Vol.3(PDFファイル)

~BSP 製品をより有効にお使いいただくための技術情報をお伝えします~
サーバ版 A-AUTO 「起動されないネットワークの原因調査 新機能ご紹介 」
その改善として、A-AUTO V7.2.2 以降の製品では、ディス
今回は、サーバ版 A-AUTO V7.2.2 以降に新機能として追
加された、ディスプレイ・コマンドの『state』オプションについてご紹
プレイ・コマンドの『state』オプションを入力するだけで、起動され
介します。『state』オプションを指定することにより、起動されない
ないネットワークの原因特定が容易にできるようになりました。
ネットワークの原因を表示することが可能になります。
図:後続起動待ち属性が解除されていない例
A-AUTO 監視中に『先行ネットワークが全て正常終了したにも
ディスプレイコマンド投入
かかわらず、後続ネットワークが起動されない。起動されない原因
を確認し、後続ネットワークを起動させたい』というお問い合わせを
いただく事があります。
A-AUTO は、先行ネットワークが終了し、後続ネットワークの
起動が可能かどうかを判断する際に、以下の起動条件が満たさ
れているかチェックします。
属性は解除されている
$ cip dBNET01,state,sdate=20130709
AUX001I COMMAND VALID
AUX706I *** NETWORK BNET01 GENERAL DISPLAY *** TIME= 14:27:17
AUX971I NETWORK STATE : QUEUED
AUX882I NOT CLEAR ATTRIBUTE(S) : NONE
AUX710I *** NETWORK BNET01
DETAIL DISPLAY ***
AUX888I PREDECESSOR SDATE
STATE
AUX883I ANET01
2013/07/09 NORMAL END(NEED MONITOR-ON)
AUX725I *** END OF NETWORK INFORMATION DISPLAY ****
先行ネットワークの後続起動待ち
≪ネットワークの起動条件≫

前回実行された同一ネットワークが正常終了している

先行ネットワークが全て正常終了している

ネットワークホールド属性が付与されていた場合、その属
属性が解除されていない
A-AUTO V7.2.2 以降の製品では、『state』オプションの他
性がオペレーションによりリリースされている



自ネットワークの起動待ち
にも様々な新機能が追加されています。
時刻待ち属性が付与されていた場合、スタート時刻が
経過している

WEB クライアント画面改善による操作性の向上
データ待ち属性が付与されていた場合、関連付けられた

リモートジョブセッションリカバリ機能
データが全て到着している

実行ユーザ切り替え機能
先行ネットワークに後続起動待ち属性が付与されていた

長時間走行ジョブ監視機能
場合、モニタ・オン・コマンドにより後続起動待ち属性が

ヘルプコマンド追加
解除されている
また、同バージョンより Windows Server 2012 にも対応し
ております。
これらの条件が全て満たされていた場合に後続ネットワークが
起動可能となりますが、各種コマンド投入、あるいはユーティリティ
貴社システム運用の業務効率化にお役立ていただけるよう、
を用いて条件が全て満たされているか、一つひとつの条件の確認
是非ともこの機会にバージョンアップをご検討ください。
を行なわなければなりません。
新機能の詳細について、またはバージョンアップに関するご不明
特に、後続起動待ち属性が原因でネットワークが起動されな
点がございましたら、弊社担当 SE または BSP@ライン
い場合、先行ネットワーク全てに対して後続起動待ち属性が解
([email protected])までお問合せください。
除されているかを確認する必要があります。
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BSP サポート通信 Vol.3
BSP-RM 「同一配信先 ID へ集中する配信処理を効率化する方法」
以下に、図 1 の配信処理を図 2 のように 2 多重化するための
BSP-RM では、同一配信先 ID に対する処理が集中し、配
手順を示します。
信キューの待ち行列が発生することがあります。
これは、同一配信先 ID への配信処理が、図 1 のようにシリ
1. 配信先属性マスタを設定します
アルにしか動作しないことによります。例えば、同一配信先 ID へ
の配信キューが一度に 100 個生成されたとき、1 つの配信処理
配信グループの配下で起動する配信先属性マスタを 2 つ登
に 10 秒かかるとすると、全ての配信が完了するのに 1000 秒か
録します。仮に配信先 ID を DEST01, DEST02 とします。
かってしまいます。
配信グループとして使用するため、配信グループの項目に
DEST を設定します。その他の設定内容は既存の配信先属性
図 1:通常の配信処理概要図
キュー0001 DEST
キュー0002 DEST
配信コントローラ
DEST
マスタ DEST と同じ値にします。
2. djcl を作成します
[Windows 版]
帳票
{BSP-RM 導入ディレクトリ}\djcl\DEST.bat
キュー0003 DEST
を同ディレクトリにコピーして DEST01.bat, DEST02.bat を
:
作ります。
キュー0100 DEST
[UNIX/Linux 版]
{BSP-RM 導入ディレクトリ}/djcl/DEST
を同ディレクトリにコピーして DEST01, DEST02 を作ります。
この現象に対して、ここでは「配信グループ」の機能を使用する
ことにより、配信処理時間を短縮する方法をご説明いたします。
※このとき、置換文字列 %OCID% (タイムスタンプ)を指定し
先の配信キュー100 個の例において、図 2 のように 2 多重
ている箇所は、必ず %DEST% (配信先 ID)を組み合わせ
化した場合、配信処理時間は 500 秒に短縮されます。
るように変更してください。
※%OCID% だけでは、片方の配信コントローラ分とファイル名
図 2:2多重化したときの配信処理概要図
キュー0001 DEST
が重複する可能性があります。
例)DEST01_%OCID%
配信グループ DEST
キュー0002 DEST
キュー0003 DEST
→変換されると
配信コントローラ
DEST01
DEST01_2013060F13553710 のようになります。
帳票
:
キュー0100 DEST
配信コントローラ
DEST02
3. 元の配信先属性マスタを削除します
スピード
アップ
配信先属性マスタ DEST を削除します。
帳票
手順は以上です。
※DEST01 と DEST02 は異なる
配信コントローラなのでパラレルに動作できる
なお、配信グループの機能を使用する場合には、CPU 使用率や
空きメモリ量に充分な余裕があることをご確認ください。
BSP-RM トピックス
【レベルアップ版リリース予定】
2013 年 8 月下旬、『BSP-RM for Windows V1.6.6 Lv01』 をリリース予定です。
既にリリースされております『BSP-RM for Redhat V1.6.0 Lv31』にて対応済みの機能修正、その他の新たな不具合修正に
対応しております。
レベルアップ版の詳細につきましては、弊社担当 SE または BSP@ライン([email protected])までお問合せください。
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BSP サポート通信 Vol.3
失敗しない KPI(重要業績評価指標)設計方法とは?
今回は、業務改善を推し進めるお客様で取り上げられること
定義し、一次受付でのクローズ率を KPI といった設定例が挙げ
の多い、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価
られます。重要なのは、KGI から落とし込まれた CSF となってい
指標)の設計方法について紹介いたします。この機会に KPI の
る、CSF から落とし込まれた KPI となっているという点です。KGI
見直しや新たな KPI の設計を検討してはいかがでしょうか。
→CSF→KPI のつながりが明確であるほど、論理的に成功マイ
ルストーンが検討されているため、効果的な改善活動にしていくこ
KPI とは?
とが可能になります。
目標を継続的に達成していく為に、活動の状況を常に測定し、
状況に応じて対策することが重要となります。そのための、様々な
≪KPI 設計の CheckPoint①≫
活動の状況を測定するための重要な指標が KPI になります。
KGI
クレーム 0 件
KPI の設計・活用における失敗例
CSF
回答スピード
業務改善に取り組んでいる、もしくはこれから取り組むお客様
から、どのような KPI を設計すればよいか?という相談を多くいた
KPI は KGI からブレイクダ
だきます。業務改善は、KPI を設計することが目的ではなく、業
ウンして設計しましょう!!
KPI
1 次回答率
務上の目標を達成する為に活動状況に応じて対策を立て、それ
を実行することが目的のはずです。そこで、KPI 設計に取り組む
ポイント2.目標達成のマイルストーンと役割の設計も合わせ
上で陥りがちな 2 つの失敗パターンを検証してみます。
て行う
KPI は、測定後に今後のアクションを検討、実行することが重
要です。実際に KPI で測定された値からアクションを変えていくた
失敗例1.KPI が達成されても、業務目標が達成されない
KPI が達成されても、最終的な業務改善目標が達成できて
めには、目標から逆算されたマイルストーンが必要となります。誰
いない状態になることがあります。原因は、業務上の目標を達成
が KPI をモニタリングし、誰が改善の責任者となるのか、事前に
するために、必要な KPI であるかどうか十分に考慮されないまま
役割を定義する必要があります。これによって、どのタイミングで誰
KPI を設計してしまったことが考えられます。(→ポイント1で解
が改善活動を推進するのかが明確になり、効果的に KPI を活
決します。)
用することが可能になります。
失敗例2.KPI の取得のみとなってしまっている
≪KPI 設計の CheckPoint②≫
役割やチェックの
タイミングなども
明確に!!
・誰が KPI をモニタリングするのか定義する。
KPI の設計は行ったのに、最終的な業務改善目標に到達で
→ex: インシデント管理 MGR
きない状態になることがあります。原因は、KPI の設計で議論が
・誰が改善の実行責任を持つのか定義する。
完結してしまい、モニタリングの頻度や改善計画まで議論が及ん
→ex: 施策担当者
でいないことが考えられます。(→ポイント 2 で解決します。)
・どのタイミングで改善策をうつのか定義する。
→ex:一次回答率が予定の x 週間目で、予定の n%UP に達しない時
失敗しない KPI の設計とは?
目的志向のライフサイクルマネジメントのススメ
それではどのようにすれば目標達成に役立つ KPI を設計でき
KPI をはじめとする管理の指標は、目的・目標達成の為に存在
るのでしょうか。2 つのポイントをご紹介いたします。
しています。「管理の為の管理」にならないように、目的を満たす
ポイント1.KGI と CSF に合わせて設計する
活動であるかを常に振り返り、点ではなく線の活動、さらには継
KPI を設計するには、KGI、CSF との関係が重要です。KGI
続的に実現可能な円(ライフサイクル)の活動にしていく必要があ
(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)とは、目標の
ります。そうすることで、変化に強い成長組織を実現していくことが
達成状況を計る上で重要となる指標を表します。CSF
できるのです。なお、本稿は継続的な改善方法である「LMIS」
(Critical Success Factors、主要成功要因)とは、目標
のコンセプトをベースに作成しております。KPI の設定とツールを
達成に向けた取り組みを表します。例えば、ユーザからのクレーム
含めた継続的な改善例などを記載したホワイトペーパーもご用意
0 件を KGI とした場合、ユーザへの回答スピードを CSF として
しております。ご興味がございましたら是非お問い合わせください。
https://www.bsp.jp/products/lmis_whitepaper.html
-3–
BSP サポート通信 Vol.3
メインフレーム版 A-AUTO 「SMF 出口の組込における PROGxx の活用(対象 z/OS)」
A-AUTO では、モニタ・システムが起動したジョブ、ステップの
ずに変更することができる。また、特定の出口プログラム
開始、終了を検知するために、OS(z/OS、MSP、VOS3、
が異常終了しても、他の出口プログラムが影響を受ける
XSP)の JES やイニシエータから呼び出される SMF/SMS 出口
ことはない。
プログラムを使用しています。A-AUTO 環境の構築には、
2. A-AUTO およびお客様の SMF 出口を共存させる場合の
SMF/SMS 出口プログラムの組込が必須となり、組込には OS
PROGxx への指定方法
の IPL が必要になるため、容易に組込を行う事ができません。
通常の組込手順は以下の通りです。
指定例①モジュール名を変える場合
① A-AUTO の SMF/SMS 出口プログラムを LPALIB に
EXIT ADD EXITNAME(SYS.IEFACTRT)
MODNAME(BSPACTRT)
EXIT ADD EXITNAME(SYS.IEFACTRT)
MODNAME(USRACTRT)
格納し、かつ、SYS1.PARMLIB の
SMFPRMxx/SMSPRMxx メンバーの、EXITS パラメー
タで出口プログラムが呼び出されるように設定する。
② A-AUTO の出口プログラムとお客様の出口プログラムを
共存させるために、A-AUTO の出口プログラムからお客
指定例②モジュール名は同じで格納ライブラリを変える場合
様の出口プログラムを CALL するように、両者を連携編
EXIT ADD EXITNAME(SYS.IEFACTRT)
MODNAME(IEFACTRT) DSNAME(AUTO.LPALIB) FIRST
EXIT ADD EXITNAME(SYS.IEFACTRT)
MODNAME(IEFACTRT) DSNAME(USER.LPALIB) LAST
集(Link Edit)する。
③ 反映のため、OS の IPL を行う。
※組み込み手順の詳細は、A-AUTO システム管理者
用マニュアルの「8 A-AUTO システムの SMF/SMS 出
(追記説明)
口」を参照してください。
・MODNAME および DSNAME パラメータで、呼び出す
一方、z/OS に限り、SYS1.PARMLIB の PROGxx メンバ
出口プログラムのモジュール名および存在するライブラリを
ーの EXIT ステートメントを使用することにより、上記の連携編集
指定します。DSNAME パラメータを指定しないと、システ
をしなくても共存させることができます。
ムは、LPA、LNKLST 連結、および中核を使用してモジ
以下にそのメリット及び、指定方法をご紹介します。
ュールを探索します。
・出口プログラムを呼び出す順番を指定したい場合には、
FIRST(最初)、LAST(最後)を指定します。順番を意
1. PROGxx の EXIT ステートメントに A-AUTO の SMF
識する必要がない場合にはどちらも指定する必要はありま
出口を指定することのメリット
せん。なお A-AUTO の SMF 出口プログラムは順番を意
①
識する必要はありません。
OS の IPL なしで動的に出口プログラムを追加/変更/
削除できる。
②
連携編集せずにお客様の出口プログラムと A-AUTO
以上、参考になりましたでしょうか。PROGxx の詳細につきまして
の出口プログラムを共存させることができる。さらに他シス
は、IBM のマニュアル「MVS 初期設定およびチューニング解説
テムの同一出口プログラムを共存させることもできる。
書」を参照ください。また、変更に当たっては、本番環境での異常
終了のリスクを減らすため、テスト環境で使用テストした後に、本
③ 複数の出口プログラムを共存させ、特定の出口プログラ
番環境を変更してください。
ムを変更する場合に、他の出口プログラムに影響を与え
BSP サポート通信に関するお問合せ
BSP サポート通信に関してのお問い合わせは、弊社の担当 SE、または以下の電話・E-Mail にて承ります。
【E-Mail】 [email protected]
【電話】 東京:
03-5463-5481 名古屋:052-569-2961 大阪:
06-6258-3451 福岡:
★お知らせ★ BSP の FAQ サイトが 2013 年 7 月 16 日にリニューアルいたしました!!
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092-437-3221