1-2 ゲーム機について ゲーム業界で扱われる商品は「ハード」=ゲーム

■1-2
ゲーム機について
ゲーム業界で扱われる商品は「ハード」=ゲーム機と、
「ソフト」=ゲームソフトに分かれる。
現在、家庭用のハードとして以下の機種が普及している。
家庭用
据え置き型
ゲーム機
WiiU、Wii
PS4(プレイステーション4)、PS3(プレイステーション3)
Xbox360(※注 5)
携帯型
ニンテンドー3DS、DSシリーズ
PSVita(プレイステーションヴィータ)
、
PSP(プレイステーションポータブル)
携帯電話
各携帯電話会社(DOCOMO、KDDI、SOFTBANK、他)の携帯電話、
いわゆるガラケー、及び、スマートフォン
パソコン
各メーカーの Windows-PC
※「うちではPS2が現役で動いているぞ」とか「Macはどうした?」など、個々のご意見もあると思うが、
ここでは2014年現在、一般家庭に普及しているハードをまとめている
ゲーム業界では各ハードを「プラットフォーム」と呼び、プラットフォームはこの図のように、家庭
用ゲーム機、携帯電話、パソコンの3系統に分かれる。
それぞれのハードは機器の構成に違いはあるものの、どれも入力装置(スイッチ、コントローラー、
タッチペンなど)、記憶装置(メモリーやハードディスク)
、中央処理装置(CPUと呼ばれる部品)で
成り立っている。
家庭用ゲーム機には2つのタイプがある。一つは「据え置き型」と呼ばれるテレビや液晶ディスプレ
イに接続するゲーム機、もう一つは「携帯型」と呼ばれる液晶画面の付いた持ち運びできる小型ゲーム
機だ。
家庭用ゲーム機は、各メーカーが数年おきに新機種(ゲーム業界では「次世代ハード」と呼んでいる)
を開発し、市場に投入してきた。一般的なゲームユーザーはハードの性能よりもソフトが充実している
か、慣れ親しんだゲームソフトの続編が発売されるかなどの理由で、新ハードの購入を決める。好みの
ソフトが発売されたタイミングで新ハードを購入するユーザーも多い。そのためハードメーカーはソフ
トメーカーを巻き込み、熾烈なシェア争いを繰り広げてきた。
新ハードに切り替わる時期には、ソフトメーカーは勝ち組となるハードでゲーム開発を行う必要があ
る。普及台数が伸びないハードのゲームを作っても必然的に売れないからだ。開発の現場は数年おきに、
新ハードに対応した開発体制を整える必要があった。
80年代前半から2000年代まで、ゲーム業界はハードメーカーがゲーム機を発売し、ソフトメー
カーがそのゲーム機専用のゲームを開発する流れで、業界全体が動いてきた。このゲーム業界の流れに
大きな影響を与えたのが、携帯電話、そしてスマートフォンだ。
携帯電話は若い世代から年配の方まで多くの人が持つデバイスであり、ゲーム専用機ではないが重要
なプラットフォームとなっている。ガラケーと呼ばれる日本国内向けの携帯電話からスマートフォンへ
の切り替えが進んでおり、スマートフォンは国内だけでなく、世界中に普及している。スマートフォン
用に開発したゲーム(アプリ)は、言語対応すれば、世界中のあらゆる国で配信することが可能だ。多
くのゲームメーカーはアプリの開発、配信に力を入れている。
携帯電話とスマートフォンがゲーム業界に与えた影響は、事項(1-3)で解説する。
パソコン用のゲームは、家庭用ゲームソフトや携帯電話用アプリの市場と比べると、市場規模は小さ
いものの(市場規模については5-1で解説)、パソコンは一家に一台から一人一台の時代になってお
り、携帯電話同様に重要なプラットフォームである。
家庭やオフィスで最も普及しているパソコンは、PC/ATと呼ばれる規格のコンピューターだ。パ
ソコンには、それを動かすためのソフトウェア(OS)がインストールされているが、PC/AT互換
機ではマイクロソフト社の Windows が世界標準のOSとして使われている。
ここでタブレットという新しいデバイスが普及しつつあることを記しておく。タブレットは液晶画
面をタッチ入力して操作するキーボードの無いコンピューターで、Android 系、iOS 系、Windows 系が
ある。
ここで各プラットフォームのゲームソフトについて簡単に説明しよう。
Windows パソコン用に作られたソフトは、どのメーカーのパソコンにインストールしても動かすこと
ができる。スマートフォンのアプリも、Android 用に開発されたものであれば全ての Android 端末、iOS
用に開発されたアプリも全ての iOS 端末で動作する。(※注 6)
一方、ゲーム機の場合は、WiiUのソフトはWiiUでしか動かず、PS4のソフトもPS4でし
か動かない。但し各メーカーの新ハードは、旧ハードの「上位互換性」を持つように作られていること
が多い。具体的には、3DSは旧ハードであるDSのソフトが動く。ゲーム機器メーカーは新ハードを
普及させるため、旧ハードのユーザーを取り込む必要があるので、新ハードでも以前のソフトが動くよ
うに設計されているのだ。
2000年代になると、ゲーム機は専用ソフトしか遊べないという流れが変化した。任天堂がWii
で他社の旧ハードで発売されたゲームをダウンロードして遊べるサービスを開始し、ソニーコンピュー
タエンタテインメント(SCE)も、プレイステーションの新ハードでプレイステーションの旧作を遊
べるサービスを行っている(※注 7)。
(※注 5) Microsoft の Xbox シリーズは Xbox one が最新機種。Xbox シリーズは日本では普及している
と言い難い機種であるが、世界的には大きなシェアを占めるハードである。
(※注 6)パソコンのソフト、スマートフォンのアプリとも、OSのバージョンや機種が違うとフリーズ
するなどの不具合が発生し、うまく動かないことはありえる。
(※注 7)SCEはスマートフォンやタブレットでプレステのゲームが遊べるサービスも行っている。