しかし我
々にはそれについて具体的に議論するだけの準備がな
一註
︹1︺ 団顯ま昌一U1ω;、向o晶耐目向曽ブ彗晒o峯彗ぎ涼一Hぎ
文献
Uo自胃旨岩oo9=望−卜oミ餉、&ミ辻亀婁雨§雨∼s茎司§㌻§
撃昌o旨冨o︷旨ま晶器肉g蔓、言ミ§“具ミ§ミ9§−
︹2︺望o畠8oぎ声申■昌o目げo容o目二1>.一、畠o崇⋮
>雫昌宅ooH.
他の方法は、当然のことながら、従来の想定の下で、
︹3︺]︺o冒げ冨員界俸冒蜆o冨’ωニミ§苓黒§§ぎ一書−
§ミ§§包b§ぎミきくo−.ご一易o.■句o9岩o〇一1
︹4︺霊目P■.Pぎ§き一︸§餉具皇ミ§§霊蜆ざ雰o雰
○冨幸−︸旨一岩oo−.
這ぎ一
︹5︺ 司H里目吋〇一﹄一>=、O目“−Φ旨里H︸一>H巨①oH︸o︷司︸o−
ま巴ω一、Hぎ㌧§ミ︸§ミ■o§o§軋o宙雨s雨§くo−.$一2o.
津ぎo目同曽巨竃胴射津鶉︸竃oρo目肉轟;臣o富黒冒黒Ho目−
︹6︺峯巴邑昌竃一U’ドぎH雨§いミ§§ミミぎミ蔓勾畠婁一
♪ωo阜.岩sI
宍凹富■洪幅o冨ま昌μ、トミ、9ミ、喜ミ助Lo〇一乞oく.H0N−1
妻o寿︷o・>量ξ・巨o目亭oH異冒望昌g膏og異昌彗o貝﹃
︹7︺勺oH計員旨−、>畠8冨ま当彗o向冒官H一邑司屋昌o−
弔篶目ま畠−︸巴ポ岩αド
・まで上昇したとの緒果を得ている。
ミミミ、急ミミき§§匙亀s雨ミミoきぎ雪−昌g昌
︹8︺ H蜆胃♀勺9員■さ昏§恕−旬s詩b§ミぎ§ぎミ﹄吻亨
老’峯‘ω昌幸自竃pρ﹄.ω昌片o具d胃o邑︸多8牡轟g
︹帥u 稲壇寛﹁インフレーシ目ンと利回りカープ﹂目本証券
d目写二−署oo.
b§㎞由sざ§>雫自岩oo−.
葦o肉o巴射牡血o︷−鼻oH鶉市−臼一トoミ助、ミミミ島雰恥、§
質金利の変化に直接関連してくることを指摘している。
︵2︶ ︸呂幸自は耐久財と消耗財の物価の相対的な動きが実
四・O%。それが七五−八二年︵四月︶については九・二%
も、米国の実質金利の推移について、六六−七四年までは
利の上昇によってもたらされたと推定している。釜︹11︺
動は、前期においてはインフレ率によって、後期は実質金
岩遣とHHく岩S−−く㌔岩O.Oの二期に分け、名目金利の変
︵1︶ 具ω・︸閏津昌︹−︺甲㎞二目.Ho参照。︵岩Noo−−Hミ
予想 モ デ ル の 中 に 明 示 化 す る こ と が 考 え ら れ る 。
複数の短期金利予想に対応する異なる長さの予想期間を、
する予想期間と、一方、将来の異なる期間と結ぴ付いた
摘したが、そのための方法として、長期金利予想に対応
予想の精度を高めることである。本稿の冒頭の都分で指
し
270
(95) 内外金利構造の連動性について
経済研究所﹃証券研究﹄64号、一九八一年八月。
︹%︺ 稲垣寛﹁先物為替相場の期間構造について﹂一橋大学
﹃ピジネスレビュー﹄二八巻一号、一九八O年六月。
︹10︺ 折谷吉治﹁インフレ期待と金利﹂日本銀行﹃金融研究
資料﹄四号。 一九七九年九月。
︹11︺ 釜国男く米金利 本格低下難しい環境 経済教窒v圓
︹12︺ 深尾光洋﹁為替レートとリスク・プレミアム﹂圓本銀
本経済新聞。昭和五七年八月二八目。
行﹃金融研究資料﹄ニニ号。一九八二年六月。
︹13︺ 黒田晃生﹁日本の金利構造﹂東洋経済、一九八二年。
︹後記︺
研究所の丸淳子、米沢康博両氏を労わし、また、計測モデ
費料の整理ならぴに計測作業については、日本証券経済
ルの吟味と修正の可能性については、東京都立犬学の囲村
紀之氏の貴丁な助昔口を得た。ここに御礼を申し上げる。有
り得ぺき誤りは、もとより肇者のみに帰する。
︵東京都立犬学教授︶
271