平成26年12月19日 バイオベンチャーに小規模事業者向け資本性ローンを適用 ~ 研究開発に必要な資金を資本性ローンにより支援 ~ 日本政策金融公庫(略称:日本公庫)浦和支店国民生活事業は、資本性ローン(制度名: 「挑 戦支援資本強化特例制度」)を、ジェナシス株式会社(本社:埼玉県川口市、社長:小林利克) に適用し、12月8日、研究開発に係る資金として1,000万円の融資を実施しました。 資本性ローン(注)は、創業・新事業展開や事業再生等に取り組む中小企業・小規模事業者 の財務体質の強化を図るために資本性資金を供給する制度で、本特例による債務は金融検査上、 自己資本とみなすことができるほか、法的倒産手続時は他の債務に劣後します。特にスタート アップ期にある創業企業にとっては、創業赤字の解消のほか、自己資本強化による対外信用力 の向上、期限一括償還による資金繰り安定などの効果が期待できます。 日本公庫は、国の施策に基づく政策金融機関として、今後とも本制度を活用し、創業後間も ないものの、革新的な技術・ノウハウを持ち、高い成長性が見込まれる中小企業・小規模事業 者を積極的にサポートしていきます。 (注)本制度は、平成 20 年 4 月に中小企業向け(中小企業事業)に取扱いを開始し、平成 25 年 3 月には小規模事業者向け(国民生活事業) にも新設するなど、より幅広い方々を対象とするための制度拡充を行っています。 <融資先の概要> 企 業 名 住 所 ジェナシス株式会社 埼玉県川口市上青木 3-12-18 埼玉県産業技術総合センター 5F 508 室 代 表 者 小林 利克 業 バイオ創薬の研究開発 種 事業の概要 ・当社は、 (独)産業技術総合研究所、埼玉バイオプロジェクト(JST/地域結集型事業)、埼玉大学、 民間企業の研究成果を統合して設立された産業技術総合研究所の技術移転ベンチャー。現在は、埼玉県 産業技術総合センター(SAITEC)を拠点に活動している。 ・現在のバイオ創薬は、抗体を利用した医薬品開発が主流だが、開発コストが高い、細胞膜を透過しない、 抗原性がある、など課題も多い。そのような状況に対し、「ペプチド(注1)」の持つ種々の優れた特性を 生かした医薬品開発により、抗体医薬の課題をクリア出来る可能性が大きいと期待されている。 ・当社は特定ターゲットとの親和性と活性が高い医薬候補ペプチド(リードペプチド)を極めて効率的に 探索する技術(注2)を保有し、当該技術構築の過程で、複数のリードペプチドを取得してきた。現在は、 大手製薬会社等との共同研究を行っているほか、自社製品の開発にも取り組んでいる。 (注1) グルタミン酸やアスパラギン酸をはじめとするアミノ酸が、ペプチド結合(アミド結合)によってつながってできた分子のこと。 一般的に数~数十アミノ酸の連結体を指す(それ以上のものは「タンパク質」と呼ばれる)。 (注2) 当社のプラットフォーム技術「cDNA ディスプレイ法」は、膨大な多様性を有するペプチドライブラリ(1~10 兆種類)から標的 結合ペプチドを効率的に探索可能とする技術であり、かつ、核酸部分を化学的に安定な cDNA にした状態でペプチドと共有結合的に 連結することにより、他技術と比較して化学安定性に優れ、細胞を用いたセレクション等、様々な応用が可能な技術となっている。 「ジェナシス株式会社」へのお問い合わせ TEL048-262-1247 (担当:北村) 参 考 「挑戦支援資本強化特例制度」 (資本性ローン)の概要 (取扱事業:国民生活事業・中小企業事業) 創業・新事業展開・事業再生等に取り組む中小企業・小規模事業者であって、地域経済の活性化のために、一定の雇用 融資対象者 効果(新たな雇用または雇用の維持)が認められる事業、地域社会にとって不可欠な事業、技術力の高い事業などに取り 組む方 融資限度額 【国民生活事業】 1 社あたり 3,000 万円 【中小企業事業】 1 社あたり 3 億円 【国民生活事業】7年以上 15 年以内(期限一括償還) 融資期間 【中小企業事業】15 年・10 年・7年(期限一括償還) 【国民生活事業】融資後1年ごとに直近決算の業績に応じて、3区分の利率が適用されます。 期間 13~15 年:7.25%、4.10%、0.90% 期間 10~12 年:7.00%、3.95%、0.90% 期間 7~ 9 年:6.60%、3.75%、0.90% 利 率 担保・保証人 【中小企業事業】適用した融資制度に基づき、融資後1年ごとに直近決算の業績に応じて、3区分の利率が適用されます。 <新企業育成貸付を適用した場合> <企業再生貸付を適用した場合> 期間 15 年:6.30%、4.55%、0.40% 期間 15 年:6.35%、4.40%、0.40% 期間 10 年:6.00%、4.30%、0.40% 期間 10 年:6.25%、4.30%、0.40% 期間 7年:5.65%、4.05%、0.40% 期間 7年:6.20%、4.25%、0.40% 無担保・無保証人 ・本特例による債務については、金融検査上、自己資本とみなすことができます。 ・本特例による債務については、法的倒産手続きの開始決定が裁判所によってなされた場合、全ての債務(償還順位が同 その他 等以下とされているものを除く)に劣後します。 ・四半期毎の経営状況のご報告等を含む特約の締結や、公庫が適切と認める事業計画書を提出して頂きます。 ・期限前弁済は、原則として認められません。
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