02-1.序論~2.総論(PDF形式:604KB)

【宮古市教育振興基本計画】(案)
Ⅰ 序
論
1 計 画 策 定 の趣 旨
宮 古 市 は 、 平 成 17 年 6 月 の 宮 古 市 、 田 老 町 及 び 新 里 村 の 三 市 町 村 合 併 を 機
に 、平 成 18 年 3 月 新 た に「 宮 古 市 総 合 計 画 ※ 1 」を 策 定 し ま し た 。こ の 中 で『「 森・
川・海 」と ひ と が 共 生 す る 安 ら ぎ の ま ち 』を 新 市 の 将 来 像 と し 、そ の 実 現 の た
め の 教 育 分 野 の 基 本 施 策 と し て「 個 性 を 生 か し 未 来 を 拓 く ひ と づ く り 」を 掲 げ
ました。
平 成 19 年 、新 市 で 初 め て 策 定 し た「 宮 古 市 教 育 振 興 基 本 計 画 」
( 2007~ 2014)
では、宮古市総合計画に掲げられた基本施策を推進すべく、生涯学習の推進、
学 校 教 育 の 充 実 、ス ポ ー ツ・レ ク リ エ ー シ ョ ン 及 び 文 化 の 振 興 に 積 極 的 に 取 り
組んできました。
こ の 間 、 平 成 22 年 1 月 に 川 井 村 と の 合 併 が あ り ま し た 。
さ ら に 、 平 成 23 年 に は 東 日 本 大 震 災 ・ 大 津 波 が 発 生 し た こ と か ら 、 教 育 環
境 の 再 建 に 最 優 先 で 取 り 組 む と と も に 、被 災 し た 子 ど も た ち の 就 学 支 援 や 心 身
のケアについても、継続して指導の充実に努めてきたところです。
ま た 、教 育 を 取 り 巻 く 社 会 情 勢 は 、少 子 高 齢 化 や 高 度 情 報 化 、厳 し い 経 済 環
境 や 格 差 の 存 在 な ど を 背 景 に 大 き く 変 化 し て き て お り 、学 力・学 習 意 欲 や 規 範
意識、体力・運動能力などに関する様々な課題が指摘されています。
こ の よ う な 状 況 を 踏 ま え 、本 市 教 育 の 一 層 の 充 実 を 図 る た め に 、社 会 の 変 化
を 的 確 に 把 握 す る と と も に 、長 期 的 展 望 に 立 っ た 教 育 行 政 の 方 向 や 、学 校 、家
庭 、地 域 社 会 が 一 体 と な っ て 取 り 組 む 具 体 的 な 施 策 を 市 民 の 皆 様 に 明 確 に 示 す
必要があります。
現 在 の 市 教 育 振 興 基 本 計 画 は 、 平 成 26 年 度 を も っ て 計 画 期 間 が 終 了 す る こ
と か ら 、教 育 に お け る 現 状 の 把 握 と 課 題 の 抽 出 を 行 い 、そ こ か ら 導 か れ る 今 後
5年間の教育振興のための施策を明らかにするため「宮古市教育振興基本計
画」を策定するものです。
※1
宮古市総合計画
市 の 将 来 像 や ま ち づ く り の 基 本 的 な 方 向 性 を 掲 げ た 総 合 的 な 計 画 で 、施 策 を 推 進 す る
際の指標となる。
1
2 計 画 の性 格
(1) 計画の基本的方向性
本 計 画 は 、本 市 の 教 育 が 進 む べ き 方 向 と 目 標 、そ し て 、こ れ を 達 成 す る た め
の 教 育 行 政 施 策 を 明 ら か に す る も の で あ り 、 併 せ て 、「 宮 古 市 総 合 計 画 」 の 教
育 分 野 の 基 本 施 策 で あ る「 個 性 を 生 か し 未 来 を 拓 く ひ と づ く り 」を 推 進 す る た
めの今後5年間の具体的施策や目標を示すものとします。
ま た 、本 計 画 と 国 や 県 と の 関 係 に つ い て は 、そ れ ぞ れ が 有 す る 各 種 計 画 と 調
整 を 図 り な が ら 推 進 す る と と も に 、本 市 の 特 性 や 主 体 性 を 確 保 し つ つ 、支 援 や
協 力 を 要 請 す る も の で す 。ま た 、市 民 、地 域 、企 業 、N P O 等 と の 関 係 に つ い
て は 、こ の 計 画 の 示 す 方 向 や 施 策 に つ い て 、協 力・連 携 及 び 積 極 的 な 参 加 を 求
めるものです。
(2) 計画の位置づけ
ア
本計画は、本市の教育分野における中期的な教育の振興のための施策に
関 す る 基 本 計 画 ( 教 育 基 本 法 第 17 条 第 2 項 ) と し て 位 置 づ け ま す 。
イ
本計画は、教育分野の個別計画として策定された「宮古市生涯学習推進
計画」及び「宮古市芸術文化振興計画」を包括するものと位置づけます。
ウ
本市の総合的な行政経営計画である「宮古市総合計画」や東日本大震災
により策定した「宮古市復興基本計画」※1 とは、連動して両計画の教育分
野を補完・充実させるものと位置づけます。
3 計 画 の期 間
こ の 計 画 は 、 平 成 27 年 度 ( 2015 年 度 ) を 初 年 度 と し 、 平 成 31 年 度 ( 2019 年
度)を最終年度とする5ヶ年計画とします。
4 計 画 の構 成
( 1 ) こ の 計 画 は 、「 総 論 」、「 各 論 」 及 び 「 資 料 編 」 で 構 成 し ま す 。
ア
総論においては、教育を取り巻く社会環境の変化や本市の教育の現況と
課題等を分析し、将来を見据え長期的視野に立った本市の教育振興の方向
とそれを実現するための基本的方策を明らかにします。
※1
宮古市復興基本計画
東 日 本 大 震 災 か ら の 復 興 に 向 け て 、 市 が 取 り 組 む た め の 指 針 。「 都 市 基 盤 づ く り の 方
針 」、「 復 興 に 向 け た 取 り 組 み 」、「 復 興 重 点 プ ロ ジ ェ ク ト 」 な ど で 構 成 さ れ る 。
2
イ
各 論 に お い て は 、総 論 に 基 づ き「 生 涯 学 習 の 推 進 」
「学校教育の充実」
「ス
ポ ー ツ ・ レ ク リ エ ー シ ョ ン の 振 興 」「 文 化 の 振 興 」 の 4 つ の 施 策 体 系 か ら
教育振興の基本的方策を実現するための具体的な方向及び事務事業を明
らかにします。
ウ
資料編においては、
「 基 本 計 画( 総 論・各 論 )」の 実 効 性 を 確 保 す る た め 、
計 画 期 間 内 に 重 点 的 に 実 施 す る 主 な 事 業 内 容 を 明 ら か に す る と と も に 、毎
年 度 、事 業 内 容 の 進 捗 状 況 を 確 認 し 、必 要 に 応 じ て 計 画 の 見 直 し を 行 う も
の と し ま す 。 ま た 、 基 本 計 画 の 点 検 ・ 評 価 は 、「 宮 古 市 総 合 計 画 」 に 掲 げ
られた事項について実施します。
3
【宮古市教育振興基本計画】(案)
Ⅱ 総
論
第 1章 教 育 を取 り巻 く社 会 の現 状 と課 題
計 画 策 定 に あ た っ て は 、教 育 を 取 り 巻 く 現 在 の 社 会 情 勢 や 将 来 の 展 望 を 十 分
に 踏 ま え 、本 市 に ふ さ わ し い 教 育 の 在 り 方 を 具 体 的 に 検 討 し 、必 要 な 施 策 を 実
行 す る こ と が 求 め ら れ ま す 。こ こ で は 、計 画 の 背 景 と な る 社 会 の 現 状 と 課 題 に
ついて、次のように整理します。
1 人 口 減 少 、少 子 高 齢 化 の一 層 の進 行
日 本 の 総 人 口 は 、出 生 率 の 低 下 等 に よ り 平 成 20 年 を ピ ー ク に 減 少 に 転 じ て
い ま す 。国 立 社 会 保 障・人 口 問 題 研 究 所 ※ 1 の 推 計 に よ る と 、宮 古 市 の 人 口 は 、
平 成 22 年 に 約 5 万 9 千 人 だ っ た も の が 、平 成 42 年 に は 約 1 万 6 千 人( ▲ 27% )
減 少 し 、4 万 4 千 人 を 切 る も の と 予 測 し て お り 、本 市 に お い て も 一 層 の 少 子 高
齢化が進行することが想定されます。
少子化の進行は、子どもが友達や異年齢集団の中での豊かな遊びや切磋琢
磨 す る 機 会 の 減 少 を 招 く こ と に な り 、こ れ か ら は 、多 様 な 人 間 関 係 を 学 び 社 会
性 を 育 む た め 、子 ど も の 自 立 に 不 可 欠 な 自 然 体 験 や 社 会 体 験 等 の 機 会 を 充 実 さ
せ 、様 々 な 形 で 交 流 の 場 を 設 け る と と も に 、安 心 し て 子 ど も を 産 み 育 て る こ と
が で き る 環 境 づ く り や 支 援 、社 会 全 体 で 子 ど も を 育 て る 機 運 の 醸 成 を 図 っ て い
くことが必要です。
また、高齢化については、高齢者の健康で生きがいのある環境をつくるた
め 、多 様 な 学 習 や 活 動 の 機 会 を 提 供 す る と と も に 、子 ど も が 高 齢 者 の 豊 か な 知
恵や経験に学ぶ機会を設けることも重要になります。
2 東 日 本 大 震 災 からの教 訓
東 日 本 大 震 災 に よ り 、本 市 は 大 き な 被 害 を 受 け ま し た が 、震 災 直 後 か ら 国 内
外 の 方 々 か ら 多 く の 支 援 を い た だ き 、市 民 が 一 丸 と な っ て ま ち の 復 旧・復 興 に
取 り 組 ん で き ま し た 。子 ど も た ち も 、避 難 所 運 営 の 手 伝 い や ボ ラ ン テ ィ ア 活 動
に取り組むなど、復旧・復興に大きな力を発揮しました。
一 方 、震 災 後 の 取 り 組 み と し て 、被 災 し た 子 ど も た ち を は じ め 震 災 の 影 響 を
受 け た 方 々 へ の 心 の ケ ア 、家 族 や 家 屋 を 失 っ た 子 ど も た ち の 就 学 支 援 や 市 独 自
の教育支援金の支給などについても継続して行われています。
※1
国立社会保障・人口問題研究所
社会保障や人口問題等について調査研究を行っている機関で、日本の将来人口を公表し
て い る 。そ れ に よ る と 、宮 古 市 の 人 口 は 、昭 和 35 年 の 約 8 万 1 千 人 を ピ ー ク に 減 少 に 転 じ 、
年 齢 階 層 別 で み る と 15 歳 未 満 の 人 口 割 合 は 、 平 成 22 年 の 12.2% か ら 平 成 42 年 に は 9.2%
に 減 少 す る の に 対 し 、 65 歳 以 上 の 高 齢 者 の 人 口 割 合 は 、 平 成 22 年 の 30.9% か ら 平 成 42 年
に は 40.7% に 増 加 す る と さ れ て い る 。
4
こ れ ら の 取 り 組 み を 一 過 性 の も の と せ ず 、今 後 は 、震 災 か ら 学 ん だ こ と を 教
訓 と し た 防 災 教 育 、復 興 に 向 け た 教 育 へ の 取 り 組 み が ま す ま す 重 要 に な っ て き
ます。
3 グローバル化 の進 展 、高 度 情 報 化 ・環 境 問 題 への対 応
現 在 、世 界 は 高 度 情 報 化 の 急 速 な 進 展 や 交 通 手 段 の 発 達 な ど に よ り 、人 、モ
ノ、情報の国境を越えた交流が頻繁に行われています。このグローバル化※1
の 中 で 、自 分 と は 異 な る 文 化 や 歴 史 を 持 つ 人 々 と 共 存 し て い く た め に は 、日 本
や 他 国 の 伝 統 や 文 化 を 学 び 、相 手 を 尊 重 す る 態 度 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を
身につけることが求められています。
ま た 、高 度 情 報 化 に よ り 、社 会 の あ ら ゆ る 分 野 で 必 要 な 情 報 を 主 体 的 に 選 択
する能力や情報の受発信に関するモラルについての教育の必要性が増す一方、
人 間 関 係 の 希 薄 化 や 直 接 体 験 の 不 足 な ど の 課 題 の 解 決 に 向 け て 、今 後 一 層 、学
校、家庭、地域が連携・協力して取り組んでいかなければなりません。
グ ロ ー バ ル 化 の 中 で も 近 年 、世 界 は 、異 常 気 象 や 自 然 災 害 、資 源 や 食 糧・エ
ネ ル ギ ー 問 題 な ど 、地 球 的 規 模 の 様 々 な 問 題 に 直 面 し て い ま す 。か つ て の よ う
な 物 質 的 豊 か さ の み の 追 及 と い う 視 点 か ら 脱 却 し 、豊 か な 自 然 を 継 承 す る と と
も に 、持 続 可 能 な 社 会 の 構 築 に 向 け て 一 人 ひ と り が 真 摯 に 取 り 組 ん で い く こ と
が求められています。
4 雇 用 状 況 の変 化 、ライフスタイルの多 様 化
近 年 、日 本 の 雇 用 状 況 は 、契 約 社 員 、派 遣 労 働 者 な ど 非 正 規 雇 用 の 割 合 の 増
加や若年層の就職のミスマッチによる離職など、厳しさを増しています。
こ の こ と か ら 学 校 教 育 の 場 に お い て も 、子 ど も の 個 性 や 能 力 に 応 じ 、社 会 を
生 き 抜 く た め に 必 要 な 力 を 主 体 的 に 身 に つ け 、生 か し て い く こ と が で き る 取 り
組みが求められます。
ま た 、余 暇 時 間 の 活 用 や 退 職 し た 世 代 の 増 加 等 を 背 景 に 、人 々 の ラ イ フ ス タ
イ ル や 社 会 環 境 の 変 化 に よ る 価 値 観 が 多 様 化 し て い る 状 況 を 踏 ま え 、多 彩 な 趣
味 、ス ポ ー ツ・レ ク リ エ ー シ ョ ン 、ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 な ど へ の 意 欲 を 持 つ 人 へ
の支援、学習環境の充実が必要となっています。
※1
グローバル化
「 地 球 規 模 」、「 全 世 界 的 」 と い う 意 味 。 従 来 の 国 家 ・ 地 域 の 垣 根 を 越 え て 、 世 界 の 国 々 、
人々がより緊密に結びつけられるようになること。
5
5 子 どもの安 全 確 保
子 ど も を 狙 っ て 頻 発 す る 犯 罪 、交 通 事 故 や 自 然 災 害 の ほ か 、最 近 で は 携 帯 電
話 や イ ン タ ー ネ ッ ト 等 の 悪 用 に よ り 子 ど も が 犯 罪 に 巻 き 込 ま れ る 事 件 、ト ラ ブ
ルが急増しており、子どもたちはかつてないほどの危険にさらされています。
こ の よ う な 状 況 の 中 で 、子 ど も の 安 全 を 確 保 す る た め に は 、学 校 の 指 導 体 制
の 強 化 、防 犯・防 災 教 育 や 情 報 教 育 の 充 実 と と も に 、学 校 、家 庭 、地 域 が 一 体
となった取り組みが求められています。
6 地 方 教 育 行 政 制 度 の改 革
地 方 教 育 行 政 制 度 の 改 革 に つ い て は 、こ れ ま で も 幾 度 と な く 行 わ れ て き ま し
た が 、 平 成 27 年 4 月 1 日 に 施 行 さ れ た 「 地 方 教 育 行 政 の 組 織 及 び 運 営 に 関 す
る 法 律 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 」( 平 成 26 年 法 律 第 76 号 ) で は 、 教 育 長 を 首 長
が任命して責任の明確化を図ることや新たに教育行政大綱の策定など重要案
件 を 協 議 す る「 総 合 教 育 会 議 」を 設 置 す る こ と 等 の 抜 本 的 な 改 革 内 容 と な っ て
います。
市 教 育 委 員 会 に お い て も 、こ の 制 度 改 革 の 趣 旨 を 踏 ま え 、教 育 の 政 治 的 中 立
性・継 続 性・安 定 性 を 確 保 し つ つ 、地 方 教 育 行 政 に お け る 責 任 の 明 確 化 、迅 速
な 危 機 管 理 体 制 の 構 築 、首 長 と の 連 携 強 化 を 図 り な が ら 、教 育 の 質 の 向 上 と 市
民の期待に応える教育が推進されるよう取り組んでいかなければなりません。
6
第 2章 宮 古 市 の教 育 の現 況 と課 題
1 生 涯 学 習 の推 進
想定をはるかに超えて進行する少子高齢化社会や高度情報化の進展及び
生活に対する意識や価値観の多様化などで、私たちは、いかに生きがいを
持って豊かで充実した人生を送ることができるかが重要な課題となってい
ま す 。さ ら に 、東 日 本 大 震 災 を 経 験 し た こ と に よ り 、心 の 豊 か さ や 生 き が い
を求める傾向がより一層高まっています。
また、核家族化や都市化の進行に伴い、地域の連帯感や共同意識の希薄
化、地域社会の活力の低下などが指摘されており、住民が共に支え合いな
がら、生き生きと暮らすことのできる地域社会をいかに創出できるかも重
要な課題の一つとなっています。
このように変化・発展し続ける社会のなかで、住民一人ひとりが個性や
能力を伸ばし、生きがいのある生活を送るとともに、参画と協働に向けた
市民意識の醸成を図る必要があります。
また、生涯にわたりいつでも自由に学習機会を選択でき、学習で得た知
識や技術などが、成果として適切に地域の発展や社会参加活動に活かされ
る生涯学習社会の実現が強く求められています。
こ う し た な か 、本 市 で は こ れ ま で 子 ど も の 健 や か な 成 長 を 促 す た め の 家 庭
教 育 に 関 す る 支 援 を は じ め と し 、心 豊 か な ひ と づ く り や 住 民 の 生 き が い づ く
り の た め に 各 年 代 に 応 じ た 各 種 講 座 を 開 設 す る な ど 、様 々 な 学 習 の 機 会 を 提
供 し て き ま し た が 、今 後 に お い て も 、関 係 機 関・団 体 と の 連 携・協 働 に よ る
生涯学習推進体制の充実や社会教育関連施設※1 間のネットワークを活用し
た 生 涯 学 習 の 普 及 奨 励 に 努 め る な ど 、市 民 の 主 体 的 な 学 習 活 動 や 社 会 参 加 活
動の促進を図る必要があります。
さ ら に 、今 後 、生 涯 学 習 を 推 進 す る う え で 、家 庭 教 育 及 び 社 会 教 育 の 担 う
役 割 が ま す ま す 大 き く な る こ と か ら 、家 庭 、学 校 、地 域 社 会 や 社 会 教 育 団 体
と の 連 携・協 力 を 一 層 深 め 、体 系 的 な 社 会 教 育 を 充 実 す る と と も に 、社 会 教
育 関 連 施 設 の 計 画 的 な 整 備 を 進 め る な ど 、学 習 環 境 の 充 実 を 図 る 必 要 が あ り
ます。
※1
社会教育関連施設
公 民 館 、図 書 館 、体 育 施 設 な ど 、家 庭 や 学 校 の 外 で 、子 ど も か ら 高 齢 者 ま で す べ て の 年 齢
の 人 に 、学 習 や 研 修 、ス ポ ー ツ 、趣 味 な ど を 楽 し む 機 会 を 提 供 す る こ と が で き る 生 涯 学 習 の
ための施設。
7
2 学 校 教 育 の充 実
今 日 の 子 ど も た ち は 、物 質 的 な 豊 か さ や 便 利 さ と と も に 、国 際 化 や 情 報 化
の 進 展 、科 学 技 術 な ど の 進 歩 、深 刻 な 環 境 問 題 や 少 子 高 齢 化 な ど 、大 き く 変
化する社会の中で生活しています。
こ の よ う な 状 況 に お い て 、子 ど も の「 生 き る 力 」を 育 ん で 健 や か な 成 長 を
促 す た め に は 、生 涯 を 通 じ 学 び 続 け る 資 質 や 能 力 を 育 成 す る た め の 基 礎 的 ・
基 本 的 な 知 識 や 技 能 は も ち ろ ん の こ と 、自 ら 課 題 を 見 つ け 、学 び 考 え 行 動 す
る 確 か な 学 力 、他 人 と の 協 調 性 を 有 し 、思 い や り や 感 動 す る 心 な ど を 持 っ た
豊 か な 人 間 性 や 社 会 性 、そ し て 、た く ま し く 生 き る た め の 健 康 や 体 力 な ど を
身につけさせることが求められています。
特 に 、東 日 本 大 震 災 後 の 子 ど も た ち に 対 す る 中 長 期 的 な 心 の ケ ア と 、震 災
を 通 し て 学 ん だ 命 の 尊 さ 、自 助 及 び 共 助 の 経 験 を 生 か し た 取 り 組 み を 今 後 も
進めていく必要があります。
また、従来の特別支援教育※2 の枠では捉えきれない子どもたちの増加や
地 域 の 人 間 関 係 や 連 帯 感 の 希 薄 化 、家 計 に 占 め る 教 育 費 の 増 、学 校 の 小 規 模
校 化 や 施 設 の 著 し い 老 朽 化 等 の 多 様 な 課 題 に 、き め 細 か に 対 応 す る こ と が 求
められています。
さ ら に 、急 増 す る 悪 質 な 犯 罪 や 交 通 事 故 、自 然 災 害 等 に 対 処 す る た め 、子
どもたちの安全・安心な生活を確保することも求められています。
そ の た め に は 、学 校 の 指 導 や 教 育 体 制 の 充 実 の ほ か 、教 育 環 境 の 整 備 を 進
め る と と も に 、学 校 、家 庭 、地 域 の 役 割 と 責 任 を 改 め て 認 識 し な が ら 、連 携
していく必要があります。
3 スポーツ・レクリエーションの振 興
ス ポ ー ツ や レ ク リ エ ー シ ョ ン は 、健 康 の 保 持 増 進 や 体 力 の 向 上 と い っ た 全
国 的 な「 健 康 志 向 」の 増 加 と と も に 、豊 か な 生 活 を 営 む う え で そ の 役 割 が ま
す ま す 重 要 度 を 増 し て い ま す 。現 在 、少 子 高 齢 化 が 進 む な か で は 、個 々 の ラ
イ フ ス タ イ ル が 多 様 化 し て い る こ と か ら 、関 係 機 関・団 体 等 と の 連 携・協 力
によるきめ細かな推進体制の構築が求められています。
※2
特別支援教育
従 来 の 特 別 支 援 教 育 の 対 象 と な る 障 が い( 知 的 障 害 、自 閉 症 ・ 情 緒 障 害 、言 語 障 害 、視 覚
障 害 、 聴 覚 障 害 、 肢 体 不 自 由 、 病 弱 ・ 身 体 虚 弱 ) だ け で な く 、 LD( 学 習 障 害 ) や ADHD( 注
意 欠 陥 ・ 多 動 性 障 害 )、 高 機 能 自 閉 症 を 含 め 、 障 が い の あ る 児 童 生 徒 の 自 立 や 社 会 参 加 に 向
け て 、そ の 一 人 ひ と り の 教 育 的 ニ ー ズ を 把 握 し 、そ の 持 て る 力 を 高 め 生 活 や 学 習 上 の 困 難 を
改善又は克服するために適切な指導や支援を行う教育。
8
ま た 、東 日 本 大 震 災 に よ り 市 民 は も と よ り 子 ど も た ち の 基 礎 体 力 の 低 下 が
懸 念 さ れ て お り 、活 動 機 会 の 提 供 が 課 題 と な っ て き た こ と か ら 、ス ポ ー ツ ・
レ ク リ エ ー シ ョ ン 活 動 の 普 及 を 図 る た め 、市 民 総 合 体 育 大 会 や 各 種 ス ポ ー ツ
教 室 、レ ク リ エ ー シ ョ ン 大 会 な ど を 数 多 く 開 催 し 、市 民 の 生 涯 ス ポ ー ツ と し
ての基盤を定着させてきました。
一 方 、競 技 ス ポ ー ツ に つ い て は 、ヨ ッ ト や レ ス リ ン グ 等 全 国 的 に 好 成 績 を
あ げ て い る 競 技 種 目 は も と よ り 、他 の 種 目 に お い て も 全 国 的 な ス ポ ー ツ イ ベ
ントの招致や指導者の育成・確保による競技力の向上が求められています。
こ の こ と か ら 、市 民 の ス ポ ー ツ や レ ク リ エ ー シ ョ ン 活 動 を よ り 一 層 活 発 に
す る た め 、関 係 機 関・団 体 と の 連 携・協 力 を さ ら に 強 固 な も の と し 、推 進 体
制の整備に努めていく必要があります。
ま た 、誰 も が 身 近 に ス ポ ー ツ・レ ク リ エ ー シ ョ ン に 親 し む こ と が 出 来 る よ
う 、施 設 設 備 の 充 実 を 図 り な が ら 、
「 総 合 型 地 域 ス ポ ー ツ ク ラ ブ ※ 1 」の 育 成 、
普及を進めていく必要があります。
な お 、東 日 本 大 震 災 に よ り 被 災 し た ス ポ ー ツ 施 設 に つ い て は 、市 民 の 運 動
の場を確保するため、早期に復旧整備する必要があります。
※1
総合型地域スポーツクラブ
小 規 模 、単 一 種 目 、同 一 年 齢 の 特 定 の 仲 間 に よ る ス ポ ー ツ ク ラ ブ で は な く 、地 域 住 民 が
主 体 的 に 運 営 す る ス ポ ー ツ ク ラ ブ 。会 員 は 多 世 代 で 、体 力 や 年 齢 、技 術 、興 味 、目 的 な ど
に応じて、複数のスポーツ種目が選択できる。
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4 文 化 の振 興
東 日 本 大 震 災 後 、混 乱 や 不 安 の な か で 全 国 か ら 音 楽 や 演 劇 な ど 数 多 く の 芸
術 文 化 関 連 の 支 援 を い た だ い た こ と は 、多 く の 市 民 に と っ て 心 の 癒 し と な り
ま し た 。震 災 後 の 復 興 に は 、こ の よ う な 芸 術 文 化 に よ る「 心 の 復 興 」が 極 め
て重要であるといえます。
そ の 中 で 、市 民 文 化 会 館 は 津 波 被 災 に よ り 長 期 の 休 館 を 余 儀 な く さ れ ま し
た が 、復 旧 後 は 、市 民 に と っ て 地 域 に 根 差 し た 芸 術 文 化 活 動 や 様 々 な 芸 術 文
化鑑賞の提供が受けられる芸術文化の復興拠点施設として積極的に活用し
ていくことが大切です。
一 方 、文 化 財 に つ い て は 、国 指 定 史 跡 崎 山 貝 塚 ※ 2 に お い て 史 跡 公 園 と 施 設
の 整 備 を 推 進 し 、学 校 や 地 域 社 会 と の 連 携 に よ る 幅 広 い 活 用 を 図 る こ と が 求
め ら れ て い ま す 。ま た 、民 俗 芸 能 ※ 3 に つ い て は 、伝 承 団 体 の 保 護 や 活 動 支 援
に 努 め 、公 開 を 推 進 す る と と も に 、民 俗 芸 能 の 継 承 者 を 育 成 す る 必 要 が あ り
ます。
北上山地民俗資料館については、国指定重要有形民俗文化財「北上山地
川井村の山村生活用具コレクション」を含む所蔵資料の保存と公開を 引き
続き行うとともに、北上山地に存在する民俗資料の調査や収集をさらに進
め、展示や体験学習などにより、民俗資料に対する理解を一層深めて いく
必要があります。
なお、埋 蔵文 化財 ※ 4 に つい て は、震 災 復興 関連 事業 に 伴 う発 掘調 査に 迅
速に対応するとともに、新たな調査成果に基づく出土品の保存や公開、遺
跡調査報告会や体験学習などにより地域の歴史と文化に対する理解の促進
を図る必要があります。
市史編さん※5 については、市内各地域の古文書などの歴史資料を収集・
保存し、市史資料として後世に継承する必要があります。
※2
崎山貝塚
崎山地区にある縄文時代の遺跡。当時の人々の食べ物、動物の骨や角で作られた道具
が出土しており、縄文時代の生活を知るうえで重要な遺跡であり、平成8年に国の史跡
として指定された。
※3
民俗芸能
地 域 社 会 の 中 で 伝 承 さ れ 、祭 礼 や 年 中 行 事 な ど の 決 め ら れ た 時 に 、五 穀 豊 穣 、大 漁 祈 願 、
除災招福、祖先供養などの生活に根ざした信仰と結びついて行われてきた芸能。
※4
埋蔵文化財
土地に埋蔵されている状態の文化財。住居跡などの遺構と、土器や石器などの遺物が
あり、過去の人々の生活の痕跡を示す歴史的な資料となる。
※5
市史編さん
市の歴史や民俗等に関する資料を収集、整理し、市史として編集すること。
10
第 3章 施 策 の基 本 方 向 と施 策 体 系
1 生 涯 学 習 の推 進
(1)推進体制の充実
市 民 の 学 習 活 動 に 対 す る 関 心 の 多 様 化 や 高 度 化 に 応 え る た め 、関 係 機 関 ・
団 体 及 び 市 民 等 と の 連 携・協 働 に よ り 生 涯 学 習 を 総 合 的 に 推 進 す る「 宮 古 市
生 涯 学 習 推 進 本 部 ※ 1 」及 び「 宮 古 市 生 涯 学 習 推 進 会 議 ※ 2 」を 中 心 と し て 、い
つでも、どこでも、だれでも学習できる環境づくりを進めます。
(2)生涯学習環境の整備
公 民 館 、生 涯 学 習 セ ン タ ー 及 び 図 書 館 等 の 社 会 教 育 関 連 施 設 の 計 画 的 な 整
備 充 実 を 進 め る と と も に 、施 設 間 の ネ ッ ト ワ ー ク を 充 実 さ せ 、市 民 の 学 習 機
会の拡大を図ります。
(3)家庭及び青少年の学習活動の支援
子どもの発達段階に応じた学習機会の提供や相談体制及び読書に親しむ
環 境 の 充 実 を 図 る と と も に 、主 体 的 に 学 ぶ 人 間 性 と 心 豊 か な 青 少 年 を 育 成 す
る た め 、家 庭 、地 域 、学 校 が 連 携 し て 地 域 ぐ る み で 子 ど も を 育 て る 環 境 づ く
りを支援します。
(4)成人の学習活動の支援
市 民 の 多 様 化 、高 度 化 す る 学 習 ニ ー ズ に 応 え る た め 、充 実 し た 学 習 機 会 の
提 供 を 行 う と と も に 、成 人 の 学 習 活 動 や 研 修 会 な ど の 成 果 が 地 域 づ く り 活 動
へ繋がるよう指導者の育成を図ります。
(5)生涯学習関係活動団体の支援
生 涯 学 習 活 動 や 地 域 づ く り 活 動 を 行 う 団 体 や グ ル ー プ に 対 し て 、継 続 的 な
活動と団体やグループの活性化が図れるように助言や支援を行います。
2 学 校 教 育 の充 実
(1)確かな学力を育む教育の推進
基 礎 的・基 本 的 な 学 習 内 容 を 習 得 さ せ る た め の「 わ か る 授 業 」の 実 施 に 努
めます。
ま た 、子 ど も 一 人 ひ と り が 持 つ 能 力 や 個 性 を 伸 ば し 、自 ら 学 び 自 ら 考 え 問
題 を 解 決 で き る 力 を 育 み 、「 学 ぶ 楽 し さ 」 を 実 感 で き る 個 に 応 じ た 指 導 の 充
実を図ります。
※1
宮古市生涯学習推進本部
生涯学習に関する施策を総合的、効果的に推進する全庁的な市の内部組織。
※2
宮古市生涯学習推進会議
生涯学習に関する施策を市全体で総合的、効果的に推進する民間委員による組織。
11
(2)豊かな心を育む教育の推進
学 校 図 書 の 充 実 に よ り 、読 書 活 動 及 び 読 書 指 導 を 推 進 し 、子 ど も の 豊 か な
知 性 や 感 性 な ど を 育 む と と も に 、国 際 理 解 教 育 の 充 実 を 図 り 、コ ミ ュ ニ ケ ー
ション能力の向上や異文化を理解する資質や態度を育むよう に努めます。
ま た 、家 庭 、地 域 と の 連 携 に よ る ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 、自 然 体 験 活 動 な ど に
取 り 組 む ほ か 、郷 土 の 文 化・伝 統 に 親 し む 活 動 な ど を 通 じ て 、子 ど も が 道 徳
的 価 値 に 気 づ き 、人 間 と し て の 生 き 方 に つ い て の 考 え を 深 め る こ と が で き る
よう指導の充実を図ります。
さ ら に 、東 日 本 大 震 災 に よ り 心 に 傷 を 受 け た 子 ど も た ち に 対 し 、適 切 な 心
の ケ ア が 行 え る よ う 、学 校 と 関 係 機 関 が 連 携 し て き め 細 か な 指 導 を 行 っ て い
きます。
(3)健やかな体を育む教育の推進
子 ど も の 基 礎 体 力 向 上 の た め 、一 人 ひ と り の 発 育 状 況 を 見 極 め な が ら 、学
校 で の 教 育 活 動 や 部 活 動 を 通 じ て 、子 ど も が 積 極 的 に 運 動 に 取 り 組 む こ と が
できる教育環境づくりを進めます。
ま た 、肥 満 や 生 活 習 慣 病 の 兆 候 な ど 、子 ど も の 疾 患 の 多 様 化 に 対 応 す る た
め 、日 常 の 健 康 観 察 を 重 視 し 、定 期 健 康 診 断 等 に よ る 保 健 管 理 の 徹 底 を 図 る
とともに、健康教育及び食育※3 の充実を図ります。
(4)特別支援教育の充実
支 援 が 必 要 な す べ て の 子 ど も に 適 切 な 支 援 が で き る よ う 、「 個 別 の 教 育 支
援 計 画 」の 策 定 を 進 め る と と も に 、必 要 な す べ て の 学 校 に 特 別 支 援 教 育 支 援
員を配置するなど、支援体制の充実を図ります。
ま た 、こ ど も 発 達 支 援 セ ン タ ー に お い て 、発 達 の ア ン バ ラ ン ス な ど か ら な
る「困り」※4 によって、支援が必要な子どもとその支援者に対し、子ども
理 解 の た め の 情 報 提 供 や 支 援 を 行 う と と も に 、そ の 情 報 を 引 き 継 い で い く 体
制づくりを進めていきます。
(5)相談・支援体制の充実
子 ど も の 不 登 校 や 問 題 行 動 な ど に 適 切 に 対 処 す る た め 、専 門 的 知 識 を 持 っ
た 相 談 員 や 支 援 員 を 配 置 し 、東 日 本 大 震 災 後 の 心 の ケ ア も 含 め た 家 庭 、地 域 、
関係機関との連携による教育相談体制の整備・充実を図ります。
※3
食育
「食」を通して、健全な食生活を実践することができる人を育てる教育。
※4
「困り」
嫌 な 思 い や 苦 し い 思 い を し な が ら も 、そ れ を 自 分 だ け で は 上 手 く 解 決 で き ず 、ど う し た
らよいか分からない状態。障害名や診断名に関わらず、本人が困難さを感じている部分。
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(6)教育環境の充実
学校評議員※1 の活用や学校評価の実施などにより、保護者や地域住民が
参画しやすい「開かれた学校づくり」を推進します。
ま た 、犯 罪 や 交 通 事 故 、地 震 や 津 波 等 の 自 然 災 害 か ら 子 ど も の 安 全 を 確 保
す る た め 、学 校 、家 庭 、地 域 の 連 携 を 進 め る と と も に 、関 係 機 関 と の 協 力 の
もと、子どもが安心して生活できる環境の整備に努めます。
な お 、経 済 的 な 理 由 に よ り 就 学 が 困 難 な 子 ど も の 保 護 者 に 対 し て 、学 用 品
費 の 給 付 な ど の 就 学 支 援 を 実 施 す る と と も に 、遠 距 離 通 学 す る 子 ど も に 対 し
ては、通学時の交通手段の確保を図ります。
さ ら に 、子 ど も の 教 育 環 境 を 改 善 す る た め 、小・中 学 校 の 適 正 配 置 を 検 討
するとともに、学校間連携を積極的に推進していきます。
(7)学校施設・設備の充実
情 報 化 社 会 に 対 応 す る た め 、パ ソ コ ン 教 育 環 境 整 備 の 推 進 や 子 ど も 一 人 ひ
とりの情報活用能力の向上に努めます。
ま た 、子 ど も の 安 全・安 心 の た め 、老 朽 化 の 著 し い 校 舎 等 の 改 修 を 計 画 的
に実施します。
3 スポーツ・レクリエーションの振 興
(1)推進体制の充実
ス ポ ー ツ 関 係 団 体 と 連 携・協 力 し な が ら 、広 報 誌 、機 関 紙 及 び イ ン タ ー ネ
ットなどの情報発信を含めたスポーツ推進体制の充実を図ります。
(2)指導者の確保・育成
市 民 の 多 様 化 す る 要 望 に 応 え る た め 、研 修 事 業 の 充 実 に よ る 指 導 者 の 育 成
やスポーツリーダーバンクの充実による指導者の確保を図ります 。
(3)活動機会の提供
市 民 一 人 ひ と り の ラ イ フ ス テ ー ジ に 応 じ た 競 技 会 、生 涯 ス ポ ー ツ や ス ポ ー
ツ・レクリエーション活動を推進します。
ま た 、各 種 の 大 会 、講 習 会 や 教 室 を 開 催 す る ほ か 、ス ポ ー ツ・レ ク リ エ ー
ション団体の支援、総合型地域スポーツクラブの育成・普及を図ります。
※1
学校評議員
校 長 が 学 校 経 営 に つ い て 助 言 等 を 受 け る た め 、教 育 に 関 す る 理 解 や 見 識 を 有 す る 人 の う
ちから、校長の推薦により教育委員会が委嘱する人。各校5名を標準とする。
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(4)選手の育成強化
各 種 目 に お い て 競 技 力 の 向 上 を 図 る た め 、全 国 的 な ス ポ ー ツ イ ベ ン ト の 招
致 に よ り 高 度 な 技 術 に 触 れ る 機 会 を 数 多 く 提 供 す る と と も に 、関 係 団 体 な ど
との連携により、少年期からの一貫指導による選手の育成強化を図ります。
(5)スポーツ環境の整備
市 民 が 生 涯 に わ た り 身 近 に ス ポ ー ツ・レ ク リ エ ー シ ョ ン に 親 し む こ と が で
き る 施 設 を 整 備 す る と と も に 、老 朽 化 が 著 し い 施 設 は 、計 画 的 に 改 修 し ま す 。
4 文 化 の振 興
(1)芸術文化の推進
市 民 文 化 会 館 を 芸 術 文 化 活 動 の 拠 点 施 設 と し て 位 置 づ け 、市 民 に 各 種 芸 術
文 化 鑑 賞 の 機 会 や 市 民 文 化 祭 な ど 、芸 術 文 化 活 動 の 発 表 の 機 会 を 提 供 し ま す 。
ま た 、芸 術 文 化 団 体 の 基 盤 強 化 や 人 材 育 成 の 観 点 か ら 、こ れ ら の 団 体 が 行
う芸術文化活動に対して、支援に努めます。
市 民 に 芸 術 鑑 賞 、創 作 発 表 の 機 会 を 数 多 く 提 供 し 、東 日 本 大 震 災 か ら の「 心
の復興」を推進します。
(2)文化財の保護と活用
国 指 定 史 跡 の 崎 山 貝 塚 は 、「 崎 山 貝 塚 縄 文 の 森 公 園 」 と し て 整 備 を 行 い 、
地域の歴史教育や体験学習の拠点としての活用を推進します。
また、有形文化財※2 や民俗文化財※3 などの調査を行い、適切な保存に努
めるほか、民俗芸能の保存と伝承のため、保存団体の支援に努めます。
北 上 山 地 民 俗 資 料 館 は 、民 俗 資 料 の 収 集 と 展 示 を 行 う と と も に 、国 指 定 重
要 有 形 民 俗 文 化 財「 北 上 山 地 川 井 村 の 山 村 生 活 用 具 コ レ ク シ ョ ン 」を 含 む 所
蔵資料の保存・公開を行います。
ま た 、有 形 民 俗 資 料 の 調 査 を 行 い 、そ の 結 果 を 企 画 展 示 、体 験 学 習 、情 報
発信により北上山地の生活文化や生活技術を継承します。
埋 蔵 文 化 財 は 、震 災 復 興 関 連 事 業 と の 調 整 を 図 り な が ら 調 査 を 進 め 、新 た
な調査成果に基づき遺跡調査報告会や出土遺物の一般公開などを行います。
※2
有形文化財
有 形 の 文 化 的 所 産 。絵 画 、工 芸 品 、古 文 書 、考 古 資 料 、歴 史 資 料 、建 造 物 な ど に 分 類 さ
れる。
※3
民俗文化財
民 俗 芸 能 、民 俗 技 術 、信 仰 、年 中 行 事 な ど の 無 形 民 俗 文 化 財 と 、こ れ ら に 用 い ら れ る 衣
服や道具などの有形民俗文化財のこと。
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(3)市史の継承
古 文 書 な ど を 収 集 、保 存 し 、市 史 資 料 と し て 後 世 に 継 承 す る と と も に 、そ
の公開や活用を推進します。
ま た 、過 疎 化 に よ っ て 失 わ れ つ つ あ る 民 俗 資 料 の 収 集 、記 録 保 存 を す る こ
とによって、地域の生活文化の継承に努めます。
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