産業保健 ● Book Review 社員の健康が経営に効く［健康経営のすすめ］著者：古井祐司発行：労働調査会定価：（1,500円+税）長年の産業保健分野での経会」や「データヘルス計画」などの動きがある。本書の第験を振り返ってみても、今ほ３∼４章では、中小企業を含む企業における取組みや、ど幅広い立場から、働く人の医療保険者等との連携について具体例が紹介されてお健康について議論されているり、読者にとって、健康経営の背景とともに、実践にことはないのではないだろうか。その背景は、本書のおけるヒントを得ることができる内容となっている。第１章で詳述されているように、高齢化社会の真ったさて、本当に「社員の健康への投資は企業にとって儲だ中にいる日本では、働く人の健康は、健全な労働力かる」のであろうか。私は、本質的に健康の重要性を認の確保の視点でも、高騰する医療費の適正化の視点で識した上で健康経営に取り組む企業は、結果として大も、大きな課題として認識されているからであろう。きなリターンを得ることができるが、「儲けるために健そのような課題の達成には、企業が従業員の健康に投康投資を行う企業は儲からない」というパラドックスが資する環境を整備することが重要であり、第２章で説存在すると確信している。まずは、働く人の健康の重明されているように、アベノミクス“第３の矢” 「新た要性を認識するところから始めてほしい。な成長戦略（日本再興戦略）」の中で国民の健康寿命の延伸を目標に行われている「次世代ヘルスケア産業協議（森晃爾産業医科大学産業生態科学研究所産業保健経営学教授）特集関連資料：がん治療と仕事の両立各種支援ツールけ人向働くての全 ② 診断されたらはじめに見るけ業向 ①企がんと仕事のＱ＆Ａがんサバイバーの就労体験に学ぶ第２版がん体験者の声をもとに作られたＱ＆Ａ集。国立がん研究センター「がん情報サービス」（http://ganjoho.jp/）からダウンロード可能。企業 (上司・同僚、人事労務、事業主）のための「がん就労者」支援マニュアルがん診断を受けた従業員を支援する際に、事業場として対応する際の一助になるよう作成されたマニュアル。がん診断後から治療、復職後のフォロー期間まで、また日頃からの取組みについて、治療経過に沿って、がんをもつ労働者と職場へのより良い支援のための12のヒント支援のための向け「治療と就労の両立」護職業看産業看護職向けガイドブック産 ③ 産業看護職だけでなく、健康保険組合や労働衛生機関で働く看護職や、他職種の産業保健スタッフにも参考になる内容となっている。向け業医託産嘱 ④ ∼嘱託産業医中心に産業看護職・人事労務も必読∼ 「がん就労」復職支援ガイドブック事業場がどのような対応をすればよいかポイントがまとめられている。がん以外の病気にも応用できる内容調査結果をもとに産業保健専門家が、がん患者となっている。類し、まとめられている。の就業をサポートする際にどういった点に注意・着目しているのか、★の数で各項目の重要度を分各種支援ツール（②を除く）は、「がんと就労」サイト（http://second.cancer-work.jp/tool/index.html）でダウンロード可能。 2015.1 第 79 号産業保健 21 29