2015 年石油化学動向/原油価格値下げで需要は上向くか? 2014 年は日本の石油化学は、全般的にはエチレンの稼働率も上昇、アジアを中心とした 好調な需要と、先進国における緩やかな回復基調に支えられ、業績面でも前年より大幅に 回復してきたと言える。 アジアの石化需要は、今後も高い伸びを維持していく状況は 2015 年以降も変わらない。 一方、そのような環境下において、本年終盤になり原油価格の暴落とも言える価格変動、 日本においては急速な円安、と大きな変化が起きた。 各コンサルタント会社の 2015 年度の見通しも、最近では$60/BBL 前後という、これまで の$100/BBL 前後の相場から 40%も下落するとの見方が多い。これは新しい原油の価格体 系への移行になるのか、誰もが注目するところである。 石化業界にとっても、原油、ナフサが下がれば、石化市況の調整ということになる。天然 ガス価格は既に原油リンクとなっていないことから、重質原料と軽質原料のコスト差は縮 小することになる。(但し、競争力におけるエタンベース優位は変わらない。)原油価格が 下がることは、少なくとも消費国の需要面において、プラス影響が予想される。 (これまで 資源代金として支払われていたお金が国内需要喚起に回ればとの前提であるが。 )一方、産 油国にとっては、概ね国家予算が原油価格$100/BBL 程度をベースにしていることから、大 幅な見直しを迫られることは避けられない。 昨年末、”午年(うまどし)は一つの頂点で、上昇していたものが下降に、またその逆もあ る変動の時期とのことです”と話ましたが、原油価格変動は世界的に様々な影響をもたらす 事象であると言える。また、日本では消費税の値上げ、円安、集団的自衛権行使の容認等 将来に渡り大きな影響が予想される事象が起きている。 2015 年は 60 年に一度の乙未(きのとひつじ)の年だが、乙(きのと)という文字は、新 しい改革創造に対して外からの抵抗が強いことを意味し、未については、枝葉の繁茂を表 し、枝葉が茂ると暗くなると。過去の出来事からすると、中東・ロシアで様々なことが起 きている、ということである。1967 年第三次中東戦争勃発、1979 年第二次オイルショック、 ソ連アフガン侵略、1991 年ソ連崩壊・ロシア誕生、多国籍軍がイラク空爆、湾岸戦争停戦、 2003 年米英軍イラク全土掌握、フセイン政権崩壊等があった。 原油価格の下落は中東、ロシアにとっては最大の問題であり、今後の中東、ロシアの動向 が注目されることになる。 今年も多くの方のご支援を頂き、ホームページも一部刷新し、コンテンツの増強も図って きましたが、更に新たなニーズに答えられますよう、一層の努力をしていきたいと思って おります。皆様の更なるご活躍とご健勝をお祈りいたしますと共に、2015 年も引き続きご 指導ご鞭撻を賜りたく、宜しくお願い致します。 情報企画部スタッフ一同
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