~BSP 製品をより有効にお使いいただくための技術情報をお伝えします~ サーバ版 A-AUTO 「起動されないネットワークの原因調査 新機能ご紹介 」 その改善として、A-AUTO V7.2.2 以降の製品では、ディス 今回は、サーバ版 A-AUTO V7.2.2 以降に新機能として追 加された、ディスプレイ・コマンドの『state』オプションについてご紹 プレイ・コマンドの『state』オプションを入力するだけで、起動され 介します。『state』オプションを指定することにより、起動されない ないネットワークの原因特定が容易にできるようになりました。 ネットワークの原因を表示することが可能になります。 図:後続起動待ち属性が解除されていない例 A-AUTO 監視中に『先行ネットワークが全て正常終了したにも ディスプレイコマンド投入 かかわらず、後続ネットワークが起動されない。起動されない原因 を確認し、後続ネットワークを起動させたい』というお問い合わせを いただく事があります。 A-AUTO は、先行ネットワークが終了し、後続ネットワークの 起動が可能かどうかを判断する際に、以下の起動条件が満たさ れているかチェックします。 属性は解除されている $ cip dBNET01,state,sdate=20130709 AUX001I COMMAND VALID AUX706I *** NETWORK BNET01 GENERAL DISPLAY *** TIME= 14:27:17 AUX971I NETWORK STATE : QUEUED AUX882I NOT CLEAR ATTRIBUTE(S) : NONE AUX710I *** NETWORK BNET01 DETAIL DISPLAY *** AUX888I PREDECESSOR SDATE STATE AUX883I ANET01 2013/07/09 NORMAL END(NEED MONITOR-ON) AUX725I *** END OF NETWORK INFORMATION DISPLAY **** 先行ネットワークの後続起動待ち ≪ネットワークの起動条件≫ 前回実行された同一ネットワークが正常終了している 先行ネットワークが全て正常終了している ネットワークホールド属性が付与されていた場合、その属 属性が解除されていない A-AUTO V7.2.2 以降の製品では、『state』オプションの他 性がオペレーションによりリリースされている 自ネットワークの起動待ち にも様々な新機能が追加されています。 時刻待ち属性が付与されていた場合、スタート時刻が 経過している WEB クライアント画面改善による操作性の向上 データ待ち属性が付与されていた場合、関連付けられた リモートジョブセッションリカバリ機能 データが全て到着している 実行ユーザ切り替え機能 先行ネットワークに後続起動待ち属性が付与されていた 長時間走行ジョブ監視機能 場合、モニタ・オン・コマンドにより後続起動待ち属性が ヘルプコマンド追加 解除されている また、同バージョンより Windows Server 2012 にも対応し ております。 これらの条件が全て満たされていた場合に後続ネットワークが 起動可能となりますが、各種コマンド投入、あるいはユーティリティ 貴社システム運用の業務効率化にお役立ていただけるよう、 を用いて条件が全て満たされているか、一つひとつの条件の確認 是非ともこの機会にバージョンアップをご検討ください。 を行なわなければなりません。 新機能の詳細について、またはバージョンアップに関するご不明 特に、後続起動待ち属性が原因でネットワークが起動されな 点がございましたら、弊社担当 SE または BSP@ライン い場合、先行ネットワーク全てに対して後続起動待ち属性が解 ([email protected])までお問合せください。 除されているかを確認する必要があります。 -1- BSP サポート通信 Vol.3 BSP-RM 「同一配信先 ID へ集中する配信処理を効率化する方法」 以下に、図 1 の配信処理を図 2 のように 2 多重化するための BSP-RM では、同一配信先 ID に対する処理が集中し、配 手順を示します。 信キューの待ち行列が発生することがあります。 これは、同一配信先 ID への配信処理が、図 1 のようにシリ 1. 配信先属性マスタを設定します アルにしか動作しないことによります。例えば、同一配信先 ID へ の配信キューが一度に 100 個生成されたとき、1 つの配信処理 配信グループの配下で起動する配信先属性マスタを 2 つ登 に 10 秒かかるとすると、全ての配信が完了するのに 1000 秒か 録します。仮に配信先 ID を DEST01, DEST02 とします。 かってしまいます。 配信グループとして使用するため、配信グループの項目に DEST を設定します。その他の設定内容は既存の配信先属性 図 1:通常の配信処理概要図 キュー0001 DEST キュー0002 DEST 配信コントローラ DEST マスタ DEST と同じ値にします。 2. djcl を作成します [Windows 版] 帳票 {BSP-RM 導入ディレクトリ}\djcl\DEST.bat キュー0003 DEST を同ディレクトリにコピーして DEST01.bat, DEST02.bat を : 作ります。 キュー0100 DEST [UNIX/Linux 版] {BSP-RM 導入ディレクトリ}/djcl/DEST を同ディレクトリにコピーして DEST01, DEST02 を作ります。 この現象に対して、ここでは「配信グループ」の機能を使用する ことにより、配信処理時間を短縮する方法をご説明いたします。 ※このとき、置換文字列 %OCID% (タイムスタンプ)を指定し 先の配信キュー100 個の例において、図 2 のように 2 多重 ている箇所は、必ず %DEST% (配信先 ID)を組み合わせ 化した場合、配信処理時間は 500 秒に短縮されます。 るように変更してください。 ※%OCID% だけでは、片方の配信コントローラ分とファイル名 図 2:2多重化したときの配信処理概要図 キュー0001 DEST が重複する可能性があります。 例)DEST01_%OCID% 配信グループ DEST キュー0002 DEST キュー0003 DEST →変換されると 配信コントローラ DEST01 DEST01_2013060F13553710 のようになります。 帳票 : キュー0100 DEST 配信コントローラ DEST02 3. 元の配信先属性マスタを削除します スピード アップ 配信先属性マスタ DEST を削除します。 帳票 手順は以上です。 ※DEST01 と DEST02 は異なる 配信コントローラなのでパラレルに動作できる なお、配信グループの機能を使用する場合には、CPU 使用率や 空きメモリ量に充分な余裕があることをご確認ください。 BSP-RM トピックス 【レベルアップ版リリース予定】 2013 年 8 月下旬、『BSP-RM for Windows V1.6.6 Lv01』 をリリース予定です。 既にリリースされております『BSP-RM for Redhat V1.6.0 Lv31』にて対応済みの機能修正、その他の新たな不具合修正に 対応しております。 レベルアップ版の詳細につきましては、弊社担当 SE または BSP@ライン([email protected])までお問合せください。 -2– BSP サポート通信 Vol.3 失敗しない KPI(重要業績評価指標)設計方法とは? 今回は、業務改善を推し進めるお客様で取り上げられること 定義し、一次受付でのクローズ率を KPI といった設定例が挙げ の多い、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価 られます。重要なのは、KGI から落とし込まれた CSF となってい 指標)の設計方法について紹介いたします。この機会に KPI の る、CSF から落とし込まれた KPI となっているという点です。KGI 見直しや新たな KPI の設計を検討してはいかがでしょうか。 →CSF→KPI のつながりが明確であるほど、論理的に成功マイ ルストーンが検討されているため、効果的な改善活動にしていくこ KPI とは? とが可能になります。 目標を継続的に達成していく為に、活動の状況を常に測定し、 状況に応じて対策することが重要となります。そのための、様々な ≪KPI 設計の CheckPoint①≫ 活動の状況を測定するための重要な指標が KPI になります。 KGI クレーム 0 件 KPI の設計・活用における失敗例 CSF 回答スピード 業務改善に取り組んでいる、もしくはこれから取り組むお客様 から、どのような KPI を設計すればよいか?という相談を多くいた KPI は KGI からブレイクダ だきます。業務改善は、KPI を設計することが目的ではなく、業 ウンして設計しましょう!! KPI 1 次回答率 務上の目標を達成する為に活動状況に応じて対策を立て、それ を実行することが目的のはずです。そこで、KPI 設計に取り組む ポイント2.目標達成のマイルストーンと役割の設計も合わせ 上で陥りがちな 2 つの失敗パターンを検証してみます。 て行う KPI は、測定後に今後のアクションを検討、実行することが重 要です。実際に KPI で測定された値からアクションを変えていくた 失敗例1.KPI が達成されても、業務目標が達成されない KPI が達成されても、最終的な業務改善目標が達成できて めには、目標から逆算されたマイルストーンが必要となります。誰 いない状態になることがあります。原因は、業務上の目標を達成 が KPI をモニタリングし、誰が改善の責任者となるのか、事前に するために、必要な KPI であるかどうか十分に考慮されないまま 役割を定義する必要があります。これによって、どのタイミングで誰 KPI を設計してしまったことが考えられます。(→ポイント1で解 が改善活動を推進するのかが明確になり、効果的に KPI を活 決します。) 用することが可能になります。 失敗例2.KPI の取得のみとなってしまっている ≪KPI 設計の CheckPoint②≫ 役割やチェックの タイミングなども 明確に!! ・誰が KPI をモニタリングするのか定義する。 KPI の設計は行ったのに、最終的な業務改善目標に到達で →ex: インシデント管理 MGR きない状態になることがあります。原因は、KPI の設計で議論が ・誰が改善の実行責任を持つのか定義する。 完結してしまい、モニタリングの頻度や改善計画まで議論が及ん →ex: 施策担当者 でいないことが考えられます。(→ポイント 2 で解決します。) ・どのタイミングで改善策をうつのか定義する。 →ex:一次回答率が予定の x 週間目で、予定の n%UP に達しない時 失敗しない KPI の設計とは? 目的志向のライフサイクルマネジメントのススメ それではどのようにすれば目標達成に役立つ KPI を設計でき KPI をはじめとする管理の指標は、目的・目標達成の為に存在 るのでしょうか。2 つのポイントをご紹介いたします。 しています。「管理の為の管理」にならないように、目的を満たす ポイント1.KGI と CSF に合わせて設計する 活動であるかを常に振り返り、点ではなく線の活動、さらには継 KPI を設計するには、KGI、CSF との関係が重要です。KGI 続的に実現可能な円(ライフサイクル)の活動にしていく必要があ (Key Goal Indicator、重要目標達成指標)とは、目標の ります。そうすることで、変化に強い成長組織を実現していくことが 達成状況を計る上で重要となる指標を表します。CSF できるのです。なお、本稿は継続的な改善方法である「LMIS」 (Critical Success Factors、主要成功要因)とは、目標 のコンセプトをベースに作成しております。KPI の設定とツールを 達成に向けた取り組みを表します。例えば、ユーザからのクレーム 含めた継続的な改善例などを記載したホワイトペーパーもご用意 0 件を KGI とした場合、ユーザへの回答スピードを CSF として しております。ご興味がございましたら是非お問い合わせください。 https://www.bsp.jp/products/lmis_whitepaper.html -3– BSP サポート通信 Vol.3 メインフレーム版 A-AUTO 「SMF 出口の組込における PROGxx の活用(対象 z/OS)」 A-AUTO では、モニタ・システムが起動したジョブ、ステップの ずに変更することができる。また、特定の出口プログラム 開始、終了を検知するために、OS(z/OS、MSP、VOS3、 が異常終了しても、他の出口プログラムが影響を受ける XSP)の JES やイニシエータから呼び出される SMF/SMS 出口 ことはない。 プログラムを使用しています。A-AUTO 環境の構築には、 2. A-AUTO およびお客様の SMF 出口を共存させる場合の SMF/SMS 出口プログラムの組込が必須となり、組込には OS PROGxx への指定方法 の IPL が必要になるため、容易に組込を行う事ができません。 通常の組込手順は以下の通りです。 指定例①モジュール名を変える場合 ① A-AUTO の SMF/SMS 出口プログラムを LPALIB に EXIT ADD EXITNAME(SYS.IEFACTRT) MODNAME(BSPACTRT) EXIT ADD EXITNAME(SYS.IEFACTRT) MODNAME(USRACTRT) 格納し、かつ、SYS1.PARMLIB の SMFPRMxx/SMSPRMxx メンバーの、EXITS パラメー タで出口プログラムが呼び出されるように設定する。 ② A-AUTO の出口プログラムとお客様の出口プログラムを 共存させるために、A-AUTO の出口プログラムからお客 指定例②モジュール名は同じで格納ライブラリを変える場合 様の出口プログラムを CALL するように、両者を連携編 EXIT ADD EXITNAME(SYS.IEFACTRT) MODNAME(IEFACTRT) DSNAME(AUTO.LPALIB) FIRST EXIT ADD EXITNAME(SYS.IEFACTRT) MODNAME(IEFACTRT) DSNAME(USER.LPALIB) LAST 集(Link Edit)する。 ③ 反映のため、OS の IPL を行う。 ※組み込み手順の詳細は、A-AUTO システム管理者 用マニュアルの「8 A-AUTO システムの SMF/SMS 出 (追記説明) 口」を参照してください。 ・MODNAME および DSNAME パラメータで、呼び出す 一方、z/OS に限り、SYS1.PARMLIB の PROGxx メンバ 出口プログラムのモジュール名および存在するライブラリを ーの EXIT ステートメントを使用することにより、上記の連携編集 指定します。DSNAME パラメータを指定しないと、システ をしなくても共存させることができます。 ムは、LPA、LNKLST 連結、および中核を使用してモジ 以下にそのメリット及び、指定方法をご紹介します。 ュールを探索します。 ・出口プログラムを呼び出す順番を指定したい場合には、 FIRST(最初)、LAST(最後)を指定します。順番を意 1. PROGxx の EXIT ステートメントに A-AUTO の SMF 識する必要がない場合にはどちらも指定する必要はありま 出口を指定することのメリット せん。なお A-AUTO の SMF 出口プログラムは順番を意 ① 識する必要はありません。 OS の IPL なしで動的に出口プログラムを追加/変更/ 削除できる。 ② 連携編集せずにお客様の出口プログラムと A-AUTO 以上、参考になりましたでしょうか。PROGxx の詳細につきまして の出口プログラムを共存させることができる。さらに他シス は、IBM のマニュアル「MVS 初期設定およびチューニング解説 テムの同一出口プログラムを共存させることもできる。 書」を参照ください。また、変更に当たっては、本番環境での異常 終了のリスクを減らすため、テスト環境で使用テストした後に、本 ③ 複数の出口プログラムを共存させ、特定の出口プログラ 番環境を変更してください。 ムを変更する場合に、他の出口プログラムに影響を与え BSP サポート通信に関するお問合せ BSP サポート通信に関してのお問い合わせは、弊社の担当 SE、または以下の電話・E-Mail にて承ります。 【E-Mail】 [email protected] 【電話】 東京: 03-5463-5481 名古屋:052-569-2961 大阪: 06-6258-3451 福岡: ★お知らせ★ BSP の FAQ サイトが 2013 年 7 月 16 日にリニューアルいたしました!! -4– 092-437-3221
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