東京大学大気海洋研究所共同利用研究集会 海と水産業の多面的評価

東京大学大気海洋研究所共同利用研究集会
海と水産業の多面的評価~水産研究の新たな役割と方向性
日
時:平成27年2月20日(金)10:15~17:30
場
所:東京大学大気海洋研究所2F 講堂
〒277-8564 千葉県柏市柏の葉 5-1-5 TEL 04-7136-6009
コンビーナー:清田雅史(水産総合研究センター 国際水産資源研究所)
〒236-8648 神奈川県横浜市金沢区福浦 2-12-4
牧野光琢(水産総合研究センター 中央水産研究所)
〒236-8648 神奈川県横浜市金沢区福浦 2-12-4
大気海洋研対応者:平松一彦
〒277-8564 千葉県柏市柏の葉 5-1-5
東京大学 大気海洋研究所 海洋生物資源部門 資源解析分野
[email protected]
プログラム
2月20日(金)
10:15~10:30 開会の挨拶,趣旨説明
平松一彦(東京大学 大気海洋研究所)
清田雅史(水産総合研究センター 国際水産資源研究所)
第 1 部:近年の水産研究の動向
1.
10:30~10:55
ミナミマグロを例とした資源管理,漁業管理の過去・現在・未来
境 麿(水産総合研究センター 国際水産資源研究所)
2.
10:55~11:20 底魚漁業管理をめぐる最近の国際議論:生物資源の持続的利用と生態
系保全
奥田武弘・清田雅史(水産総合研究センター 国際水産資源研究所)
3.
11:20~11:45 水産研究における社会経済的側面の重要性
牧野光琢・廣田将仁(水産総合研究センター 中央水産研究所)
昼食 11:45~12:45
第 2 部 我が国水産業を取り巻く情勢の変化
[環境保護の立場から]
4.
12:45~13:10 環境保全活動の目指す未来と水産研究と水産業に期待する役割
山内愛子(WWF ジャパン)
[水産業の現場から]
5.
13:10~13:35 スケトウダラと冷凍すり身国際市場の現状
濱 隆太(マルハニチロ株式会社)
6.
13:35~14:00 水産食品加工業を取り巻く実情:原料・製品開発・市場
五十嵐宗光(株式会社 五十嵐水産)
7.
14:00~14:25 漁業者との連携を通じた沿岸漁獲物の付加価値作りへの取り組み
柿澤克樹(株式会社 グローバルフィッシュ)
休憩 (14:25~14:45)
第 3 部 新たな取り組みに向けて
8.
14:45~15:10 マサバとタイセイヨウサバの資源評価・管理の比較
平松一彦(東京大学 大気海洋研究所)
9.
15:10~15:35 底魚資源調査データに基づく生態系モデル構築とその応用
米崎史郎(水産総合研究センター 国際水産資源研究所)
成松庸二・服部 務・伊藤正木(水産総合研究センター 東北区水産研究所)
10.
15:35~16:00 データが限られる沿岸資源の評価
亘 真吾(水産総合研究センター 中央水産研究所)
11.
16:00~16:25 資源評価結果から漁業者の自主管理を引き出すには?
石谷 誠(株式会社 はまげん)
12.
16:25~16:50 水産業をシステムとしてとらえる
田丸 修(水産総合研究センター 水産工学研究所)
13.
16:50~17:25 総合討論
14.
17:25~17:30 閉会の挨拶
開催趣旨
変動する環境下での海洋生物資源の持続的利用と海洋生態系の保全は世界的な課題であるが,
単一種資源の最大持続生産を主眼とした従来の評価や管理だけでは,海と水産業を適切な状態
で次世代へ受け渡せない恐れがある。例えば水産資源研究の分野においては,漁業による水産
資源の枯渇や生態系の破壊を指摘する主張に対し,生態系アプローチなど新たな評価・管理へ
の転換が模索されており,
資源解析モデルの高度化や生態系の評価管理手法の開発が進められ,
必要な情報や考慮すべき対象が拡大している。しかし調査,モニタリング,漁獲統計に関する
予算は縮減傾向にあり,限られたデータに基づく資源や生態系の評価・管理手法の確立と現場
への応用が求められている。
一方,我が国水産業に目を向けると,漁業者の減少・高齢化は深刻な問題であり,海の担い
手としての漁業者を次世代に残すためには水産業の活性化が必要である。そのためには,持続
生産の最大化(水産物の水揚げ量を増やす)と同時に付加価値の創成(陸上での有効活用)が
重要な課題となる。しかし海外まで目を向けると,水産物の世界的な生産流通や,その中にお
ける我が国水産業の位置づけは着実に変化しており,かつて水産大国と呼ばれた頃の状況とは
ほど遠く“ガラパゴス化”しているとも言われる。
このように『水産資源』
,
『海洋生態系』
,
『社会経済』それぞれの分野において国内では遅れ
が目立ち始めているが,それらを個々に改善するのではなく多面的に捉えて,10 年後,20 年後
の海と水産業のあり方を考える総合的な展開こそが重要であろう。諸外国の経験や新たな取り
組みも参考にしつつ,我が国の生態系特性や各地の気候風土,そして陸の上での使われ方に即
した水産業のあり方や管理の方法を確立し,国内外へ情報発信していくことも大切である。
そこで本シンポジウムでは,資源評価,資源管理,環境保全,漁業現場,加工流通,など様々
な角度から我が国の水産業と水産研究の現状を分析し,目指すべき方向性について学際的な議
論を行う。世界的動向や現場の状況を踏まえて応用科学としての水産研究のあり方を考える挑
戦的な試みであり,これまでなかった有意義な議論の場となることが期待される。