UAゼンセン新聞No051

2014年(平成26年)12月22日(月)
2854
( )
3 2014年(平成26年)12月22日(月)
51号
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(第三種郵便物認可)
51号
2854
51号
第3回 中央委員会
と き 2015年1月28日(水)午後1時開会
ところ 静岡県浜松市・アクトシティ浜松・中ホール
提出議案
第1号議案「2015労働条件闘争方針について」
第2号議案「2015年期末一時金闘争方針について」
第3号議案「2015~2016年度退職金改定闘争方針について」
第4号議案「地方議員と政治活動のあり方について」
第5号議案「参与の任命について」
第6号議案「統一地方選挙必勝決議」
◇UAゼンセンは、12月19~20日の第3回中央執行委員会で第3回中央委員
会の提出議案を決定しました。2015労働条件闘争方針をはじめ各種闘争方針
は最終的に明年1月28日の第3回中央委員会で決定します。
2015労働条件闘争の意義
2015労働条件闘争方針案における賃金闘争要求基準は、正
社員・短時間組合員等ともに「賃金体系維持分プラス3%を基準
に少なくとも2%以上の賃金引き上げ」の考え方をもとに組み立てています。
これは、消費者物価が3%近く上昇しており、実質的な賃金水準の維持には
3%程度の賃金引き上げが必要であること、一方で社会的な賃上げ相場形成の
観点から連合方針の「賃金体系維持分プラス2%以上」をふまえた、最低限の
要求基準を示す必要があることなどから設定したものです。
本年4月、全額社会保障財源とすることを前提に消費税率が5%から8%に
上がり、この影響(2%程度と推定)を含め物価が3%程度上昇していますが、
消費税そのものは企業の収益にはなりません。また、アベノミクスにより円安が
進み、輸出型の企業には恩恵がありますが、消費税引き上げ後の消費停滞や円
安による原材料高の影響などもあり、UAゼンセン加盟組合の産業・企業の状
況は大きくばらついています。
このような状況下ですが、私達は労働組合として、組合員の生活を守るため
に、果敢に月例賃金の引き上げを要求し、勝ち取っていかなければなりません。
また、適正な賃上げ実現が、停滞した個人消費を回復させ、持続可能な経済成
長につながること、逆に賃上げが実現できなければ、物価のみが上昇していく
「悪いインフレ」、もしくは価格引き下げ競争を伴う「出口のないデフレ」につな
がることを十分に認識して要求・交渉に取り組まなくてはなりません。
賃上げ以外では短時間組合員等の処遇改善をはじめ、労働時間の改善、仕
事と生活の両立支援、男女間格差の是正、職場のハラスメント対策など、総合
的な労働条件の改善について方針案を策定しました。
UAゼンセンの方針案をもとに、各部門の方針案も検討が進んでいます。各
組合でしっかり討議し、一致団結した要求・闘いにつなげていきましょう。
2015労働条件闘争方針について(要旨)
Ⅰ.2015労働条件闘争の基本姿勢
104
物価と一般労働者の賃金推移
103
5.0
4.0
0.0
99
-1.0
97
-3.0
98
96
-2.0
-4.0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
(4~9 月)
現金給与総額
(実質)
前年比
(右軸)
所定内給与指数
所定内給与
(実質)
前年比
(右軸)
現金給与総額指数
54.0
52.0
50.0
48.0
経済成長
(実質GDP)
46.0
44.0
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
2.2015労働条件闘争の基本的考え方
(1)実質賃金の維持・向上に向け、月例賃金引き上げに積極的に取り組む。
(2)闘争推進のため「顔の見える共闘」を強化する。
(3)男女間、規模間、雇用形態間等の格差是正に継続的に取り組む。
(4)総合的な労働条件の改善の取り組みを強化する。
Ⅱ.2015賃金闘争
1.正社員組合員の要求
(1)要求の考え方
1)実質賃金の維持・向上を第一優先に要求を組み立てる
賃金体系(カーブ)を維持し、それに加えて、物価上昇、生活向上、
格差是正、経済の好循環実現への役割等を勘案して賃金引き上げ要求
を設定する。物価はより確定的な数値をとるため、これまで過年度物
価上昇分を要求してきた。2014 年度の物価上昇は 3%程度の見通し
である。企業業績は全体として最高益を更新する見通しであるが、消
費税率引き上げや円安等の影響でばらつきが大きい。本年は物価上昇
率が高いことも考慮し生活向上分を統一した数字としては示さない
が、体制が整う組合は積極的に上積み要求に取り組むこととする。
具体的には、賃金体系(カーブ)維持分に加えて、3%基準の賃金
引き上げを基本とし、労働組合の社会的役割として、日本全体の消費
回復も見据え、実質賃金の維持・向上に集中的に取り組む。格差是正
については、3%基準の引き上げを基本に、賃金水準に応じて基準を
設定し取り組む。
2)賃金水準に応じた要求の設定
格差是正を進めるために、賃金水準により区分し要求を設定する。
区分に使用する水準は下表のとおりとする。
高卒 35 歳・勤続 17 年
大卒 30 歳・勤続 8 年
240,000 円
240,000 円
②到達水準
255,000 円
を基本に部門ごとに設定
250,000 円
を基本に部門ごとに設定
③目標水準
部門ごとに設定
部門ごとに設定
※上記金額は諸手当を除く基本給の金額
1.0
100
(%)
56.0
労働分配率
(右軸)
①ミニマム水準
2.0
101
議案(要旨)
( )
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消費者物価指数総合
51号
(第三種郵便物認可)
3)賃金水準の把握と賃金制度の整備確立
賃金水準の比較なくして、十分な賃上げ交渉はできない。会社にデ
ータの開示を求めるか、組合でアンケート調査等を実施し、できるか
ぎり賃金水準の把握を行う。また、賃金制度により体系が維持されて
いるか否かで賃上げ額に大きな差があることをふまえ、賃金の公正な
決定と水準確保のため賃金制度確立の要求・交渉を行う。
4)基本賃金の引き上げを重視
物価上昇局面にあることをふまえ、
原則としてベースアップ等、
全組
合員が対象となる基本賃金の引き上げを重視した要求・交渉を行う。
5)賃上げと総合労働条件の関係整理の試行的対応
第 2 次労働条件闘争あり方委員会の中間報告について、部門の検討
状況にばらつきがあることをふまえ、本年度は試行として以下のとお
り対応する。部門の決定にもとづき、到達水準以上の組合は、次に示
す要求基準のうち 2%を超える部分については、所定労働時間の削減
として要求できるものとする。具体的な対応については、本部と部門
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(2)要求基準
1)平均賃金の引き上げ
賃金体系(カーブ)維持分に加え、3%を基準に少なくとも 2%以
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上の賃金引き上げを要求する。具体的には賃金水準区分ごとに以下の
とおりとする。
①ミニマム水準未達組合
賃金体系維持分4,500円に加えて3%、または、賃金体系維持分
も含めて10,500円を基準に賃金引き上げを要求する。可能な組合
はさらに格差是正分を要求する。
※連合地域ミニマム年齢別賃金(全産業・男女計)中位数の18歳か
ら45歳の1歳間の平均間差額は4,460円(昨年 4,294円)である。連
合全体で4,500円を中小組合の賃金体系維持分としてその確保に取
り組んでいる。なお、10,500円は連合中小共闘の要求基準。
②到達水準未達組合
賃金体系維持分に加え、3%を基準に少なくとも2%以上の賃金引
き上げを要求することを基本に、部門ごとに要求基準を設定する。
可能な組合はさらに格差是正分を要求する。
③到達水準以上組合
賃金体系維持分に加え、3%を基準に少なくとも2%以上の賃金引
き上げを要求することを基本に、部門ごとに目標水準ならびに要
求基準を設定する。
※1年先輩の同じ条件の労働者の賃金に追いつくために要する引き上げ分を賃金体系(カーブ)維持分とする。
※平均賃金の算定基礎は所定内賃金(時間外・休日手当、深夜割増、通勤手当を除く)とし、少なくとも基本
賃金、家族手当、住宅手当、勤務地手当、交替手当を含める。
2)初任給(2015 年度採用、基本賃金)
高卒…165,000 円基準 大卒…206,000 円基準
3)企業内最低賃金
152,000 円(18 歳)で協定を締結する。なお、各年齢の単身世帯の
最低生計費を確保することを念頭に 163,000 円を目ざすこととする。
2.短時間組合員等(パートタイマー、契約社員等)の要求
(1)要求の考え方
1)仕事内容、働き方に応じた正社員との均衡ある要求
改正パートタイム労働法による待遇の原則(※)をふまえ、賃金、
一時金、退職金等を含め労働条件全体として仕事内容、働き方に応じ、
正社員と均衡ある処遇制度を構築する。そのうえで、賃金の引き上げ
については正社員と同じ考えにもとづき要求する。なお、正社員との
均衡をはかるうえで必要な場合は積極的に格差是正を求める。
※パートタイム労働者と正社員の待遇の差は、職務の内容、人材活用の
しくみ、その他の事情を考慮して不合理なものであってはならないとす
る原則(改正パートタイム労働法 8 条)
。
2)賃金引き上げとともに処遇改善に総合的に取り組む
短時間組合員等の処遇改善に向け、次の3つの課題に総合的に取り
組む。
①希望する者が一定の条件を満たせば正社員へ移行できる制度の確立。
②短時間組合員等の能力を育て、
能力と成果を評価する処遇制度の整備。
③法定特定
(産業別)
最低賃金の新設、
改定による地域労働市場の底上げ。
3)仕事内容、働き方に応じて要求を示す
改正パートタイム労働法、
「有期契約労働者の雇用管理の改善に
関するガイドライン」をふまえ、短時間組合員等について3つのタ
イプに区分し要求内容を示す。
(2)要求基準
1)平均賃金の引き上げ
区 分
3.0
102
( )
4
第3回中央委員会
(第三種郵便物認可)
経済成長と労働分配率の推移
賃金水準区分(基本賃金)
1.とりまく情勢について
(1)組合員の生活と労働条件
①消費者物価は 3%を超える上昇。
②名目賃金は増加したが復元にはいたらず、実質賃金は減少。
③可処分所得は減少が続き、実質消費は大きく減少。
④雇用情勢は改善。
⑤企業規模間格差拡大の傾向が続く。
⑥いわゆる不本意非正規雇用が依然多い。
⑦改善しない長時間労働。
105
(兆円)
550
540
530
520
510
500
490
480
470
460
450
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で確認を行う。
(2)経済・産業の状況
①経済は消費税率引き上げ等の影響で一時マイナス成長となったが持ち直
しの見込み。
②企業収益は全体として最高益を見込むも、バラツキが大きい。
③実質賃金の上昇が労働生産性の上昇に追いついていない。
松浦昭彦
実質賃金を回復し生活守ろう 書記長
第1号議案
2014年(平成26年)12月22日(月)
(第三種郵便物認可)
一致団結した要求・闘いを!
2014年(平成26年)12月22日(月)
( )
2
昇給制度あり
昇給制度なし
①正社員と職務が異なる 制度にもとづく昇給・昇格分に 昇給・昇格相当の引き上げ分を含めて、
短時間組合員等
加え、3%を基準に少なくとも2 4%を基準に少なくとも3%以上で、正
%以上で、正社員組合員との均 社員組合員との均衡を考慮した賃金
衡を考慮した賃金引き上げを要 引き上げを要求する。
求する。
参考基準:パートタイマー時給40円(算
定基礎900円)、契約社員月給8,000円
(算定基礎200,000円)の引き上げ。
②正社員と職務が同じ
短時間組合員等
制度にもとづく昇給・昇格分に
加え、3%を基準に少なくとも2
%以上で、正社員組合員との均
衡を考慮した賃金引き上げを要
求する。
昇給・昇格相当の引き上げ分を含めて、
4.5%を基準に少なくとも3.5%以上
で、正社員組合員との均衡を考慮した
賃金引き上げを要求する。
参考基準:パートタイマー時給45円(算
定基礎950円)、契約社員月給9,000円
(算定基礎200,000円)の引き上げ。
Ⅲ.総合的な労働条件の改善
( )
2
(第三種郵便物認可)
次の法改正項目については必ず取り組むこととする。その他の項目で未整備
のものについても積極的に取り組むこととする。
(第三種郵便物認可)
改正パートタイム労働法(2015 年 4 月施行予定)
改正次世代育成支援対策推進法(2014 年 4 月施行)
男女雇用機会均等法の改正指針等(2014 年 7 月施行)
( )
4
①短時間組合員等の処遇改善②労働時間の改善③改正次世代育成支援対策推
進法への対応と仕事と生活の両立支援の取り組み④男女間格差の是正⑤職場のハ
ラスメント対策⑥改正高年齢者雇用安定法への対応⑦障がい者雇用の促進⑧CS
Rへの取り組みと危機管理対応における事業継続計画(BCP)の策定
Ⅳ.闘争の進め方
1.賃金闘争の枠組み
闘争全体を 2015 賃金闘争とし全加盟組合が参加する。すべての組合は、
①〜③のいずれかの闘争の枠組みに登録する。不参加組合(合理化対策中
の組合、組織整備中の組合等)は中央闘争委員会で確認する。
①統一賃上げ闘争(指令、統制、妥結権を中央闘争委員会に集約)
②賃上げ闘争(2014 労働条件闘争で賃上げ闘争に参加した組合は賃上
げ闘争に登録することも可)
③上記以外の賃金闘争
(5月末を超えて解決となることが明らかな組合)
2.要求書の提出期限
2015年2月末日までとする。
3.具体的な闘争日程
中央闘争委員会で決定する。
第2号議案
2015年期末一時金闘争方針について(要旨)
1.要求の考え方
期末一時金を毎月の必要生計費を補填する「季節賃金」と、期間業績に対
する「成果配分」との合算とし、
「季節賃金」部分を年間4カ月として重視
してきた。世間並みの企業業績にある組合は社会水準の獲得を目ざし、それ
以上に業績が好調のところは積極的に上積みを求める。具体的な要求基準、
取り組み方法は部門で決定する。
2.要求内容
(1)正社員組合員
①年間協定する組合………年間4.
8カ月基準
②各期別に要求する組合…夏期2.
4カ月基準 冬期2.
4カ月基準
(2)短時間組合員等(パートタイマー・契約社員等)
①正社員と職務が異なる短時間組合員等…年間2.
0カ月基準
②正社員と職務が同じ短時間組合員等……年間3.
0カ月基準
③正社員と同視すべき短時間組合員等……パートタイム労働法の規定をふ
まえ、正社員と同一の要求とする。
第 3 号議案
2015~2016年度退職金改定闘争方針について(要旨)
1.要求の考え方
公的年金を補完し、安定的な退職後生活を送るために退職金の持つ意義は
極めて重要であり、その内容の充実を求めていく。退職金の水準を示すポイ
ントは、基幹的労働者の勤務実態、他の産業別労働組合の動向を考慮し、
65 歳定年における制度構築に向けて、60 歳を基準として設定を行うことと
する。具体的な要求基準、取り組み方法は部門で決定する。
2)最低賃金基準
地域別最低賃金の 110%以上、もしくは産業別最低賃金の 105%以
上の高い方の水準で協定化する。現行がその水準を上回る場合は、正
社員の 18 歳最低賃金の時間換算額で協定化する。最低時給 1,000 円
を目ざし取り組む。
2.要求内容
(1)要求基準
正社員〔定期採用者〕…60歳定年扱い退職金水準 2,000 万円基準(勤
続年数は部門ごとに設定する)
(2)短時間組合員等の退職金制度の構築
1)正社員と職務や人材活用が異なる短時間組合員等
正社員との均衡、組合員のニーズ、税制等を考慮し、労使で合理的な
制度を構築する。
2)正社員と同視すべき短時間組合員等
パートタイム労働法の規定をふまえ、正社員と同一の制度とする。
3.実施期と有効期限
実施期は 2015 年 4 月度とし、有効期限は 2016 年 3 月度とする。
3.実施時期と有効期限
2年間で取り組むことを基本に、各部門で決定する。
③正社員と同視すべき
短時間組合員等
パートタイム労働法の規定をふまえ、正社員組合員と同じ制度、考え方
にもとづき賃金引き上げを要求する。