02 資料1 議論の整理(課題4)fix

資料1
福島事故検証課題別ディスカッションの課題と議論の整理
(H26.12.25)
課題4 メルトダウン等の情報発信の在り方
疑 問 点 等
大項目
Ⅰ.メルト
ダウン等の
情報発信が
遅かったの
ではない
か。
中項目
1.東京電
力の対応は
正しかった
のか。
対 象
東京電力の説明
小項目
号機等
① 何故,原発事故から2ヶ月もたってから, 全号機 4月下旬から中央制御室のプラントデータ等が回収され始め,MAAPによる解析が可能になった。この解析の結果,炉心
共通 の状況は,「燃料ペレット等が一部溶けて被覆管からむき出しになっている」という程度ではなく,大部分の燃料が溶融し
メルトダウンという表現を認めたのか。
て,かつその燃料が炉内構造物を溶かして圧力容器下部に落下しているという,いわゆる炉心溶融(メルトダウン)に相当
している事故と推定できた。
(第1回)資料No.2参照
(第2回)資料No.3 1~3頁参照
履歴
2/4議論
2/4追加
c,d
①-a 1月16日に廣瀬社長から知事に,時系列 全号機 詳細は、メルトダウン等の情報発信の在り方(第2回)【別紙】に記載
や国からどういう指導があったかははっきりし 共通 ○ 総括と反省
ており,極力つまびらかに報告するとの発言が
・ 国から「メルトダウンという言葉の使用を禁止する」といった具体的な指示等の事実は確認されていないが、上記考察の
あったが,「福島原子力事故の総括および原子
ように国との情報共有を優先するという指示を受け、国の事前了解が必要と感じ、事前了解を得ていくためには、事実や
力安全改革プラン」等では明らかになっていな
データに基づかない推測等は避けるという圧力となっていった。
2/4議論
い。事故の進展予測も含め,東京電力から国に
・ 結果として、事故発生当初、データが十分に揃っていない状況下では、メルトダウンの公表には至らず、MAAP等の解
2/4追加
誰がいつ何を報告し,それに対し,国の誰から
析結果が出た5月24日にメルトダウンの事実を認めるに至った。
a-1
いつ,どのような指示があり,どう対応したの
・ しかしながら、炉心の状態を把握出来ていればメルトダウンしていることも推測ではなく事実として認識できたはずであ
4/26追加
か。また その 指示 を受けて ,東京電力内部で
り、報告書の評価としてはメルトダウンの公表が遅れた原因を「a:事実を誤認識し公表したと思われるもの」と分類した。
a-2~4
は,誰が報告を受け,誰が公表についての判断
・ 事実やデータに基づかない推測、明確な根拠が示せない場合での広報において、原子力事業者は、その可能性に含ま
11/27追加
を行い,誰が現場への指示を出したのか。時系
れるリスクや最悪の事態について、迅速かつ分かりやすく社会のみなさまにお伝えしていく姿勢が必要であった。
a-5
列で説明してもらいたい。
・ 今後はこの反省に立ち、明確な根拠が十分に示せない状況であっても、そのリスクおよび最悪の事態について、その反
響を自らいたずらに恐れず、迅速・率直に言及するリスクコミュニケーションを実施していく。
(第2回)別紙 メルトダウンの公表に至る経緯について 参照
1/12
疑 問 点 等
大項目
中項目
対 象
東京電力の説明
履歴
小項目
号機等
①-a-1 柏崎刈羽原発の安全対策及び県民の安 全号機 詳細は、メルトダウン等の情報発信の在り方【別紙Ⅰ-1-①-a-1(a)】、【別紙Ⅰ-1-①-a-1(b)】に記載
全確保に寄与する関係上、空気とか集団心理と 共通 ○炉心溶融(メルトダウン)に関して直接的に保安院や官邸から当社に対して直接的な指示は確認できない。
かは客観的な回答になっていない。再度回答し
○【別紙Ⅰ-1-①-a-1(a)】にて記載しているが、事故が次第に拡大していったこともあり、各号機、もっとも厳しい状態に
てもらいたい。また客観的な状況の開示という
なった時中心に、炉心状況も含めた話し合いが行われていること、それ以外では、「炉心溶融」に関わるやりとりがなされ
点で、保安院や官邸からの連絡者は誰で、東京
ていないことが判明した。
電力は誰が対応したのかもちゃんと説明しても
つまり、「炉心溶融」に関して、どこかのタイミングで、全体的な議論が行われ、何かしらの共通認識があったのかというと、
らいたい。
そこまでの事実は確認することができなかった。
また、「炉心溶融」について言及することを懸念する発言は、あくまでも、3月14日の18時頃に行われた社長発言だけであっ
た。
○避難指示との関係
避難指示が出されたタイミングとその理由(官房長官発言)については以下のとおり整理。
2/4議論
日時 避難指示 根拠(官房長官会見)
2/4
・3/11 21:15 3km圏内 原子炉の1つ(2号機)が冷却できない状態
質問修正
・3/12 5:44 10km圏内
1号機格納容器圧力が高まっているおそれ
・3/12 18:25 20km圏内
1号機爆発、等
・3/15 11:00 20km~30km圏内屋内退避 4号機火災、2号機圧力抑制室の損傷、等
○このように、「炉心溶融」発言が問題となるタイミングでは、20km圏内の避難指示が発出されていることが読み取ること
ができる。
○保安院は「圧力」「水位」「周囲の放射線量」「冷却状況」「(検出された)核種」といった、複数の客観的事実から総合的に
評価して、「炉心溶融している」との結論を導いたと整理
○避難指示に関しては、「結論」というよりも、むしろ「客観的事実」をベースに判断を行なっていた、と考えられる。
【別紙Ⅰ-1-①-a-1(a)】炉心溶融を巡る国からの圧力等に関する事実関係 参照
【別紙Ⅰ-1-①-a-1(b)】炉心溶融を巡る官邸・保安院・当社の説明内容および事実関係<時系列> 参照
①-a-2 【別紙Ⅰ-1-①-a-1(a)】とテレビ会議 全号機 明確な意思決定が東京電力内で行われなかったと考えている。
映像を見ると、清水社長と小森常務は、炉心溶 共通
融の可能性があるとされることまで懸念すると
いう共通の認識が示されている。東京電力で意
思決定したのか、どこからか言われて決めたの
か明らかにしてもらいたい。
①-a-3 清水社長と小森常務は、保安院など国 全号機 清水も小森も誰からも指示された記憶はないと言っている。
共通 指示があったかなかったかもわからないと言っている。
からの指示はなかったと言っているのか。
①-a-4 清水社長と小森常務も空気と言ってい 全号機 清水と小森が空気と言っているわけではない。
共通 社長から官邸にお伺いを立てろという指示を受けことや審議官が会見担当から外れたということなどから、空気と表現し
るのか。
ている。
①-a-5 勝俣会長、清水社長、武藤副社長、小 全号機 本来燃料棒の中に閉じ込められているはずの核分裂生成物が周囲で検出されており,炉心損傷が発生していることに
森常務、武黒フェロー、高橋フェローは、それ 共通 ついては共通の認識になっていた。これについては、モニタリングポストのデータ等の事実からも十分な確度を持って判断
ぞれ、事故直後(3/15頃まで)の炉心の状況を
できており、これを公表している。一方、一定期間注水が出来ていない時間があれば燃料が溶融することは想定でき、当
どのように認識し、その公表をどのようにすべ
時のTV会議において武藤副社長が「メルト」という発言もしているが、当時は電源喪失により正確なデータに基づいて状況
きと考えていたのか。
が把握出来ておらず、あくまで推定の域を出なかった。当時の状況において、どのような情報をより迅速に伝えていくのか
等の広報については、当社として具体的な定めはなく、事実やデータに基づかない推測等による公表は避けるという考え
方となっていた。
2/12
4/26議論
4/26議論
4/26議論
疑 問 点 等
大項目
中項目
対 象
東京電力の説明
小項目
号機等
①-b アクシデントマネジメントガイドにおい 全号機 代表的な事故進展解析(原子炉が高圧状態で注水が出来ず炉心損傷に至るシナリオ)では,注水機能喪失後,1時間
て,炉心溶融の進展に関してどのような記述が 共通 程度で炉心溶融が始まり,さらにその数時間後に原子炉圧力容器が破損する結果となっている。
あり2時間という時間を算出したのか。
しかしこの解析は,原子炉停止からまもなく注水機能が喪失した場合を想定したものであり,3月14日時点とは崩壊熱
(参考 東電TV会議 3/14)
が異なることから,これを加味して概略の予測を行ったものである。
〔19:24〕1F技術班「TAFの到達が16:16分です
が,むき出しになったのは18:22で,むき出しに
なってから約2時間で炉心溶融が始まるだろう
というざっくりとした見積もりです。炉心溶融
から2時間経つと,RPVの損傷になるだろうとい
うことで,こちらのアクシデントマネジメント
ガイドに書いてある数値を使ったものです。
履歴
2/4議論
①-c 平成23年3月、知事の、メルトダウンし 全号機 ○平成23年3月18日(金)に、知事の要請に応じて当所の技術系職員3名が福島第一事故の状況についてご説明した。
ているだろうという質問に対し、ジルコニウム 共通 ○説明した内容は以下の通り。
は溶けるけれどもペレットはこういうふうにし
・計20枚の資料(【別紙Ⅰ-1-①-c】参照)をお渡し、事故発生後1週間経過していたが、依然として正確なデータ等が不
て残っていますと発言しているが、その発言者
十分な状況であり、建屋の機器配置図等を使用して、福島第一事故状況全般をご説明した。
及び8時間空焚きしたことを認識してメルトダ
・資料中の1枚(P13)は、被覆管の酸化により水素が発生するメカニズムをご説明するために用意したもので、特に、
ウンしないという根拠は何か。それで確証持て
1、3、4号機の原子炉建屋が爆発しており、その原因として水ジルコニウム反応によって大量の水素が発生し、それが爆
ない組織では、運転する能力が無いということ
発したと推定されたため、当該メカニズムについて説明したが、これを元に被覆管は溶けているがペレットは立っていると
ではないのか。
言った説明はしていない。
・具体的な説明の仕方について、誰からも指示は受けていない(質問にあるような説明をせよ、とか、「炉心溶融」「メルト
ダウン」という言葉を使うな、等の指示は無かった)。むしろ、正確なデータ等が不十分な状況であり、具体的な説明の仕方
等について議論できるような状況ではなかった。
4/26議論
○具体的にどのような説明をしたか、どういう質疑応答をしたかについては、議事メモは残っていない。
○原子力エンジニアとして一定期間注水が出来ていない時間があれば燃料が溶融することは想定でき、その結果、公開
しているTV会議において当社武藤副社長の「メルト」という発言につながったと推定されるが、当時は正確なデータに基づ
いて状況が把握出来ておらず、あくまで推定の域を出なかったため公表するに至らなかったと認識している。
○現在はこの反省に立ち、根拠が十分に示せない状況であっても、そのリスクや最悪の事態について、その反響に対して
自らいたずらに恐れず、迅速・率直に言及していく。
○更に、過酷事故状況下においても正確なデータが確保出来るように設備上の対策を講じておくことは言うまでもなく、柏
崎刈羽原子力発電所では計器用電源(バッテリー)の水密化や予備バッテリーの確保などの対策を既に講じている。
【別紙Ⅰ-1-①-c】新潟県知事への説明資料一式(H23.3.18)
①-d 原研においても内容に圧力があったと聞 全号機 東電の発表内容については国も全部承知の状況のため、24日にこの事実を公表するということについては国は知って
いていたが、誰がこれを抑えたかということは 共通 いる。
不明だが、東京電力が5月24日に認めたのは、
政府がOKと言ったということか。
②社外からメルトダウンという表現を使うのは 全号機 これまでの調査では,社外からそのような意見等はなかった。
共通 (第二回)資料No.3 3頁参照
適当ではないという意見等はなかったのか。
(参考 東電TV会議 3/14 2号機)
[19:21]発電所対策本部から進展予測「18時22分
に燃料がむき出し,その後,約2時間で完全に燃
料が溶融する。さらに2時間でRPVを損傷」の報
告を受けて,[19:28]武藤副社長は「(燃料が)
裸になった時間は18時22分,2時間でメルト,2
時間でRPV損傷の可能性ありでいいですね」と確
認している。
3/12
2/4議論
2/4議論
2/4追加
a,b
疑 問 点 等
大項目
中項目
対 象
東京電力の説明
小項目
号機等
②-a メルトダウンを認識せずに海水注入等の 全号機 当時は、いかにして原子炉に水を入れるか、あるいは格納容器と原子炉の圧力を減圧していかにして原子炉の中に水を
炉心冷却を行っているということは、対策本部 共通 入れるかという、そういう選択肢しかないという状態であった。
長に過誤 とい う責 任問題が あったということ
か。
②-b 炉心損傷で燃料が溶け落ちてなければガ 全号機 炉心損傷があることや放射性物質を放出している状況は公表している。事故をどのように伝えたかについては大いに反
ス成分だけが出るだけだが、実際はセシウムが 共通 省している。3/15夜にはCAMSにより得られた情報を基に炉心損傷割合を公表している。
出ていた。つまり圧力容器に隙間ができている
ということで、そうすると対応も違ってくるは
ずだが、その認識はなかったのか。
②-c CAMSによる計算は誰が行い、どのよ 全号機 CAMSによる計算は、発電所緊急時対策本部の技術班が炉心損傷割合を評価し、技術班長が本部に報告。その後、通
共通 報班から通報連絡を実施し、公表した。
うな意思決定のもと公表に至ったのか。
履歴
2/4議論
2/4議論
9/2議論
9/2追加
c-1~5
②-c-1 1号機から4号機までのCAMSの測 全号機 別紙にて示します。
共通 なお、4号機については定期検査中であり、燃料は全て使用済燃料プールに移動していたため、原子炉内に燃料はな
定データを時系列で提示すること。
く、格納容器内の線量を測定するCAMSデータは採取していない。
(東京電力HP:東北地方太平洋沖地震発生当時の福島第一原子力発電所プラントデータ集
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/plant-data/f1_8_Parameter_graph_20110717.pdf)
【補足説明資料Ⅰ-1-②-c-1参照】
②-c-2 1号機の中央制御室は線量が上がって 全号機 CAMSデータは、バッテリーを繋ぐなどして適宜復旧し採取を行っていた。中央制御室の線量が高くなった際、運転員は2
いたが、CAMSの測定値を読むことはできた 共通 号機側に待機し、線量低減を図りながら、1号機のCAMSを測定していた。
のか。
②-c-3 CAMSで計測できたということは、 全号機 CAMSのデータから炉心損傷をしていることがわかり、炉心損傷割合について通報連絡している。ただし、それをもって溶
その結果からメルトダウンという結果が導き出 共通 融しているかどうか、溶融した炉心が圧力容器の底部に溜まっているか、或いは圧力容器が損傷し、格納容器の底部に
されたのではないか。
落ちているかというところまで議論が至っていなかった。
②-c-4 今 後、 福島 事 故 と同 じ よ う な 状 況 と 全号機 当時は、全電源喪失により全ての計器を監視することができなかったため、何を根拠にメルトダウンしていると判断するか
共通 どうかが分からなかった。
なった場合、メルトダウンを判断できるか。
現在の柏崎刈羽原子力発電所では、電源強化の実施などにより、パラメータが監視可能となるように対策を実施してお
り、多数のパラメータからメルトダウンの状態であることを総合的に判断することが可能と考えている。また、国に対しても
説明可能と考えている。
②-c-5 CAMSのデータや格納容器、原子炉 全号機 メルトダウンを判断する具体的な数値は定まっていないが、原子への注水量、原子炉水位、格納容器圧力やCAMSデータ
のデータがどのような状況になったらメルトダ 共通 など複数のパラメータを総合的に判断することによって、原子炉の状態を推定できると考えている。
ウンと判断するのか、現在は具体的な数値が整
なお、現在は、15条通報の時点でPAZ(予防的防護措置を準備する区域)の避難を開始することになっているが、その時
理されているのか。
点で判明している一次情報については速やかに情報発信していくとともに、原子炉の状態がどのようになっているかにつ
いて伝えていくことが重要であると考えている。
4/12
9/2議論
9/2議論
9/2議論
9/2議論
疑 問 点 等
大項目
中項目
対 象
東京電力の説明
小項目
号機等
③ 炉心損傷という言葉を用いて公表すると決 全号機 本来燃料棒の中に閉じ込められているはずの核分裂生成物が周囲で検出されており,炉心損傷が発生していることに
めたのは誰か。メルトダウンという言葉を使わ 共通 ついては共通の認識になっていた。一方,事故の状況が正確に把握できない状況下でメルトダウンに至っているのかどう
ず,損傷でごまかそうという姿勢も会社全体に
かについて拠り所となるデータや事実がなく,かつ炉心損傷が発生していたとしても小さくあって欲しいという潜在的な願望
見受けられる。
等の集団心理が社内にあったため,当時炉心損傷という言葉を用いたものと推定している。このとき「炉心損傷を使う」,
(参考 東電TV会議 3/14 3号機)
「メルトダウンは使わない」といった意思決定は行なわれておらず,全体の「空気」が支配していた。
[18:12]本店が記者会見において出た質問の回答
(第二回)資料No.3 4頁参照
案を社長を含む社内に確認を取っている。その
中で格納容器内の線量が160Sv/hが検知された件
で炉心損傷は認める案を出した。社長は官邸に
了解を取るようにという旨の発言をしている。
③-a プレス発表をする際に想定の質疑を作っ 全号機 事故直後のQ&A(対外説明用の質疑応答集)に関しては、残存しているものもほとんどない状況だが、こと「炉心溶融」
ていたと思う。社長等が会見を行う場合には、 共通 に関しては、3月13日20時20分頃から開始された社長会見時の質問案のなかに「日本で初めての炉心溶融事故という事
記者からメルトダウンについての質問が出るは
態を発生させたことについてどう考えるか」とされたものが残されている。回答案として「原子力安全を確保できなかったと
ずであり、想定の回答を作っていたと思うが、
いう事実は、極めて重く受け止めており、地域の方々の不安を少しでも取り除くため、原子力安全の確保に全力で取り組
どのような回答になっていたのか。
む」との記述がある。炉心溶融について肯定も否定もしていないが、事実やデータに基づかない推定は避けるという意識
が働いていると考えられる。なお、実際の会見では、原子炉の状況に関しては、同席した小森常務が主に質問に答えてお
り、清水社長が炉心溶融に言及する機会はなかった。
③-b なぜ残っていないのか。
全号機
共通
事故直後においては時々刻々と状況が変化、事故が深刻化するなかで、対外公表を行わざるを得なかった。本店でも
3/11夕方頃から時間を問わず、絶えず事故の状況説明を行っている状況であり、QA等を周到に準備したうえで、対外説
明ができたわけではなかった。
したがって、そもそもQAがなかったり、あったとしても時系列や機器の仕様等を示すもので、会見後は整理されることなく
破棄されてしまったものも多かった。
④ 事故当初の記者会見は,主に本店課長レベ 全号機 本部長である武藤はOFCへ派遣されており不在であった。また,今回の事故のような場合OFCが設置され,ここで情報収
ルが行っていたが,なぜ役員等責任ある者が行 共通 集と広報の一元化が図られる予定であったため,OFCが機能しない場合の備えが不十分であった。なお,事故当初(3
わなかったのか。
月),役員による会見が行なわれなかったものではなく,以下のとおり実施されている。
3月12日 小森常務
3月13日 清水社長
3月14日,21日~31日 武藤副社長
3月30日 勝俣会長
ただし,3月15日~20日の間,役員による会見が行なわれておらず,適宜実施することが望ましかった。
(第二回)資料No.3 5頁参照
④-a 3月15日~20日の間は、なぜ役員等責任の 全号機 15日以降も依然として緊迫した状況が継続しており、担当役員は事故の陣頭指揮を優先し対応した結果、会見を行え
あるものが行わなかったのか。また、事故当初 共通 ず、事故当初の記者会見は本店広報班にて対応しており、プレス内容等の意思決定権限者は広報班長(広報部長)であ
の記者会見は、どのような体制に基づき、どの
る。
ような意思決定のもと、実施していたのか。
④-b 記者会見は役員が行うべきと考えるか。
全号機
共通
経営責任として役員が記者会見をすべき場合と、事故の状況を伝えるために原子力事故の専門家が記者会見すべき場
合があり、対応が異なると考えている。
④-c 広報班長が記者会見の責任者ということ 全号機 得られた1次情報について記者会見を広報していたものであり、経営責任や賠償問題など経営に関わることについては
は、限られた事実だけしか公表できないのでは 共通 役員と相談してから記者会見を行っていた。
ないか。
5/12
履歴
2/4議論
2/4追加
a
2/4議論
9/2議論
2/4議論
2/4追加
a
9/2追加
b~g
9/2議論
9/2議論
9/2議論
疑 問 点 等
大項目
中項目
対 象
東京電力の説明
小項目
号機等
④-d 記者会見の担当者は福島第一のことをわ 全号機 広報班長が記者会見の担当者を選んでおり、福島第一の勤務経験者もいた。プラントのパラメータや詳細な図面などの
かっていないように見えたが、広報班長が記者 共通 情報がない状態であり、事故当時の福島第一の状況を説明するのは困難な状況であった。
会見の担当者を選んでいたのか。
④-e 広報班長へは、どのように情報が入って 全号機 広報班長は、本店対策本部の円卓に席があり、本部長と同じ情報が広報班長に入っていた。
共通
きて、どのように調整していたのか。
④-f 広報班はどのような役割だったのか、決 全号機 記者会見の時間を決めてその時間までに集まった情報をプレスしていた。
共通 広報班の業務は、事故の様相や進展等によって異なるものであるため、一律にマニュアルで規定するような業務ではな
められた規程等はあったのか。
く(仮に規定するとしても一般論に過ぎないようなものになってしまうため)、臨機応変に対応すべきものと考えている。その
ため、広報班の役割は緊急時対応マニュアルには、「広報班は対外対応、プレス広報活動を行う。」程度しか書いていな
い。
当社は福島第一事故の教訓から、現場からの情報収集の改善、リスクコミュニケータの配置、ICS体制の導入など様々
な対策を実施している。
④-g 自 治体 、マ ス メ ディ ア、規制当局、警 全号機 当時の緊急時態勢について別紙に示します。
察・消防など公的組織、協力企業など、複数の 共通
情報経路を図にまとめて提示すること。
【補足説明資料Ⅰ-1-④-g参照】
⑤ メルトダウンの定義が固まっていなかった 全号機 分かりやすく住民の方々にお伝えすることは,当社としても当然の責務と考えている。しかしながら,事故の状況が正確
からそのような表現を使わなかったというが, 共通 に把握できない状況下で,どのような言葉を用いてお伝えするかは難しい問題であり,今回の事故においては,その言葉
定義が固まっていないからこそ,市民目線で事
の定義が固まっていなかったため,メルトダウンという言葉を使用しなかった。
故の状況をわかりやすく伝えるべきではないの
(第二回)資料No.3 6頁参照
か。
⑥ メルトダウンと早期に伝えていれば,事態 全号機 メルトダウンという言葉を使ってお伝えしていれば,事故の重篤度が伝わっていた可能性があるが,住民避難や不要な
の深刻さが伝わって住民の避難につながり,不 共通 被ばく低減のためには,事故時の放射性物質の拡散予測が重要であり,これを速やかに実施して,自治体にお伝えし,住
要な被爆を避けられたのではないか。
民の方々の避難を実施することが必要と考える。
(第二回)資料No.3 7頁参照
⑦ 会社として,炉心損傷という言葉で事故状 全号機 未曾有の事態の中で,かつ事故の状況が正確に把握できない状況下で,この事故の程度が小さいものであって欲しいと
共通 いう潜在的な願望等の集団心理が働いたものと推定している。 (第二回)資料No.3 8頁参照
況を矮小化するような体質になぜなったのか。
⑧ なぜ立地地域において,原子力災害に関す 全号機 原子力部門をはじめ当社は既に安全は確立されたものとの思い込み,立地地域においても積極的にリスクを踏まえた
る教育を行わなかったのか。原子力発電所事故 共通 (特に事故が起こることを前提とした)コミュニケーションが十分に実施できていなかった。 (第二回)資料No.3 9頁参照
や放射線に関する適切な知識があれば,地域住
民も相応の対応ができ,結果として被爆は避け
られたのではないか。
6/12
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2/4議論
2/4議論
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疑 問 点 等
大項目
Ⅱ.情報発
信に問題が
あったので
はないか。
中項目
1.東京電
力から外部
(国,自治
体,OFC
等)への連
絡はどんな
状況だった
か
対 象
東京電力の説明
小項目
号機等
⑨ 運転員等,社員の教育訓練過程では冷却に 全号機 「炉心損傷」や「RPV破損」という言葉は、当社の事故時運転操作手順書でも使用している言葉であるが、「メルトダウン」
失敗した際のメルトダウンや炉心損傷について 共通 という言葉は存在しない。
どのように教えていたのか。メルトダウンしな
冷却材が喪失すれば炉心が損傷することは基礎知識として教育されている。よって、当社の事故時運転操作手順書(シ
い炉心損傷とはどのようなものか。
ビアアクシデント)では炉心損傷後の対応として、代替注水手段(復水移送系・消火系など)を確保し原子炉への注水をす
ることを記載している。
メルトダウンしない炉心損傷とは、一時的な冷却不全等により燃料被覆管に亀裂が発生し、内部の核分裂生成物が放出
されている状態を想定。
なお、運転員の事故時操作訓練や発電所全体の防災訓練では、過酷事故や炉心損傷に至らせないようにする訓練であ
り、今回の事故のように直流電源を含む全電源喪失事故に対する訓練は実施していなかった(全交流電源喪失事故は訓
練していた)。
(第二回)資料No.3 10頁参照
① 広報における外部との調整とは,具体的に 全号機 統合本部として一体的な広報を行うことが国から示されたため,官邸及び原子力安全・保安院に当社プレス発表資料案
はどのようなもので,どんなことに時間を費や 共通 を送付し,了解が得られた後にプレス発表を行う運用となった。この運用については,事前了解のプロセスによりプレス発
したのか。
表が遅くなることがないように運用することが肝要とされたが,実運用においては,事前了解を得るのに時間を要し,当初
予定していたプレス発表時間が遅れることもたびたびあった。(第二回)資料No.3 11頁参照
② 情報発信を取りまとめるべきオフサイトセ 全号機 今回の事故のような場合OFCが設置され,ここで情報収集と広報の一元化が図られる予定であったため,OFCが機能し
ンターに関係機関が集まらず,役に立たなかっ 共通 ない場合の備えが不十分であった。したがって,今後同様の事態に備えて,OFCのバックアップ等についても検討する必
た。その中で東京電力や政府の発表が別々に行
要があると考えられる。
われると,正しい情報が伝わらないのではない
(第二回)資料No.3 12頁参照
か。
②-a 一体的な広報への指示があったのではな 全号機 一体的な広報の指示ではなく、国より事業者が先に公表するなという指示であった。統合本部ができた後に一体的な広報
共通 が打ち出された。
いか。
③ 事故及び事故に伴う外部への放射性物質の 全号機 当社よりモニタリングポストの指示値等を通報連絡(FAX)と電話によりを実施していた。当社では,放射性物質の拡散予
放出状況 につ いて ,国・自 治体等にいつ,誰 共通 測は不完全なものを何度が実施しただけで,国がSPEEDIを用いて実施していた。(第二回)資料No.3 12頁参照
が,どこに,どうやって,どのような状況を伝
えていたのか。
③-a 具体的に説明すること。
履歴
2/4議論
4/26議論
4/26議論
4/26追加
a
4/26議論
4/26議論
3/7追加
a
4/26追加
b,c
・電源喪失によりモニタリングポストが機能せず福島第一原子力発電所のモニタリングカーおよび可搬型モニタリングポス
トを設置し敷地境界付近の放出状況を把握し、3月11日19時から発電所通報班もしくは通報班長の指名した者が国・町な
ど関係箇所に通報を実施した。なお、同日19時20分に当社HPに掲載、以後会見での公表も含めて大体1時間を目安に公
表を実施している。
4/26議論
・ベント操作に伴う放出放射能による環境影響評価については発電所に設置していた原子力発電所周辺線量予測評価シ
ステム(DIANA)が使用不能であったため、本店対策本部保安班が本店設置のDIANAを用いて評価し、3月12日AM3時ご
ろ国・町など関係箇所へ通報を実施した。(評価は事後にHPで公表済み)
③-b 石川迪夫氏がペレットは熱衝撃での崩壊 全号機 当社としても、原子炉建屋の水素爆発ついては、主に水-ジルコニウム反応により発生した水素が原子炉建屋内に漏え
という仮説を立てて説明しているが、東京電力 共通 いし、水素爆発に至ったものと推定されるが、その水素発生量や漏えい経路について明らかにする必要があると考えてお
はどのように考えているのか。もしこれが本当
り、「未確認事項・未解明事項」の一つとして抽出している。昨年12月13日に「未確認事項・未解明事項」の調査検討結果
4/26議論
であれば一回空焚きしたあとの再冠水の方法や
の第1回進捗報告を公表し、今後とも全容解明に向けて取り組んでいるところであり、引き続きその結果を公表していく。石
手順自体に大きな影響があるのではないか。
川氏のご見解については、現時点では何とも言えない。
全号機
共通
③-c 一次情報はいいけれどリスク情報はダメ 全号機 まだ東京電力にはそういう体質が残っていると考えられ、引き続き改善を図っているところである。
だという政府の問題点は、東京電力も同様では 共通
ないか。客観的な事実を持って説明が困難であ
るというリスクは避けたいという状況が見受け
られる。
7/12
4/26議論
疑 問 点 等
大項目
中項目
対 象
東京電力の説明
履歴
小項目
号機等
④ 浪江町の役場にも情報が伝わらないのに, 全号機 事故発生当初は、当社からの通報連絡(FAX)と電話によって官邸及び原子力安全・保安院に報告していたが、そこから
住民が避難していくと警察や文科省の職員は, 共通 国の関係機関にどのように伝達されていたかは当社では分からない。なお、3月15日以降当社本店に福島原子力発電所
既に防護服を着ていた。警察と文科省にはどの
事故対策統合本部(5月9日、政府・東京電力統合対策室へ改組)が設置された以降は、文科省、警察、消防等から要員が
ようにして情報を伝えたのか。地域住民に災害
派遣され常駐されていた。
の状況が伝わらないような情報発信のやり方に
なお、周辺自治体へは当社から職員を派遣し情報提供を実施。また、様々なメディアを通じて住民の方への情報提供活
は問題があるのではないか。
動を行っている。具体的な実績は以下のとおり。
4/26議論
(住民への情報提供活動の実績)
3/7追加
・福島県、立地4町(大熊町・双葉町・楢葉町・富岡町)へファックスまたは電話にて連絡。3月11日より当社社員が帯同し,
a
状況説明等を実施(帯同できない日も適宜当社社員が訪問)。
4/26追加
・浪江町については、あらゆる連絡手段を用いて繰り返し連絡を試みたものの、通信手段の不調により結果として電話連
b
絡が取れず。13日から社員が訪問し状況説明を実施したが15日からは帯同。
9/2追加
また、住民への情報提供活動として、3月11日の夜から様々なメディアを通じて周辺地域への情報提供を行っている。
c~f
○福島県内のラジオ放送
11/4追加
・ラジオ福島(放送実績:計13回)、FM福島(放送実績:計39回)
d-1
○福島県内民放各局(テレビテロップ)
・福島中央テレビ、福島テレビ、テレビユー福島、福島放送
○当社広報車両による巡回(福島第二原子力発電所のみ)
・富岡町・楢葉町・広野町へ、ベント作業予定や行政指示に基づく避難のお願い
(第二回)資料No.3 13頁参照
④-a 避難が行われている中、町の誰に帯同し 全号機 地震発生後各役場を訪れ各窓口課の課長クラスに帯同し情報提供を実施。
共通 首長へ直接情報提供を実施することもあった。
情報を伝えていたのか。
避難に伴い、そのまま避難先へも帯同した。
以下町帯同先
・大熊町:災害対策本部に帯同(窓口は企画調整課)
・双葉町:災害対策本部に帯同(窓口は企画課)
・楢葉町:企画課に帯同
・富岡町:災害対策本部に帯同(窓口は総務課・生活環境課)
・浪江町(3/13以降):当社からの連絡が取れないことから避難先の町長を訪ね情報提供を実施以降避難先変更後も役
場に帯同(特定窓口はなし)
8/12
4/26議論
疑 問 点 等
大項目
中項目
小項目
④-b メディアを通じた情報提供というのは、
中身は一体何を伝えたのか。
対 象
号機等
東京電力の説明
当社事故調査報告書(平成24年6月20日公表)における「添付5-6」参照。なお、本店立地地域部で文案を作成し、各局
に依頼。
①ラジオ放送 ※県内民放各局に依頼 (放送実績=ラジオ福島:計13回、FM福島:39回)
No.1 3月11日(金)21:44依頼:
「福島第一2号機の原子炉を冷やすための非常用発電機が使えなくなったことから、国より福島第一原子力発電所を
中心に半径3km以内の住民の皆さまへ緊急避難指示が出されました。国、自治体のご指示に従って、冷静に行動さ
れるようお願いします。現時点で、外部への放射能の影響は確認されておりません。」
No.2 3月11日(金)22:40依頼、3月12日2:38終了依頼:
「(上記避難指示に加え)現在のところ、福島第一原子力発電所・福島第二原子力発電所いずれにおいても、放射線
を監視している排気筒モニタあるいはモニタリングカーによる調査データでは通常値と変わっていません。」
No.3 3月12日(土)7:07依頼:
「国より福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所を中心に、半径10km以内の住民の皆さまへ緊急避難指示
が出されております。国・自治体のご指示に従って、引き続き冷静に行動されるようお願いします。」
No.4 3月13日(日)13:15依頼、15:50終了依頼:
「福島第一原子力発電所を中心に半径20km以内、福島第二原子力発電所を中心に半径10km以内の住民の皆さ
まへ緊急避難指示が国より出されております。国・自治体のご指示に従って、引き続き冷静に行動されるようお願いし
No.5 3月14日(月)12:05依頼、17:28終了依頼:
「午前11時01分頃、福島第一3号機原子炉建屋で、大きな音が発生し、白煙が発生しました。水素爆発を起こした可
能性が考えられます。パラメータ上、原子炉格納容器の健全性は保たれていると考えておりますが、今後、プラントの
状態、外部への放射能の影響などについては、現在調査中です。住民の皆さまは国・自治体のご指示に従って、行動
されるようお願いいたします。」
No.6 3月15日(火)9:39依頼、10:56終了依頼:
「午前6時14分頃、福島第一2号機の圧力抑制室付近で異音が発生するとともに、圧力が低下したことから、何らか
の異常が発生した可能性があると判断しました。しかし、原子炉圧力容器及び原子炉格納容器のパラメータに有意な
変化は認められておりません。住民の皆さまは国・自治体のご指示に従って、行動されるようお願いいたします。」
②TVテロップ※県内民放各局(福島中央TV、福島TV、テレビユー福島、福島放送)に依頼
№1については福島放送にて放映。その他については各放送局において実施を確認できず
No.1 3月11日(金)23:10依頼:
「現在のところ、福島第一原子力発電所・福島第二原子力発電所いずれにおいても、放射線を監視している排気筒モ
ニタまたはモニタリングカーによる調査データでは通常値と変わっていません。」
No.2 3月14日(月)13:10依頼、18:01終了依頼:
「福島第一3号機の原子炉建屋で、爆発が発生しました。原子炉格納容器の健全性は保たれていると考えております
が、住民の皆さまは国・自治体のご指示に従って、行動されるようお願いいたします。」
No.3 3月15日(火)9:40依頼、10:56終了依頼:
「福島第一2号機の圧力抑制室付近で異音が発生し、圧力が低下したことから、何らかの異常が発生した可能性があ
ると判断しました。しかし、原子炉圧力容器および原子炉格納容器のパラメータに有意な変化は認められておりませ
ん。住民の皆さまは国・自治体のご指示に従って、行動されるようお願いいたします。」
④-c ラジオ放送No1で、状況が悪かった1号機 全号機 当該時点においては、1号機は非常用復水器が作動していると認識していた一方、2号機については、原子炉隔離時冷
について述べていないのは、1号機の状況を把 共通 却系の作動状況及び原子炉水位が把握できておらず、1号機よりも2号機の方が危機的状況にあると考えていたことから
握していなかったのか。
2号機について広報している。
また、テレビテロップNo2の「格納容器の健全性は保たれていると考えております。」のように、リスク情報を発信していな
いことについては、大いに反省している。
履歴
全号機
共通
9/12
9/2議論
9/2議論
疑 問 点 等
大項目
中項目
対 象
東京電力の説明
小項目
号機等
④-d メ ディ アの 文 案 を作 成した立地地域部 全号機 3/11の地震発生に伴い、原子力に特化した緊急時対策本部とともに、一般災害時の組織が立ち上がっており、その中に
は、対策 本部 のど こに位置 づけられているの 共通 は、原子力立地地域での一般災害時に緊急時のラジオ放送を行う機能をもつ本店の立地班があった。
か。また、責任者は誰か。
当時の原子力災害時の情報発信は、国等による一元的な広報活動となることから、原子力に特化した緊急時対策本部
の組織として、緊急時のラジオ放送を行う組織は設定されていなかったが、オフサイトセンターが機能しなかったことから、
一般災害時の組織である本店の立地班が、福島における緊急時のラジオ放を実施すべきと判断し、緊急時対策本部をサ
ポートする形で、緊急時のラジオ放送の文案の作成、対応を実施していた。
当時の本店の立地班は立地地域部が対応をしており、その責任者は立地地域部長になる。
なお、福島第一事故の教訓を踏まえ、現在は、緊急時対策本部の組織内で、緊急時のラジオ放送を実施する体制になっ
ている。
履歴
④ -d-1 ラ ジ オ 放 送 No.6 、 TV テ ロ ッ プ No.3 の 全号機 3月15日6時14分ごろに大きな衝撃音と振動が発生し、2号機圧力抑制室圧力指示がダウンスケールした。このため、何
「原子炉 圧力 容器 及び原子 炉格納容器のパラ 共通 らかの異常があると判断し、これを広報したもの。この時の原子炉圧力や格納容器圧力(ドライウェル側)は大きく変化して
メータに有意な変化は認められておりませ
おらず、これを「有意な変化は認められていない」と表したものであり、当時得られている最大限の情報で作成された。その
ん。」は、事実と異なるが、立地地域部はどの
後の分析・評価により、大きな衝撃音と振動の原因は、4号機原子炉建屋の爆発と判明し、結果的に誤報であった。
ような意図で広報文を作成したのか。
④-e 広報班、立地地域部、通報班の情報共有 全号機 対策本部のテーブルで情報共有を行っており、本部長と共通の認識を持っていた。
共通
はどのように行われていたのか。
9/2議論
④-f 福 島第 二原 発 で も周 辺住民が避難した 全号機 福島第二原子力発電所の立地自治体である富岡町と楢葉町には3/11より当社社員が帯同し、状況説明等を実施した。
が、第二の周辺自治体にどのような対応を行っ 共通 避難指示が出されたタイミングとその理由(官房長官発言)については以下の通り。
たか整理して提示すること。
日時 避難指示 根拠(官房長官発言)
3/12 7:45 3km圏内 複数号機の圧力抑制機能喪失
3/12 17:39 10km圏内 福島第一1号機爆発など
福島第二10km圏内の避難指示が発令された約1時間後の18:25に、福島第一20km圏内の避難指示が発令された。前者
の避難区域と後者の避難区域は大部分が重複しており、ラジオ放送やTVテロップなどのメディアを通じた情報提供が行わ
れた。
【参照:Ⅱ-1-④-b回答】
福島第二原子力発電所の避難区域のみに該当する地域は楢葉町と広野町の一部だけであり、楢葉町に対しては3/11
より当社社員が帯同しており、広野町に対しては3/12 20:15から22:00にかけて避難指示について広報車で通知を行った。
【参考:当社事故調査報告書 P64(3)周辺地域への情報提供 添付5-6】
⑤ 東京電力は,オフサイトセンターにいつ, 全号機 3月11日16時45分第15条通報を受け,防災業務計画に従って,武藤原子力・立地本部長(取締役副社長)以下5名
何名を派遣し,どのような情報提供や活動をし 共通 が本店を出発し,ヘリコプター等を使用して19時03分にオフサイトセンターに到着。
ていたのか。
3月12日中には合計28名(14日は最大で38名)を派遣。以後,15日にオフサイトセンターが福島県庁に移転するまで
の間,約30名前後が駐在。
当社要員は,オフサイトセンターに到着したものの,地震による停電等のため機能しておらず待機となった。その後,オフ
サイトセンターが活動開始するとの情報を受け,12日3時57分にオフサイトセンターに到着。当社要員は,所有の保安回
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線を介するTV会議システムや保安電話等を活用して,発電所及び本店の対策本部との間でリアルタイムの情報共有を図
り,オフサイトセンターに派遣された福島県や原子力安全・保安院への情報提供,プラントの状況把握に努めた。また,12
日には,広報要員として福島第一原子力発電所から2名,さらにプラントの状況をよく把握しているユニット所長1名を池田
副大臣への説明者として派遣し対応していた。
(第二回)資料No.3 14頁参照
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大項目
疑 問 点 等
対 象
東京電力の説明
中項目
小項目
号機等
2 . 東 京 電 ① 福島 県の 発表 予 定 を国 に告げ口するよう 全号機 「告げ口」という言い方は適切でないと考えるが,国や福島県等の指示や意向が異なっていた場合に,当社がその仲介
共通 を行なっていたことはあった(3月14日3号機格納容器圧力上昇の件)。
力 の 対 応 は な,東京電力の対応は正しかったのか。
正しかった
のか。
(第二回)資料No.3 15頁参照
3.国等の
対応は正し
かったの
か。
① 原子力安全・保安院等,国から情報を止め 全号機 3号機格納容器圧力上昇のように,国から公表を待てという指示があったものはある。
共通 (第二回)資料No.3 15頁参照
るような圧力があったのではないか。
①-a 3号機格納容器圧力上昇を含め、事象発 全号機 3号機格納容器圧力上昇については
生から公表までどの程度時間がかかったか示す 共通 3月14日午前7時53分 通報連絡実施
こと。
福島県から、同日午前9時から予定されている本部員会議まで公表するように当社に強く要請されるも、官邸の了解得
られず。
同日午前9時15分ごろ 原子力安全・保安院が記者会見で説明
同日午前10時30分 当社プレス公表
履歴
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a,b,c
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d~k
11/4追加
a-1
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経緯については、【第2回別紙】にて記載しているが、プレス文の公表については、官邸及び保安院の了解を得る必要が
あり、3月21日には事前了解を得るよう保安院から文書をもらっている。
①-a-1 3号機格納容器圧力上昇のプレス公表 全号機 当時官邸に派遣していた当社社員からの情報として、「官邸に派遣されている保安院の方がそのように指示している」と
共通 伝えられており、保安院またはその上流である官邸の誰が発言したものであるかはわかっていない。
を待つよう指示を行ったのは、官邸の誰か。
①-b 官房長官と官邸が保安院と東電に圧力を 全号機 明確に国から指示を受けていないが、公表は全部官邸の了解なしでは出せないということがあった。
かけたこ とが 空気 を醸成し た原因ではないの 共通
か。
①-c 社会的パニックを避けるために、炉心溶 全号機 3月11日の21時過ぎから避難は始まっており、東電側が何かパニックを心配するいうことはない。
共通
融という言葉を使うことを回避したのか。
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①-d 3号機の圧力上昇については、その後福 全号機 3月14日午前9時からの福島県の本部員会議では公表していない。
共通
島県の本部員会議で公表されたのか。
①-e 保安院と東電のプレス時間に時間差があ 全号機 本件において、時間を合わせるという議論はなかった。
るが、保安院とプレス時間の調整は行わなかっ 共通
たのか。
①-f 3号機の圧力上昇以外の事象についても 全号機 経緯については、【第2回別紙】【補足説明資料Ⅰ-1-①-a-1】にて記載しているが、3月13日に清水社長が官邸を訪問
共通 し、その後社内に「広報はまず官邸に伺いを立て、許しが出るまでは絶対に出すな」と指示している。3月21日には保安院
保安院から圧力があったのか。
より、プレス発表前に保安院事前説明を求める文書が発出されている。
①-g 保安院はプレス文をどれくらい修正して 全号機 具体的な修正を示すプレス文案とプレス文が残っているわけではないが、保安院は事実として確認されているもの以外
共通 は公表するなというスタンスであり、当社も事前了解を速やかに得るために推測等は極力回避するようになった。
いたのか。
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疑 問 点 等
大項目
中項目
対 象
東京電力の説明
小項目
号機等
①-h 保安院からの文書は3月21日付けである 全号機 3月13日に社長の清水が官邸を訪問し、保安院、官邸の了解を得てからプレスするよう指示されていたため、3月21日以
共通 前から東電対策本部に社長の指示として伝わっていた。
が、その以前から国に確認を行っていたのか。
①-i プレス文の修文は、保安院だけか。
官邸と保安院の両方であった。
官邸に常駐していた当社担当者を介して、官邸危機管理センターの円卓に集まっていた各省庁の代表者ににプレス文を
配布し、コメントがあった場合、反映していた。
また、保安院に常駐していた当社担当者を介して、保安院広報班にプレス文の確認を受け、コメントがあれば反映してい
た。
①-j 社会的パニックを抑えようというのが官 全号機 社会的パニックを抑えるという意図があったかどうかは当社はわからないが、事実として確認されていることのみ公表す
共通 るというのが官邸と保安院の基本的なスタンスだった。
邸と保安院の意図か。
履歴
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全号機
共通
①-k 情報発信の問題は、東京電力が正しい情 全号機 (事務局)
報を把握して分析結果をいかに公表するかとい 共通 国の対応の検証も必要と考えており、国へ説明を求めている。
う問題と、国が人の命に関わることを危機管理
体制としていかに公表するのかという問題の2
つの側面がある。国の対応がどうであったかを
技術委員会として明確にするすべきである。
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